2019年09月04日
バブリー再び そしてペンタトニック とサバービアン深夜ドライブ
あー雨が止んできてしまったな・・・
いい感じの夏の終わりの深夜の雨だったのに・・・
・・・残念だ!!
・・・ということで、コントラバス協奏曲が一応の完成を見たっぽいので、とりあえず最近気が抜けた感じになってます。夏も終わりだし。
2年かけて作曲して、結局、3楽章・計38分の曲になってしまった。
どうすんだコレ、無名の現代音楽作曲家がいきなりこんな大曲作っても、はたしてノマドさんはやってくれるのかどうか?苦笑
やはり僕のような新参者の無名の作曲家は、室内アンサンブルとかだったら10〜13分くらいに留めておかなければあまりやってくれるとこはないだろうな、と思いつつ、こんなんなってしまった。
どうすんだコレほんとに(苦笑)
例えば武満とかだったらほとんどの曲が(オケものでも)10〜14分くらいだ。もちろん例外的に長い曲もあるけど。まあ武満に限らず、大体現代曲の室内アンサンブル〜普通サイズのオケものはそのくらいの時間だ。
去年録音した自分のバンド、スターマインも短くしなきゃいけないし、今のところ今後の課題は「短くする」ということに尽きる。
いやでも今回作ったコントラバス協奏曲はまだ「音楽」っぽい部分もあるから、そこらへん短くできるかもしれん。
しかし一度できちゃった作品を短くするというのは実に悩ましい作業なんだよな・・・。
しかしこのコントラバス協奏曲は、いい具合にグチャグチャグシャグシャのものができたと思うんだけどな・・・「音楽的混沌を正確に再現」というコンセプトである。
そこに「ケーデンスに則らない長3和音の多用・連結による明るい錯乱」、「複数の調のペンタトニックスケールの同時使用による明るい錯乱」とか、こまごまグチャグチャ自分なりのコンセプトがいくつかある。
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ペンタトニックスケールは昔から大好きなのである。
あれは相当自由なスケールである。
あれをちょこちょこっといじりつつ(例えばCのメジャーペンタを弾くとしたら、CをとっぱらってBを加えたりして変えても、あんまり違和感がないようなあるような不思議なアウト聴感になる)
ギターだったら例えば6弦12フレットのEから、一弦につき二音弾いていく。
↓
6弦12と14フレット
5弦12と14フレット
4弦12と14フレット
3弦12と14フレット
2弦12と14フレット
1弦12と14フレット
これを音名に直すと、したから順番に
E,F#,A,B,D,E,G,A,B,C#,E,F#
これは9個目のBくらいまではEのマイナーペンタに聴こえるが、
その次にC#が出てきて、ここでちょっと「アレ?」と感じるだろう。
「あれちょっと変だな、でも変じゃないな?」という感想を人は持つであろう。
ここで「C#」がでてくることによって、今までのEマイナーペンタの構成音と組み合わさり、
「Aのメジャートライアド」が生まれてしまうのである。
Eに対してAは完全4度上である。
完全4度上ということは、ある意味「ドミナントがトニックに解決した」ともいえるし、また、「聴感上の次元が微妙にかわった(転調した)」とも言える。
しかしたかが完全4度上のハナシである。それくらいの転調は今や当たり前。しかし一つのベース上(この場合はD)でこれをやられると人の脳は「あれれ?」となるのではないかと思う。
いやー面白いねペンタトニック!!!
こういったペンタトニックスケールの「組み合わせや入れ替え」はかなりのは数にのぼると思うが、
どうやってもあまり毒々しく聴こえない。
その辺のフローティング感・サイケ感が僕の好きなところだ。
●20年くらい前に僕がペンタの不可思議感に初めて囚われた曲↓
《Weather Report - Herandnu (1976)》
これの1’20くらいからジョーザヴィヌルのシンセソロ(もしかしてショーターの吹くウインドシンセとかか?)が始まるが、スケールはDマイナーペンタ。
そしてさらに2’37くらいからザヴィヌルのシンセソロがオーバーダブされて出てくるが、これはDメジャーペンタにクロマチックな音使いをところどころ混ぜたもの。
うーん、DマイナーペンタとDメジャーペンタだと、F♮とF#がぶつかるんだが・・・笑
しかしおかしく聴こえるどころか、ペンタの鏡地獄の錯乱にはまりこんだようで音たちがイキイキとカラフルに聴こえる。
素晴らしい!!
ということで僕はペンタトニックスケールが大好きになったのです。
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先々週の末、神保町で久々にちょっとバブリーなイベントに出てきた。
あるインド料理の店が神保町のバブリーなビルにオープンするので、そのオープンイベントのライブに出演してきたのだ。
しかし例のごとくウチをでるのが時間ギリギリ、というか出発予定時刻を越してしまったので、玉堤通り→246→皇居周辺を安全運転で飛ばして、予定着時刻の15分過ぎで到着。
焦って現場に行くと、まだPAの用意もできてない。さすがインド人(笑)
15時に音出しリハで、21時に出演のはずが、リハは18時からになってしまったというインド時間っぷりだった(笑)
行く前は、うわあ6時間も待ちがあるのか・・・その間どうしよう、神保町の古本屋街でも行くしかないかな・・・とか思ってたんだけどね。
お客さんも徐々に集まり始めてきていて、金持ちそうなインド人や日本人がやたらに目についた。
この日のイベントにはお客さんが200人入ったと主催者が言っていた。
まかないでカレーやらなんやらも出たけど、うまかったし、共演者がヒューバート・ロウズに師事したというフルーティストや、モスクワ音楽院でスクリャビンばっかり弾いていたというピアニストやその他けっこう強烈な人ばかりで、現代音楽の話で盛り上がって、ぜんぜん飽きなかった。
そのうち「現代音楽の複雑な譜面フェチ」の話になって、「僕は現代音楽の複雑な譜面フェチなんですよーしかもグラフィックとかじゃなくてちゃんとした五線のやつ」とか言って、さらに「最近は複雑派っていうのがあってその牽引者がイギリスのファーニホウっていう人なんですよ」とかしゃべりまくってたら、そのピアニストが「あ、あたしも複雑な譜面好きです!!」とか言い始めて、さらにそのフルーティストが「あ、僕も好き、最近こんなの見てるよ」とかスマホでyoutubeのバラケのピアノソナタをかけ始めた。画面にはバラケとは書いてなかったが、僕はバラケのピアノソナタよく聴いていたので「あ、これは・・・バラケですね!」とか言ったら、「え、なんでわかるの!?」」とか驚かれてちょっと勝った気になった(笑)
《Jean Barraque: Sonate pour piano (w/ score) (1950/52)》
しかし今見てみるとそんなに複雑に見えないなあ・・・かなり物足りない。
せめてこれくらいグシャグシャじゃないと・・・件のファーニホウの室内アンサンブルの曲↓
《Ferneyhough La Chute d'Icare 1988 w score》
しかし最近はこれくらいでも物足りない。
・・・こうやって現代音楽の話したり、カレー喰いすぎて眠くなったので(どうせ不眠症で寝られないんだけど)、ちょっとは横になっておこうと思って、ビル内で横になれるとこ探して、ロビーにいい具合にソファーがあったので、「お、ここだここだここがいいや」とか思って横になっていたら警備員に注意されてしまった(笑)
まあなんとなく注意されそうとか思ってはいたんだけどね(笑)
・・・しかしまあ昔はもう外だろうがなんだろうが、コンクリートの上だろうが林の中だろうが、夜だろうが昼だろうが構わずどこでも寝ていたものだ。その頃はボロボロのN3Bのジャケットをよく着ていたので、そいう芸当ができたのだ。
・・・昔、もう20年くらい前だろうか、歌番組のバックの仕事をよくやっていた頃、確かNHKホールかなんかでの仕事の待ち時間がこれまた長くて、僕は外に出てどっかいい寝場所はないかなーとか思ってウロウロ探すと、NHKホールの前の広場にひらけていて人がいなくて日当たりが良くて、いい寝場所を見つけた。確か季節は冬の終わり?いや、NHKホールだからオザケンのバックで紅白に出たときかもしれない。でも紅白って夜中だよね?あ、でもTVではたしか夜7時くらいからやってるんだっけ?それならば昼から入っていたということは十分考えられる。
早速建物沿いに横になって腕を組んで、帽子を顔に載せて横になったらけっこう寝てしまった。
もう昔のことなのでよく覚えてないが、一時間近く寝ていたと思う。
で、寝てるときケータイが鳴り、出てみると、ディレクターから「菊地さん、どこにいるんですか!」とテンパった電話がかかってきた。ヤベ、もうそんな時間かと思って、眼が覚めて、起き直ってアグラをかいてアクビなんかして意識がハッキリしてくると、なんか周囲の気配がさっきと違う。
ん〜?なんだ〜?とか思って辺りを見ると、なんかNHKホールに入る入場者の列が僕の10mくらい前にズラリ100人以上並んでいる(笑)
僕はそいつらの目前でホームレスよろしくグーガー爆睡していたのだ(笑)
僕がボーっとして起きると、その行列の人間が一斉にこちらを見た。
さすがにあの時は恥ずかしかったですねえ(苦笑)
・・・しかしまあ、やっぱりバブリーなイベントはいいですね笑
やっぱロケーションがいいとテンション上がる。
この日は、インドのポップスを2曲と、あとなぜかマイ・フェイバリット・シングス、計3曲をやってきたが、まあちょっとPAの調子が悪くて、ライブの出来はまあ、まあまあ・・・って感じだったけど、ま、いいでしょう。
何人か有能なミュージシャンとも知り合えたし、まああとやっぱインド音楽の勉強になったよなー。
というか、突然ですが、最近、アコギの弾き語りが流行っている。
僕も息子の影響でそういうのコピーしたりしてるが(息子にさせられてる?笑)、最近のアコギのコードの構成音は専門用語でいうところの「ダイアトニックスケール内のテンションを多用している」ということだ。
なのでコピーがなかなか一筋縄ではいかないのだ。
ふーむ時代はこういう風になってきたのかと思うことしきりなのである。
例の行きつけのバーmasa2setsの弾き語りの人たちもそういうコードを多用している。
「なんかダイアトニックテンションだらけですね?そういのがお好きで?」とか質問すると、
「いや、なんとなく感覚で・・・」
ということらしいが、ちゃんと時代に乗れていて、うらやましい。
・・・なんでこんな話になったのか?
それは、今回やったインドの現代ポップスのコードが「ダイアトニックのテンションまみれのコード」が多用されていたから、というただの連想というか、現代の音楽シーンの一つの流行が共通していたからというだけにすぎない。
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あ、タバコがない。
うーん買いに行くのはメンドクサイから、久々に手巻きタバコ吸うか・・・とか思ったら巻紙がもうないじゃん!!!
しょうがない買ってくるか・・・
買ってきた
外は蒸してるけど、なかなか涼しかった。
昼はまだ暑いけど、夜はもう夏は終わりだねー。
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で、こないだの、さっき書いた、バブリーイベントは比較的早めに終わったので、そのあと夜中のドライブに行ってきた。
最近凝ってる多摩のほうの公園と、あとニコタマね。
実はこの日はある人と一緒にドライブに行くはずだったのだが、なんかその人はアーティストで締め切りがに間に合わない!!ので行けない!!とか言ってきたので、急遽他の友人に誘いをかけた。
しかしその人も鎌倉でイベントに出て踊っているという。
こりゃ今日は一人ドライブかな?とか思っていると、その人は、菊地さんドライブ久々に行きたい!!とか言ってきたので、どこか途中の駅で落ち合うということになった。
みんなイベントのあとはテンション下がらなくて元気なのだ(笑)
で、適当な駅で待ち合わせをして、とりあえずニコタマに寄って、写真撮りまくってきた。
ニコタマは僕が住んでいた頃に比べて大変貌を遂げている。
《ニコタマ抜け道2007》 《ニコタマ抜け道2019》
で、これから本格的に多摩方面に撮影ドライブ・・・のまえに小腹が減ってきて、今日は昼〜夜はかなりインド料理とかコッテリな感じのものを喰ってきたので、なんか突然うまいソバが喰いたくなり行きつけのバーに寄ると、もう終わってたのでしょうがない、ソバはあきらめて、どこにしよう?とおもって色々考えたが、最近は深夜、ドライブがてら行ける郊外でやってるうまいメシ屋やラーメン屋がどんどん無くなっているので、結局八王子まで行って「天一坊」という店に行った。
実はここには初めて入るのだが、まあここは2時半くらいまでやってて、前々から気になっていたのだが、雰囲気的にあんまりうまそうではなかったので、入ったことはなかったので、今回は貴重な体験。
僕はギョーザライスを頼んだが、思ったよりうまかった。
安いし、品数は多そうだし、またこよーっと。
・・・で、結局、その後多摩ドライブに軽く行ってきたのだが、最近お気に入りの公園で写真撮り大会になり、そこはなにか「実験農場」的なところで、水車とかあって面白い。
ハイテクとサバービアン感が同居したなかなか異次元感のある公園だ。
友人はネギ畑に向かって「生えろ〜生えろ〜」と手をかざして気を送っていた(笑)
その後友人を送り、帰ってくる途中、もう夜明け近かったが、第三京浜の入り口が目に入ったので、ついついハンドルをそちらに取られ、ビージーズとボズ・スキャッグスを聴きながら一人でまた横浜方面にAORダラダラドライブ。
・・・しかしさすがに疲れていたので途中の港北で降り、あえてナビを見ないでよくわからないシタミチを迷走しながら「佐藤春夫はこの辺に100年くらい前に住んで『田園の憂鬱』とか書いていたのか・・・・」とかボーッと考えつつ帰ってきてようやく満足したのでした(笑)
おしまい。