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エリザベス・コットンと「フレイト・トレイン」

この「フレイト・トレイン」はエリザベス・コットン(1895-1-5 〜 1987-6-29.)の作品。
彼女のギター奏法は右利き用のギターをそのまま左に持って弾くという変則的なもので
左手の親指で1弦のメロディラインを弾くというもの。

ノースカロライナのカーボロで生まれる。父はジョージ・ネビルズ、母はルイス・プライス・ネビルズ
音楽一家の五人兄弟の末っ子。
7歳の時、兄のバンジョーを弾き始め、8歳で歌を歌い始める。
11歳で自分用のギターを手に入れ、たちまち上手に演奏出来るようになる。
本名はステラ。
10代の初めにはすでに自分で曲を作りだし、「フレイト・トレイン」もそんな曲の1つ。
そしてこの曲が彼女のもっとも有名な作品となった。

ある日、ロイドストリートにある自宅のそばを通り過ぎる列車を見ていて、この曲が出来たという。
13歳で母親を手伝いメイドとして働きはじめる。
15歳でフランク・コットンと結婚、リリィーという娘をもうけ、ギターを弾くことも止めてしまう。
たまに教会で演奏する以外25年間ギター弾く事は無かった。

この後、60歳まではレコーディングや人前で演奏する事もなかった。
それがなんとフォークソングを歌う一家、すなわちシーガー家のハウスキーパーとして働いて彼らに再発見されたのだった。

シーガー家で働くまでは彼女の仕事はデパートの雑用係りだったが、
ある日エリザベス・コットンは迷子の一人の子供を助ける。
その子供の名はペニー・シーガー、その母親が作曲家のルース・クロフォード・シーガーだった。
彼女はこれが縁でこの一家のメイドとして働くようになる。

こうしてルース・クロフォード・シーガーとチャールズ・シーガー夫妻の子供達(ピートシーガーは前妻コンスタンスの3男)のマイク、ペギー、バーバラ、ペニーの世話をすることになり
またこの家族の影響で40歳からまた少しずつギターの練習を始めるのだった。

1950年代の後半、マイク・シーガーはエリザベス・コットンの寝室に彼女の歌を録音するための設備を作り始めた。ここでの録音した音源は後にフォークソングとギターのインストルメンタルのアルバムに収められフォークウエイレコードからリリースされている。

その中で彼女が11歳の時に作曲した「フレイト・トレイン」は特に有名な一曲になりPP&M、ボブディランを始めとする多くのミュージシャンにカバーされた。









Elizabeth Cotten



Mike Seeger


Pete Seeger

Peggy Seeger
 

JOAN BAEZ


訳詩:レモン鈴木
(Chorus)
Freight train freight train goin' so fast
Freight train freight train goin' so fast
Please don't tell what train I'm on
So they won't know where I've gone.

貨物列車、貨物列車が息を切らして走っていく
貨物列車、貨物列車が息を切らして走っていく
私がどの列車に乗ったのか聞かないで
行き先は私にも分からない


Freight train, freight train, comin' round the bend
Freight train, freight train, gone again
One of these days turn that train around
Go back to my hometown.

貨物列車、貨物列車が曲がり角をやって来て
貨物列車、貨物列車がまた走り去っていく
いつか走り回るあの列車に乗って
私の生まれたところへ帰るのさ


 (Chorus) 間奏


One more place I'd like to be
One more place I'd love to see
To watch those old Blue Ridge Mountains climb
As I ride ol' Number Nine.

もう一度私が行きたいところ
もう一度私が見たい場所
あのなつかしのブルーリッジ山脈を昇って行くのが見える
私が乗るおんぼろ9番列車が


 (Chorus)


When I die please bury me deep
Down at the end of Bleecker Street
So I can hear ol' Number Nine
As she goes rollin' by.

私が死んだら深く埋めてほしい
ブリーカー通りの町のはずれに
そうすれば9番列車の音が聞こえるから
ガタゴトと走るおんぼろ列車のあの音が


 (Chorus) 


参考 対談:ブリーカー通り

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