『3億円事件の起きた地で』~所長のぶろぐ~

東京都府中市にある、「ライフケア整体研究所」所長のブログ。 施術録や趣味についても書いていきます。

ここのところ、東京は急激に冷え込む日が増えてまいりました。
秋になり、冬の兆しが少しずつ見え始めています。

さて、これからの時季に気を付けて頂きたいのが、体の冷え。
『冷えは万病のもと』という言葉もあるくらい、体の冷えというのは健康に多大な悪影響を及ぼします。過去に痛めた部分がまた痛くなってきたり、持病が悪化するのもこの時季である事が多いです。
これはなぜかを考えていきましょう。

恒温動物である人間の基本体温は35~37℃。少々の個人差はありますが、36℃前後で最も体がその全機能を効率よく発揮できるようにできています。そのため、人間の体は常にこの体温を保つようにできています。

まず、エネルギー消費という事について考えてみます。エアコンで冷房と暖房ではどちらがより電力を消費するでしょうか。
答え暖房ですね。既に持っている熱を発散して下げるよりも、新しく熱を作り出す方が、物理現象としてより多くのエネルギーを必要とします。
エネルギーを多く使うという事は、それだけ体にも代謝による負担がかかってくるわけです。
スキーなんかのウインタースポーツをやったあとにものすごく疲れるのは、単純に運動によるものだけでなくこういう側面もあるという事ですね。

次に、冷えてしまった場合の体の反応。
人間にとって、体温が直接生命に関わってくるのは体の内部です。もし体が冷えてしまい、全体が充分に温められない状況になった時、体は内部に熱を集中させようとします。内臓機能が落ちてしまえば直接命に関わってくるので、その為の機能ですね。命は保たれますが、手足など体の外側はそのぶん機能が落ちてしまい、筋肉や関節が硬くなってしまうので、体のポテンシャルは全体的に低下します。昔痛めた部分が痛くなってきたり、暖かい時季にはなかったいろんな不調が出てきたりするのはこの為ですね。
また、冷えるという生命に直結する環境はこれ以外にも様々な強い防御反応を引き起こします。
短期的に強い代謝機能の変化が起きるので、寒い風呂場でいきなり熱い湯につかって血圧の急激な変化で亡くなってしまわれる方がいたり、この時季にケガや病気をして重症化してしまう方が多いのもこの為です。

最期に、体に強い反応が起きるという事は、精神にも影響が出るという事でもあります。
寒い時に暖かい時より元気な人というのはあまりいないと思います。厳しい環境の時に活発に動かないようにして消費エネルギーを抑えるという働きは優れた機能なのですが、激しく反応が起きる状態が続き、これを暖かくなる時季までずっと引っ張ってしまい、周りとのギャップにより生活に支障が出るとまずいですよね。
春先に自殺が多いとよく聞きますが、こういった側面もあるのではないかと私は思っています。

冷えるのは体によくない。という事は漠然とみんな持っている意識だとは思います。
しかし、掘り下げて考えてみると本当に注意したほうがいいという事がよく分かってきます。
長く健康に元気に生きていく為に、体を冷やさないという事を改めて意識してみてはいかがでしょうか。

健康を維持する上で、姿勢というものは非常に重要です。
特に現代人の場合、プライベートではPCやスマホ、仕事では作業の細分化などの生活習慣の大きな変化によって、この姿勢の悪さの積み重ねによって不調が出ている方がとても多いです。

そんな姿勢についてですが、イスでの座り姿勢を良く保つための一つの方法として、背当てが一般的に普及しつつあります。
背当てで良姿勢を保つ事自体はいい事だと思います。
良い姿勢を保つためには悪いクセを直し、その為の筋力を鍛える必要がありますが、既に積み重なっていると悪い姿勢のまま安定してしまうので、少しだけ外力を使ってクセが修正されるまで保つというのはいい発想だと考えます。
しかし、健康グッズとしても販売されているこれは、公式でも結構間違った使い方が書いてあったり、メディアの健康番組でもそのまま情報を流していたりする事があり、間違った使い方も一緒に広まってしまっているようです。

当所にお越し下さるクライアント様は健康に対する意識の高い方が多いのでご自分でいろいろな健康法を試している方が多いのですが、そんな方でも間違えている事もありますので今回はこれについて書いていきます。

それでは、間違った使い方と正しい使い方を見比べてみましょう。
※イスに座っている状態で、赤丸が背当てとして見てください。

【間違った使い方】
イス背当てNG
【正しい使い方】
イス背当て OK

何が違うかお分かりでしょうか?
背当ての位置が違いますよね。

それでは解説します。
頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎のユニットからなるいわゆる背骨は、直立二足歩行の人体においてはS字を2つ連ねたものが理想とされています。(専門用語で生理的湾曲と言います)
頸椎前湾、胸椎後湾、腰椎前湾、仙椎・尾椎後湾、といった具合ですね。
これは直立二足歩行の形をとる人体において、生まれてから成長段階において、力学的に重力(地球の引力)の影響によって形作らていくものです。
生まれた時は全体的にCの形で、首が座るという段階で頸椎の前弯が形づくられ、ハイハイが出来る段階で胸椎の後湾・腰椎の前湾が作られ始め、そして立って行動するという行動が日常になると全ての生理的湾曲が完成していきます。
環境の変化に合わせて、重力の影響を可能な限り緩和する形に変形していくわけです。
仮にずっとCの形のまま固定されるようであれば、直立二足方向を保って生活するのは不可能でしょう。
私は、脊椎動物の発生学的にこの形が完全に決まっているわけではないというのが、姿勢の大事さを物語っていると思っています。

まず、間違った使い方について見てみましょう。
これが結構間違った形で伝わっています。
一見、腰椎の前弯を矯正する形でおさまりがいいように見えるかもしれませんね。
しかし、これでは何の意味もありません。
初歩的な力学について考えてみましょう。支点・力点・作用点。中学校でやりますね。
この状態での支点は、腰椎の前弯部分にかかっています。
考えてみてください。ここに支点があったところで、その上が悪い状態(前傾)にあったら、支点としての意味を成しませんよね。
では、常にピッタリとこの背当てとイスに挟まれる形になればいいのではないか?こういう考え方もあると思います。
はっきり言います。それは間違いです。
姿勢矯正は、正しい勢勢を形作るための筋力の養成も視野に入れています。骨だけで人体はその機能を維持できません。
背当てに骨格を矯正する効果はありません。正しい姿勢を維持する補助的な外力としての意味合いがあるだけです。
仮に、完全にオーダーメイドで理想の形の背骨をキープするイスを作ったとします。
長く使っていれば骨格自体は矯正される、と短絡的に考えがちですが、これではこの状態を保つための筋力が養われません。イスから離れた途端に悪い姿勢になり、堂々巡りの状態になります。
そのうち、そのツケは何かの形で不調として表れてきます。

正しい使い方についてみてみましょう。
胸椎の部分に背当てがあります。
本来後湾する部分なのに、なんでそこ?と思うかもしれませんが、前述の通り、背当てに矯正の効果はありません。矯正効果が出るほどの外力を加え続けては筋力が維持できません。
試してみてくだい。この部分に背当てがあったら、前傾しづらいはずです。
この一見不安定な状態を維持する事で、正しい姿勢をとるための筋力が養われます。
頸椎の前弯についてはこの方法で完全にカバーする事はできませんが、それは道具としての限界といったところでしょう。
もう一つ付け加えると、もし試される方は圧力がずっと一点に集中しないように、一定時間ごとに多少上下に動かしてくださいね。

道具は道具ですので、個々人に合わせた完全なフォローという形は難しいですが、もし間違った使い方をしている方がいたら、少し気に留めて頂ければ不調の改善に役立つとおもいます。

メディアはメディアです。専門家の監修もあるかもしれませんが、経済という大きな社会的なシステムによってその情報が正確に反映されない事は想像に難くありません。
もし、何かの健康法を試そうと思った時は、近くや知り合いに体の専門家の方がいらっしゃれば少し相談をしてみるのがいいかもしれませんね。

手術をする。
ズドンと来るイメージですよね。
体を切り開き、体の器質的な異常を切除したり置換したりして人工的に改変して病状や症状を根本から取り除く。それが手術です。
何度もした経験がある方も、一度もせずに生涯を終える方もいるでしょう。
これはイメージ通り、人体に対してとてもリスキーなものでもあります。
麻酔を打って感覚を麻痺させる、もしくは意識をシャットアウトして、体の深部まで切開して特定部位を切除し、必要があれば置き換える。
自然の状態ではまず起こりえない現象です。一時的な体へのダメージは凄まじいものでしょう。
私も痔ろうの手術の経験がありますが、日常生活に復帰するまで1週間ちょっとの期間を要しました。

しかし逆に考えれば、知能を持った人類のみがそれを行う事ができるという、叡智の一つであるとも言えます。
私は先日解剖実習を行ってきた中で、血管・神経を全て把握してそれを傷つけないようになるべく問題個所に限定して切除するという行為は、凄まじい知能と技術を必要とする事がよく分かりました。
手術を行う医師という存在に対して、今まで以上の尊敬を持ちました。

ですので、手術そのものに対して不信感があるわけではありません。
本当にその部分そのものが原因で不調が起きていたり、命の危険や著しく生活に支障をきたす状態に移行する恐れがある場合、それは手術以外に方法はないでしょう。

ただし、それ以外の場合。
不調が起きていているが、緊急性が低い場合、もしくは完全に特定できていない場合。
そんな時は、少し待ってみてほしいのです。

今まで施術をまかせて下さったクライアント様の中で、こんな方々がいらっしゃいました。
(モニタークライアント様以外の方も含みますので、個人情報は伏せさせて頂きます)

まず、ひどい五十肩で1年以上も不調が改善せず、医師に手術しかないと言われていた方。この方は仕事が忙しく、手術に要する期間がとれないという事で、なんとかならないかと相談を受けました。
結果的に、肩の施術自体は5分程で終わりました。レントゲンとMRIもとり、原因がここであるといわれた所が原因ではなかったからです。初回で改善し、それ以降戻りもなく、現在も元気にお仕事を続けていらっしゃいます。

次に、変形性膝関節症と診断されていた方。仕事が立ち仕事で、仕事も辛いが趣味のボーリングとゴルフができないのがもっと辛いとの事でした。同時に病院にも行かれていたのでヒアルロン酸などの注射も打たれていましたが、最終的に手術を勧められておりました。
この方は継続的に施術する事なりましたが、結果的に趣味のゴルフとボーリングも問題なく行えるようになり、大会で好成績を残せるまでの状態までになり、現在も元気に生活しておられます。

最後に、脊柱管狭窄症で手術を勧められていた方。この方は他にも、難病の側弯症と骨粗鬆症も持っており、腰の痛みと足のしびれをとるためには手術しかないと言われていたのですが、手術の成功率は五分という事で、手術をせずに改善する方法を模索しておられました。
この方は現在も当所に通院中ですが、過去2回の施術で腰の痛みと足のしびれも改善してきており、別の部位の施術へと移行しております。恐らく手術の必要はないと思われます。


前述のとおり、私は手術そのものを否定する気はありあません。必要な状態ももちろんあると思います。
ただ、手術となれば数十万円という多額な金額的負担と、数週間という復帰時間がかかり、また最悪の場合それでも改善されません。
考える猶予がある場合は、手技療法というものがある事を少し考慮に入れてみてはいかがでしょうか。

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