2-10.マニュアルだけでは作業型人間となる / 第2章.人財化への道


決められたことをひたすら従順に、その通りに行うタイプを「作業型人間」と称することがある。「仕事型人間」とは逆側に分類される人たちだ。
         
このタイプは問題に直面すると「できません」「わかりません」「教えられていません」「やったことがありません」などと言い、そのつど一から十まで説明しなくてはことが進まない。あるいはせっかく説明しても「責任は持てません」とか「急に言われても無理です」などと融通が利かない。
       
また、作業型人間は問題を発見することが苦手という特徴もある。日常の中に埋没している「ここをこうしたらもっと良くなるのに」とか、「このまま放置しておくと、とんでもないことになるかも知れない」とイメージする感性が鈍いのだ。なおかつ「今の状況ならよいが、この先環境が変わったらきっと問題になるだろうから、そうなる前に対応策を準備しておこう」といった問題の創造がほぼできない。だから、仕事においても人生においても、常に直面する問題に振りまわされ、余裕がなく、ますます思考も行動も硬直して行く。そのくせ、自分のふるまいや行動パターンを棚に上げて、権利ばかりを主張する。
 
さて、当然のことながら企業が求めているのは「仕事型人間」であり、仕事=問題解決であるから、それはすなわち「問題解決型人間」である。しかし世には、作業型人間のほうが多く存在している。なぜだろう。どのようにして作業型人間が生み出されるのだろう。

作業型人間は仕事の感性、つまり問題解決の感性が磨かれていない。それは仕事、つまり問題解決の成功体験が少ないからだ。
      
なぜ、成功体験が少ないのか? それは仕事、つまり問題解決の失敗体験が少ないからだ。成功とは数ある失敗体験の繰り返しの中から学び、自分の思考と感性と行動で勝ち取っていくものだ。マニュアル通りにやっていれば失敗しないのは当たり前。そのこと自体がいけないわけではないが、しかし、それは明らかに成功ではない。
 
このタイプの人はこう考える。「確かに成功は素晴らしい。でも、もし失敗して責められたり、恥ずかしい思いをしたりするなら、そっちのほうがよほど辛い。責任をとらされるのもまっぴらごめんだ」と。だから、成功という高望みはしないが、失敗しない確実な方法でことを進めるのである。当然、言われたことを言われたとおりにやる。教えられた通りに、マニュアル通りに行う。経験のあることしかやらない。責任が重いことも、レベルアップするような業務も遠慮、いや辞退する。ある意味、失敗しないことは望ましいことだが、しかし、このようなことばかりではダメになる。なにせ、決して成功しないのだ。

こうして作業型人間が育っていく。

このような人は、勇気を持ってことを起こし、甘んじて失敗を受け入れようとする挑戦者に対して、得てして批判や中傷に走る。

そして、仕事の目的が「失敗しないこと」にすりかわってしまっていることにも気づかない。       



「2-11.あるべき姿を追う問題解決型人間」へ展開



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