かなり長い間サボってしまいました。。。

今回は、交付税及び譲与税配付金特別会計です。長ったらしい名前ですが、地方交付税制度の中心となる特別会計と言うと分かりやすいでしょうか。

総務省の説明によると、

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地方交付税は、本来地方の税収入とすべきであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、いわば「国が地方に代わって徴収する地方税」 (固有財源)という性格をもっています。
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とのことで、大まかな理解をすると、税財源が豊富な都市部から地方への移転を行い、地域間の経済的格差を穴埋めするための仕組みということになります。

まず、この特別会計の歳入、つまり、どこからお金を持ってくるかですが、特別会計に関する法律23条第1項によると、

 イ) 一般会計からの繰入金
 ロ) 地方揮発油税、石油ガス譲与税に充てられる石油ガス税、自動車重量譲与税に充てられる自動車重量税、航空機燃料譲与税に充てられる航空機燃料税及び特別とん税の収入

が主な収入源であり、23年度当初予算では、イ)の一般会計からの繰入が約17兆円、ロ)の税収は約2兆円です。

ロ)のうち、地方法人特別税が約1.5兆円とかなりの部分を占めますが、これは平成20年度の改正で、地方税である法人事業税の一部を国へ払込み、それを地方法人特別譲与税として再配分するものです。税制の抜本改革が行われるまでの間の暫定措置として、東京都などに偏在する法人事業税を、従業員数などで地方に再配分するということですが、抜本改革がいつ行われるのか不透明な現在、その場しのぎの地方救済策のようにも思えます。

一般会計からの繰入は、所得税・酒税の32%、法人税の34%、消費税の29.5%、たばこ税の25%とされています(地方交付税法第6条)。消費税の税率は5%ですが、このうち4%が国税、1%が地方税ですので、4%の国税の29.5%すなわち、1.18%が地方に再分配されることになります。

一方、歳出は、地方交付税交付金と地方譲与税譲与金に分けられ、それぞれ概ね歳入のイ、ロの額が、各法律で定められた基準で地方に配分されることになります。

この配分基準は、都市部と地方の利害が衝突する部分であることは想像できますが、この辺りはまた別の機会に調べてみたいと思います。

こうしてみると、各地域の財政を均衡させるお金の通り道ですから、配分方法の基準に議論の余地はあるものの、歳入と歳出の対応が単純なフロー中心の会計に思えます。が、一点、ストックにおいて目を引く項目があります。

平成21年度の財務書類によると、バランスシート上に33.6兆円余りの借入金(財政融資資金から12.7兆円、民間金融機関から20.8兆円)があり、この額はここ数年変わっていません(23年度の予算では、借入額が1000億円少なくなっているようですが)。つまり、毎年、国債整理基金特別会計へ繰入れて返済し、同額の借り換えを行っています。

この借金は、数十年前、ちょうど日本が高度成長を終えようとしていた頃に端を発するようです。

当時、地方の財源不足を、交付税特別会計が郵便貯金の預託金などから借り入れて穴埋めすることが常態化しており、一旦行われなくなったものの、92年度から平成不況とともに復活しました(http://www.zaiseijoho.com/deco/deco_k-18.html)。

この借入金は2006年度に52兆円余りに達し、2007年度には約18.6兆円を一般会計に付け替え、当会計に残ったのが約33.6兆円という訳です。

時期と経緯から推測すると、地方の放漫な公共事業計画などで身の丈以上の財政支出を行い、バブルの崩壊、その後の長期不況により、どうにもならなくなったという流れでしょう。

総務省の償還計画を見てみると、15年かけてようやく10分の1を返済するという計画で、これまで何度も返済が先送りされてきたことからして、この計画もどこまで実行できるかは不透明と思われます。

膨大な額の国債残高に比べると、あまりニュースになっていない印象ですが、こういう形で当会計に借金が残っていることは知っておく必要があるでしょう。


(参考)「特別会計解体新書」 http://account792.blog103.fc2.com/blog-entry-91.html