「意地悪やいじめじゃないの、躾なのよ」
ユリアの説明も耳に入らないほど人を踏んでいる事に動揺していた。
不思議とひどいことをしているという気にはならない
ここを訪れる前に何度も縛られていたし抱かれてもいた、しかし踏まれたりした事はなかったそのような行為は由貴とのプレイで見ただけだった
ただ載せているだけなのにドキドキしている
頭の中では「踏んでる」と言う単語だけが駆け巡っている
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「結衣さん」
名前を呼ばれ我に帰りあわてて足を降ろした
ロンは仕事へと戻った
「どんな感じだった?」
「普通は絶対する事がないから」
「踏まれたい人にするのは愛撫と同じだと思わない?結衣さんも愛撫されて触れて欲しい場所や触られ方があるでしょう?それが踏まれる事だとしたら理解してあげる事も大切よ、同じように踏みたい人もいるの、でも貴方が言ったみたいに普通は巡り会わないから気がつかないの、こう言う場所に来る人は気がつける人ね」
そんな会話をするうちにクラブではショーが始まる
「踏みつけた時の横顔は綺麗だったわよ、ゆっくりしてね後で戻ってくるから」
ユリアが席を外し、ステージでは緊縛ショーが始まっていた
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「いやらしいと感じるか綺麗だと感じるかで見え方が違うんだ結衣や由貴は綺麗に見えるはずだよ」
その通りだった結衣には嫌悪感は初めからなかった
それは田中と由貴のプレイを見ていたからかもしれないし、自分自身が縄酔を経験したからかもしれない、そしてさっきの経験はSの部分の扉を開くきっかけになった
(もう一度踏んで確かめてみたい、でもどうやって?)
ステージではユリアとロンのショーが始まった
首輪をつけられたロンを従え中央に進むユリアの姿に釘付けになった
(素敵、カッコいい)
跪き恭しく足元にひれ伏すロン、見つめ合いビンタが飛ぶ土下座したロンの頭を踏みつける、身体中を踏みつけ身体が少し赤みを帯びる鞭を打ち緊縛される頃にはロンは恍惚な表情になっていた
横からその表情を見つめる田中は結衣の中に母性を感じていた、それは女王様にとって必要不可欠な要素だっ田中はMではない、結衣の綺麗な肌を縄で染めたいと思っているが彼女の素質も尊重してあげたいと思っていた
(M男なら結衣の前に跪きたいと思うんだろうな)
踏みたいと思う気持ちのまま結衣はホテルで田中の緊縛に身を委ねていたきつく締められているが優しく感じる
「ご主人様、いつもありがとうございます」
ご主人様と初めて呼んだ、クラブ内での会話が耳に残っていた緊縛はSEXの延長だったのでそう呼ぶこともなく田中も呼ぶようには言わなかった
結衣はSMとして緊縛を捉えるように短い経験でなっていた
いつもより長く縛られた緊縛を解かれると結衣は直ぐに田中のモノを口に含んだ、少しでも早く田中にも気持ち良くなって欲しいと思ったからだ
「ご主人様」
何度も繰り返した、繰り返すたびに気持ちが広がるような気がする
「今日の結衣は大人びて見えたよ、今は綺麗だ」
程よい大きさの乳房は田中の手のひらの中で揉まれ乳首をボッキさせている、深く迎え入れ喘ぎ声を漏らす
全身の力が抜け田中の操り人形のように体位を変えていく
「ご主人様ののモノが深く入っていますっ!」
結衣は両腕をしっかりと背中に回している
「あああっイクーーー」
瑞々しい身体が中年男の身体に包まれる
いつもと違う反応に田中も興奮し腰の動きを早めた
「結衣、逝くぞううう」
「ごっご主人様っ」
「結衣っ」
長い髪が艶やかに揺れる度に上品な香りが漂う
結衣と出会ってから高貴な雰囲気が似合う女になると感じていたまだ身体を重ね数ヶ月であったが抱かれた時の感情の表し方も田中でさえ溺れるような感覚になっていた
それも愛情に薄かった生い立ちに関係すると感じていた結衣は自然と愛情を求めていた
それが正直な感情表現につながっているのだ
本気で感じる女を美しいと思わない男はいないだろう
自分の身体の下で田中と繋がっている結衣は眩しいほどに美しい表情で受け入れていた
いつものように自宅に送り帰ろうとする田中を結衣が呼び止めた
「今日は上がって下さい」
綺麗に整えられた部屋のテーブルに座るとコーヒーが出された
「まさかこんなに綺麗にしてるとは思わなかったよ」
「今までの反動ですよ」
皮肉なもので今までの散らかったネグレストの環境が潔癖症に近い清潔な部屋を好むようになっていた
「この部屋を見ただけで援助してよかったと思うよ、それに結衣とは特別な関係だけど好きな様に生活して良いんだよ」
結衣が援助の代わりに自分の女として生活リズムを合わせようとしていることには気がついていた
「全てを説明する必要はない、合わせるのは私だ結衣が受け入れられなくなったら別れればいいんだ、囲ってるつもりはないよ」
田中は結衣名義の通帳をテーブルの上に置いた
「4年間の家賃や生活費、学費だ全て結衣が管理すればいい、全て君のものだ」
結衣はそんなことは望んでいるわけではなかった
「結衣を今まで以上に大切にするよ、だからやりたいことは経験してみるんだ、さっきのお店のようにね」