4月20日に私が投資している投資信託のひとつである鎌倉投信「結い2101」の運用報告会に参加しました。

運用報告会は年2回開催されており、今回は2013年3月末のデータに基づいたもの。特別企画として投資している「いい会社」のひとつであるライフネット生命の出口社長をお招きし、同社が何を目指し、何を成し遂げようとしているのか等を経営者からダイレクトに受益者が聴ける貴重な機会となっています。(参考:当社セミナー・イベント情報

1 ライフネット生命 出口社長講演
・今回の報告会には、後述する通り「結い2101」のファンド自体の状況がどの様になっているのかを確認することを主目的に参加しました。

・とはいえ、出口社長の話も中身のあるものでしたので、簡単に触れておきます(「まとめ」ではありません。印象に残った箇所のメモ及び感想です)。まず、ライフネット生命ですが、名前にもある通り、いわゆる「ネット生命保険会社」です。

(1)経営理念等
・「若い世代の保険料を半分にして、安心して子どもを産み育てることができる社会を作りたい」という起業の思いと「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な保険商品・サービスを提供する」という理念、そしてマニュフェストを柱とし、インターネットを活用した効率的なマーケティングや全国各地で行っている講演活動等を通じて、生命保険を「比較して、理解し、納得して」加入する社会を作っていきたい、との思いを持って経営されています。 

(2)我々は世界経営計画のサブシステム
・会社経営の話の前に、出口社長の持論である「人は動物である」や我々は「世界経営計画のサブシステム」を構成しており、各自がこれにどう貢献できるかという視点を持つことが重要という話をされました。(出口社長がいつも必ずする話です。)

(3)数字・ファクト・ロジック
・経営に関しては「数字・ファクト・ロジック」を重視。例えば、創業当時はやらないと言っていたテレビCMを今は流す様になりましたが、全国一斉に同時に流すことはないそうです。そのかわり、今月は東京で、来月は大阪という風に一カ所に集中してCMを流し、当該地域と他の地域の保険申し込み件数の伸び等を比較することにより、効果的・効率的に広告費を使用しているとのことでした。
・なお、ネットだけで認知度を上げることの限界を感じて、CMを活用するようになった模様です。

(4)国際競争力(IMD)ランキング
・スイスの国際経営開発研究所(IMD)が毎年公表している国際競争力(IMD)ランキングにおいて、日本は2012年時点で27位に甘んじています。 これは、日本が90年代以降、人口減少・高齢化・世界経済の構造変化等に抜本的な策を講じることができず、対処療法(金融・財政政策)を続けてきた結果というのが出口社長の見解。若い人には、この日本の低い数字をネガティブなものと受け止めず、むしろ、頑張れば上を狙えると前向きに捉えてほしいとのことでした。(ちなみに、1991年頃は日本は世界で1位でした。)

(5)人まねは駄目。多様性が必要
・人まねは駄目。自分の頭で考えることが重要。「勉強」というのは、「脳みそ」の中に音楽で言えば、たくさんの「音符」を入れる作業。音符があるから作曲ができる。
・組織もひとつの頭だけでは、良いアイデアが出ない。ダイバーシティーが重要。ライフネット生命では保険業界で初めて常勤の女性役員が誕生。採用にも年齢制限なし。

(6)誕生秘話
・日本生命を退職し、子会社で働いている頃、谷家氏(あすかアセットマネジメントリミテッド)から「一緒に保険会社を作りましょう」と言われ、初めて会って30分で「いいですよ」 と答えた。
・この話は有名ですが、人との出会いや決断というのは案外こんなものかもしれません。
(参考:社長インタビュー 出口治明 第1回 起業とは凧揚げである) 

(7)その他
・ 当社は5月18日で創業5年を迎えるそうです。私は出口社長と副社長の岩瀬大輔氏が創業前の「ネットライフ企画」の頃から、お二人の講演を聴いたり本も読んでいました。
・そういう意味では、今回の話は特に目新しいところは無かったです。ですが、一生のなかで住宅に次いで2番目に高い出費となるという保険を少しでも安い価格で提供したい、との思いを実際に「戦後初の生命保険会社の設立」、そして(会社の認知度・信用力を向上させるためですが)創業後数年で上場も実現(世界でも保険単独で事業を行っている企業としては唯一の上場するネット保険会社)した出口氏の実行力は尊敬に値します。
・「歩く図書館」との異名を持つ読書家で博学の出口社長ですが、会社経営を離れた読書や旅行の話等も非常にためになりますので、皆さんも機会を見つけて講演等に足を運ばれることをおすすめします。 

2 「結い2101」運用報告
では、主目的であったファンドの運用状況に関してのレポートについて書きたいと思います。こちらの方が分量的には少ないですが(笑)。

(1)最優秀ファンド賞を受賞!
・おめでたいことに、運用報告会の前日に発表された「R&Iファンド大賞2013」において「結い2101」が最優秀ファンド賞(投資信託 国内株式部門)を受賞しました。(リンク:R&I鎌倉投信リリース) 
・これは、設定から3年以上の期間を有するファンドを対象とした「シャープ・レシオ」の3年間の残高加重平均値のランキングにおいて第1位のファンドを表彰するものです。(ちなみに、次点で「優秀賞」を受賞したのは、前回「最優秀賞」を受賞した「ひふみ投信」です。)

(2)純資産総額
・3月末現在で3,466百万円。報告会時点では39億円台まで増加し、40億円到達目前となっています。

(3)投資先企業数
・41社。 開示可能な組み入れ比率の基準に到達していない2社を除く39社については、具体的な企業名が鎌倉投信リリースやHPで確認可能です。

(4)非上場会社(社債)の組み入れについて
・今回の報告会に参加したのは、当ファンドが非上場企業の社債に投資したことについて、当ブログで記事(「鎌倉投信に受益者の一人として申し上げたいこと」)として取り上げ、そこで進言した「説明・透明性の改善を要望」に関する状況を自らの目・耳で確認したかったからです。
・上記記事については反響が大きく、この記事の要因もあるのか現在「鎌倉投信」でGoogle検索すると当ブログが上位になることから、その後の状況をフォローするのが責務と感じていました。
・今回の報告会は、出口社長の講演もあり(少し時間をオーバー気味)、運用報告は“ショート・バージョン”ではありましたが、組み入れ企業の説明のところで、1)該当企業の名前(みらい教育研究所)、 2)会社概要(結いだより第35号参照)、3)投資金額(50百万円)と期間(10年)、4)資金使途(同時翻訳ソフトの開発費用)について、しっかりと明確に説明がありました。なお、4月7日に鎌倉本社での運用報告会においても、しっかりと説明している様子が、ブログ“いい投資”探検日誌 from 新所沢の記事(結い2101運用報告会@鎌倉投信に行って来ました)でもよくわかります。

(5)株式 組み入れ比率
・今回の説明内容で一番注目した数字、そして「結い2101」らしいと思ったのが、この数字です。
・受益者から預かった資金のうち、3月末現在で約59%を株式に投資(残りは殆どがキャッシュ)。昨年7月末時点では約63%でしたので、日本の株式市場が上昇する中で株式を売却し比率を落としていることになります。
・これは、当ファンドが受益者に約束しているリスクを10%に抑え、信託報酬控除後4%程度のリターンを還元、に沿った運用を行ったことによるものです。新井・資産運用部長曰く「今後、日本株(TOPIX)が一本調子で上昇していくとお考えでしたら、当ファンドは解約した方がよろしいと思います」 といったニュアンスの発言もありました。

(6)徹底した分散
・当ファンドについては、当ブログでも過去記事、また、相互リンク先等のブログでも取り上げられており、今回、詳細の説明は省略しますが、いろんな観点で分散が図られています。
・具体的には、原則均等投資、業種分散、上場する市場の分散、企業規模の分散、主な所在地の分散等の切り口です。特に、上場する市場については、東証一部のウエイトは全体の5割以下にとどめ、TOPIXと“相関しない”運用を心がけているとのことです。投資先企業にとっては喜ばしいことですが、投資先が“勝手に”より上の市場に上場替えとなるため、比率維持のために苦労しているそうです。時価総額1,000億円以上の相対的に大きな企業への投資比率は約14%に維持。

(7)ウェザーニューズを全売却
・売却したのは、当ファンドの標榜する対話型の取り組みが、同社側の経営スタンスの変化から継続不能と判断したため。ファンド設定以来、全て売却したのは、NTTドコモにTOBされた「らでぃしゅぼーや」を除けば、今回売却したウェザーニューズ1社のみ。 

以上で報告会のレポートは終わりです。参考になれば、幸いです。
追記)2013.4.22
・本日、純資産総額が初めて40億円を突破。
・報告会の様子(一部)は、4月25日(木)にテレビ東京のWBSで放映予定とのことです。

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