【2017年6月1日のふりかえりに、その後考えたことを加えてあります】

癌との総力戦 - いかに攻めるか
  • 完治をめざした切除手術ができない状況ですから、わが軍の攻め手は率直に言って限られています。高い効果が期待できる抗がん剤はふたつ。「mFOLFIRINOX」(がん研有明病院による生存期間 17.1か月)と「ゲムシタビン+ナブパクリタキセル(ジェムザール+アブラキサン)」(同14.1か月)です。「mFOLFIRINOX」については、「闘病15か月のまとめ  その2の➀」をご参照ください。
  • それでも、こうした治療に保険適用される2013年以前と比べれば、大変頼りになる攻撃の二本柱ができたことになります。
  • 二つの柱以外に、TS-1(商品名です)という抗がん剤も効果を示していますが、「mFOLFIRINOX」を構成するフルオロウラシルと同じフッ化ピリミジン系であるため、「mFOLFIRINOX」に耐性がついた後に使用して効果があるかどうかについては明確になっていないようです。
  • 一般に効果をあげている抗がん剤でも、すべての患者さんに一様に奏功するわけではありません。私の場合、今のところ「mFOLFIRINOX」の効果を享受できていますが、耐性がついて、「ゲムシタビン+ナブパクリタキセル(ジェムザール+アブラキサン)」に変更した時に同じ様に効果を得られるとは必ずしも言えません。逆に、「mFOLFIRINOX」を用いて効果を得られなかった患者さんが、「ゲムシタビン+ナブパクリタキセル(ジェムザール+アブラキサン)」に変更して、手術ができるまでに至った例もあるとお聞きしています。
  • 体と抗がん剤の相性のようなものもあり、それは患者さんの努力などによって左右されるものではなさそうです。
  • 私にとっての最初の攻め手はmFOLFIRINOX」です。主治医の勧めでもあり、統計上も決定的ではないものの、最強の抗がん剤であるように思い、シンプルに決めました。これ以上考えても、「正解」にたどりつくわけではないと思いました。
後手に回らない
  • 攻め手が限られている中、留意すべきはどんなことでしょうか。まず考えたのは「後手に回らない」ことです。
  • すい臓がんの進行スピードは早く、いわば手ぐすねを引いて次の攻撃を計画していることでしょう。2017年5月2日に、確定診断ではないものの「すい臓がん、余命一年」の宣告を受けて既に一か月。未だに治療(抗がん剤投与)に入れない状況でした。あれこれと治療法を考え、悩んでいる時期ではないと判断しました。たださえ強いとは言いかねる攻撃陣が後手に回っては総崩れが避けられません。迷わず、一刻も早く投与を開始すべきと考えました。
戦力の逐次投入を避ける
  • 戦力の逐次投入が負けいくさの大きな要因になることは、よく指摘されることです。我が攻撃陣は常勝軍とはいいがたいのです。その上、勢力を小刻みに敵に向けるのでは、全く勝ち目がありません。
  • 思い切って全ての勢力を集中して、何とか活路を見出すしかないというのが、当時の心中でした。具体的には、最も効果が高いと考えられる抗がん剤を目一杯(許容される限度まで)投与していただく、副作用は覚悟せざるを得ないが投与後の実際の状態を踏まえて、減薬等の措置を講じていただくことでした。
  • 「これなら勝てる」と考えたわけでは決してなく、「勝ち目は薄いがこれ以外に勝ちのストーリーはないのでは」というのが本音でした。この策がすべての患者さんにとって良い選択だという根拠はありません。このように考えた患者もいたと、受けとめていただければと思います。
守りについて言えば・・
  • 治療といえば、がんに対する攻撃(手術、抗がん剤、放射線、そして免疫療法)をまずは考えます。当然のことです。
  • 一方で、治療法について考え出した当初はさほど感じなかったけれども、最近少しずつ認識を深めていることが、闘いにおける「守り」の大切さです。この部分は命を保ち治療を続けるために重要であるうえ、患者自身や医療チーム、そして家族の支えによってどんど勢力をを大きくしていくことができるのです。私が最後まで頼りにできるのはこの「守り」の部分かもしれません。
  • 癌とは闘うのではなく共存するのだとおっしゃる方がいます。ひとりの患者として、この考え方ににわかに共感するとはどうも言い難いのですが、闘いは「攻撃」と「守備」の二つの要素から構成され、「守備」を支えるのは自分自身の心身であり、医療チームであり、家族であるということであれば、理解できるようにも思います。

次回は「最も悲しかった日 その6」、「守り」について書きます。


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