2005年、英国の超一流内科誌に「日本の証明医療」(Evidence-based medicine in Japan)という記事*が掲載された。何故、日本に証明医療が定着しないのかという内容で、‘本の医師は、データより経験を重視する。医局構造、先輩医師への従属を挙げていた。
 僕に言わせれば、他にも次の理由が挙げられる。ほとんどの日本人医師は、欧米の一流医学誌(英語)を読まない・読めない(私事だが、医師一年目に国内誌で騙されて以来、日本語雑誌やネット情報は読まない)。す馥盂慍顱4流以下)や国際学会(3流)、また製薬会社主催の研究会に出席して、勉強した気になり、所詮耳学問であること、そして洗脳されていることに気づかない。グ緡填罰Δ糧鳳匹鯡榲とした、権威者、製薬会社、そして行政の情報操作を見抜けないマスメディア。Ε縫三絣悄粉訴薬など)と科学的データに裏付けられた医療を区別できない医者と患者。そして 保険医療制度、無駄な検査や治療を行わないと儲からない仕組み。

 殆どの日本人が英語を喋れないのは、日本語と英語に共通点がないのに、英語教育にかける時間が極端に短いから。医者とて英語を操れるのは極少数。2年程度の留学では喋れるようにならない
 英語で論文を読み書きできる医者は多少いるが、それは出世するための小道具、論文を量産しなければ出世できぬ。例えば、癌患者さんを対象とした無作為対照化試験(RCT)を実施するには、膨大な費用と時間を要し、また論文を量産できない。だから、細胞や小動物を用いた屁の役にも立たない研究が跋扈し、論文を量産、めでたく教授になる。
 日本には事実上、RCTは存在しない。製薬メーカーが出資する、厚生省の認可を得るための「RCTもどき」だけ。
 英語の教科書や論文で治療法や診断法をいくら学んでも出世の足しにはならないから、「RCTの意義」とか「標準治療」さえご存知でない、あげく漢方薬などを処方するお医者様が多いのです。
 世界中の医者が英語で臨床医学を勉強している中、英語から隔離されたこの島国、「ガラパゴス医学」、「妖学」が育まれているのです。
Lancet 366:122 July9, 2005 
リー湘南クリニック leeshonan@gmail.com  拙著「癌患者を救いたい PSA検診のウソ」(正誤表) (2007年1月と5月の記事、校正)