2009年03月30日

【宣伝】 会社法の教科書を書きました 【モード】

3年生の授業でフォーリンラブをやって、スベりました(挨拶)。




さて、とある事情で、長期間更新が滞りましたが、久しぶりの更新が、葉玉先生ではありませんが、いきなり宣伝です(済みません)。近い将来に、卒業おめでとうとか、最判平成21年3月10日とか、書く予定です。

で、4月10日頃に、若手(?)4人で書いた会社法の教科書が有斐閣から出版されます

でも、5月の試験を目前にしている方は、すでに新しいことに手を出してはいけない時期に入っていますので、試験終了後に購入してください(笑)。以下は、試験直前でない方々への売り込みです(笑)。

教科書は「相性」がありますので、万人に向けてお勧めするわけではありませんが、本書の特徴というか、執筆の際に留意した点をここに書いておきます。

(以下は、他の執筆者に相談して書いているわけではないのですが、まあ、大きな異論は出ないでしょう)

1.執筆者4人で会議を開いて、本書のコンセプトを話し合ったときに、「分かりやすい本」「読んでて退屈しにくい本」という点が繰り返し話題になりました。私が法学部の学生であった頃に比べて、民法や刑法の教科書には、(イマドキの)学生を読者として意識したものが増えてきていますが、会社法ではそういうものはほとんどないようです。ならば、そのような教科書への需要があるだろう、と考えました。

白黒だけのテキストを読むのが苦痛だという皆さんのために、思い切って2色刷り、とはいかず、古典的な白黒印刷になっていますが、従来であれば本文でだんらだんら説明されている事項についても、技術的細目であり、とりあえず初心者は飛ばして良い、と判断したところは、コラム化するなど、メリハリを持たせています。

図表も類書よりも多めに入れてあります。つまり、「本を開いて見た感じ」をフレンドリーにしました。

口頭での授業であれば、専門用語、難しい言い回しについて解説を加えることがあります。今回の教科書でも、すべてについてではありませんが、そういう説明を入れました。「分からないから暗記する」のは、イヤですからね。従来の教科書よりも「読んで(それなりに)理解できる」ように工夫したつもりです。

2.条文を羅列するような叙述はなるべく避けて、「会社実務のイメージを描きやすい本」「読者のイメージに働きかけること」を心がけています。

たとえば、おそらく会社法の教科書では初めての試みだと思いますが、事例を入れています。本文の中で簡単に「たとえば、取締役のA・B・Cが・・・」みたいな記述もありますが、簡単な事例や判例百選に出てくる有名な事件などを、特に「ケース」として枠囲みにして、取り入れています(この部分は、内田貴先生の民法の教科書のイメージです)。

「事例問題にも完全対応」とまでは行きませんが、「従来の教科書的知識と事例問題を解く際のギャップの、橋渡し」くらいはできているはずです。

受験生が苦手なところってありますよね(種類株式、新株予約権、持分会社、組織再編行為など)。本書では、苦手意識を取り除いてもらえるように工夫したつもりです。新株予約権のところでは、そもそも新株予約権はどういうものなのかを説明しています。「計算」でも、ルールの細目の説明よりも、企業会計がなぜ存在するのか、その基本的な特徴は何かを、なるべくコンパクトに説明していますので、類書よりも読みやすいのではないかと思います。

普通の教科書では必ずしも詳しくは書かれていない監査役制度の基本的な考え方や特徴については、通説的な立場から、なるべく詳しく解説していますが、会社法が定めている監査役に関するルールについては、本文では骨格だけを示して、細目はコラムに回しています。

3.叙述の順序についていうと、本書の章立ては、わりと普通です。たとえば新株発行(募集株式の発行等)は、株式の章ではなく、資金調達の章で説明されていますが、これは割とよく見られる章立てといって良いかと思います。

しかし、細目を見ると、少し変わったところがあります。まず、普通は「総論」で説明される「企業組織の選択」や「法人格否認」の話に深入りせず、あっさりと書いて、後の章で(企業組織の選択は第10章で持分会社と一緒に、法人格否認は債権者保護のルールという観点から第5章「計算」で)詳しく説明することにしています。会社法の概要を全くつかめていないときにこういう話をしても読者には苦労多くして実りが少ないであろう、ということで、工夫しました。

また、普通は株式の譲渡で扱われる「自己株式の取得」を、第5章「計算」で剰余金配当といっしょに扱い、取締役の義務等(善管注意義務や、利益相反取引の規制など)を取締役等の責任のところで合わせて扱うなど、読者が理解しやすい場所に持っていく工夫をしています。

細目については会社法の条文と本書の叙述箇所の対照表を最初に置いています。また、がんばって索引を充実させました。読みたい場所がすぐに探せるようになっているはずです。

4.全体として、民法についての最低限の知識があれば、はじめて会社法を勉強するという方でも読めるように、敷居を低くするとともに、ある程度学習の進んだ方でも二読・三読に値するように、少し進んだ内容も盛り込んであります(実務的なことがらも、受験「論点」も)。

また、(私の担当箇所ではありませんが)M&A(企業の組織再編)は特に充実しています。

・・以上、本書の特徴をいくつかご紹介しました。

どうしても自分(たち)の書いたものは主観的によく見えてしまうので、誇大広告になっている可能性がありますが、まずは書店で手にとって見ていただきたいと思います。

教科書を選ぶときには、とにかく立ち読みして、少なくとも5頁は読んで、それが自分に合いそうか否かをチェックすることが大事です。本屋さんや生協さんに嫌がられない程度に、立ち読みすることをお勧めします。

(ではまた)


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コメント一覧

1. Posted by 目指せ○○!    2009年03月31日 09:26
私は、5月に試験を受けますが、自己責任で買います(先生、心配しないで下さい)。ちょっとリスクがあるので、読むのは5月以降かもしれませんが。。。
簡潔な事例入りの会社法の教科書、欲しかったんです。ありがとうございます。
2. Posted by おおすぎ    2009年04月01日 18:37
もちろん、買っていただける分には、反対はしません(笑)。試験後に、ゆっくりと呼んでいただいて、こっそり(?)感想をお聞かせいただけますと幸いです。
3. Posted by mico    2009年04月02日 00:03
すっごく魅力的に見えます!!
まさに会社法にもこういうのがあればいいのに・・・
というニーズに応えたものという予感が。
私もかならず買います♪
4. Posted by 吟じます    2009年04月02日 00:23
先生はフォーリンラブというよりむしろ、
阿佐ヶ谷姉妹の3人目といった感じです。
音楽のセンスもありますし・・・

あると思います(笑)。
5. Posted by おおすぎ    2009年04月02日 09:33
みなさま、コメントありがとうございます。
思わず、ぐぐって、YouTube で見ちゃいました。そうか、そんな風に見られているんですね・・・
6. Posted by あるロー生    2009年04月07日 23:22
会社法の教科書を読みました。
受験生(旧司ベテランロー生)の一読した感想は・・・
○ずっと、こういう会社法の教科書が欲しかったんです!
 ・・基礎のみならず、基礎から応用へのつなぎの配慮が
細やかにされていて、本当にすばらしい!
 『まさに、至れり尽くせり!』

○わかりやすく、何度でも読み返せるところに感動!
 ・・この本を読んで、薄いと言われているK田先生の
 教科書で読み飛ばしてしまっている部分が案外多いと
いうことに気がつきました!
 『まさに、くじらのごとくに、無駄がないっ!』

○使える!
 ・・答案で規範として書かなければならない部分がしっかりと
わかりやすく書いてあるのが、とてもうれしい!
 『まさに、論○パターンいらず!』

・・・という感じです(かなりの独断かもしれませんが・・汗)。

 最後に・・
 『読むかどうか危ぶむなかれ!
  読めばわかるさっ!アリガトッー!』
(A猪木のモノマネをしている有田風に)
・・・と言いたくなったけふこのごろなのでした。
7. Posted by おおすぎ    2009年04月09日 08:42
>あるロー生 さま

ご返事が遅くなりました。教科書に対する感想を聞かせていただき(宣伝にご協力頂き(笑))ありがとうございました。しかもギャグ付で。

読者に喜んでいただけるのが、一番嬉しいです。

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