就職支援と資格とこれからの日本のこと

経済のこと、転職のこと、資格のこと、日本の未来のこと(実はとても心配です)を書いています。ハローワークの相談員であったことから就労支援に関連した記事も多いです。日々流れているニュースを取り上げて、思うところを書いています。レスポンス歓迎しています。

ご当地検定合格をお金にする方法

 今日は、お金にするのになんの価値もないと言われる“資格”、ご当地検定をお金にする方法です。

ご当地検定は、良くて趣味の資格、悪ければ、いつなくなるかわからないほとんど価値がない検定と考えられることが多いです。就職の専門家からは、お金にするには無駄だから取らないように、と指導されることが一般的です。

でも、もし、あなたが今、仕事に困っていて、なんでも良いから仕事が欲しい、あるいは主婦で働きやすい職場で少しだけ稼ぎたいとことであれば 、必ず、ではありませんが、こういう方法もあります。

どのようにしてご当地検定をお金に繋げるのか一例を挙げます。

名古屋市では、毎年、非正規職員の募集をかけています。名古屋市を例に挙げるのは、非正規にしてはまずまず月給が良いからです。だいたい、毎年、年末から、翌年4月採用分、月給25万超、や、27万超の求人がいくつも出されます。

比較的給与が高めの求人は、年度の途中は繰り上げ合格で欠員をまかなうので、募集自体が行われません。年度の途中では補欠のストックのない部署の産休代替求人などが募集され、22万超くらいの、名古屋市としては少し安めの求人が出るだけです。(アルバイトは常時募集がかけられています)

名古屋の非正規職員の試験には学科と面接が課されるのですが、学科試験には、部署にもよりますが、ご当地問題がいくつか出題されます。例えば、市内で一番標高が高いのは何区か(答えは守山区)、とか一番人口密度が高いのは何区か(答えは東区)とか、市内に住んでいる人であれば正解しやすい出題をしてきます。さらに面接試験の配点が高く、無視することができません。

つまり、地元の人でなくても合格させるけれども、名古屋市で働くのであれば、名古屋のことはわかっていてね、という試験をやっているわけです。

それで、実務経験など受検資格をクリアしているのであれば受験でき、遠方からでも合格できます(私は他県から毎年合格)が、学科と面接において、ご当地対策が必要です。データ的な学科対策は市の公開情報やwikipediaでも準備できますが、面接では名古屋に住んでいないことがハンディになる可能性があるので、一つ手を打っておきます。

名古屋市には、「名古屋城検定」 と言うご当地検定があります。通常、どこの自治体もご当地検定の受検者を集めることに苦慮しています。作ったは良いが受検者がいない。ですので、これを逆手に取り、履歴書対策をしながら相手を喜ばせつつ、検定の準備で、その土地の知識もちゃんと学んで行きます。合格したら資格欄にしっかり記入し、面接官が話題にしてくるのを待つだけです。

「名古屋城検定」は初級、中級、上級とありますが、中級はお城が好きな人でないと受験対策が少したいへんです。また中級以上の取得の必要もありません。なぜなら、名古屋に関心がありますよ、名古屋の知識を取り入れることに努力を惜しみませんよ、という姿勢を示すことができれば十分だからです。

間違っても、別の「城郭検定」の合格と並べて「お城に関心があるだけなのかな?」と要らぬ疑念を持たれないように気をつけましょう。

さて、いかがでしょうか?あなたの街にも、市が募集している非正規職員の募集と、ご当地検定があるのではないでしょうか?その時には、こんな使い方もあることを思い出してください。



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認定心理士を取るのは、本当に無駄なのか?

昨日、大学での心理学の学習が、産業カウンセラーという資格を見直す上で、どのように役立ったかという話をしました。今日はその続きで、その学びを認定心理士(日本心理学会)という形にすることの意味を考えます。

認定心理士は、yahoo知恵袋などで、取っても意味がない資格などと叩かれることの多い認定資格です。

本当に意味がないのでしょうか?

そもそも、この認定の必要を感じる人というのはどういう種類の人なのでしょう。この認定を受けている人の25パーセントを超える人たちが放送大学出身で、出身大学の中で最多となっています。おそらく、新卒で「心理学科」を卒業した人というのは少ないでしょう。

過去に大学を卒業した、しないは別として、社会人になり、心理学方面の仕事に就く、もしくはすでに就いている人が、その専門性を担保する、あるいは深めて業務に役立てるために取得しているのではないでしょうか。

実のところ、現状では、心理学分野で仕事に就く際の、基礎学力を証明する資格は、他に見当たらず、ほぼ唯一と言える資格になっています(臨床心理士は専門性が高く、基礎的とは言えない)。その必要を感じる人が多いせいか、近年、取得希望者は増加の一途をたどり、現在は5万人を超え、新たに年に数千人ずつ増えています。

認定に当たっては、大学卒業が前提条件である上、大学での必要取得科目が細かく規定されており、その中には心理統計や心理学実験など、心理分野を専攻しなければお目にかかる機会もない科目が多数含まれています。2011年より、日本心理学諸学会連合の基礎資格として承認され、心理分野のいかがわしい民間資格の多い本邦における確かな認定基準(心理学の専門家として最小限の標準的基礎学力)を世の中に明示する役割を一手に担っています。

認定された人は知っていますが、更新料、年会費、会費の徴収の類は一切なく、認定心理士の会に登録すると、全国で定期的に開かれる無料の講演会に参加できます。その際、低予算で行われる懇親会などが持たれることもあります。最初の1年は日本心理学会の会誌も無料で届けられ、継続購読の義務もありません。無料づくめの極めてコストパフォーマンスの良い資格です。

ネット上の、どれほど事情を知っているのかわからない人たち(おそらく社会の実情を知らない“子供”)の、煽りに惑わされず、心理学分野で働く方には、安心して大学での勉強を続けていただきたい気持ちでいっぱいです。個人的に推薦したい資格の一つです。

心理学を修めるということ

産業カウンセラーという資格を説明してくださいと言われて、こういう話を聞いたことがありますか?

私の頭の中での整理の仕方ですが、およそ次のようになります。教育学がどんな分野であるかは、比較的、想像しやすい人が多いのではないかと思います。それで、教育学から起こして、次のように説明を試みたいと思います。

教育学という分野の隣に心理学という分野があり、教育学と心理学の隔たりと同じほどの隔たりを持って心理学の隣に臨床心理学があります。そしてその臨床心理学の系譜を遡ると、フロイトから始まり、ユングやアドラーが出て、時代が下って、カール・ロジャーズがいます。そのカール・ロジャーズの提唱した心理療法である来談者中心療法に、やや独自性を加え、日本的にアレンジし、特に実習の機会を多く提供しているのが、産業カウンセラー養成講座です。

いかがでしょう?産業カウンセラーが心理領域の中でどの辺りの地位を占め、どういう特徴を持った資格なのかということの、一応の説明になっていると思いませんか。


私は、産業カウンセラーを取得したとき、このような説明はできませんでした。養成講座で、産業カウンセラーが心理領域でどこに位置するかという説明は、なぜか行われません。産業カウンセラー協会もこのように産業カウンセラーを紹介したことはありません。

産業カウンセラーになった時、自分がいったい何になったのか、何を知っていて、何を知らないか、何がどこまでできて、何はできないのか、よくわかりませんでした。この「実のところ何もわかってない」という気持ちの悪さは心理学全体を俯瞰しなければ解消されないと、その場で心理学科への編入を決めました。合格証書を受け取った時です。

心理学の講座を幾つも取り、卒業して初めて、このような理解に立つことができました。(もちろん、心理学と臨床心理学分野では、数多くの研究者が重なっていますが、感覚として、同じ分野に括れない隔たりがあるので、上のような説明になります。)


翻って、産業カウンセラーを見つめ直し、自分は産業カウンセラーとして、就労支援の現場でどういう関わり方ができるのか、特にその限界について、少しだけ自分を客観視できるようになった気がしました。

産業カウンセラーが社会で活躍するためには、その資格を持つ人が自分はいったい誰なのかという理解ーすわなち、これは自己理解なのですがーがあって十分力を発揮できると思うのです。


次回は、認定心理士について書きます。

あ、ちなみに、私は、要領が良いけれども、できの悪い学生でした。正直に付け加えておかなくてはいけませんね(笑)

プロフィール

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 ハローワークや民間の訓練校で就職支援をしていました。お金に困りすぎない生活をすること、転職を通して、その人らしい生き方に近づく、を考えます。