変速機の不調でご来店のお客様が多数いらっしゃいます。
当店販売車に関しましては、無料ですので、ご来店いただければ即座に調整いたしますが、出先などでのトラブルに簡単な調整方法をご紹介いたします。
変速での不具合は、概ねRr3−4速でうまく走れないのが、ほとんどの症状です。
原因は、シフトワイヤーの引っ張りすぎ等でアウターワイヤーの縮み(撚り線ですので、締る事で発生します)と、インナーワイヤーの伸び(ステンレスワイヤーでは少なめですが、スチールワイヤーでは多目に出ます)で起こります。
シマノの場合、特にシフト操作を軽くすることを考慮しているため、STIレバー1段分の操作で動くワイヤーの移動は、数ミリと言う少なさです。
ワイヤーが上記理由で位置ズレをした場合、1−2mmでも、不調となって現れます。
特に10速システムは、従来の9速以上に微妙です。

さて、修復してみましょう。
まず最初に、フロントアウター(大ギアー)、リヤートップギアー(小ギアー)に入れます。

右STIから伸びるワイヤーをたどって見てください。
まず、フレームにワイヤーアジャスターがあると思います。
GIANTなど一部車種は、レバーの直近にアジャスターが装着されている場合があります。
ここは走りながら調整できるように考慮された位置にあるアジャスターです。
また、Rr変速機の後ろにワイヤーが取り付いている部分にもアジャスターがあります。

確認が終わりましたら調整してみましょう。
リヤートップから1段STIを操作します。
このときに2速へ上がらないと思います。
同じ操作で変速するようになるまで、変速機のアじゃスターを回します。
インナーワイヤーは、途中で縮むことはありえませんので、後ろから見て反時計回りにまず1-2クリック回します。
また、同じ操作で確認します。
上がるようになりましたら、一番大きなギアーに(ローギアー)に入れて、シフトダウンの操作をして見ます。
スムーズに1段ずつ落ちていけばいいのですが、1段のシフト操作以上に2段まとめて落ちたりするようでしたら、先ほどと同じく反時計回りに回します。
次に4−5段位置でシフト操作をして見ます。
スムーズにシフトして、ギヤー鳴りがなければ調整完了です。

これで修復できない場合、またリヤーローギアー(大ギアー)でスポークに接触する音がする場合や、リヤートップギアー(小ギアー)で、ギアー鳴りする場合は、転倒等で変速機または台座を曲げている場合が考えられますので、急ぎご来店ください。

続いてフロントです。
上記理由での症状は、アウターにシフトしていても、リヤートップでFDにチェーンが当たるようになってきます。
この場合は、アウターにレバーでシフトしたときに、手を離すとFDが内側に少し戻る事で確認できます。
この場合、フレームのワイヤーアジャスターを、フレームを前から見て反時計方向に回します。
フロントは、トリプルギアーを除いて、ワイヤーがたるんでいない状態にすればほとんどの場合、修復できます。
トリプルギアーでは、センターギアーの位置調整をワイヤーに依存しますので、インナーギアーでの場合は、少したるんでいるのが正常です。
チェーンと、FDの接触は、調整ネジを壊す恐れもありますので、調整せずに、どうぞご来店ください。
また、調整終了後に変速機やフレームのアジャスターがネジが充分挿入されていませんと、フレームおよび変速機を破損します。
ワイヤーの張力に耐えるだけのねじ込み量が重要ですので、ご注意ください。

ご不明な点は、どうぞお気軽にご相談ください。