January 16, 2006

日野・小室式自動拳銃


全長 265mm
重量 900g
口径 8mm
使用弾薬 8mm南部
装弾数 8+1発


世界でも珍しいブローフォワード方式の拳銃。一般的なブローバックはスライドやボルトをガス圧で後退させ、その際エキストラクターで薬室内部の空薬莢を引っ掛けて排出、限界まで後座した所で今度はリコイルスプリングの力で定位置にスライド(ボルト)を前進させると同時にマガジンリップから弾薬を拾い上げて薬室に送り込むと言うのが発射の一サイクルだが、ブローフォワードは銃身のインナーバレルを前方に引っ張ってトリリガーで固定、トリガーが外れるとリコイルスプリングの力で銃身は後退し、その途中でマガジンから弾薬を拾い最後部のファイアリングピンに雷管をぶつける、発火後はガス圧で弾頭とインナーバレルは前進し薬莢排出、再び定位置で固定されるという仕組みである。
自動拳銃黎明期に各国メーカーで試作されたものの、製品として世に出たのは日野・小室式の他にはマンリッヒャー社の製品など極少数に過ぎない。
かつては靖国神社の遊就館に寄贈されていた1挺が戦後の混乱期に失われて以来「日本国内には現存しない幻の銃」と言われてきたが、10年程前三重県の民家の納屋から状態の良い日野式が17挺も発見され、本体に刻印されたシリアルナンバーによりこれまで生産数はごく少数とされてきた当銃が定説よりも多く生産されていた事が判った。これらの日野・小室式は埼玉、熊本、三重の各市立博物館に寄贈されたと言われている

銃としての日野・小室式はと言うと、やはり過渡期の技術的実験作というべきもので実用性は疑問が多い。発射する際いちいちバレルを引き出すのは不便だし、かと言ってバレルを引き出したまま(コッキング状態)携帯するにも唯一の安全装置であるグリップセイフティはグリップ前方に付いていてトリガーと同一方向に引いて解除する方式であり、トリガーにもトリガーガードが無いという設計なので極めて暴発の危険性が大きい。
また日野・小室式はオープン・ボルトに近い方式の為命中精度はあまり高くないのではないかと思われる。 しかし構造は極めてシンプルかつ頑丈であり、微妙にアールを付けたグリップの形状などは工芸品の様に美しい銃でもある。

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lightdoor at 20:18│TrackBack(0)日本 

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