baby-ziga-kizuki-syouga-sugasanこれまでお話してきた自己実現には、その定義に「人間としての豊かな自己の能力や個性を実現させる」ことが含まれていますが、この章では自己実現にそぐう「個性」について考えます。

さて、モンスターペアレントという言葉も、もはや今は昔の感がありますが、例えば、単なる「にんじん嫌い」の子供をもつ親の話です。

その子供が給食でにんじんを食べ残したところ、担任教師から「食べ終わるまで給食を終えてはいけない」と指導されたそうです。そして、そのことを子供から聞き及んだ親が、殴り込み張りの勢いで学校に押しかけてきたとのこと。

曰く「うちの子供はにんじんが嫌いなんです。それはうちの子供の個性なんです。我が家では子供の個性を大事にしていますから、家ではにんじんを食べさせたことなんかありません。それを学校で無理やり食べさせるとはなにごとですか!」といったクレームだったそうです。

ほんの数年前のことでしたが、この話題は世間を騒然とさせました。

carrot

これでは食育もへったくれもあったものではありません。なかには健康上の理由で特定の食材や食品が食べられない人もいます。これは致し方のないことです。しかし単なる個人的な好き嫌いを社会の中で主張して譲らなかったとするのなら、もちろん学校は一つの社会であり、大人社会への入り口になるわけですが、その入り口でそのようなことがまかり通るという教育を受けて大人になっていく子供が増えれば、やがて来る社会では今以上の反目、反発、不平不満が渦巻き、更に不寛容で拒絶的、攻撃的な世の中になることでしょう。

そしてその先には犯罪や紛争、戦争などの発生確率が上昇することも懸念しなければなりません。

もちろん直結する個別具体的な問題としては、偏食傾向による栄養の偏りといった個々人の将来的な健康不安も挙げられますし、その先にある世の中全体としての医療費や介護費負担の問題、そして食品ロスとワンセットでもある世界的な食糧不足の問題もあります。それらの課題や問題解決は夢のまた夢となることでしょう。

いずれにしても、単なる好き嫌いにおける「にんじん嫌い」という個性は、社会的な視点で見れば修正すべき個性でしょう。

businessman middle NO

但しだからといって、修正すべき個性を頭から否定するのはいけません。修正すべきというだけで、それが即ち「悪」かといったら、その年齢、それまでの教育の有無などによっては必然でもあるのです。「にんじん嫌い」という個性を先ずは受容し、そのうえで修正を図るべく指導、工夫、動機付けをしていくことが望ましくありましょう。

もちろん十人が十人、すべからく修正が適わなければならないといった原理主義的な発想は頂けません。それは不寛容の極みです。返って世の中に悪影響があるでしょう。要は努力目標としての修正を誘っていくということです。

「にんじんを食べ終わるまで給食を終えてはいけない」とした学校の先生が、その子供の「にんじん嫌い」を即ち「悪」とし、その懲罰として休憩時間を取り上げ、見せしめとして居残り給食を実施したのであれば、それは決して肯定されるものではないでしょう。

しかし、例え今は嫌いな食べ物であっても、命の尊さや農業従事者、流通業従事者、調理を含めた食材加工業従事者たちの労力に対する感謝を育み、自分の心のうちにある単純な好き嫌いという‟小我”を離れて、社会的な是非を基盤とする‟大我”に向かおうとする精神性を養わせるため、その子なりの創意工夫と頑張りの時間を設定したということであれば、それはいたずらに否定されるものではありません。

個性を否定する世の中は息苦しく、生きにくい世相となります。しかし野放図な個性寛容と他者への盲目的無関心は人間社会を崩壊させる危険があります。


ところで冒頭、「モンスターペアレントという言葉も、もはや今は昔の感があり」と申し上げましたが、今は昔ということは、最近ではあまり言われなくなってきたということです。それは、ひょっとしたら、そういうモンスターの存在が珍しくはない世の中になってきたということなのかもしれません。特別視することのない存在、つまり普通の存在。

まさか・・・。そんなこと・・・。

仮に「普通に散見される」状態が今であるなら、そのうち「散見」が抜けて「普通にいる」、そして「普通によくいる」となり、いつしか「それが普通=標準」とならないか、肝を冷やす昨今です。


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