◆リアクション06共通内容、じわじわと公開していこうという按配です。
 第一回はおなじみ【新日本女子プロレス】編、その(1)。
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■新日本女子プロレス SIDE■

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▼日本 東京都品川区 新日本女子プロレス・オフィス


――第一回“EXTAS”マッチメーク会議――


国内最大の女子プロレス団体・【新日本女子プロレス】。
その自社ビルの一室では、間近にせまった恒例の大型イベント“EXリーグ”にかんする打ち合わせがおこなわれていた。

「それにしても、風呂敷を広げすぎたのではなくて?」

資料に目を通しながら、やや呆れ気味に言ったのは《伊集院 光》。
元新女のレスラーにして、現在は背広組として団体に貢献している。

「そうですか? そんなこともないと思いますが」

微笑で返したのは《ミミ吉原》。
新女の重鎮の一人で、現役レスラーでありながら、コーチとしての才も高く評価されている。

「よく言うよ。あのオジョーサマやお龍ちゃんが出てくるだけでも一騒動だろうに」

そう混ぜ返したのは《六角 葉月》。
“用心棒”の異名をとる実力者であり、陰に陽に影響力を持つ団体の重要人物である。
この場に顔を揃えている面々が、まずは現場責任者といった所であった。
「とりあえず、現時点で決まってる面子はこれだけ?」
「そうですね。まずは、ジャスティス・フォース」


▼“ジャスティス・フォース”
《越後 しのぶ》(ジャッジメント・セブン:アジアヘビー級王者)
《斉藤 彰子》(ジャッジメント・セブン:アジアタッグ王者)
《山田 遙》(ジャッジメント・セブン:アジアタッグ王者)


業界を席巻する“正義の軍団”【ジャッジメント・セブン】。
その急先鋒が、このチームというわけだった。

「なるほどね。アジア王者トリオってわけか」
「肝心の二冠王は?」
「あぁ、利美ちゃんからは……何も話が来ていませんね」

団体の象徴である二冠王座“デュアル・クラウン”を持つ《南 利美》。
出場じたいは決まっているが、パートナーはまだ未定らしい。

「マスクドなんとかさんは出ないのかい?」
「え? あぁ、他のメンバーについては、まだ調整中らしいですね」
「ふぅん。……」

「正規軍からは?」
「そうですね、恵理ちゃんと、ジューシーの2人で組む予定です」
「ははん、前・アジア王者トリオってわけだ」

《ボンバー来島》(本名は来島恵理)、ジューシーペア(《マッキー上戸》《ラッキー内田》)によるトリオが内定しているようであった。

「アメリカ勢はどうなんです?」
「ん? あぁ、武藤たちが組むんじゃないかね」

アメリカから凱旋した《武藤 めぐみ》《結城 千種》《富沢 レイ》らによるチームも、出場が目されている。

「後は、ちづるちゃんが出たがっているようですけれど……」

手頃なメンバーが見つからず、苦戦しているらしい。

「……で、貴方たちはどうなのかしら? 現役のお二方」

伊集院の問いに、吉原と六角、そろって曖昧な笑みをうかべた。

「さぁ……どうでしょう。若い子たちに任せた方がいいのでは?」
「そうそう。老兵は消え去るのみ、ってね」
(……ぬけぬけと良く言うわ)

吉原、コホンと咳払い一つ、話題を変えた。

「さて、他団体の方ですが……」
「【WARS】は決まってるでしょう? 例の“銀龍砲”」

《サンダー龍子》と《フレイア鏡》の“銀龍砲”は、既に名乗りを上げている。
が、あと一人の面子が不明であった。

「でも、後ひとりなんだろ? だったらもう決まったようなもんじゃないかね」
「うふふ……でも、うかうかしていると、先を越されてしまうかも知れませんよ」

そんな風に微笑んだ吉原は、既に何かしら掴んでいるのかも知れなかった。

「東女さんは?」
「あぁ、もう決まっていますね。……“ブラックホール・クラスターズ”」
「へぇ、子猫ちゃんが登場か。うるさいことになりそうさね」


▼“ブラックホール・クラスターズ”
《ソニックキャット》(東京女子プロレス)
《小早川 志保》(東京女子プロレス)
〈南奈 るい〉(東京女子プロレス)


「寿のお嬢様も動いてるとか?」
「えぇ。新しいオモチャを使ってみたくてならないようで……」
「いやはやだな」

偶然にも? 同時期に経営危機に陥った【ワールド女子プロレス】と【太平洋女子プロレス】は、《寿 千歌》の寿グループの傘下に入ることで辛うじて命脈を保った。
その代償として、両団体の選手は苛烈な仕打ちを受けているという話も聞く。

「お嬢様という点では、埼玉のお人も大概ですが」
「あっちもコンビは決定だろ?」

《ビューティ市ヶ谷》(JWI)と《十六夜 美響》(VT−X)の“災凶タッグ”。
これまた銀龍砲同様、残り一人がなかなか決まらないらしい。

「ネオさんは、残り一人は試合で決めるそうですよ」
「へぇ。そりゃ、手っ取り早くて結構だね」

【プロレスリング・ネオ】からは、《ドルフィン早瀬》と《森嶋 亜里沙》が出場予定となっており、残り一人は所属選手によるトーナメントで決定するという。

「他には?」
「北条さんの所から、若い子たちが出てくるようですね」

【日本海女子プロレス】のコーヒーブレイクトリオ――すなわち、


▼“C.B.T”
《相羽 和希》(日本海女子プロレス)
《杉浦 美月》(日本海女子プロレス)
《ノエル白石》(日本海女子プロレス)


「そういや、パラシオンからも話が来てるんだって?」
「えぇ、どうなるかは未定ですが」

「……後、これが気になってるんだけど」
「え? あぁ……ソレですか」


▼“アンノウン・ソルジャーズ”
《ミステリアスパートナー1号》
《ミステリアスパートナー2号》
《ミステリアスパートナー3号》


「さぁ、私もよく知らないわ。上層部からの要請だから」
「へぇ? 伊集院サンが与り知らないとは、摩訶不思議な話もあるもんだ」
「そういうものよ。……なにせ、新女だから」
「……ごもっとも」

新女の闇はどこまでも深く――どこまでも、厚いのだった。

(つづく)