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スポーツと菜食の関係。人間の体と食べもの。~オリンピック金メダリストへの手紙(前編)~
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「今までの部分を、さらに詳しく、どうぶつ学的に解説します」
肉食どうぶつは、瞬発力がありますが、持久力がありません。
持久力がある肉食どうぶつはいません。
持久力があり、長距離を走れるどうぶつは必ず草食です。
ネコの消化器官(喉から肛門まで)は約2.1mで、身体の大きさの約4倍の長さです。ライオンの消化器官は約6.9mで、身体の約3.9倍の長さです。
これに比べて、人間の消化器官は長く、約7m~9mあります。身体の大きさと消化器官の比率としては、人間の消化器官は身体の約8倍の長さです。
アフリカゾウの消化器官は身体の約7倍ですから、完全に草食で4メートルもの巨体なアフリカゾウよりも、人間の消化器官のほうが比率的に長く、人間は本来、完全に草食どうぶつ(菜食)だと言えるのです。
人間の身体は、草食どうぶつと同じ構造になっていますから酸性が強い肉類、脂類を食べると消化酵素が大量に必要になり、その結果、他の修復が必要な個所に代謝酵素が回らず、結果、細胞が損傷したままの時間が長くなり、病気になりやすいのです。
繰り返しになりますが、人間が菜食生活を行っている場合、植物は、長時間、体内(消化器)に残り続けるような事はなく、腐敗する前に便となって排泄できますし、体に滞留している間も有害な物質が発生し辛いです。
しかし肉類は、肉となっているそのどうぶつが殺害された時点で一気に腐敗がはじまり、その速度は速く、長時間、消化器内に留まり続けて、腐敗が進めば染色体に損傷を与える「ガン」に関係する物質が8種類作られるとされています。
また、スーパーで販売されている肉には、肉の黒ずみを防ぎ、発色を良く見せるために、亜硫酸塩が添加されています。この亜硫酸塩は、ニトロソアミンを形成します。ニトロソアミンは非常に強力な発ガン物質です。
遺伝子組み換えの農薬まみれの飼料で牛や豚や鶏は育てられています。そういう餌を主食とさせられているどうぶつ達が病気にならない筈がないのですが、死なないように育てて出荷しなければ利益になりませんから、ワクチンや抗生物質を大量に投与して飼育しています。そのようなどうぶつを人間が食べる訳ですから、健康でいられるはずがありません。
また、そもそも草食である人間が肉食になることで病気が増えてきました。乳がんや筋腫は人類という種全体の問題にまで膨らんできています。勿論、遺伝もありますが、これらの殆ども肉食が原因だという研究結果がでてきています。日本の研究者や医師は「肉食が原因だ」と言うと反感をかうため「食の欧米化」という言葉に置き換えていますが「食の欧米化とは、肉類や乳製品を食べる事」を言っています。
また、肉類には沢山の脂質が含まれています。
もちろん、植物性の脂質(オリーブオイルやごま油やヒマワリ油)なども、ありますが「どうぶつ性の脂質」は、人間の体に取り込まれた後、溶けにくい状態になっています。なぜなら、牛や豚や鶏の体温は人間よりも高いからです。つまり、脂の溶解温度も高いという事です。牛の体温は38.7度、豚の体温は38.9度、鶏の体温は41度くらいです。ですから「人間が体の中に取り込んだどうぶつ性の脂質を完全に溶解するには、熱が出ないと溶かせない」のです。
また、スポーツ選手などが激しく体を動かす際には、血液循環がとても重要です。
血液の循環で全身に酸素が供給されます。全身に酸素が給されないと、人間の体は動きません。ですから、血液がサラサラしていて、なおかつ血管の中もクリーンな状態でなければなりません。
どうぶつ性の脂分を摂取し、それがコレステロールとなり、血管内に滞って、血液循環を妨げていれば、酸素が全身にスムースに供給されず、筋肉が的確に動きません。※植物油でも「コーン油など」は心臓発作のリスクが高くなるので注意が必要です。
【じゃあ、魚なら良いのでは?】
そう思われるかもしれませんが、人間による水の化学物質汚染や石油製品(マイクロプラスチックなど)による汚染で、魚の体も大きなダメージを受けています。
世界中のカエルは水の汚染によりツボカビ病が大流行して絶滅が危惧され、環境ホルモンにより繁殖不能となったワニなどが地域絶滅しています。
例えば、マグロやカツオのように生態系の上位にいる魚は、生物濃縮(せいぶつのうしゅく)によって、沢山の汚染物質を体に蓄積しています。汚染物質の中には、重金属(水銀やカドミウムやコバルトなど)も含まれます。※水銀とは水俣病の原因になった重金属でありカドミウムはイタイイタイ病の原因になった重金属です。
生物濃縮とは、水の中の生態系の食物連鎖として、植物プランクトンを動物プランクトンが食べ、それを食べる甲殻類や魚へと体内に汚染物質が濃縮して蓄積されてゆく状態を言います。
もっと簡単に言うと、プランクトンを小魚が食べ、小魚を中ぐらいの魚が食べ、中ぐらいの魚を大きな魚が食べ、大きな魚をアザラシやトドやシャチやホッキョクグマが食るというように、食物が連鎖して行く事を食物連鎖と言いますが、体が大きい魚介類は、プランクトンや小さな魚介類を食べている魚介類を沢山摂取するので、その個体の体が大きくなればなるほど、海の生態系の頂点に近付けば近付くほど、生物濃縮が大きいのです。
濃縮された汚染物質は、当然、高濃度です。
例えば、ホッキョクグマは、北極に住んでいるので人間が出す汚染物質とは無縁のように思われるでしょうが、実は、人間の約500倍の汚染物質を体内に溜め込んでしまっているとも言われています。
これが生物濃縮です。
プランクトン→魚→アザラシ→ホッキョクグマと、どんどん濃縮されてゆきます。
人間は、地球上の食物連鎖には含まれていませんが、生態系の頂点に近いマグロなど、何でも食べるので、人間の体には、汚染物質がどんどん蓄積されて行くのです。
貝は大抵、海の底の土をこして、その中にいるプランクトンを食べています。
ヘドロが堆積した海や川の底の土をこして食べている貝を人間は食べているのです。
「魚や貝やイカを刺身で食べるということは、その魚たちが住んでいた場所の水を、そのまま飲めるのか?」という事と同じなのですが、そう考えると、みなさん「飲みたくない」「飲めない」と言います。でも、その水の中に住んでいる魚や貝やイカは平気で食べてしまっています。
※東日本大震災で押し寄せた津波の色が黒いのは、人間が出した生活排水の中の有機物が海底にたまり、それが腐敗してヘドロ化し、それを巻き上げながら津波となって押し寄せたため、黒い波だったのです。
【卵や牛乳はどうなの?】
牛乳や卵も同じです。
乳牛も肉牛も、遺伝子を組み替えられて作られた「デントコーン」や農薬まみれの飼料を沢山食べさせられています。
また、育てる段階で死んでしまうと、お金になりませんから、死なないように、抗生物質やワクチンを大量に投与されています。
牛乳(乳)とは、乳腺細胞が血液から作りだすものです。
血液には、多くの物質が含まれています。当然、注射された薬品は、血液に混じって全身に循環しますので「乳」にも含まれてしまいます。
それを飲んでいるのですから、人間の体に良い訳がありません。
本来、牛の子どもが成長の為に飲むものが牛乳です。
牛は、妊娠すると、エストロゲンとプロゲステロンというホルモン物質を分泌します。妊娠しないと乳は出ませんし、乳牛たちは、乳を出す為だけに飼育されていますから、常に妊娠させられています。ですから、エストロゲンとプロゲステロンというホルモン物質も牛乳の中に混じってしまい、人間が牛乳を飲むと、それらのホルモン物質も摂取してしまうのです。それらが乳がんや子宮ガンや卵巣がんの原因になっているとも言われています。
しかも牛乳に含まれているタンパク質はカゼインが主ですが、このカゼインも発癌性があるとされています。
また、カルシウムが豊富とされている牛乳ですが、実は、牛乳100gに100㎎のカルシウムが含まれていますが、大根葉には210㎎、小松菜なら290mgも含まれています。タンパク質も牛乳100gには3gですが、ブロッコリーなら倍の6gも含まれています。
卵も同じです。
卵を沢山産むように改良されたニワトリも遺伝子を組み替えられて作られた「デントコーン」を沢山食べさせられ、窓のない部屋で狭い檻に閉じ込められて卵を産まされています。
ニワトリは、セキショクヤケイという東南アジアに生息する種類が原種なのですが、本来、1年間に10個前後しか卵を産みません。それをどんどん改良して、年間300個以上の卵を産むように改良されています。しかも、本来、生きものは、無精卵(むせいらん-受精していない卵)は産みません。
卵を産む(出産する)という行為は、母体に凄く負担がかかるので、卵を産んで結果的に孵化しなかったという事があっても、初めから無精卵を産むという事はありえないのです。
すべてのそうぶつは、子孫を反映するために卵を産んだり、子どもを産んだりします。それが生物の当たり前の姿です。
卵生産の為に育てられているニワトリが無精卵を年間300個以上も産むのは、人間にそういう体に改良されたからです。
人間の体には、毎日、沢山のガン細胞が発生してしまうと言われています。しかし、免疫細胞がきちんと作用してくれれば、ガン細胞が増殖する事はありません。しかし、ガン細胞と闘うために、多くの細胞がエネルギーを消費してしまいます。スポーツ選手が運動に使いたいエネルギーを、ガン細胞との戦いや食べものの消化に使用してしまうことは、とても不効率ですから、まず、ガン細胞が体の中に発生しない食生活、消化・吸収でエネルギーを消費しない食生活をする事が、スポーツ選手にとって、とても重要だという事です。
【日本人はなぜ、肉食になったの?】
日本は何度も戦争に負け、服装や食など、欧米化を余技なくされてきました。日本の現代生活において「肉食が当たり前」となっている事から「肉を食べない」という事がとても驚く発想に思えるかもしれませんし「そんなの無理だ」と思われるかもしれませんが、日本人が、狩猟民族であったのは、今から約1万5千年前の縄文時代までであり、弥生時代には、狩猟ではなく稲作を行う定住民族に変っており、そこから寿命や健康面が改善したとされています。今から6千年前のことです。
ですから日本人は、6千年前から、穀物や野菜や木の実などが中心の精進料理のようなものを食べていた訳です。
一部の狩人(かりうど)などが山で狩りをしてどうぶつを食べていましたが、これも675年に天武天皇が「肉食禁止令」を出して以来、日本では公に肉食が禁止されていましたが、ペリーが来航(1853年)した事によって、暴力で鎖国を解除させようと、開国を迫り、屈した明治天皇が開国してしまいました。これに伴い1872年に肉食が公に解禁されましたが、肉食は約1200年間、厳しく禁止されていましたので、日本人には、今からさかのぼって、概ね146年間ほどしか、肉食の歴史が無いのです。こういう意味でも、日本人の体が肉食には耐えられない構造なのです。(最近「グルテンフリー」という言葉を聞く事があると思います。これは西洋人が食べてきた小麦や小麦から作られた食材を、そのまま日本に持ち込んだのですが実は「グルテン」という成分が日本人の体には合っておらず、消化器官を傷付けていた為「グルテンの含まれていない食材にしました」という表示が「グルテンフリー」です。
西洋人は小麦を長い年月食べてきました。しかし日本人の主食は「米」であったため、小麦に含まれているグルテンに対応できる体の作りになっていないのです。肉食や乳製品が日本人にあっていないのと同じです。
明治天皇が開国してからは、欧米の食(肉食)がどんどん持ち込まれ、その後、日本は戦争で敗北した事から、一気に食の欧米化がアメリカによって行われました。これは、外貨が欲しかったアメリカが貿易と称して日本の食生活をも支配していった結果です。
ですが、現代の日本の食生活から考えると「えっ! 肉食べないの?!」となるかもしれませんが、日本人本来の体の構造や消化酵素などに合わせて、日本人の古くからの菜食に戻すだけであり、その方が日本人本来の体の力を最大限に発揮できるのです。
(※戦後より、現代の方が日本人の寿命が延びているのは、食事の供給が安定したためと、医学と科学の力であり、肉食が普及したからではありません。)
例えばこんな事もありました。江戸時代には、1日に約97km~180kmもの距離を走る飛脚が西洋人に驚きを与えたと言われており、その原因は全て、精進料理と日本の発酵食品でした。しかし西洋人は当時そんな事とは知らず「この速さと持久力を持つ日本人に肉を食べさせたら、もっと走れるようになるのではないか?」と考え、飛脚に肉を食べさせて生活させながら仕事をさせたそうです。しかし西洋人の思いとは裏腹に、飛脚はどんどん走れなくなったと言われています。そこで西洋人は質素な精進料理と日本の発酵食品に注目したのが始まりで今になってそれが少し違った形で伝えられ「日本食ブーム」になったと言われています。
「1日に約97km~180kmもの距離を走る」という事を、現代の陸上競技に置き換えて考えると、フルマラソンの選手が42.195kmを走る速さのまま97km~180kmを走っていた事になります。しかも足袋(たび)や草履(ぞうり)で。
少し大げさな例ではありますが、これが日本人本来の力だと、私は思っています。
ちなみに、当時は走り方も現代とは違い、ナンバ歩き(ナンバ走り)という、右手と右足、左手と左足を、それぞれ同時に出しながら、少し前に倒れ込むような格好で走っていたとされています。これによって、1歩の歩幅が大きくとれ、速さにも繋がったとされています。
これ以降の文章内容は、〇〇さんが選手生活を続けられる前提で書かせていただきました部分も含まれております。指導者という立場であっても同じですので、あえて、そのままにさせていただきました部分もございます。失礼がございましたら申し訳ございません。
【簡単に言うと完全菜食生活をする方をVEGAN(ヴィーガン)と言います】
※正確には「どうぶつを一切搾取しない生き方をVEGAN(ヴィーガン)と言います。
私は〇〇さんの〇〇〇〇〇〇〇をテレビで見ていて、海外の選手に負けない、高い運動能力を持っている体だと思い、〇〇さんの体に合った食べものを食べながらトレーニングを行う事で、まだまだスピードが出て、自己ベストを更新して行けるという確信があります。その為には、普段から体の全ての細胞を作っている「食べもの」という物質と、それが体の中でエネルギーにかわる効率や状態がとても重要だと思います。
菜食(ヴィーガン)の食事に切り替える事で、〇〇さんの体は、ますます軽く動くようになり、持久力も高まります。これは間違いありません。ただし、菜食は無知で行うと、体重の減少や栄養素の偏りが生じてしまう場合もございます。
※添付させて頂きました別紙の「献立」は、〇〇さん用に、LIAの管理栄養士が作ったものです。
(※「管理栄養士」とは、普通の「栄養士」よりも上位の資格で、栄養士資格の一番上が「管理栄養士」で、国家資格です。今回、〇〇さんの献立を作った管理栄養士は、普段、病院での菜食の食事や幼稚園で菜食の献立などを作ったり、アドヴァイスをしている者です。日本では、完全に菜食でバランスのとれた献立を作れる管理栄養士さんは、この方一人しかいません。※当時)
ぜひ試してください。体の軽さが明らかに変りますから、成績に繋がると思います。それでいて、正しい菜食生活を行えば、筋力も絶対に落ちません。
海外の選手たちには、個人個人の専用食事メニューでトレーニングしている選手たちが沢山いますよね。
【ヴィーガンのオリンピックメダリスト】
たとえば、菜食のオリンピックメダリストでは、伝説的陸上選手の「カール・ルイス(Frederick Carlton Lewis)」氏が最も有名です。その他、菜食のメダリストを挙げ始めればきりがないのですが、ソチオリンピックの金メダリスト「アレクセイ・ヴォエヴォダ(Alexey Voevoda)」氏、フィギュアスケートの「メーガン・デュアメル(Meagan Duhamel)氏、大相撲の白鳳関も菜食に切り替えて優勝しています。テニスプレーヤーの「ノバク・ジョコビッチ(Novak Đoković)」氏や、ボクシングのヘビー級チャンピオン「デビッド・ヘイ(David Haye)」氏も完全菜食者です。
私の知人にも、完全菜食でブラジリアン柔術の世界チャンピオンの日本人選手がいます。
ちなみに「カール・ルイス」氏は、29歳の時に完全菜食に食事を変更し、それからがアスリートとして最高の年を迎えたと「Very Vegetarian」という書籍の中で語っています。
【さてさて】
人間というどうぶつの体について、酵素などについて、運動と食物の消化と吸収のエネルギー効率について、菜食についてなどなど、解説が上手くなくて、申し訳ありませんが、〇〇さんの今後に役立つように伝えられていたら嬉しいです。
何をするにしても体が資本ですよね。
健康でないと集中して物事に取り組むことも困難になってしまいますし、高い運動能力を体から引き出すには、これらの知識や菜食生活への移行は、とても重要なものかと思います。
また、誰でも、これらの事が理屈で理解できたとしても「あれが食べたい」「これが食べたい」という欲もあるでしょうし、人間をはじめ、どうぶつは皆「味が濃いものが好み」です。
食の欲というのは、人間の欲の中で最も強いものかと思います。とは言え、ストイックに競技生活を続けてこられた方にとっては、そう難しい事ではないと思います。
本当は、水分の摂取についてや、夏野菜と冬野菜、生姜、スベリヒユ、コーヒーと穀物コーヒー、体を酸化させない事、ストレスと腸内細菌、スタート前の体の暖め方、足の裏の暖め方、体を冷やさない事、砂糖(糖類)の話しやカフェインの話しやカロリーの話しなど、お話ししたい事が沢山ありますが、更に長くなってしまいますのでまたの機会にお伝えできれば幸いです。
こんなに長い手紙を書いた事がないので(笑)、書いているうちに、どんどん字が暴れてしまい、申し訳ありません。活動をしながら書いておりましたので、書き始めてから4カ月かかってしまいました(笑)。すみません。
乱文乱筆、大変失礼いたしました。
長い手紙を最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
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※LIAは団体設立(2010年)から11年の間に3500件以上の刑事告発を行い犯罪者を摘発し続けているNGO団体です。