January 27, 2007
07年春夏パリ・オートクチュールコレクション ディオール ジャポニズム

ディオールのデザイナーといえばジョン・ガリアーノ。この2007年SS(春夏)パリ・オートクチュールコレクションは、ガリアーノにとって10年目のディオールのショーとなりました。テーマは、ご覧のとおりジャポニズム。
松竹梅をイメージした作品や扇を髪飾りに用いています。お正月飾りに用いられる紙細工の御幣・幣束が、注連飾りのようにアレンジされ、神霊が降臨する依代を象徴しています。
ジャポニズムといえば、美術・工芸でも、19世紀末のアール・ヌーヴォーをはじめ、画家、作家や詩人、音楽家まで、日本趣味を作品に取り入れています。
フランスでは、クロード・モネやマネ、ゴッホ、英国ではジェームズ・マクニール・ホイッスラーが代表的ですが、おなじ英国のジョージ・ヘンリー、そしてサー・ ウィリアム・ オーペンも、アイルランドの芸術の寓意画に、ジャポニズムを取り入れています。
オーストリア画家ジェームズ・クイン、ベルギーの画家 アルフレッド・ステヴァンス、アメリカのウィリアム・メリット・チェイス、ドイツのジョージ・ ヘンドリック・ブライトナーの作品も、ジャポニズムを堪能できます。
このジャポニズムは、一時的な流行でありながら、繰り返し取り入れられています。陶器では、17世紀末のマイセンでは、古伊万里、18〜19世紀には柿右衛門様式が模倣されました。
そしてモード。これは「ローブ(ガウン)」なんですね。モードのジャポニズムは、室内着や寝巻きに取り入れられていました。
つまり柄やモチーフではなく、シルエットです。
腰で結ぶローブは、ドレスのうえに羽織り、さらにベルトでしめるというファッションが、ルノワールのエリオ夫人から覗えます。
18世紀では、画家フランソワ・ブーシェがポンパドゥール夫人のファッションアドバイザーでり、19世紀のホイッスラーは、シスリー・アレクサンダー嬢を描くにあたり、ドレスをデザインしています。
文学も音楽も美術も工芸品も、そしてモードの世界も、手法と表現の違いがありますが、すばらしい芸術であるということには違いがありません。しかも、モードの作品は、唯一、人が身につけることができるものなのです。(C)AFP/Francois Guillot
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