ここのところ、複数の若い男性が「尿漏れ」を主訴に来院され、おかしな質問を発する。「腰部の筋がおかしいのですか」とか「前立腺の異常ですか」とか。どうやら、ネット上で、ガセネタをつかまらせているようだ。若い男性の尿漏れは、排尿後に前立腺直下の尿道(=膜様部尿道)に尿が残るため。対策は、洋便器に座り、尿が全部出ききるまで、待つこと、下着を汚すことは無くなります。米国の教科書に記されている「会陰部から膜様部尿道を圧迫する方法」は、なぜかあまり効果が無い。
 原因は分からないが、ここ 10年、比較的若い 40代の前立腺肥大症(BPH)の方を散見する。僕が医者になったころは、60歳前の方にはまず見られなかった。BPHで、尿意切迫(トイレが間に合わず、尿を漏らす)をはじめ、下部尿路通過障害による症状(LUTS)が強い場合、治療する、お困りでない場合は放置する。最近、「ユリーフ(α1・ブロッカー)」という薬が LUTSを著明に改善することが明らかにされた(J. of Urology 電子版)。
 だいぶ前、もう潰れた会社の営業マンが「先生ご存知の”ルッツ”が…」といったので、「何だ、それ」と尋ねたら、Lowere Urinary Tract Symptoms、略して LUTSを訳も分からず、ルッツ、ルッツと言っていた。
リー湘南クリニック leeshonan@gmail.com  拙著「癌患者を救いたい PSA検診のウソ」(正誤表) (2009年6月の記事、校正)