July 2009

July 30, 2009

画廊画 ルーブルのモース ギャラリー

ルーブルのモース ギャラリー

Samuel F. B. Morse's Gallery of the Louvre

ここはルーブルのサミュエル・フィンレイ・ブリース・モース(モールス)のギャラリー(1831-3年の作品)です。左側で作品の取り組んでいるのが、この作品の画家 モース でしょうか。実は画家のリチャード W.ハーバーシャム(Richard W. Habersham で、モースのルームメイトだったそうです。

このモース(モールス)は、皆さんご存知ですね。モールス信号の発明者ですよね。

中央には、顧客とディラー? いえいえ、画家モースとそのお嬢さんのスーザンなんですね。右にはタイピストか秘書嬢でしょうか。左奥には、作家のジェイムズ・フェニモア・クーパー(James Fenimore Cooper)とお嬢さんのジェーン。座っているのが妻だと思われる(母親ではなかったと思います)のスーザンです。

そのすぐ近くの入り口に親子がいて、向かってくる男性が、ホレイショー・グリーノで、彼も友人でアーティスト。

出入り口のすぐ上に、「エマオの晩餐」があります。Kei ちゃんの モーリス・ドニの「エマオの晩餐」とともに紹介されていた、ティッツィアーノのリバプール国立博物館所蔵の作品がありましたね。こちらの画廊画に描かれているのがルーブル美術館のほう。

それでは、左側から作品を鑑賞しましょう。(注:推理、推測の作品もありますので、引用はおやめ下さいね。わからない作品は、とばしています。)

大作はヴェロネーゼの「カナの婚宴」(1563年)、隣がジャン=バティスト・ジューブネーの「十字架降架」(1697年)、その上の作品が、バルトロメ・エステバン・ムリーリョの「無原罪の御宿り」(1678年:これじゃない?何枚もあるので、この作品が一番あやふやです。)でしょうか。

その隣が、ティントレットの「自画像」(1588年)、 その下がニコラ・プッサンの「」(1660-64)です。そしてカラヴァッジョ初期の作品「女占い師(ジプシー女)」(1596-97)、ティツィアーノの「荊冠のキリスト」(1542年)ではないでしょうか。

そうして、次に移ります。上からヴァン・ダイク「アイネイアスのためにウルカヌス(ヴァルカン)に武器を頼むヴィーナス」、クロード・ロラン「 シバの女王の船出」(1648年)、ムリーリョ「聖家族」、テニールス「ナイフとぎ師」、レンブラントの「トビアスたちと別れる天使」(1637年)と思います。

入り口の上は、プッサン「ディオゲネス(ダイオゼニス)がいる風景」(1647年)、ティッツィアーノの「エマオの晩餐」ですね。(これは間違いなし!)

つぎも、ユイスマンス「羊飼いと群れ」、ヴァン・ダイク「肖像画 貴婦人と娘」、ティツィアーノ「フランス国王フランソワ1世」、またまたムリーリョで「蚤をとる少年(乞食の少年)」、ヴェロネーゼ「十字架を運ぶキリスト」だと思われます。その隣が、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」ですね。

また上からです。コレッジョの「聖カタリナの神秘の結婚」(1526-27)、ルーベンス「ロトの逃避 by ソドム」、ロランの「港の夕陽」(1639年)、ティッツィアーノの「キリストの埋葬」(1523-1526)、ル・シュウール 「十字架を運ぶキリスト」、サルヴァトール・ローザ「嵐のなかの軍人と狩人」、ラファエロ「聖母子と聖ヨハネ」(1507)、ヴァン・ダイク「ジャック・ベックホルストの肖像画」、グイド・レーニ「図面と色の組み合わせ」(1620-25年)、そして下の2枚は、ルーベンス「スザンナ・フールマン」、シモーヌ・カンタリーニの「エジプトの逃避途上の休息」だと思われます。カラヴァッジオ、ほかの画家達にも「エジプトへの逃避途上の休息」がありますね。

さて、右の壁はレンブラント「老人の顔」、ヴァン・ダイク「娼婦を連れて改心させるイエス」、クロード=ジョセフ・ヴェルネ 「月光の海」、グイド・レーニ「ケンタウロスのネッサスに誘拐されたデジャナイラ」、ルーベンス「トミリス,スキタイの女王とサイラスの首」、ピエール・ミニャールの「葡萄の聖母子」、あけてヴァトーの「シテール島への船出」(1717年)となるでしょうか。

彫像は、狩猟の女神ディアナ(間違いなし)です。

さて、画廊画はいくつかありますが、実在したレオポルト・ウィルヘルム大公の収集は見事で、「レオポルト・ウィルヘルム大公の画廊」として描かれています。

ぜひ、こちらもごらんください。

ダフィット・テニールス  画廊画「レオポルト・ウィルヘルム大公の画廊」

では、「ルーブルのモース ギャラリー」中に描かれているいくつかの画像を用意しています。記事本文中から、画像にリンクもしておりますので、画廊画に描かれているほとんどの作品をご覧いただけると思います。

VERONESE, Paolo
The Marriage at Cana/Christ Carrying the Cross(no image)

Jean Jouvenet
The Descent from the Cross

Guido Reni
The Rape of DejaniraThe Union of Drawing and Colour
Deianeira and the Centaur Nessus

Deianeira

Claude-Joseph Vernet
Marine View by Moonlight

Claude Lorrain
Sea Port at SunsetThe Disembarkation of Cleopatra at Tarsus

Anthony Van Dyck
Jacques Boeckhorst
Jesus with the Woman Taken in Adultery (no image)
Portrait of a Lady of Quality and her Daughter
Venus Asking Vulcan for Arms for Aeneas

Venus Asking Vulcan for Arms for Aeneas

David Teniers the Younger
Knife Grinder

Cornelis Huysmans
Landscape with Shepherds and Herd (no image)

Rembrandt
Head of an old man/Portrait of Susanna Fourment
The Archangel Leaving the Family of Tobias
Thomyris, Queen of the Scythians & the Head of Cyrus

The Archangel Leaving the Family of Tobias

CARAVAGGIO 
The Fortune Teller

Tintoretto
Self-portrait

MIGNARD, Pierre
The Virgin of the Grapes

Bartolomé Estebán MURILLO
The Young Beggar/The Holy Family/La Inmaculada de Soult 1678

La Inmaculada/The Holy Family

Salvator Rosa
Stormy Landscape with Soldiers and Hunters

Simone Cantarini
Le Repos pendant la Fuite en Egypte Le Repos de la Sainte Famille

Titian (Tiziano Vecellio)
The Crowning with Thorns/The Entombment of Christ

Entombment of Christ by Titian

Raffaello Santi
Madonna with child and St. John the Baptist ("La Belle Jardinière")

WATTEAU, Jean-Antoine
The Embarkation for Cythera

Rubens
The Escape of Lot

The Escape of Lot

POUSSIN, Nicolas
WinterLandscape with Diogenes

Correggio
The Mystic Marriage of St. Catherine

Eustache LE SUEUR
Christ Carrying the Cross

Christ Carrying the Cross
続きを読む

lifecarrer33gearkawase at 21:43|この記事のURLComments(0)TrackBack(2)画中画 

July 11, 2009

クリムト 彫刻の寓意 Allegory of sculpture Gustav Klimt

Skigge Und Eingelstudie Fur Die Allegorie Der Skulptu

Skigge Und Eingelstudie Fur Die Allegorie Der Skulptu
彫刻のための寓意 1890年

563549970_e7b29b2650_o

Allegory of sculpture 1889
彫刻のための寓意(最終素描)

Allegory of Sculpture_1897

Allegory of sculpture 1889
彫刻のための寓意(習作)

クリムト(Gustav Klimt)の彫刻のアレグロリー(完成ドローイング)は、左手に禁断の木の果実をもつイヴ(エヴァ)です。足下には女性の頭部。頭と身体は別々のもの。頭で考えることと、身体が感じることの違いを強調しているかのよう。

愚案な愛、幸福からの堕落でしょうか。表情はデカダンス。虚無的でうつろな精神。失楽園の憂きを暗示しているのでしょうか。

彫刻のアレグロリー(習作)は、金彩がポイントに使われている黒チョークのモノクローム。

耽美的なポーズの女性はモローのサロメを思い出しますが、この作品からは「ルネッサンス」の印象が強く感じます。「ウィーン・ルネサンス」ですね。

背景にはクリムトの絵画の要素のひとつである「ギリシア陶器画」から展開されているように、竪琴をもつ人物などが平面的な文様で描かれています。

tragedy

 Allegory tragedy  1897
寓意画 悲劇(最終素描)

Junius

Allegory of Junius 1896
ユニウス(6月)のアレゴリー

悲劇で手にしているのは仮面でしょうか?不実と偽りを象徴していると感じます。

ユニウスは6月。月の寓意をあらわしているのでしょうか。占星術のサインと12か月にまつわる寓意が描かれているものに、トゥーラとコッサのフレスコ画があります。6月の寓意はマーキュリーの勝利です。神の使いマーキュリーは幸福の訪れを意味しているのでしょうか。愛の勝利を。

Gustav Klimt_Silhouette

この作品ですが、ウィーン工房の出版物に関するもののためのものでしょうか。邦題は「シルエット」で機Ν兇箸覆蠅泙后

ユーゲントシュティールらしいモチーフに、なんとなくジャポニズムを感じさせます。髪型と服装のシルエットが着物の雰囲気を漂わせ、芸鼓を想像させます。寓意とは関連しないものと思われますが、クリムトのアール・ヌーヴォーが面白いと思われ掲載しました。

さて、クリムトのAllegory(アレゴリー)は、彫刻のアレゴリー、油彩や水彩画によるアレゴリーもありますが、次にご紹介する作品もクリムトのアレゴリーに属すると思います。

329px-Klimt_-_Musik

MUSIC      Gustav Klimt

この作品に見覚えありますよね。あの油彩「MUSIC 機廖1895)の左側の構図と似ています。

追記:「グスタフ・クリムト ピアニストJ・ペンバウアーの肖像」の記事を拝見させていただきました。この楽器、「キターラ」というんですね。この人物はアポロンなんでしょうか。

Calendar Page January For Ver Sacrum Magazin

Januar (1月)

この作品は、さきのユニウスのアレゴリーと同じように「月」がテーマです。つまり「カレンダー」なんですね。

この時代はドイツのイラスト文芸誌「ユーゲント」(Jugend)が1896年に創刊。その2年後にクリムトを会長とするウィーン分離派の機関誌「ヴェル・サクルム」(Ver Sacrum)が1898年に創刊されました。この「Ver Sacrum(聖なる春)」に掲載されたものです。

クリムトの黄金の時代と比べると、面白いですよね。とくに下記リンクから、寓話やタオミナール劇場の記事からは、古典的な描き方のものを拝見できます。

グスタフ・クリムトの記事

クリムト 寓話

クリムト タオミナール劇場装飾

クリムト 愛( Liebe リーベ)

kAFKA  ヌーダ・ヴェリタスー裸の真実

クリムト THE BEETHOVEN FRIEZE Kiss for the World

「ヨーゼフ・ホフマンとクリムト」ストックレー・フリーズ(Stoclet Fries)



lifecarrer33gearkawase at 22:37|この記事のURLComments(0)TrackBack(2)ウェヌス Venus 

July 07, 2009

サン・ローランとベルジュの宝物

grand salon

PHOTO Jean-Marie Perier(ジャン=マリー・ペリエ)

イヴ・サン・ローラン(Yves Saint Laurent) が亡くなってからどのくらいたったでしょう。オークションは2月に行われていますが、彼のコレクションを知るたびに、もっと知りたいと欲張りになります。1点が何億、何十億のコレクション。まさに「世紀のオークション」です。縮小などで人員を整理しているというクリスティーズ(サザビーズも)は、このサン・ローランにあやかることができたのでしょうか?

この写真は1995年、在りし日のサン・ローランとモデルのシビル(Sibyl Buck)。壁に掛けられているのはフェルナン・レジェ(FERNAND LEGER)の「Le profil noir(The Black Profile」(1928)です。

フェルナン・レジェの絵はこの上にも掛けられていて、2枚の作品があります。
Composition, dans l'usine」(1918)、「Le damier jaune」(1918)
そして、一番左側には、ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)の「Il Ritornante」(1918)です。この3枚が掛けられています。

ジャン=マリー・ぺリエと同じリビングの写真。摂り方によって、こうも変わるものですね。左側には、窓があります。その窓のうえに、パウル・クレー(PAUL KLEE )の「Sollte Steigen」(1932)が掛かっています。その下のイーゼルにかけられている絵が一枚。宮廷画家のフランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス(Francisco Jose´ de Goya y Lucientes)の作品。

babylone-grand-salon-4

(C)christies

フランシスコ ゴヤの「Portrait of Don Luis Maria de Cistué」 (1791)は、ルーブル美術館(Louvre Museum)へ寄贈されることが決まっています。

キュービックのチェア、スツールはアールデコのデザイナー ピエール・ルグラン(Pierre Legrain)。装幀本も有名。

写真の左右にある壷は、ジャン・デュナン (Jean Dunand:1877-1942) の「Art Deco brass-and-lacquer vase」です。アールデコ期のインテリア・デザイナーで、パリ万博に出展した日本の浄法寺の漆職人菅原清三に師事。

ピエール・ベルジェ&イヴ・サン・ローラン、このコレクションは自分で全て選んだのでしょうか。とっても素敵なものがたくさんありますが、驚くようなもの(私の趣味ではないもの)もありました。

また、ピエール・ベルジェ&サン・ローラン邸の写真の写し方によっては、雑多とみえる「ダサさ」と、「センスのよさ」が入り混じっていて人間的な温かみと日常があったという安心感がありました。

欠点のないくらいのセンスがよい宮殿や高級ホテルのような暮らしではなく、雑誌や書籍が積まれ、日々何かの探究心の痕跡がみえるのも素敵だなと思えます。

ただ、あれだけのコレクションや部屋、その大きさは、何人もの召使をお雇いになっていたのでしょうね。嫉妬!

ですが、サン・ローラン、ベルジェのオークションは寄付にまわるそうなので、死の世界からも貢献しているんだなと感じました。

実はこの右側には、マティスらの作品が数点掛かっています。こちらから。

lifecarrer33gearkawase at 20:09|この記事のURLComments(0)TrackBack(1)Yves saint Laurent 

July 03, 2009

Alice in Wonderland

Tim Burton Alice_1←ティム・バートン(Tim Burton)の「Alice in Wonderland 」が2010年に公開されるようですね。

兎穴の少女さん、いつも記事リンク、トラックバックありがとうございます。

ただいま調子が悪くブログは更新しておりませんが、今日は記事でお礼申し上げます。

さて、映画もアリスはずいぶん製作されています。

写真の「アリス」をご存知でしょうか。

昨年かおととしに、アメリカのポートレート写真家アニー・リーボビッツの作品がなにかのエキシビジョンで公開されていました。

オノ ヨーコ と ジョン・レノンが抱きあうポートレートです。ご記憶にありませんか?

ジャーナリスト出身のフォトグラファーですが、デミ・ムーアのマタニティ・ヌードでも話題を呼びましたが、センセーショナルなテーマではなく「絆」です。

さて、ティム・バートン(Tim Burton)の「Alice in Wonderland 」は兎穴の少女さんの「ティム・バートン アリス」からどうぞ。

このアニー・リーボヴィッツは「不思議の国のアリス/鏡の国のアリス」をシーンごとにストーリー性のある展開でシリーズを作成しています。

今回ご紹介するのは1枚だけ。鏡の国へ行くアリスのシーンです。


Alice _2

Through the Looking Glass  Photo by Annie Leibovitz 
(C)yespleasemademoiselle.blogspot.com

実は、ティム・バートン同様に、アニー・リーボヴィッツもディズニーとコラボレートしています。シンデレラ、アリス、人魚姫などです。

ほんとうに、1枚1枚にストーリーやコンセプトが伝わってくる写真家。難しい写真と違って、すぐに惹きこまれてしまう作品が多く、丁寧に、すみずみまでプロデュースをしているのが感じられます。

さて、ここの役者はバレンシアガのデザイナー、ニコラ・ゲスキエール(Nicolas Ghesquiere)とアリスはナタリア・ヴォディアノヴァ。

バレンシアガのミニドレスにアンクル・ブーツのアリスです。

アニー・リーボヴィッツのアリスシリーズのドレスはディズニーと同じ青が選ばれています。



lifecarrer33gearkawase at 18:46|この記事のURLTrackBack(4)文学・読書