健二さんのこと

 酒好きの健二さん。
 深夜、飲みすぎで脳溢血を起こして急逝してしまった健二さん。
 傍から見れば大きな家ばかりで裕福そうに見えるこの村。
 実を言えば年金暮らしの年寄ばかり。
 子供の数が極端に少なく、いるのは年寄ばかり。
 限界集落というんだそうだが、まさに限界。
 子、孫はいるが別居しており、近隣集落との運動会などと言っても、参加できる人そのものが不足しており、駆けっこは不参加。
 他の村では村の中で競争してから優秀者が参加するそうだが、参加できる人そのものがいないというのが実情。
 来年は出てくれなどと言われても尾、下手に参加してランニングすれば、何かの拍子に足を痛め、私までビッコを引く状態になればもはや我が家に健常者は一人もいなくなる。
 アルツハイマーの母、肺炎が治りかけの妻、ビッコの私。
 こっりゃ少々悲惨すぎるだろう。
 近隣の人は「あんたも何か作物を作りなさいよ」と勧めてくれる。
 百姓家なんだから作物作るのはあたりまえ。
 種さえまけば多少不出来でも生えて来るのがあたりまえ。
 来年はもう一歩、百姓に近づこう。