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 政府が商業捕鯨の再開に向けて、国際捕鯨委員会(IWC)から脱退する方針を固めたことが19日、分かった。日本は9月に開かれたIWCの総会で、資源が豊富な一部鯨種の商業捕鯨の再開を提案したが否決された。日本など捕鯨支持国とオーストラリアなど反捕鯨国の対立が膠着(こうちゃく)状態となっていることから、IWC加盟のままでは商業捕鯨の再開は困難と判断したとみられる。脱退方針は年内にも表明する。

 「あらゆる可能性を追求していく決意」
 9月の総会で日本は、ミンククジラなど一部の商業捕鯨の再開を提案した。捕獲枠や保護区の設定などの重要な決定に必要な賛成数を現在の4分の3以上から、一定の条件を満たせば過半数に引き下げる要件緩和案も合わせて示した。反捕鯨国が重視する保護区を設定しやすくなる仕組みも盛り込み、捕鯨支持国と反捕鯨国の対立によるIWCの機能不全を打開することも狙った。
 しかし、採決では賛成27、反対41で提案可決に必要な4分の3以上の同意を得られず否決され、手詰まり感は否めなかった。当時、農林水産副大臣として総会に出席した公明党の谷合正明参院議員は「あらゆる選択肢を精査せざるを得ない」として、IWCからの脱退の可能性を示唆。安倍晋三首相も先の臨時国会で「1日も早い商業捕鯨の再開のため、あらゆる可能性を追求していく決意」と述べていた。

 網走沿岸海域でも調査捕鯨  
 IWCは国際捕鯨取締条約に基づきクジラ資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展を目的に1948年に設立された国際機関で、日本は51年に加盟した。IWCは82年、商業捕鯨の一時停止を決定。日本はその後、87年から南極海で、94年からは北西太平洋で調査捕鯨を続けてきた。北西太平洋の調査捕鯨は2017年度から網走沿岸海域でも行われている。
北海道新聞(小森美香)