June 2006

June 08, 2006

Vionnet, Madeleine

パルファムアンシャン・レジーム期の支配階層に変わって、産業革命を背景に19世紀の新しい支配階層となったブルジョワジーのファッション。1858年「オートクチュール」という新形態のクチュリエたちのメゾンが誕生しました。

その一人マドレーヌ・ヴィオネは、これまであまり語られることが少なかったデザイナーの一人です。ディオールが尊敬し、ポール・ポワレと同時代にも存在していたマダム・ヴィオネですが、「衣装の原点」といっても過言ではないと思います。

アール・ヌーヴォーからアール・デコに様式が変化した20世紀初頭、Madeleine Vionnetは、画家や彫刻家が使用する模型にも似た、手足の動く60cmほどの動く人台を利用し、生地と身体動作とバランスを研究することに成功しました。

これが、トワレ作品です。

このトワレは何を意味するのかというと、切り替えやつなぎを最小限におさえたドレスが仕上がるということなのです。

Madeleine Vionnetが、この布のもつ特性をいかしたかということが、パターン図の形状から読み取ることができるのです。


長方形、四分円、三角形の展開などから、どのような服飾の歴史からの影響を受けているのか、そのシルエットの表現、多様なデザインの組み合わせには何が必要なのかということを理解していくことです。

パターントワレの利用はヴィオネの立体裁断(ドレーピング)であり、ここからバイアス・カット、サーキュラー・カットが誕生し、つまり布を斜めに使うという発見ですが、身体へのフィット、運動性とカット(裁断)を結びつけているのです。

長方形のパターンは、古代ギリシャや着物の影響を受けています。そして時代とともにドレーピング、バイアス・カットは進化し、それはヴァレンシアガ、三宅一生らの姿勢にも見受けられます。

ファッションを専攻している学生の方々に多い作品のコンセプトのズレは、こういった「見る、聴く、考える、関連させる」が不足しているようにも思えますよ。

服飾史は、実践的な授業ではないのかもしれませんが、そこには、ポール・ポワレがマーケティングを取り入れた事業ぶりがうかがえたり、いまの作品が誰のオマージュなのかという深い読みが、やがて技術に加わる精神や姿勢に育っていくのです。

 さて、ファッションを専攻する方々中心のエントリーになってしまいましたが、マドレーヌ・ヴィオネをとりまく人々には、写真家のマン・レイや美しいモデルソニアが存在していました。そういったヴィオネについては、私のもうひとつのblogがありますので、関心のある方はご覧ください。

服飾史参考サイト(学生用) Fashion-Era
マドレーヌ・ヴィオネ パルファム

また「−20世紀ファッションの革命−シャネル・ヴィオネ・ディオール」が、神戸ファッション美術館で開催中です。

神戸ファッション美術館 
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