顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
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『ザッポス伝説 アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか』(トニー・シェイ著、本荘修二監修、豊田早苗/本荘修訳、ダイヤモンド社)読了。

ザッポスとは、靴や洋服をおもに扱う、アメリカのオンライン通販の企業である。

靴や洋服などを通販で買うのはどうも抵抗がある、実際に手で取って試着してから、と思う人も多いのではないかと思う。自分もそうである。

しかし、ザッポスは年々成長をし続け、1999年に「ほぼゼロ」だった売上高は2003年には7000万ドルとなり、2009年にはアマゾンに株式交換の形で買収(合併)された。

この成長ぶりも注目に値するが、ザッポスと聞いたときにまず耳にするのはそのサービスの質の高さである。いや、これこそが成長の源泉であるといえる。

注文の翌日には商品が届く。問い合わせのコールにはいつまでも対応してくれる、他社の製品を紹介することもいとわない…などなど、例を上げていけばキリがない。

実際、CEOのトニー・シェイも「たまたま扱っている商品が靴であるだけで、われわれはサービスを売る会社だ」と語っている。そう、「サービスこそ商品」なのである。

顧客に「ワオ!」と思うような体験を与えることがこの会社の企業文化となっている。この文化こそが顧客のココロを奪い、リピーターへと変えるサービスを生み出しているのである。つまり、ザッポスの「企業文化」=「ブランド」価値に顧客は惚れ込む。

この「企業文化」=「ブランド」を体現するのは誰か。従業員である。ザッポスの従業員は、ザッポスのことを本当に好きな人たちだらけであり、会社全体がひとつの家族のようであるという。そのために社内で行っている事の詳細は本書に譲るが、ザッポスの掲げる10のコア・バリューを社員全員がそらで答えることができるということから、社員の会社へのロイヤリティーは高いことが垣間見える。この会社への愛情があるからこその高品質のサービスが提供できるのだろう。

ザッポスという企業を好きな従業員のサービスによって、顧客がザッポスを好きになる。リピーターとなったり、口コミで更なるザッポスのファンが増えていく。そしてザッポスのブランド価値はどんどんと高まっていく。
あまりにも当然のことなのだが、ブランド価値とは「好き」という感情なしには生まれないのである。

企業と一番近意図ころにいる人たち、それが従業員である。会社のことが好きでない従業員がいいサービスを提供できるかというと、難しいのではないか。(会社のことを大好きでもいいサービスが提供できない人もいるだろうが)

まずは従業員に好かれる会社を作るところから。そこから始めてみようか。