無観客な上に何とも締まらない結果になった。
どう頑張って裁定を下しても馬券購入者の全員納得しないという点で、制裁対象行為はダメ。

【採点基準】
・基本的には筆者のフィーリングです。
・イタリアの新聞よろしく、6.0が基準点で10.0が満点です。
・馬自体の評価は難しいですが、期待される着順だったかどうか、意味のある着順だったかどうかも採点に含みます。
・レース映像と直後の裁定等のみを見た時点での速報的な採点です。正確性はありません。馬の故障などの事象に関しても、レース後のコメントなどは基本的に参考にしないので、点数が不当に低くなる場合があります。数日後に見ればとんでもない点数ということもあるでしょうが、気にしません。
・全体的なパフォーマンスを基に、目立ったアクションで増減します。一点突破や小ネタで高い点をつけることもありますので、かならずしも着順と点数は連動しません。制裁対象行為には厳しめです。
・最も高得点をつけた騎手(のうち一人)をMOR(マンオブザレース)とします。
以下枠順、敬称略。

odds

単勝の支持率はこんな感じでした。縦軸は対数目盛です。

1.丸山・ステルヴィオ(7人気24.8倍/9着):6.0
スタートは五分、出脚はイマイチだがかなり強く促され、最内枠もあって中団辺りからの競馬に。そのまま内を回って直線へ、内目で追われたが伸び脚に見るべき所はなく馬群の中でのゴールとなった。悪くない競馬は出来たが適性が無かった。

2.松山・アウィルアウェイ(11人気38.1倍/11着):6.0
内から無理なくダイアトニックの後ろ、ステルヴィオの外に付ける。4角である程度外目を意識しつつ直線では馬群の中を捌いていくような進路取り。周囲と同じような脚色で特別下がる事も伸びる事も無かった。

3.北村友・ダイアトニック(4人気9.2倍/3着(4着入線)):6.5
素晴らしいスタートを決めたが無理せずに外の馬を行かせて好位馬群の中からの競馬を選択。内目で脚を溜めながら4角出口へ、セイウンコウセイの内が空いておりスムーズに追い出しを開始できたが、クリノガウディーが内に寄れてモズスーパーフレアとの間に挟まれる格好になって一度手綱を引いてしまう。最後はもう一度立て直されて少し伸びたが、僅差の中で4着での入線に終わった。不利がなかった場合にクリノガウディーに先着できたかは微妙だと思うが、裁定としてはそういう事になっている。流れに任せて内で脚を溜める、いかにもこの鞍上らしい騎乗だったが、絶好のスタートを決めた時点でもう少し積極的に行っていれば(セイウンコウセイの競馬)、そもそも不利も受けず完勝出来たのでは?と思う。

4.国分優・ティーハーフ(17人気304.2倍/8着):6.5
押して中団あたりから。馬群の中で進めて直線へ、直線では前を向いて追い出され、ジリジリとそれなりに脚を使って際どい5着争いの中での8着。年齢を考えるとよく頑張っていると思う。

5.酒井・ラブカンプー(18人気329.2倍/16着):6.0
好位馬郡の中からの競馬だったが4角から既に手応えが悪く、直線に入ってからはズルズルと下がっていった。毎回こういう競馬になってしまっているが、どうすれば変われるのだろうか。馬具の工夫などはもうしているのだろうが。

6.川田・ダノンスマッシュ(2人気4.1倍/10着):4.5
スタートでは出負け気味だったが、馬群の中でポジションを見つけつつ中団やや前あたりまでリカバー。4角出口から直線ではダイアトニックの傍で追い出されたが手応えは良くなく、最後は馬群に飲み込まれてしまった。出負けをリカバーして3角辺りでも少しずつポジションを上げる形になった事で、息が入らず最後まで持たなかったのかなと思う。出負けしたのが根本的要因か、先週に続きスタートで失敗してしまった。

7.岩田康・グルーヴィット(13人気40.1倍/6着):7.0
やや出負け、無理せずに後ろからの競馬を選択。4角までは外に出さずに馬群の後ろを追走、直線で外に誘導しながら追い出されると、最後までジリっと脚を使ってシヴァージと一緒に伸びてきて5着争いに加わった。左回りで末脚を引き出す乗り方が現状ベストなのかなと。1200は短い。

8.池添・グランアレグリア(3人気4.1倍/2着(3着入線)):6.0
スタートは遅めで後方から。促して多少ポジションをリカバーし中団やや後方、3-4角で外に馬を置いて直線へ、大外を追い出されると1頭だけ後ろから前との差をブリッジして前を捉えそうになった所がゴール板だった。スタートでのロス、コーナーで外を回るロス、脚を出し切れなかったロス、それらを考えると非常に強い競馬をしているのだが、それは「勝てた」事の裏返しでもあるのだろう。揉まれた時の弱さがまだ解消されていない可能性もあるので外を意識したのは間違いでなかったのかもしれないが、馬が強かったので勝ち負けになりました、という競馬に見えた。

9.福永・タワーオブロンドン(1人気3.8倍/12着):4.5
中団馬群の外目からの競馬。4角で外を回って直線へ向き、グランアレグリアのすぐ前から追い出されたものの、スプリンターズSを勝った時のような脚を使うことは出来なかった。馬場が合わなかったにしても走らなさ過ぎなのだが、勢いを付けて持続させるという点での鞍上の差なのだろうか・・・?

10.武豊・アイラブテーラー(10人気33.2倍/18着):6.0
ゲートは普通だったが促されても行き脚が付かずに馬群から離されて行く。そのまま大きく離れた後方のままゴールした。レースに出られる状態ではなかった。何も無ければ良いが。

11.和田・クリノガウディー(15人気64.6倍/4着(1着入線)):4.0
スタートを決め、雁行状態を嫌ったのか少しポジションを上げて3-4番手の外から。そのままセイウンコウセイの外を回って直線へ、追い出されると伸びて先頭に並びかけるが、ムチに反応して内に寄れてダイアトニックらに不利を与えてしまった。馬の進路を修正するのが騎手の仕事なので、制裁対象になった事は擁護できない。そこまでの持って行き方は良かっただけに残念である。

12.幸・セイウンコウセイ(6人気22.8倍/7着):5.5
外のモズスーパーフレアを行かせて自身はそれを追いかけずジワッと前に行って2番手から。そのままモズスーパーフレアから少し離れた番手で直線入り口へ、追い出されて脚を使うもののすぐ後ろに居た2頭に交わされ、最後は追い込み勢にも巻き込まれて5着争いの中でのゴールだった。この馬の上がりが34.4なのでキレ負けした可能性が高く、もう少し強気に仕掛ければ良かったのかなと。少なくとも5着はありそうだった。

13.秋山・ダイメイプリンセス(16人気245.6倍/17着):6.0
出脚がもう一つで外目の枠もあって後ろからの競馬に。コーナーで後方の外目を回って直線へ、しかし直線でも脚は使えずに終わった。展開も枠も全てが厳しかった。

14.Mデムーロ・モズアスコット(5人気9.8倍/13着):5.5
心持ちゆっくり出すようなスタート、ポジションは取りに行かず馬のリズムでアイラブテーラーを除いて実質最後方。3-4角で内を走って直線でも空いた内のスペースを使って追われるが伸びなかった。4角で既に置かれていた感じなので、馬場も合わなかったのだろう。

15.田辺・ナックビーナス(14人気57.6倍/14着):5.5
スタートはあまり良くなく、多少ポジションを上げる意識を持ちながらも中団やや前の外から。4角で好位の外から仕掛けて直線を向くが、残り200辺りで脚が無くなって下がっていった。外から強気に乗り過ぎたのだが、外枠からスタートで前に行けなかったのが痛かった。もう少し工夫が欲しかった。

16.松若・モズスーパーフレア(32.3人気9倍/1着(2着入線)):8.5 [MOR]
外から押して昨年と同様にハナを主張するが、今年は絡まれずにすんなりと逃げる事に成功。後続を少し離しながらの逃げになって4角から直線へ、内から外の各馬との追い比べになり2着で入線も、クリノガウディーの降着で繰り上げでの勝利となった。絡まれずに逃げられたのは幸運だったが、馬場を考えても無理のないペースで逃げて上手く脚を残せた騎乗は素晴らしかった。

17.藤岡佑・シヴァージ(12人気40.0倍/5着):7.0
外枠もあり無理せず後方からの競馬。3-4角では外に持ち出さず直線に懸ける競馬、大外でジリジリと脚を伸ばして最後には5着争いに加わって掲示板の一角を確保した。着拾い的な競馬にはなったが、上手く脚を引き出すことが出来たのは収穫だっただろう。

18.横山典・ノームコア(8人気26.7倍/15着):5.5
中団やや後方の外目を追走。4角でグランアレグリアの後ろを周り直線で追い出しを開始したが出応えは悪く、あまり無理することなく最後は流してゴールした。枠が悪いのもあって、中途半端になって外を回らされてしまったので、もう少し末脚に懸ける形の方が着順は上がっただろう。
 

12.1-10.8-11.3-11.4-11.2-11.9=1:08.7
34.2-34.5

1
モズスーパーフレアが後続を少し離しての単騎逃げ。先頭でもスプリントG1としては緩いペースであり、後続はかなりのスローだったと言えそう。中団は前半の通過が35秒くらいで、ちょうどマイル戦のようなペース。1400-1600で実績のある馬が上位に来たのは偶然ではないだろう。

2
4角出口で後続はやや外に意識を向けているが、大外に出すほどではないという状況で2番手以降は固まっての走行。ここからモズスーパーフレア以外はタフな馬場でどれだけトップスピードを出せるかという展開になり、適性の差がはっきりと表れたのではないだろうか。モズスーパーフレアとしては、馬場が適度に悪化した事で、前半で楽をしながら労せず「後続の脚を削ぐ」事が出来た。
無観客に加えて繰り上げでの初G1でインタビューでも大変そうだった松若騎手。プレクラスニーよりはマシなのかもしれないが…
グランアレグリアは3-4角で外を回っての上がり最速で、1200でも力上位を示した。1400なら圧勝していたと思う。


降着について。
現行(2013年~)のルールにおいてG1の1着入線馬が降着になるのは初。裁定において「不利が無ければダイアトニックがクリノガウディーに先着出来た」と判断するなら、本来の勝ち馬はダイアトニックになるべきだった事になる。それでも現在の降着の運用であれば勝ち馬はモズスーパーフレアになってしまう(仮にクリノガウディーが失格になったとしても)。これまでにも言われたきた事だが、これが降着制度の限界である。
クリノガウディーが降着になった所でダイアトニックが2着以内に入る馬券を買っていた人は納得しないだろうし、それらの人はモズスーパーフレアが1着になる馬券を買っていた人より遥かに多いだろうから、全体として後味の悪い結末になったと言える。そもそも、審議ランプの点灯→入線順の表示から、降着の裁定を下すのに時間が掛かりすぎていると感じる。何とかならないのか。
降着が発生すると、どう頑張って裁定を下しても馬券購入者は全員納得しない。現在の騎乗停止の制裁は馬券購入者のためではないので、それとは別に罰金を設けて、プールした罰金を定期的に馬券購入者に還元する機会を設けるというのはどうだろうか。例えば降着になった騎手に総賞金の3%を罰金として課し、有馬記念の日に抽選で当たる景品の原資にする、とか。JCで降着になったら凄い額だな。

松若騎手は「棚ぼた」の初G1だが、2着で入線したのは紛れもない事実であり、現行の降着システム(イギリス等と同じグループ)では受けた不利の大きさよりも入線した着順や着差が物を言うので、とにかく出来るだけ前でゴールするしかない事を考えれば、G1タイトルに資する騎乗だったと言えるのではないか。
今回のダイアトニックはクリノガウディーからアタマ~半馬身差程度だったのでクリノガウディーが降着になったが、もし1馬身、2馬身と差が付いていれば降着にならなかった可能性が高い。(例えばかなり酷い走行妨害があった2015年の愛チャンピオンSでは1.5馬身という着差もあり降着にはならなかった)
詰まるところ、不利を受けたとしても淡々と体勢を立て直して着差を縮める必要があるという事になる。さらに今回のように、2着にならなければ結局勝ち馬になることは出来ないのだ。不利を受けたアピールをしている場合ではない。
今回のインシデントが降着になるなら、2016のマイルCS(ミッキーアイル)も降着にすべきだっただろう、と正直思うが…あのマイルCSは被害馬で最先着したネオリアリズムとミッキーアイルに1馬身近い着差があったので、それが効いたのだろうか。


単勝32.3, 4.1, 9.2倍から推定したオッズ(実オッズ)は
  馬連:6710 (9150)
 三連複:19830 (22830)
 三連単:161970 (217720)
だった。モズスーパーフレアは複勝で12番人気であり、連複系でも人気がなかったようだ。


予想は◎クリノガウディー。降着にはなったが1着で入線しており、15番人気である事を考えても予想としてはバッチリだった。しかし、◯▲☆は全て見せ場のない2桁着順。
モズスーパーフレアを相手に選んでいたり単複を買っていたりしたら、かなりモヤモヤしただろう。予想は間違っていなかったがそれほど不快にならずに済んだ、という事でラッキーだったのかもしれない。
しかし、やはり単複は買っておくべきだ。


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