2009年03月22日
「Wish You Were Here」/Badfinger(CD ALBUM)
Badfingerは俗に言う「パワーポップ」というカテゴリーに分類されるらしい。
昔の雑誌では、「ハードロック」にカテゴリーされていたり。「ポップミュージック」って呼ばれたり。そんな、つかみどころのないイメージを持つのがBadfingerなのかもしれない。僕は、ポップなロックバンドと呼びたいが。
僕は彼らが大好きである。しかし、彼らのつかみどころがなく表情のないバンドのイメージと言うのは、あまりにも遅くデビューした、もしくはあまりにも早くデビューしたせいだと思う。時代が悪かったんだ。大好きだ!と言えるのもこの2000年代だからかもしれない。
彼らが本格的にデビューした1960年後半は、ロックミュージックが大きな転換を迎えつつある節目であった。ブルースロック/サイケ/プログレ/ファンクのような当時としては目新しいサウンドが、ビートルズのようなリスナー中心主義の音を凌駕しつつあり、新しい音の息吹が臭いくらいに匂っていたんだと思う。くんくん。
1970年代になると既にビートルズは消え、ストーンズはアメリカ南部への音へ傾倒し、レッドゼッペリンがブルースを嵐のように世界に向けて演奏しはじめ、60年代の大衆を意識した音はロック産業の隅へと追いやられつつあったんだと思う。ポップをロックに演奏するバンドは時代遅れだったのかもしれない。
分かりやすく言うと1970年代初頭と言うのは1960年頭に秩序を無秩序化したビートルズのようなサウンドが秩序化してその秩序化されたビートルズのようなサウンドを無秩序化する音が生まれてきた。だからその秩序化したビートルズのサウンドに近い秩序的なサウンドは1970年代初頭においては時代遅れなサウンドだったんだと思う。ふー。
Wish You Were Here

私的なBadfingerのベストアルバム。
彼らのワーナー移籍後2作目。1974年発表。
激流に流されて、もがき苦しんでいた彼ら。それを微塵も感じさせない。
そんな中での、渾身の作。
彼らの悲劇的な伝説。アップルとの確執、悪質マネージャーの横領/逃亡、プローモトされないアルバム云々については、このアルバムの出来とは関係ない。単純にこのアルバムが好きだから、その話だけ。
良質なメロディー。ソリッドでクリアなサウンド。無駄な曲が全く無い。クリス・トーマスのプロデュースは全く手を抜いていない。彼だけがBadfingerに真剣だったと思うと少し涙が出る。少し。バンド的には両ギターのバランスと、その絡みが絶妙だ。
「No Dice」には無い計算の高さを感じる。
1曲目「Just A Chance」の開放感ある音、メロディーが明るい未来を予感させる。
この曲は営業車の中で1発目に流すことが多い。さー、出発だって。
5曲目「Dennis」は、留まる事を知らず高みを目指しその山のいただきで爽快感を貰えるような曲。クライマックスまで曲調は変わり続け、エンディングで何度も繰り返される「there'S way〜」はこのアルバムのハイライトだと思う。しかし、ピート・ハムの作る曲って何でこんなにスケール大きいんだろう。彼自身は、ちょっと影があるというイメージがあるんだけどな。。。
7曲目「Love Time」は、ビートルズのホワイトアルバムにぶち込んでもいいような美しい歌。彼らのコーラスがあまりにも綺麗だ。作曲はジョーイ・モーランドであり、彼のこのアルバムでの活躍は特筆。ラストを飾る9曲目「Meanwhile back at the ranch/Should I smoke」でもジョーイは後半部分を担当している。このメドレーは希望に満ちたサウンドとメロディー!あー、幸せだーって思える。そうラストで幸福感は極み達するんだ。

40分そこそこの収録時間も僕の好み。詰め込みすぎず、簡潔に表現するって難しいんですよね。(最近の15曲/75分/ボーナストラック付きのようなアルバムは、10曲目であくびをしている。)
このままのメンバーで、1970年代前半を乗りきり1980年代まで続いていれば、報われるときも来たはずだけど。残念ながらこのアルバムのあとジョーイが脱退し、ピート・ハムが諸々のバンドを取り巻く環境を原因に、自殺してしまう。
4曲目のピートの佳作「Know one knows」でいみじくも彼が歌っているようにこのアルバムはヒットとは程遠かった。
「誰も知らない あなたが輝いている時 なんて素晴らしいだろう あなたが輝いているとき」
僕だけは知っているよ あなたの輝いているとき
【追記】
Wikipediaによるとポップミュージックとは、「大手レコード会社による大衆を対象としたマーケティングと消費者中心主義の作品づくり」と言うことらしい。ブライアン・エプスタインが得意としていたやつだ。ただ、これにも弱点があって「大手レコード会社は非情である」という事と、「バンドのマネージング如何によってポップミュージックの表現者は報われない事がある」という但し書きが必要だと思われる。
昔の雑誌では、「ハードロック」にカテゴリーされていたり。「ポップミュージック」って呼ばれたり。そんな、つかみどころのないイメージを持つのがBadfingerなのかもしれない。僕は、ポップなロックバンドと呼びたいが。
僕は彼らが大好きである。しかし、彼らのつかみどころがなく表情のないバンドのイメージと言うのは、あまりにも遅くデビューした、もしくはあまりにも早くデビューしたせいだと思う。時代が悪かったんだ。大好きだ!と言えるのもこの2000年代だからかもしれない。
彼らが本格的にデビューした1960年後半は、ロックミュージックが大きな転換を迎えつつある節目であった。ブルースロック/サイケ/プログレ/ファンクのような当時としては目新しいサウンドが、ビートルズのようなリスナー中心主義の音を凌駕しつつあり、新しい音の息吹が臭いくらいに匂っていたんだと思う。くんくん。
1970年代になると既にビートルズは消え、ストーンズはアメリカ南部への音へ傾倒し、レッドゼッペリンがブルースを嵐のように世界に向けて演奏しはじめ、60年代の大衆を意識した音はロック産業の隅へと追いやられつつあったんだと思う。ポップをロックに演奏するバンドは時代遅れだったのかもしれない。
分かりやすく言うと1970年代初頭と言うのは1960年頭に秩序を無秩序化したビートルズのようなサウンドが秩序化してその秩序化されたビートルズのようなサウンドを無秩序化する音が生まれてきた。だからその秩序化したビートルズのサウンドに近い秩序的なサウンドは1970年代初頭においては時代遅れなサウンドだったんだと思う。ふー。
Wish You Were Here

私的なBadfingerのベストアルバム。
彼らのワーナー移籍後2作目。1974年発表。
激流に流されて、もがき苦しんでいた彼ら。それを微塵も感じさせない。
そんな中での、渾身の作。
彼らの悲劇的な伝説。アップルとの確執、悪質マネージャーの横領/逃亡、プローモトされないアルバム云々については、このアルバムの出来とは関係ない。単純にこのアルバムが好きだから、その話だけ。
良質なメロディー。ソリッドでクリアなサウンド。無駄な曲が全く無い。クリス・トーマスのプロデュースは全く手を抜いていない。彼だけがBadfingerに真剣だったと思うと少し涙が出る。少し。バンド的には両ギターのバランスと、その絡みが絶妙だ。
「No Dice」には無い計算の高さを感じる。
1曲目「Just A Chance」の開放感ある音、メロディーが明るい未来を予感させる。
この曲は営業車の中で1発目に流すことが多い。さー、出発だって。
5曲目「Dennis」は、留まる事を知らず高みを目指しその山のいただきで爽快感を貰えるような曲。クライマックスまで曲調は変わり続け、エンディングで何度も繰り返される「there'S way〜」はこのアルバムのハイライトだと思う。しかし、ピート・ハムの作る曲って何でこんなにスケール大きいんだろう。彼自身は、ちょっと影があるというイメージがあるんだけどな。。。
7曲目「Love Time」は、ビートルズのホワイトアルバムにぶち込んでもいいような美しい歌。彼らのコーラスがあまりにも綺麗だ。作曲はジョーイ・モーランドであり、彼のこのアルバムでの活躍は特筆。ラストを飾る9曲目「Meanwhile back at the ranch/Should I smoke」でもジョーイは後半部分を担当している。このメドレーは希望に満ちたサウンドとメロディー!あー、幸せだーって思える。そうラストで幸福感は極み達するんだ。

40分そこそこの収録時間も僕の好み。詰め込みすぎず、簡潔に表現するって難しいんですよね。(最近の15曲/75分/ボーナストラック付きのようなアルバムは、10曲目であくびをしている。)
このままのメンバーで、1970年代前半を乗りきり1980年代まで続いていれば、報われるときも来たはずだけど。残念ながらこのアルバムのあとジョーイが脱退し、ピート・ハムが諸々のバンドを取り巻く環境を原因に、自殺してしまう。
4曲目のピートの佳作「Know one knows」でいみじくも彼が歌っているようにこのアルバムはヒットとは程遠かった。
「誰も知らない あなたが輝いている時 なんて素晴らしいだろう あなたが輝いているとき」
僕だけは知っているよ あなたの輝いているとき
【追記】
Wikipediaによるとポップミュージックとは、「大手レコード会社による大衆を対象としたマーケティングと消費者中心主義の作品づくり」と言うことらしい。ブライアン・エプスタインが得意としていたやつだ。ただ、これにも弱点があって「大手レコード会社は非情である」という事と、「バンドのマネージング如何によってポップミュージックの表現者は報われない事がある」という但し書きが必要だと思われる。
2009年03月04日
「Still Bill」/Bill Withers(CD ALBUM)
ソウルがロック、ジャズ、フュージョンなんかとクロスオーバしだした1970年代。
スティービー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、カーティス・メイフィ−ルド、ダニー・ハザウェイなどが、新しいソウルの扉をノックしだした。とても力強く何度も何度もその扉はノックされ続け、新しい世界への扉がガコーンって開かれる。
1970年代、堰を切ったようにその扉の外へ飛び出したソウルマン達。
ファンク、ブルース、ゴスペルなど自分達のルーツを再発見し、それらに敬意を表しながら新しいサウンドが次々と紡ぎ出される。
Still Bill
Bill Withers

1972年に発表されたビル・ウィザースのこのアルバムは上の4天王の影に隠れがちだけど、ルーツと新しさ(今聴いても!)が心地良いメロディーとクールなグルーブを媒体にして、ほど良く溶け合った傑作である。ジャケットは地味だが、騙されてはいけない^^
楽曲すべてのメロディーがとても聴き心地が良くて、片意地張ったところが全く無い。この時代のソウルが窓を突き破らんばかりのパワーと迫力に満ちているのに、この心地良さは何なんだろう?まるで、「疲れないかい、ブラザー?」ってソウル界の端っこで苦笑いしているよう。そう、ジャケットのように片意地張ってないのだ。
ビルの声がそんな雰囲気に拍車を掛けている。綺麗な声では無いんだけど耳障りが良くて、どんな精神状態でも心にすんなり入ってくる。アルバムでのハイライトの4曲目「Use Me」から5曲目「Lean On Me」の流れを聴いているとビル以外が歌ってしまうと5回聴いて降参となる所を、彼の声であればエンドレスオーケーなのである。朝までオーケーだ。
そして、そのビルの声に呼応するがごとく、バックのサウンドがたまらなくクールである。ここまで、押さえの利いたソウルサウンドをなんて表現しよう。「クール!」しかないでしょう。どかどかしなくても、ソウルミュージックは出来るんだよ、のお手本。
この、「Use Me」の映像観てくださいな。バンドのメンバー達のサウンド通りのクールな佇まい、特にドラムの人めちゃくちゃ格好良いですねー。そうそう、ビルが一番地味なんですよ。でも彼が歌いだすとサウンドは彼中心に動き出して、見た目以上に彼が一番クールなんだ。
そして、この「Lean On Me」は泣きたくなるほど、繊細で力強い。ゴスペルの素晴らしい部分を僕にも分かりやすく料理してくれている。ゴスペルが世界共通語になった歌だと思う。彼ので出しの語り口と、さびでの歌声のギャップがまた良い。
ブラザー 僕を頼って欲しい 助けが必要な時は
みんな頼れる人が必要なんだ
肩の荷が重過ぎて支えきれないなら 僕は君の行く道にいよう
君が声さえ掛けてくれたら 二人でその荷物を分け合おう
友が必要な時は呼んでくれFrom「Lean On Me」
キャロルキングのあの歌とストーンズのあの歌とサイモンとガーファンクルのあの歌を足して2で割ったような曲。僕が強制的に、ベストソングを10曲挙げろ!と脅されたなら、真っ先にこの曲を叫んでしまうかもしれない。叫ぶだろう間違いなく。
その他にも、ファンク/ブルースなどクールな曲が詰め込まれていて、休みどころの無いアルバムなんです。アレサがカバーした「Let Me In Your Life」など、どうしようもなく切なくなってしまう。「Kissing My Love」のリズムワークとワウギターの絡みに腰が動かない人はいないと思う。ほら僕もこうやって。。。。
ギターソロが凄く印象的な「I Don't Know」と言う曲は彼が80年代にAORのジャンルで脚光を浴びたときのメロディーを彷彿とさせる。
70年代のソウルミュージックに多様性みたいなものを与えているアルバムのひとつに違いない。1971年のマーヴィンの「What' Going On」程の革新性や問題定義などは無いけど、混乱した1970年初頭のアメリカに安らぎを与えたアルバムに違いない、って思った。
おまけで僕が彼の事を知る事になった経緯でも、、、
ミックジャガーのソロアルバム、「Wandering Spirit」でレニー・クラビッツとデュエットした「Use Me」にビル・ウィザースのクレジットを見て彼の名前を初めて知る。
Wandering Spirit
Mick Jagger

そして、ポールマッカトニーが「公式海賊盤」でカバーした、「A'int No Sun Shine」もビル・ウィザードのカバーなのである。(ビルのデビュー曲)
Unplugged (The Official Bootleg)
Paul McCartney

スティービー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、カーティス・メイフィ−ルド、ダニー・ハザウェイなどが、新しいソウルの扉をノックしだした。とても力強く何度も何度もその扉はノックされ続け、新しい世界への扉がガコーンって開かれる。
1970年代、堰を切ったようにその扉の外へ飛び出したソウルマン達。
ファンク、ブルース、ゴスペルなど自分達のルーツを再発見し、それらに敬意を表しながら新しいサウンドが次々と紡ぎ出される。
Still Bill
Bill Withers

1972年に発表されたビル・ウィザースのこのアルバムは上の4天王の影に隠れがちだけど、ルーツと新しさ(今聴いても!)が心地良いメロディーとクールなグルーブを媒体にして、ほど良く溶け合った傑作である。ジャケットは地味だが、騙されてはいけない^^
楽曲すべてのメロディーがとても聴き心地が良くて、片意地張ったところが全く無い。この時代のソウルが窓を突き破らんばかりのパワーと迫力に満ちているのに、この心地良さは何なんだろう?まるで、「疲れないかい、ブラザー?」ってソウル界の端っこで苦笑いしているよう。そう、ジャケットのように片意地張ってないのだ。
ビルの声がそんな雰囲気に拍車を掛けている。綺麗な声では無いんだけど耳障りが良くて、どんな精神状態でも心にすんなり入ってくる。アルバムでのハイライトの4曲目「Use Me」から5曲目「Lean On Me」の流れを聴いているとビル以外が歌ってしまうと5回聴いて降参となる所を、彼の声であればエンドレスオーケーなのである。朝までオーケーだ。
そして、そのビルの声に呼応するがごとく、バックのサウンドがたまらなくクールである。ここまで、押さえの利いたソウルサウンドをなんて表現しよう。「クール!」しかないでしょう。どかどかしなくても、ソウルミュージックは出来るんだよ、のお手本。
この、「Use Me」の映像観てくださいな。バンドのメンバー達のサウンド通りのクールな佇まい、特にドラムの人めちゃくちゃ格好良いですねー。そうそう、ビルが一番地味なんですよ。でも彼が歌いだすとサウンドは彼中心に動き出して、見た目以上に彼が一番クールなんだ。
そして、この「Lean On Me」は泣きたくなるほど、繊細で力強い。ゴスペルの素晴らしい部分を僕にも分かりやすく料理してくれている。ゴスペルが世界共通語になった歌だと思う。彼ので出しの語り口と、さびでの歌声のギャップがまた良い。
ブラザー 僕を頼って欲しい 助けが必要な時は
みんな頼れる人が必要なんだ
肩の荷が重過ぎて支えきれないなら 僕は君の行く道にいよう
君が声さえ掛けてくれたら 二人でその荷物を分け合おう
友が必要な時は呼んでくれFrom「Lean On Me」
キャロルキングのあの歌とストーンズのあの歌とサイモンとガーファンクルのあの歌を足して2で割ったような曲。僕が強制的に、ベストソングを10曲挙げろ!と脅されたなら、真っ先にこの曲を叫んでしまうかもしれない。叫ぶだろう間違いなく。
その他にも、ファンク/ブルースなどクールな曲が詰め込まれていて、休みどころの無いアルバムなんです。アレサがカバーした「Let Me In Your Life」など、どうしようもなく切なくなってしまう。「Kissing My Love」のリズムワークとワウギターの絡みに腰が動かない人はいないと思う。ほら僕もこうやって。。。。
ギターソロが凄く印象的な「I Don't Know」と言う曲は彼が80年代にAORのジャンルで脚光を浴びたときのメロディーを彷彿とさせる。
70年代のソウルミュージックに多様性みたいなものを与えているアルバムのひとつに違いない。1971年のマーヴィンの「What' Going On」程の革新性や問題定義などは無いけど、混乱した1970年初頭のアメリカに安らぎを与えたアルバムに違いない、って思った。
おまけで僕が彼の事を知る事になった経緯でも、、、
ミックジャガーのソロアルバム、「Wandering Spirit」でレニー・クラビッツとデュエットした「Use Me」にビル・ウィザースのクレジットを見て彼の名前を初めて知る。
Wandering Spirit
Mick Jagger

そして、ポールマッカトニーが「公式海賊盤」でカバーした、「A'int No Sun Shine」もビル・ウィザードのカバーなのである。(ビルのデビュー曲)
Unplugged (The Official Bootleg)
Paul McCartney

2009年02月28日
BLACK ALBUM
今日は久々の晴天が、僕をファンクにした。
ファンクネスが僕を包む日であった。

The Black Album
Prince

とにかくファンクアルバムを聴きたくなったら、これをCDトレイにぶち込む。
色々といわく付きのアルバムだけど、あんまり関係無いなー。
今聴いても(1987年ブートで発表)色あせずに、時代を超越してしまったアルバム。
数少ないアルバム。
同業他社にとっては、アイデアやヒントの宝庫だろう。
この2009年においても。
ホワイトアルバムが真っ白いロックの宝箱であれば、
これは真っ黒いファンクの宝箱。しかし、こっちは整然とした宝箱。
黒色だけのお宝が行儀良くきらきらとお座りしている。
黒光りだ。
ファンクビートとプリンスの妖艶なメロディーが交差した瞬間、恍惚に浸りながらもここから抜け出せない自分を幸せ者だと笑った。
ファンクネスが僕を包む日であった。

The Black Album
Prince

とにかくファンクアルバムを聴きたくなったら、これをCDトレイにぶち込む。
色々といわく付きのアルバムだけど、あんまり関係無いなー。
今聴いても(1987年ブートで発表)色あせずに、時代を超越してしまったアルバム。
数少ないアルバム。
同業他社にとっては、アイデアやヒントの宝庫だろう。
この2009年においても。
ホワイトアルバムが真っ白いロックの宝箱であれば、
これは真っ黒いファンクの宝箱。しかし、こっちは整然とした宝箱。
黒色だけのお宝が行儀良くきらきらとお座りしている。
黒光りだ。
ファンクビートとプリンスの妖艶なメロディーが交差した瞬間、恍惚に浸りながらもここから抜け出せない自分を幸せ者だと笑った。
2009年02月22日
「Gossip in the Grain」/Ray LaMontagne(CD ALBUM)
今年は、素晴らしきSSWの音との出会いが続く。
エリック・ハッチンソンに続いてこのレイ・ラモンターニュ。
まずこの歌声を聴いて欲しい。
You Are The Best Thing
ハスキーで深みのあるこの声に、一発でやられてしまった。
心の奥の普段届かないスィッチにタッチされた感じ。
Gossip in the Grain
Ray LaMontagne

このアルバムの一曲目である。これが、サザンソウル風のサウンドと言うのも僕をぐっと引き付けた要因。いきなり、これは無いでしょう^^
このアルバムは楽曲的にブルース、C&W、ソウル、フォークと幅広い楽曲がとても濃い密度で詰め込まれている。バラエティーにとんだこんな楽曲たちが奇跡的に統一感を持ち、時間、場所を選ばずその場の雰囲気はこのアルバムの色に染まってしまう。再生ボタンを押した瞬間にね。
Let It Be Me
彼の深遠な声がこのアルバムに暖かさと落ち着きを与え、全く無駄な音の無いバックのサウンドが彼の声を綺麗にサポートし、楽曲が本来いるべき場所にいざなっている。ギター、ベース、目立ちすぎないストリングス、ドラム、これらが本当にバランスよく並んでいる。
時に力強く、時に暖かく、時に深い森へ誘わるような。
浮世のストレスが消えてしまい、安心感がそれに取って代わる。
まるで70年代のヴァン・モリソンを聴いているくらいに、自分のやっている音楽に疑問を持たず、自信に満ちたサウンド。これも頼もしい。
MY SPACE
久々に、独自の世界観を持ったサウンドに出会った気がする。
今もこれ流れてんるんだけど、部屋の雰囲気がこのアルバムの音に支配されてしまっている。暖かい音に部屋全体が包まれている感じ。
このアルバムは、2008年に発表されていて、既に3枚目との事。
レコーディングは、オリンピックとアビーロード。ロンドンで行われたんだ。
Ray LaMontagne at Amazon
レイはニューハンプシャー出身。スティーヴン・スティルスの「Tree Top Flyer」がラジオから流れるのを聴いて、ミュージシャンになる事を決意。
2004年に「Trouble」というアルバムでデビューして、かなり売れたらしい。
あ、このアルバムなぜかPCで再生できません。
理由は分からないけど、まるでレイが部屋全体に届くオーディオ機器で聴けよと言わんばかりだなー。
エリック・ハッチンソンに続いてこのレイ・ラモンターニュ。
まずこの歌声を聴いて欲しい。
You Are The Best Thing
ハスキーで深みのあるこの声に、一発でやられてしまった。
心の奥の普段届かないスィッチにタッチされた感じ。
Gossip in the Grain
Ray LaMontagne

このアルバムの一曲目である。これが、サザンソウル風のサウンドと言うのも僕をぐっと引き付けた要因。いきなり、これは無いでしょう^^
このアルバムは楽曲的にブルース、C&W、ソウル、フォークと幅広い楽曲がとても濃い密度で詰め込まれている。バラエティーにとんだこんな楽曲たちが奇跡的に統一感を持ち、時間、場所を選ばずその場の雰囲気はこのアルバムの色に染まってしまう。再生ボタンを押した瞬間にね。
Let It Be Me
彼の深遠な声がこのアルバムに暖かさと落ち着きを与え、全く無駄な音の無いバックのサウンドが彼の声を綺麗にサポートし、楽曲が本来いるべき場所にいざなっている。ギター、ベース、目立ちすぎないストリングス、ドラム、これらが本当にバランスよく並んでいる。
時に力強く、時に暖かく、時に深い森へ誘わるような。
浮世のストレスが消えてしまい、安心感がそれに取って代わる。
まるで70年代のヴァン・モリソンを聴いているくらいに、自分のやっている音楽に疑問を持たず、自信に満ちたサウンド。これも頼もしい。
MY SPACE
久々に、独自の世界観を持ったサウンドに出会った気がする。
今もこれ流れてんるんだけど、部屋の雰囲気がこのアルバムの音に支配されてしまっている。暖かい音に部屋全体が包まれている感じ。
このアルバムは、2008年に発表されていて、既に3枚目との事。
レコーディングは、オリンピックとアビーロード。ロンドンで行われたんだ。
Ray LaMontagne at Amazon
レイはニューハンプシャー出身。スティーヴン・スティルスの「Tree Top Flyer」がラジオから流れるのを聴いて、ミュージシャンになる事を決意。
2004年に「Trouble」というアルバムでデビューして、かなり売れたらしい。
あ、このアルバムなぜかPCで再生できません。
理由は分からないけど、まるでレイが部屋全体に届くオーディオ機器で聴けよと言わんばかりだなー。
2009年02月21日
「East-West」/Paul Butterfield Blues Band(CD ALBUM)
アメリカからイギリスへの回答。
1960年代にブルースは、イギリスの若者達のものであった。
当時アメリカには、いわゆるロックでのメジャーバンド、ギターヒーローはいなかったに等しい(ベンチャーズはもういたのかな?)。イギリスでは既に、ビートルズ、キンクス、フー、ストーンズが世界を席巻し、ギタリストではクラプトン、ベック、ペイジという3大ギタリストが本家を上回る音をかき鳴らしていた。すべて、アメリカ産のブルースやR&Rから影響を受けたアーティストばかりである。
このようなイギリスからの大きなプレッシャーによって、自分達の足元のブルースに気付いた本家アメリカ。先陣を切ったのがボブ・ディラン。そのディランがフォークからロックへの路線変更をお披露目したコンサート(ニューポート・フォーク・フェスティバル65年)のバックメンバーが、このポール・バターフィールド・ブルースバンドだった(ポール・バターフィールド・ブルースバンド単独でもパフォーマンスをした)。
このパフォーマンスの後、ディランのツアーの帯同を断った彼がレコーディングし1966年に発表したアルバムが「East-West」!(彼らの後釜のバックバンドがThe Bandになったんですね)
East-West

イギリス勢のブルースに影響を受けたバンド(STONESとか)に比べると、ありのままのブルースをストレートに表現していて、ブルースの本場アメリカのバンドならではのパフォーマンスが聞こえてくる。実際、バタフィールドはマディーの追っかけをするぐらい本物のブルースを生で経験しているので、ひねりようが無いほどの愛情が溢れている。(デビューアルバムに比べると、シカゴブルース色はだいぶ薄れているが。)
オープニングの「Waliking Blues」は、ロバジョンのバージョンが持つ怪しいリズム感を崩す事無く、ポールのブルースハープ(リトル・ウォルター直伝と言われる)が楽曲に新鮮な色付けを加えている。このポールのハープは本場をしのぐほどの力量だ。「Get Out Of My Life, Woman」はアラン・トゥーサンの名曲で、マーク・ナフタリンのピアノがころころ転がっている。「Mary, Mary」は、モンキーズのマイケル・ネスミスの作。モンキーズとしても、1967に発表している(あ、Run DMCもカバーしてますね)。
Two Trains Runningマイクのギターソロが秀逸
Mary, Mary
このアルバムでの何よりも凄いところは、インプロビゼイションがいたること頃にちりばめられていて、ブルースの表現の幅を広げたことだと思う。キャノンボール・アドレイの「Work Song」をカバーしてフリーブルース??を繰り広げたり、このアルバムのハイライトのファイナル曲「East-West」はラーガを取り混ぜたインプロビセイションのあめ嵐だ。13分にものぼるこの曲は、オールマンとかクリームとかストーンズで言えば「Can't You Hear Me Knocking」に影響を与えていると思うがどうだろう?エルビン・ビショップはバックに徹しながらもマイク・ブルームフィールドとユニゾったり、極めつけはマイクがとてつもない力量のギターソロを展開する。時たままるで音程を気にしないポールのハープは幻想的な雰囲気をこの曲に与えている。
East-Westの後半部分
1966年はロックが自由に鳴り出し、世界同時多発的に今までの枠にとらわれない作品が増えだしたのも確かだけど、ブルースが枠を超えだしたのはこのアルバムが先駆けだと思う。アメリカのロックが覚醒する時代のスタートを切ったアルバムと言っても過言ではない。このアルバムを境にして、ジミヘン、グレイトフルデッドなんかのアバンギャルドな音楽が、すんなりとリスナーの耳に入り込めたんじゃないだろうか?
1960年代にブルースは、イギリスの若者達のものであった。
当時アメリカには、いわゆるロックでのメジャーバンド、ギターヒーローはいなかったに等しい(ベンチャーズはもういたのかな?)。イギリスでは既に、ビートルズ、キンクス、フー、ストーンズが世界を席巻し、ギタリストではクラプトン、ベック、ペイジという3大ギタリストが本家を上回る音をかき鳴らしていた。すべて、アメリカ産のブルースやR&Rから影響を受けたアーティストばかりである。
このようなイギリスからの大きなプレッシャーによって、自分達の足元のブルースに気付いた本家アメリカ。先陣を切ったのがボブ・ディラン。そのディランがフォークからロックへの路線変更をお披露目したコンサート(ニューポート・フォーク・フェスティバル65年)のバックメンバーが、このポール・バターフィールド・ブルースバンドだった(ポール・バターフィールド・ブルースバンド単独でもパフォーマンスをした)。
このパフォーマンスの後、ディランのツアーの帯同を断った彼がレコーディングし1966年に発表したアルバムが「East-West」!(彼らの後釜のバックバンドがThe Bandになったんですね)
East-West

イギリス勢のブルースに影響を受けたバンド(STONESとか)に比べると、ありのままのブルースをストレートに表現していて、ブルースの本場アメリカのバンドならではのパフォーマンスが聞こえてくる。実際、バタフィールドはマディーの追っかけをするぐらい本物のブルースを生で経験しているので、ひねりようが無いほどの愛情が溢れている。(デビューアルバムに比べると、シカゴブルース色はだいぶ薄れているが。)
オープニングの「Waliking Blues」は、ロバジョンのバージョンが持つ怪しいリズム感を崩す事無く、ポールのブルースハープ(リトル・ウォルター直伝と言われる)が楽曲に新鮮な色付けを加えている。このポールのハープは本場をしのぐほどの力量だ。「Get Out Of My Life, Woman」はアラン・トゥーサンの名曲で、マーク・ナフタリンのピアノがころころ転がっている。「Mary, Mary」は、モンキーズのマイケル・ネスミスの作。モンキーズとしても、1967に発表している(あ、Run DMCもカバーしてますね)。
Two Trains Runningマイクのギターソロが秀逸
Mary, Mary
このアルバムでの何よりも凄いところは、インプロビゼイションがいたること頃にちりばめられていて、ブルースの表現の幅を広げたことだと思う。キャノンボール・アドレイの「Work Song」をカバーしてフリーブルース??を繰り広げたり、このアルバムのハイライトのファイナル曲「East-West」はラーガを取り混ぜたインプロビセイションのあめ嵐だ。13分にものぼるこの曲は、オールマンとかクリームとかストーンズで言えば「Can't You Hear Me Knocking」に影響を与えていると思うがどうだろう?エルビン・ビショップはバックに徹しながらもマイク・ブルームフィールドとユニゾったり、極めつけはマイクがとてつもない力量のギターソロを展開する。時たままるで音程を気にしないポールのハープは幻想的な雰囲気をこの曲に与えている。
East-Westの後半部分
1966年はロックが自由に鳴り出し、世界同時多発的に今までの枠にとらわれない作品が増えだしたのも確かだけど、ブルースが枠を超えだしたのはこのアルバムが先駆けだと思う。アメリカのロックが覚醒する時代のスタートを切ったアルバムと言っても過言ではない。このアルバムを境にして、ジミヘン、グレイトフルデッドなんかのアバンギャルドな音楽が、すんなりとリスナーの耳に入り込めたんじゃないだろうか?
2009年02月14日
「Blood & Chocolate」/Elvis Costello & The Attractions(CD ALBUM)
Blood & Chocolate

2重にも3重にも殻をまとったカメレオンのようなエルビス・コステロ。
時にはっとさせられるほど、その殻を脱ぎ捨てたアルバムを発表する。
この「Blood & Chocolate」は、アトラクションズをバックに、ニック・ロウをプロデューサに迎えインディーズより突如発表された。1986年の事。
練られたサウンドメイキング「King Of America」の次にこんなプリミティブなアルバムをようこそって感じ。しかもこの後には、当時の流行の音を取り入れ、売れることを意識しメジャーより発表されたアルバム「Spike」である。
生々しいサウンドは、すべて2テイクで録音され、コステロの息遣いが聴こえて来るほど。いや、本当に聴こえてくるんだ。
アトラクションズの独特のばたばたサウンドをバックに、熟成されたコステロの声と曲。これこそ、コステロだ。飾りすぎのサウンドよりも、アトラクションズをバックにロックもバラードも歌った時に、本当の彼の魅力が浮き上がってくる。
激しさと静けさがとてもしっくりと同居していて、即席的に録音されたアルバムとは思えない。初期コステロのパンキッシュな部分とキャッチーなメロディーのブレンドも程よい。
「Uncomplicated」で激しくかき鳴らされるギター、とてもざらざらしている「Tokyo Storm Warning」は80時代の音じゃない、「Blue Chair」と「Crimes Of Paris」のポップさはリバプール人ならでは、「I Want You」は「世界3大I Want You」のひとつである。
Tokyo Storm Warning
Uncomplicated
メジャーになる前にまるで本当の自分を残しておきたかったような。
メガネをはずして「これが本当の俺だよ」的な。
アルバム最後を飾る「Next Time Round」で、新たな決意で締めくくられる。
バレンタインの今日だからこのアルバムを選んだ訳ではないが、陽のあたりの少ないこのアルバムに少しでも光をって思ったりした。

2重にも3重にも殻をまとったカメレオンのようなエルビス・コステロ。
時にはっとさせられるほど、その殻を脱ぎ捨てたアルバムを発表する。
この「Blood & Chocolate」は、アトラクションズをバックに、ニック・ロウをプロデューサに迎えインディーズより突如発表された。1986年の事。
練られたサウンドメイキング「King Of America」の次にこんなプリミティブなアルバムをようこそって感じ。しかもこの後には、当時の流行の音を取り入れ、売れることを意識しメジャーより発表されたアルバム「Spike」である。
生々しいサウンドは、すべて2テイクで録音され、コステロの息遣いが聴こえて来るほど。いや、本当に聴こえてくるんだ。
アトラクションズの独特のばたばたサウンドをバックに、熟成されたコステロの声と曲。これこそ、コステロだ。飾りすぎのサウンドよりも、アトラクションズをバックにロックもバラードも歌った時に、本当の彼の魅力が浮き上がってくる。
激しさと静けさがとてもしっくりと同居していて、即席的に録音されたアルバムとは思えない。初期コステロのパンキッシュな部分とキャッチーなメロディーのブレンドも程よい。
「Uncomplicated」で激しくかき鳴らされるギター、とてもざらざらしている「Tokyo Storm Warning」は80時代の音じゃない、「Blue Chair」と「Crimes Of Paris」のポップさはリバプール人ならでは、「I Want You」は「世界3大I Want You」のひとつである。
Tokyo Storm Warning
Uncomplicated
メジャーになる前にまるで本当の自分を残しておきたかったような。
メガネをはずして「これが本当の俺だよ」的な。
アルバム最後を飾る「Next Time Round」で、新たな決意で締めくくられる。
バレンタインの今日だからこのアルバムを選んだ訳ではないが、陽のあたりの少ないこのアルバムに少しでも光をって思ったりした。
2009年02月11日
君のいない人生なんて
たまにブログを覗いてもらう友人より、「もっとビートルズの事をエントリーしたら?」なんてアドバイスもらったけど、「恥ずかしくて書けないんだ」って僕。
大げさに言うと、自分の家族を紹介しているみたいなんだな。
ビートルズと言えば、今またポール・マッカートニーの活動がお盛んなようで、まるでソロアルバムのようなファイアーマンのアルバム「エレクトリック・アーギュメンツ」を発表し、全米インディー・アルバム・チャートで1位獲得だって。僕の期待を見事に裏切ったこのアルバム。ポールのファンなら買って間違い無しかな。
エレクトリック・アーギュメンツ
ザ・ファイアーマン

その後、Grammyにノミネート。最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス部門、最優秀 ソロ・ロック・ボーカル・パフォーマンス部門で。デイヴ・グロールと「I SAW HER STANDING THERE 」をパフォーマンスするも、結局受賞ならず。yeah!

Paul In GRAMMY
今後は、チャリティーコンサートへの出演が相次ぎ、コーチェラ・フェスティバルとデヴィッド・リンチ・ファンデーションでのパフォーマンスが決定。
リンゴ・スターについては新作のレコーディングに入っているよう。息子以上に精力的だ。

Ringo
ジョージの息子のダニーはポールと同じくコーチェラ・フェスティバルに出演。日程が別のようなので、共演はないと思うが。
同じく2世のジェームス・マッカトニーも父親やザ・デッド60sの元メンバーとレコーディングを開始。
ジュリアン・レノンに至っては、新作のレコーディングが終了し発売先を探しているところ。ショーンはよく分からない、ホンダのCM以外は。
ジョン・レノンについては、伝記映画『Nowhere Boy』が企画され、クリスティン・スコット・トーマスが彼を演じるらしい。「Back Beat」の時の様にポールは、姑息な男として描かれるのかどうかは不明^^

John
こんな感じで、今年も色々とビートルズ関連の話題が振りまかれるわけだけど、すべての話題が前向きな話題なのでとても歓迎している。
僕はビートルズをリアルタイムで聴いたり、その熱狂の渦に取り込まれたことが無い。その反動が大きいのか、4人(およびその家族)の現在の話題には凄く敏感で、やはり心のどこかでビートルズというバンドの幻影を追いかけているんだろう、今それが存在しているかのように。これ以上発表されるはずも無いビートルズの新作を求めるがごとく、ビートルズという言葉に縛られているんだ。

Beatles
うん、とにかく僕にとってビートルズは音楽人生の出発点でもあるので、これは一生付いて回るんだろう。彼らの真似なんて出来ないだろうけど、彼らが発した強烈な音とかユーモアとかくだらなさとか愛とかシュールさとかに生きる力をもらっていこうと思う。
どうだい?友よ。
大げさに言うと、自分の家族を紹介しているみたいなんだな。
ビートルズと言えば、今またポール・マッカートニーの活動がお盛んなようで、まるでソロアルバムのようなファイアーマンのアルバム「エレクトリック・アーギュメンツ」を発表し、全米インディー・アルバム・チャートで1位獲得だって。僕の期待を見事に裏切ったこのアルバム。ポールのファンなら買って間違い無しかな。
エレクトリック・アーギュメンツ
ザ・ファイアーマン

その後、Grammyにノミネート。最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス部門、最優秀 ソロ・ロック・ボーカル・パフォーマンス部門で。デイヴ・グロールと「I SAW HER STANDING THERE 」をパフォーマンスするも、結局受賞ならず。yeah!

Paul In GRAMMY
今後は、チャリティーコンサートへの出演が相次ぎ、コーチェラ・フェスティバルとデヴィッド・リンチ・ファンデーションでのパフォーマンスが決定。
リンゴ・スターについては新作のレコーディングに入っているよう。息子以上に精力的だ。

Ringo
ジョージの息子のダニーはポールと同じくコーチェラ・フェスティバルに出演。日程が別のようなので、共演はないと思うが。
同じく2世のジェームス・マッカトニーも父親やザ・デッド60sの元メンバーとレコーディングを開始。
ジュリアン・レノンに至っては、新作のレコーディングが終了し発売先を探しているところ。ショーンはよく分からない、ホンダのCM以外は。
ジョン・レノンについては、伝記映画『Nowhere Boy』が企画され、クリスティン・スコット・トーマスが彼を演じるらしい。「Back Beat」の時の様にポールは、姑息な男として描かれるのかどうかは不明^^

John
こんな感じで、今年も色々とビートルズ関連の話題が振りまかれるわけだけど、すべての話題が前向きな話題なのでとても歓迎している。
僕はビートルズをリアルタイムで聴いたり、その熱狂の渦に取り込まれたことが無い。その反動が大きいのか、4人(およびその家族)の現在の話題には凄く敏感で、やはり心のどこかでビートルズというバンドの幻影を追いかけているんだろう、今それが存在しているかのように。これ以上発表されるはずも無いビートルズの新作を求めるがごとく、ビートルズという言葉に縛られているんだ。

Beatles
うん、とにかく僕にとってビートルズは音楽人生の出発点でもあるので、これは一生付いて回るんだろう。彼らの真似なんて出来ないだろうけど、彼らが発した強烈な音とかユーモアとかくだらなさとか愛とかシュールさとかに生きる力をもらっていこうと思う。
どうだい?友よ。
2009年02月09日
Bo Diddleyより
久々に引っ張り出して、ボ・ディドリーを聴いた。
それで思ったことを少しだけ。殴り書き。
ギターの本当の魅力についてかな??
Bo's Blues
Bo Diddley

60年代初期のキース・リチャーズのギタースタイルは、まさにこのボ・ディドリーをお手本にしているのが分かる。バッキングで刻むギターカッティングなんて、タイトなのにつっかえているような、あの感じ。「あの感じ」としか伝えられないけど。。
あの悪がきキースも一所懸命レコードに耳を傾けてギターの練習をしてたんだなって思うと、思わず微笑んでしまう。

Keith
ひるがえって、最近はギターヒーローっているんだろうか?
ギターが鳴った瞬間の音だけで胸が高鳴って、そわそわさせて、じっとしていられなくしてしまうような、ギターを鳴らすヒーローが。
テクニックとかじゃ無くて、「がーん」と鳴った瞬間に空気まで震わすようなギターの音。ジョンの「Rock&Roll Musc」とか、キースの「Satisfaction」とかジミの「Purple Haze」とかピートの「I Can't Explain」とかカートの「Smells Like Teen Spirit」とかロバートの「Kind Hearted Woman」とか。
I Can't Explain
行き場の無い劣等感とかがギターで発散されたような音。いや、ギターでしか感情を発散できない人間の発する音。そうう、ギターが人間の器官のひとつになってしまっている人。ギターの音が感情そのもので、それに共鳴する僕達がいる。ギターを弾く人なら、少なからずそんなギターの音に参ってギターを手にしたはず、かな?
カートと言えば、「In Bloom」のプロモを想い出した。60年代風のおとなしいニルヴァーナが徐々に壊れて行って、ギターを投げつけたりドラムを壊したりするやつ。強烈なギターに60年代のお行儀いいバンドの対比がとてもおかしかった。
In Bloom
これを見て、ギタリストが秘めている強烈な行き場の無い情熱を、ギターで吐き出すと言う行為には古いも新しいも無くていかにギターに感情移入できるかが重要なんだって気づかされた(プロモにはそんな意図は無いと思うが)。
感情の量がたくさんあって、それをギターで吐き出せる人。とても稀有なんだろうけど、今もそんな新しいギタリストとの出会いを待っている、lenmac。
あ、クラプトンも忘れないようにと言うことで、
ボ・ディドリーを弾くクラプトン
それで思ったことを少しだけ。殴り書き。
ギターの本当の魅力についてかな??
Bo's Blues
Bo Diddley

60年代初期のキース・リチャーズのギタースタイルは、まさにこのボ・ディドリーをお手本にしているのが分かる。バッキングで刻むギターカッティングなんて、タイトなのにつっかえているような、あの感じ。「あの感じ」としか伝えられないけど。。
あの悪がきキースも一所懸命レコードに耳を傾けてギターの練習をしてたんだなって思うと、思わず微笑んでしまう。

Keith
ひるがえって、最近はギターヒーローっているんだろうか?
ギターが鳴った瞬間の音だけで胸が高鳴って、そわそわさせて、じっとしていられなくしてしまうような、ギターを鳴らすヒーローが。
テクニックとかじゃ無くて、「がーん」と鳴った瞬間に空気まで震わすようなギターの音。ジョンの「Rock&Roll Musc」とか、キースの「Satisfaction」とかジミの「Purple Haze」とかピートの「I Can't Explain」とかカートの「Smells Like Teen Spirit」とかロバートの「Kind Hearted Woman」とか。
I Can't Explain
行き場の無い劣等感とかがギターで発散されたような音。いや、ギターでしか感情を発散できない人間の発する音。そうう、ギターが人間の器官のひとつになってしまっている人。ギターの音が感情そのもので、それに共鳴する僕達がいる。ギターを弾く人なら、少なからずそんなギターの音に参ってギターを手にしたはず、かな?
カートと言えば、「In Bloom」のプロモを想い出した。60年代風のおとなしいニルヴァーナが徐々に壊れて行って、ギターを投げつけたりドラムを壊したりするやつ。強烈なギターに60年代のお行儀いいバンドの対比がとてもおかしかった。
In Bloom
これを見て、ギタリストが秘めている強烈な行き場の無い情熱を、ギターで吐き出すと言う行為には古いも新しいも無くていかにギターに感情移入できるかが重要なんだって気づかされた(プロモにはそんな意図は無いと思うが)。
感情の量がたくさんあって、それをギターで吐き出せる人。とても稀有なんだろうけど、今もそんな新しいギタリストとの出会いを待っている、lenmac。
あ、クラプトンも忘れないようにと言うことで、
ボ・ディドリーを弾くクラプトン
2009年02月03日
「A STREET CALLED STRAIGHT」/ROY BUCHANAN(CD ALBUM)
エリック・クラプトンとジェフ・ベックが来日する。
それぞれの単独公演とは別に、2人のジョイント公演もあるらしい。20年前の僕なら、借金をしてでも飛んで見に行ったに違いない。
僕もギタリストだ。
エリッククラプトンが大好きで、彼のほとんどのギタープレイを猿真似した。
当然、彼が持つリズム感に近づけるすべも無く、本当の猿真似に終わった^^
猿真似さえ出来なかったのがジェフ・ベックである。技術は完璧だし、どんな時でも彼とわかるサウンド。プロ、アマ問わず彼のように弾けるギタリストを聴いた事が無い。本当のオンリーワンのギタリストなんだ。
哀しみの恋人達
そんなジェフ・ベックが、「哀しみの恋人達」で「この曲をロイ・ブキャナンに捧げる」とクレジットしていたのを見て、ロイ・ブキャナンを知った。
Blow by Blow
Jeff Beck

ロイ・ブキャナンの「メシアが再び」をジェフなりに変換したんだと思う。そう、ジェフは、ロイが大好きだったんだ。
メシアが再び
ロイ・ブキャナンは、僕にギターの新しい奏法をたくさん教えてくれた。
ボリューム(バイオリン)奏法とか、ピッキング・ハーモニクス(コケコッコーもやつ)とか、ワウ無しワウ奏法とか、絶妙なミュート奏法とか、少年ギタリストには宝の山であった。ジェフベックはそれを真似して、自分なりに解釈してたんだって知った。キースリチャーズ以外にもテレキャスターの王様を見つけた気分だった。

Roy Buchanan
ブライアン・ジョーンズの後釜としてストーンズより誘いを受けたが、それを断りギタリストの道を歩んだっていうのも、僕の興味を誘った。
決して、売れることを望まなかったギタリスト。多分そうだったんだろう。
昔のギター雑誌でロイ・ブキャナンのアンプセッティングについて読んで、真似したものの全く違った音になったのを記憶している。確かアンプはFenderを使い、多少リバーブ掛けてボリュームとトーンは全開にし、ギター側のボリュームは抑え、必要なときにそれを上げ下げする。テレキャスターは、音が小さくても良く響くのを知ってこういうセッティングにしていたらしい。(僕はこれをストラトでやろうとしたから、無謀ではあったが。。。)とにかく、彼はテレキャスターの上から下まで知り尽くしていたんでしょうね。
ただ、彼はテレキャスターでなくても、同じようなトーンを出せるんですよね(レスポールでも)。言い換えると、本当に技量/表現力を備えたギタリストは、3000円のギターでも同じ音が出せるんですよ。
彼のアルバムはいわゆる完成度から言うと評価は高くない。特にスタジオ盤。
しかし、ギタリストの視点から見ると、聴き惚れるを超えて聴き倒れてしまうのでる。ライブのアルバムが彼の名盤だけど、僕が初めて出会って思い入れのあるアルバムがこれ。
Street Called Straight
Roy Buchanan

アルバムとしてはとっても散漫である。ジェフ・ベックから例のクレジットをもらい、急遽レコード会社に押されて作ったようなアルバムだ。「メシアが再び」を再演しているくらいだから。アルバムタイトルも邦題(メシアが再び)は無理やりである。
でも、このアルバムじゃなくてもいいから、彼のアルバムを目隠しで選んで、ギターの音を聴いて欲しい。こんなに、ギターがしゃべるんだ、泣くんだ、叫ぶんだ、つぶやくんだって分かるから。
それぞれの単独公演とは別に、2人のジョイント公演もあるらしい。20年前の僕なら、借金をしてでも飛んで見に行ったに違いない。
僕もギタリストだ。
エリッククラプトンが大好きで、彼のほとんどのギタープレイを猿真似した。
当然、彼が持つリズム感に近づけるすべも無く、本当の猿真似に終わった^^
猿真似さえ出来なかったのがジェフ・ベックである。技術は完璧だし、どんな時でも彼とわかるサウンド。プロ、アマ問わず彼のように弾けるギタリストを聴いた事が無い。本当のオンリーワンのギタリストなんだ。
哀しみの恋人達
そんなジェフ・ベックが、「哀しみの恋人達」で「この曲をロイ・ブキャナンに捧げる」とクレジットしていたのを見て、ロイ・ブキャナンを知った。
Blow by Blow
Jeff Beck

ロイ・ブキャナンの「メシアが再び」をジェフなりに変換したんだと思う。そう、ジェフは、ロイが大好きだったんだ。
メシアが再び
ロイ・ブキャナンは、僕にギターの新しい奏法をたくさん教えてくれた。
ボリューム(バイオリン)奏法とか、ピッキング・ハーモニクス(コケコッコーもやつ)とか、ワウ無しワウ奏法とか、絶妙なミュート奏法とか、少年ギタリストには宝の山であった。ジェフベックはそれを真似して、自分なりに解釈してたんだって知った。キースリチャーズ以外にもテレキャスターの王様を見つけた気分だった。

Roy Buchanan
ブライアン・ジョーンズの後釜としてストーンズより誘いを受けたが、それを断りギタリストの道を歩んだっていうのも、僕の興味を誘った。
決して、売れることを望まなかったギタリスト。多分そうだったんだろう。
昔のギター雑誌でロイ・ブキャナンのアンプセッティングについて読んで、真似したものの全く違った音になったのを記憶している。確かアンプはFenderを使い、多少リバーブ掛けてボリュームとトーンは全開にし、ギター側のボリュームは抑え、必要なときにそれを上げ下げする。テレキャスターは、音が小さくても良く響くのを知ってこういうセッティングにしていたらしい。(僕はこれをストラトでやろうとしたから、無謀ではあったが。。。)とにかく、彼はテレキャスターの上から下まで知り尽くしていたんでしょうね。
ただ、彼はテレキャスターでなくても、同じようなトーンを出せるんですよね(レスポールでも)。言い換えると、本当に技量/表現力を備えたギタリストは、3000円のギターでも同じ音が出せるんですよ。
彼のアルバムはいわゆる完成度から言うと評価は高くない。特にスタジオ盤。
しかし、ギタリストの視点から見ると、聴き惚れるを超えて聴き倒れてしまうのでる。ライブのアルバムが彼の名盤だけど、僕が初めて出会って思い入れのあるアルバムがこれ。
Street Called Straight
Roy Buchanan

アルバムとしてはとっても散漫である。ジェフ・ベックから例のクレジットをもらい、急遽レコード会社に押されて作ったようなアルバムだ。「メシアが再び」を再演しているくらいだから。アルバムタイトルも邦題(メシアが再び)は無理やりである。
でも、このアルバムじゃなくてもいいから、彼のアルバムを目隠しで選んで、ギターの音を聴いて欲しい。こんなに、ギターがしゃべるんだ、泣くんだ、叫ぶんだ、つぶやくんだって分かるから。
2009年01月30日
Distant Lover
じとじと、雪でなく雨が降る1月の今日。
朝、マフラーして出かけたら、
会社に着くころには僕の手の中で邪魔な荷物になっていたし。
夜、会社から帰る時にも、僕の手の中でマフラーは居心地悪そうだった。
季節違いの暖かさの中で、ずっとマーヴィン・ゲイの「Let's Get It On」を聴いていた。そして、今も聴いている。
Let's Get It on
Marvin Gaye

収録曲の「Distant Lover」のセクシーさは何なんだろう?
「猥雑」と「美しい」とのはざ間ぎりぎりの所で揺れている音がいい。
歌詞は遠くに行ってしまった彼女へのうらみつらみが満載で、その女々しさが好き。
そして、やっぱりマーヴィンはファルセットだって思わせる歌唱。
マーヴィン・ゲイの凄いところは、とにかく今思っている事を素直に、アルバムの中で吐き出しているところ。離婚のアルバムとかセックスのアルバムとか平和のアルバムとか(70年以降ね)。そしてそれらがきちっとした形で、音や歌唱にも現れていて、直球で僕の心に染み渡る。
有名なライブのやつ
この、「Distant Lover」なんてまさしく、「遠く」「妬き」「泣き」なんてキーワードが浮かんでくるから凄いよ。後半の「Please!Please!」って叫ぶところ、もう情けない男包み隠さずって雰囲気が、ぐっと来るな。
このアルバム聴き通しだったんで、こうやってキーボード叩かずにはいられなくなっただけ。
しかし、やっぱり、雨じゃなくて雪がいいな。
痛いほどの冬はどこに行ったんだろう?
朝、マフラーして出かけたら、
会社に着くころには僕の手の中で邪魔な荷物になっていたし。
夜、会社から帰る時にも、僕の手の中でマフラーは居心地悪そうだった。
季節違いの暖かさの中で、ずっとマーヴィン・ゲイの「Let's Get It On」を聴いていた。そして、今も聴いている。
Let's Get It on
Marvin Gaye

収録曲の「Distant Lover」のセクシーさは何なんだろう?
「猥雑」と「美しい」とのはざ間ぎりぎりの所で揺れている音がいい。
歌詞は遠くに行ってしまった彼女へのうらみつらみが満載で、その女々しさが好き。
そして、やっぱりマーヴィンはファルセットだって思わせる歌唱。
マーヴィン・ゲイの凄いところは、とにかく今思っている事を素直に、アルバムの中で吐き出しているところ。離婚のアルバムとかセックスのアルバムとか平和のアルバムとか(70年以降ね)。そしてそれらがきちっとした形で、音や歌唱にも現れていて、直球で僕の心に染み渡る。
有名なライブのやつ
この、「Distant Lover」なんてまさしく、「遠く」「妬き」「泣き」なんてキーワードが浮かんでくるから凄いよ。後半の「Please!Please!」って叫ぶところ、もう情けない男包み隠さずって雰囲気が、ぐっと来るな。
このアルバム聴き通しだったんで、こうやってキーボード叩かずにはいられなくなっただけ。
しかし、やっぱり、雨じゃなくて雪がいいな。
痛いほどの冬はどこに行ったんだろう?