お待たせしました。

投資本のまとめ記事「オススメ投資本10冊(初級者編)」の続きです。

本エントリーで、当ブログ開始後に掲載した記事の数がちょうど1000となりました。

【中級・上級者編が主に対象とする方】
・既にある程度の投資経験があり、初級者編で紹介したレベルの本では物足りない方
・ベータ、アルファといった基礎的な用語の意味が分かる方。もしくは、学ぶ意欲のある方
・インデックス派、アクティブ派といった流派の区別にかかわらず、定番の本を知りたい方

では、10冊ご紹介します。


まず、最初にご紹介したいのは、ジェレミー・シーゲルの『株式投資』です。副題は「長期投資で成功するための完全ガイド」となっています。
株式投資 第4版株式投資 第4版
著者:ジェレミー・シーゲル
販売元:日経BP社
(2009-07-23)
販売元:Amazon.co.jp
株式投資に関する書籍の定番中の定番。1994年の初版以来、版を重ね本書は第4版となります。原題の「Stocks for the Long Run」に表れている通り、「株式は長期的に富を蓄積する」ということを豊富なデータに基づき説明。「本書にヒントを見いだせない人は、自らが投資に向いていないのではないか疑ってみるべきかもしれない。」と多くの投資本の翻訳を手がけた林康史氏が「あとがき」にコメント。ぜひ、貴方もご自身の適性をご確認ください。
(詳細はリンク記事「【読書メモ】株式投資 ジェレミー・シーゲル」)参照。
なお、第5版Stocks for the Long Run 5/E: The Definitive Guide to Financial Market Returns & Long-Term Investment Strategiesが出版されています。


次は、インデックス投資家のバイブル本『敗者のゲーム』(チャールズ・エリス)です。
敗者のゲーム―金融危機を超えて<原著第5版>敗者のゲーム―金融危機を超えて<原著第5版>
著者:チャールズ・エリス
販売元:日本経済新聞出版社
(2011-02-25)
販売元:Amazon.co.jp
「市場平均を超える」ことに、多くの投資家が挑みますが、「その投資家が市場そのもの」であるが故、売り手と買い手の損益は合計すればゼロであり、手数料等を考慮すれば全体としてマイナスサムの「敗者のゲーム」を戦っているというのが本書のメイン・メッセージです。このため、エリスは、単純で、透明性が高く、低コストで、課税上も有利なインデックス・ファンドで市場全体に投資することを推奨しています。なお、敗者のゲーム〈原著第6版〉 [単行本]が出ました。


チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』より昔(原著第1版は1973年出版)からインデックス投資家の座右の書として支持されてきたのがバートン・マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー』。
ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理
著者:バートン・マルキール
販売元:日本経済新聞出版社
(2011-06-18)
販売元:Amazon.co.jp
個人的には、本書はやや冗長なところがあるため、マイ・ベストではありません。ですが、経済学博士が書いた投資本の「古典」だけあって、市場の歴史や理論的な解説が非常に充実しています。475ページ(私が読んだ第9版の場合)と今回ご紹介する本の中では一番ボリュームもありますが、やはり、読んでおきたい一冊。(参考記事「A Random Walk Down Wall Street」再読しました


次は、インデックス投資家が信奉するジョン・C・ボーグルの本の中で、私が一番好きな一冊です。
マネーと常識 投資信託で勝ち残る道マネーと常識 投資信託で勝ち残る道
著者:ジョン・C・ボーグル
販売元:日経BP社
(2007-08-09)
販売元:Amazon.co.jp
ボーグルと言えば、米投資信託大手バンガード・グループの創業者として、インデックス・ファンドを世に広めた人物として有名。著作も複数出しており、代表作は『インデックス・ファンドの時代―アメリカにおける資産運用の新潮流』ですが、私は非常にシンプルに一番大事な点を凝縮した本書を推します。チャールズ・エリスが言う様に、株式の「売買」でリターンを得ることは非常に難しいですが、資本主義は、企業の成長・生産性・革新を通じて富をもたらし、その所有者たる投資家にとってはプラスサムの「勝者のゲーム」であるとボーグルは言います。投資におけるコスト(含む税金)の重要性とインデックス運用の有効性をコンパクトにまとめた本書は、幅広い人にお薦めできる一冊です。


ここからアクティブ運用に関する本をご紹介します。
全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦
著者:ジム クレイマー
販売元:日本経済新聞社
(2006-07)
販売元:Amazon.co.jp
プロローグが「株式投資はアートだ!」で始まる本書。「投機のない分散投資なんて無意味」と刺激的な言葉が続いたと思ったら、「老後資金にしくじりは許されない」という至極まっとうな章もある。なんだか楽しそうな感じですが、実際「投資は楽しく行うもの」という考えが本書には一貫しています。
時間とやる気があり、ある程度のリスクがとれる人は、十分な下調べのもと、トレーディング(投機)をすることを推奨。つまり、「バイ・アンド・ホールド」ではなく「バイ・アンド・ホームワーク」が大切と言っているわけです。後述する本の著者でもある山崎元氏が著者を間違いなく「本物」と評価(リンク記事参照)、また、私が愛読するブログの管理人で投資家・著作家でもある春山昇華氏も「私が出会った株式投資のHow To 本の中では、最も価値が高い」(リンク記事参照)と最大級の評価をしています。


翻訳本が続きましたので、日本人が書いた本をご紹介します。
バリュー株投資は「勝者のゲーム」!バリュー株投資は「勝者のゲーム」!
著者:井手 正介
販売元:日本経済新聞出版社
(2010-11-19)
販売元:Amazon.co.jp
著者の井手正介氏は、投資に関する本の著者としては私が一番信頼できる方の一人。上記で紹介した『ウォール街のランダム・ウォーカー』『ジム・クレイマーの株式投資大作戦』『インデックス・ファンドの時代』の他、『フィデリティ―史上最強の投信王国、『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』の翻訳者として知られ、日本の証券アナリストの草分け的存在です。ご自身でも『ビジネスゼミナール 証券分析入門 (ビジネス・ゼミナール)』等多数の著作があります。ベンジャミン・グレアムウォーレン・バフェットが実践してきた手法を現在の日本に合うよう修正したバリュー投資を提唱する本書は、日本の株式市場の効率性に疑問があり、個別株での投資をお考えの方には、ぜひ読んで頂きたい一冊です。参考記事(【読書メモ】バリュー株投資は「勝者のゲーム」!」 井手正介


成長株投資に関する本で、好きなのが、フィリップ・A・フィッシャーのこの本。
フィッシャーの「超」成長株投資―普通株で普通でない利益を得るためにフィッシャーの「超」成長株投資―普通株で普通でない利益を得るために
著者:フィリップ・A. フィッシャー
販売元:フォレスト出版
(2000-10-01)
販売元:Amazon.co.jp
かつて、ウォーレン・バフェットが「私の15%はフィッシャー、85%はグレアムで出来ている」と語るなど、バフェットはフィッシャーからかなり影響を受けています。「ときが経つほど大きな価値を生み出してくれる株は決して売らない」「正しく選び抜いて買った株には、売り時などほぼ存在しない」「一見すると高すぎるように思える株のなかに、実は最高に安い買い物が含まれていることもある」「分散投資にこだわるあまり、よく知りもしない会社に投資をするほうがはるかに危険」「最高のものを手に入れることに意識を集中しなければなりません」などバフェットに影響を与えたことがわかる深い言葉が満載です。


ジェレミー・シーゲルの本をもう一冊。これも定番の『株式投資の未来』です。
株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす
著者:ジェレミー・シーゲル
販売元:日経BP社
(2005-11-23)
販売元:Amazon.co.jp
これは『株式投資』以上にお気に入りの一冊。豊富なデータに基づき、実体経済(成長率)とマネー経済(株価上昇率)は別物というユニークな結論を展開。多くの投資家は両者を混同し“Growth Trap”に陥っていると警告しています。先進国の高齢化、新興国の急成長を踏まえ、有望な業種、金融商品、ポートフォリオの割合などシーゲル教授の持論も含め書かれています。21世紀の半ばには、新興国の投資家が世界のグローバル企業の大半で過半数を占める株主になっているとの予測は、重要な含意があると思いました。


最後は山崎元さんの『ファンドマネジメント』です。 
ファンドマネジメント―マーケットの本質と運用の実際ファンドマネジメント―マーケットの本質と運用の実際
著者:山崎 元
販売元:金融財政事情研究会
(1995-12)
販売元:Amazon.co.jp
本書は、ファンドマネージャーのための「実用書」となることを意図として書かれたものです。学者の手による理論を中心に書かれた本とは異なり、「教科書の引用風の記述を極力避け、筆者自身の言葉で」、「ファンドマネージャーばかりでなく、年金基金等の資金運用の委託者側の関係者あるいはファンドマネージャーの管理者にもぜひ読んでいただきたい」との筆者の思いがこもった力作。プロ向けの本ですので上級者向けになりますが、私は非常に参考になりました。


最後は、新しい本の中から一冊。最近、何度もご紹介しているハワード・マークスの本です。
投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識
著者:ハワード・マークス
販売元:日本経済新聞出版社
(2012-10-23)
販売元:Amazon.co.jp
著者は「リーマン・ショックで最も稼いだ運用会社」として知られる「逆張りファンド」の創業者兼会長の方。本書では「いかに投資リターンを達成するかという点よりも、リスクの概念とリスクをいかに限定するか」という点に重きを置き、賢い投資家になるための要諦を披露。(参考記事:【読書メモ】投資で一番大切な20の教え ハワード・マークス)なお、この本は私が2012年に読んだ本の中でも、評価が高い代表的な本としても紹介しています。(参考記事:2012年に読んで良かった本


以上、10冊ご紹介しましたが、いかがでしたか。多くが他の投資ブログやマネー雑誌等でもよく見かける本だったと思いますが、いずれも「それだけのことはある」本ばかりです。

【まとめ】
株式投資に関する基本的な理解を深めるためには
⇒『株式投資』

インデックス運用の参考書
⇒『敗者のゲーム』『ウォール街のランダム・ウォーカー』『マネーと常識』

アクティブ運用の参考書
⇒『ジム・クレイマーの株式投資大作戦』『バリュー株投資は「勝者のゲーム」!』『フィッシャーの「超」成長株投資』『株式投資の未来』

プロのファンドマネジャーの運用手法を知る
⇒『ファンドマネジメント』

「負けない運用」の参考書
⇒『投資で一番大切な20の教え』

余談ですが、今回ご紹介した10冊のうちフィッシャーの本を除く9冊の出版元が日経新聞関係です。定番の良書をおさえているあたり、さすがですね。

追記)2016/1/10
・ブログを引っ越しました。→leveraged1.com

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