やっちゃったな、日産。
三菱自動車を廉価で手に入れた。

もちろん、三菱自動車自体の不正はマズイことだし、
自分自身の身から出た錆以外の何物でもないわけだが、
この不祥事に乗じて、あっけなく一つの会社を掌中にした
日産の立ち回り方は、鮮やかとしか言いようがなかった。

三菱自動車は、アジアの売り上げでは実績もあるし、
ラリー戦績などでの世界的知名度もあり、
エンジンサプライヤーとして、
中国産自動車のエンジン製作を一手に引き受けている。

その会社を手に入れるのに、
一番効率的な方法で、日産は三菱を手に入れた。
そう言えるだろう。

…だとすれば、eKワゴンの燃費に疑問を投げかけた当初から、
日産の頭の中には、三菱吸収のシナリオがあったのではなかろうか。

そうとしか、思えない。
三菱自動車の後見人とも言える三菱重工は、
ガソリンを積んだエコカーの立役者とも言うべき
ターボチャージャーを作っている。
最近、よく耳にするダウンサイジング・(エコ)ターボがそれだ。

そして、世界に流通する車に付いているターボチャージャーの
殆どは日本製である。日本の2社の独占状態だ。
その中の一社が三菱重工なので、日産はその入手ルートも手中にした。

こんな美味しい企業買収を、相手の弱みに付け込んで
一番効率よくやってのけたのだ。

しかも、日産だって、共同開発として出した「デイズ」車を
消費者に売った立場なので、加害者的要素がある。
でも、三菱自動車を援助する形をとったので、
三菱の救世主として、正義の味方的な立ち位置になってしまった。

日産ゴーン恐るべし。