2017年06月07日

それにしても、驚きだ。首相経験者は数多くいるし、数多くの政権を見てきた。しかし、安倍晋三首相ほど、強大な権力を形成した人物はいない。自民党内で安倍総裁に歯向かうような言動をするだけでニュースになる。内閣府内はむろんのこと政府内でも1人も首相に意見できる人などいない。

かつて田中角栄が逮捕されたときに先頭になった特捜部や検察幹部の姿はもうない。司法も、安倍内閣の意に沿わない高裁判決はほとんどない。気概のある裁判官が、地裁レベルで原発の差し止めなどをするものの、結局は高裁でひっくり返される。

メディアに関しては、言うまでもないだろう。NHKや読売新聞を筆頭に、国会で平然と嘘をつく政治家に対して、公平さを装いながらも安倍首相の味方をする。たとえば、民主党政権時代の鳩山首相や菅首相と比較して、報道の仕方はあまりに違い過ぎる。言い換えれば、あれほど報道の自由が許された時代もなかった。

こうした違和感の本質とは何かを考えると、ひとつの思いに問われる。安倍首相が所属する自由民主党の存在だ。自民党でも、極めて少数の人間が安倍政権に対して注文をつけることはあるが、それ以外の大多数は一切自民党総裁である安倍首相には何ひとつ言わない。

加計学園の問題を見ても、もし前川元文科省事務次官の発言が正しいとしたら、日本を代表する首相や官房長官がこともあろうに国会や記者会見などで平然と嘘をついていることになる。そうしたリスクを自民党という組織自体、どう考えているのか。トップのスキャンダルには意見を述べることさえできないのか。

そもそも自民党の「コンプライアンス(法令遵守)」はどうなっているのか・・・。

ここまで権力を掌握したバックには何があるのか?

それにしても、たった一人の政治家が、戦後ここまで権力を掌握したのは紛れもなく安倍首相が初めてだろう。なぜ、権力を掌握できたのか。内閣が、各省庁や裁判官の人事権を掌握してしまったからなのか。たしかに、これまで次期事務次官に誰を据える、といった省庁レベルの人事は各省庁に任されていた部分がある。

しかし、そこには法的に明確な規定があるわけではなく、その隙に乗じて内閣府=首相官邸が人事権を強引に掌握したのかもしれないが、人事権を掌握されたからと言って、法律に触れるかもしれないようなことにまで加担するだろうか、という疑問がある。財務省の公文書隠しなど、一歩間違えれば、自分自身が処罰の対象となり、出世どこか、退職金だってなくなるかもしれない。

メディアもそうだ。読売新聞が、上から目線でとんでもない理論を振りかざすのは今に始まったことではない。江川卓の巨人軍入団のときも、爽快な空理空論で自己正当化して見せた。社主と呼ばれる年老いたドンを結局最後まで社内から排除できず、名ばかりのジャーナリズムを装っている。

しかし、安倍政権になってからは、新聞もテレビも脅されて萎縮し、いまだに恐る恐る報道している感じだ。加計学院の加計学園長や、準強姦罪の嫌疑をかけられているジャーナリストの問題にしても、安倍さんのお友達にはいまだに腫物でも触るように報道している。

まさに、誰もが恐れる人物というわけだが、そのバックにはいったい何があるというのだろう。日本会議という極右団体が存在していることはいまや誰もが知るところだが、現在の内閣の大半はそのメンバーであるように、バックではなく前面に出て来てしまっている。

では、他にいったい何があるというのか。気になるのは安倍首相より、ずっと年上の自民党の重鎮が揃って安倍首相を敬い、彼の言いなりに動いているということだ。彼ら重鎮のバックにも、様々な有象無象の存在があるような気がするが、それをも上回る強大なバックがあるというのだろうか。

あるとしたら、米国ぐらいだが、いまはその米国もガタガタしている。そう考えると、安倍政権がガタガタし始めたのもトランプ大統領が誕生して以降だ。とりわけ、最近は朝日新聞や東京新聞などが先頭に立って加計学園の問題を報道するようになってきた。あのNHKでさえ、文科省の内部文書を独自の取材で報道している。

そう考えると、当面は安倍政権のスキャンダルは続くのかもしれない。


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安倍政権 | トランプリスク

2017年05月19日

トランプ政権が、いよいよ追い詰められてきた。特別検察官にモラー氏が指名されせるなど、トランプ大統領の強引な政治手法もいよいよ正念場を迎えつつある。というよりも、きちんと大統領の暴走に歯止めをかけるシステムが機能している、と言って良いだろう。

一方、日本の安倍政権の暴走はどうなんだろう。極右のグループが支配する政権の中で、その首相の意向を忖度して動く政治家と官僚がいる。一方で、警察や検察はまったくと言って良いほど動かない。森友学園のケースで、大阪府が告発しているものの、その名誉校長などを務めていた首相夫人に事情聴衆などが行われたという話はとんと聞かない。

米国と日本とでは、なぜこうも違うのか。政治システムの違いもあるだろうし、野党の力の差もあるだろう。また、日本のメディアが現政権の味方であることはみんなが知っているから、この点も大きな違いがあるかもしれない。とりわけ、野党は過去に自民党が下野した時代に、自民党がやった数々の政権妨害行動を学ぶべきだろう。

たとえば、小沢一郎氏を追い詰めたやり方はすごかった。警察や検察の助けもあったろうが、小沢一郎本人を訴えられないと分かっていても、検察に働きかけるなど執拗に追い落とした。現在の民進党も、こうした手口をもう一度きちんと分析し、学ぶべき部分は学ぶといい。

筆者が最も心配しているのは、このまま安倍政権が続くということは、アベノミクスという異次元の量的緩和が今後も続くということだ。出口戦略もろくに考えずに行われている現在の金融政策が成功するとはどうしても思えない。危険な賭けを一刻もやめてほしい。

※「東洋経済オンライン」に定期的に投稿していますhttp://toyokeizai.net/list/author/%E5%B2%A9%E5%B4%8E%20%E5%8D%9A%E5%85%85


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安倍政権 | トランプ

2017年03月22日

就任2か月で成果ひとつないトランプ政権に市場も失望?

トランプ政権の迷走が止まらない。相変わらず、大統領選挙中のロシアとの不適切な関係をFBIのコミー長官に指摘されて、ツイッターで切れて暴言を吐いたかと思えば、証拠もないのに「オバマがトランプタワーを盗聴していた」とツイッターでつぶやいて、周囲が振り回されている。

トランプ政権が誕生して2か月が経過したにもかかわらず、閣僚はおろか、各行政府の人員すら確保できていない。オバマケアに代わる新しい保険制度も不評だし、議会に提出した予算も、軍事費を増額する代わりに、環境や外交などの支出金は軒並み30%程度の削減を余儀なくされそうで、このまま議会を通過するとも思えない。

「IS(イスラム国)」に対しても、選挙中は2か月で倒してみせると豪語していたものの、その成果はまったく上がっていない。ここに来てやっと、ティラーソン米国務長官が68か国の外相を集めて、IS掃討作戦について話し合うことになったぐらいだ。

今後、トランプ政権を誕生させてくれた中流白人層に、その見返りをアピールするために実践しなければならない「減税」や「雇用の確保」が必要になるが、その道はまだ遠くて険しそうだ。というのも、議会がトランプ政権の言い成りになるのかいまだに不透明であり、ここに来て株式市場さえも、21日にはトランプ政権誕生以来最大の下げ幅を記録した。

米国の中央銀行に当たる「FRB(米連邦準備制度理事会)」は、なぜ金利引上げを急ぐのか−−という問いかけをよく見かけるが、トランプ政権のメッキがはがれて景気後退に陥った時に、金融緩和をしやすくするために、可能な限り金利を上げておきたいからと言って良い。言い換えれば、トランプラリーはいずれ収束し、米国経済も景気後退期に入ることをFRBは読んでいる、という見方もできる。

8年前にオバマ大統領がリーマン・ショックで迷走していた米国経済を立て直す際に、当時のバーナンキFRB議長とともに、かなり大胆な金融政策や経済政策を打ち出すことができた。その背景には、ある程度金利が上昇していたし、政策に余裕があったからともいえる。

安倍政権の崩壊より怖いトランプ・バブルの崩壊

一方、トランプ大統領と親密なゴルフ外交を展開していた安倍晋三首相だが、ここに来てトランプ大統領と歩調を合わせるかのように、様々スキャンダルが噴出してきた。森友学園への国有地払下げ問題や加計学園問題など、連日メディアが報道している割には、日本の株式市場が動く気配はなかった。

ところが、ニューヨークダウがトランプラリー始まって以来の大幅な下げに対しては、激しく動揺した。この背景には、長期政権で各省庁の人事を掌握している安倍政権に対して、警察や検察も最終的には手が出せないだろう、という市場関係者の強気の読みがあるのかもしれない。

対して、米国の場合は大統領でさえも弾劾裁判で辞職に追い込むだけの「システム」があり、また日本と異なりメディアには反権力に対する「気概」も残っている。

さらに、日本の株式市場は6割以上を外国人投資家が売買している。安倍政権のスキャンダル以上に、トランプ政権の動向に対する関心のほうが高いのかもしれない。

トランプ支持派と安倍支持派に共通しているのは、ロシアによる選挙補助や森友学園などに対して「大した問題ではない」と主張していることだ。しかし、冷静になって見るとどちらも政権がひっくり返ってもおかしくない大問題だ。問題は、そうなった時に安倍政権が倒れても、日本の場合、自民党が強すぎて政権交代というイメージではない。つまり、日本の場合は政権交代と呼べる環境が整うまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。

その一方で、怖いのはトランプ政権の崩壊だ。あれだけ我がままで、身勝手なトランプ氏の場合、自分からある日突然健康上などの理由で辞めてしまう可能性は排除できない。その時点で、金融市場がどんな反応になるのか。ちなみに、2期目に弾劾裁判かけられそうになって、自ら辞任したニクソン大統領の場合、株価は最大29%下落している。途中で、オイルショックなどがあり、それも影響しているものの、やはり3割程度の下落は覚悟すべきなのかもしれない。

そうすると、問題は日本の株式市場への影響だが、これまでの経験則で言えば、米国が3割下がれば、日本は4〜5割下げてもおかしくない。トランプ・ショックを軽視してはいけないということだろう。米国の場合、リーマンショック以降ずっと非伝統的な量的緩和を続けており、ゼロ金利政策も続けていた。

その上で、2015年9月になって9年半ぶりに金利を引き上げ、その後も2016年12月に1年ぶり金利を引き上げた。続けて2017年3月になって3回目の利上げを実施したばかりだ。金利引上げが遅れた分だけ、一部にバブルが再燃しているとも言われる。

オバマケア代替案否決なら暴落も?

いずれにしても、長期的に見れば米国株の下落シナリオに対しては相当注意しなければいけない、ということだ。さらに、直近でもリスクは迫っている。その第一のハードルは「オバマケア代替案」が議会で可決されるか、どうかだろう。否決された場合、市場は大きく動きそうだ。

これまでのトランプラリーは、トランプ政権に対する「期待」で成り立ってきた。オバマケア代替案は、その期待の最初の関門と言って良い。そこで躓くようであれば、今後の予算案の成立も危うくなるだろうし、インフラ整備や減税といったトランプ政権への期待が疑問符にチェンジしてくる。場合によっては、これまでトランプラリーで買い上がっていた投資家が一斉に引き上げる可能性もある。

問題は、そうした事態にどう対応するかだが、日本株に投資している人は、いまのうちに「下がりにくい銘柄」にシフトしておく、あるいは現金などに換える準備をしておくべきかもしれない。下がりにくい銘柄、というのは高配当銘柄や株主優待銘柄のことだが、過去のケースから考えて人気の高い株主優待銘柄や高配当銘柄は、市場全体の下落率よりも低い。

さらに、現金にしておく比率を高めておき、下落したところで押し目を拾うというのも賢い方法だ。1930年代の大恐慌のように、株券が揃って紙くず同様になってしまうような下落はあり得ない。近代的な金融市場では、暴落は一時的な現象で済むはずだ。レバレッジをかけて下落した株式を購入する投資家も数多い。それはそれでチャンスともいえる。

特に、ニューヨーク市場に上場している銘柄の中には超優良企業が多く揃っている。万一、米国株が暴落するようなことになったら、日本株から米国株に乗り移る絶好のチャンスともいえる。いずれにしても、しばらくは米国株に目が離せない。


※東洋経済オンラインに投稿しました
欧州でも胎動見せる「大衆迎合主義」のうねり
−−オランダの「EU離脱」は避けられたが−−
http://toyokeizai.net/articles/-/163712



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トランプショック | 安倍政権

2017年02月02日

「東洋経済オンライン」に投稿しました。

トランプの第一主義に見える大衆迎合の限界
http://toyokeizai.net/articles/-/155185

日本にとってトランプ政権は何がヤバいのか
http://toyokeizai.net/articles/-/151789


予測不能だが、確実なのは米国のインフレ? 

トランプ政権は、議会の承認を得る必要がない「大統領令」を乱発することで政権獲得の“戦利品”を積み上げようとしている。米国民の多くは支持しているようだが、第3者の目から見ると「トランプのやっていることは、テレビのリアリティー番組の延長線上であり、あくまでも自分のための壮大なショーを「演じている」に過ぎない。

ナルシストのいい加減な茶番劇に付き合わされる我々からすれば大迷惑な話だが、超大国のやることだから無視することもできない。米国民はあんな大統領を選んでしまったわけだから、自業自得で同情する余地は少ないが、問題はトランプ政権が躍起になって実行している様々な経済政策や外交政策は、すべて米国経済を意図的なインフレに導いている、という現実だ。
 
意図的なインフレとは、保護貿易、インフラ整備といったものだけではなく、トランプ自身が言うように「75%の規制は削減できる」という規制緩和の動きだ。明かに「レーガン政権」のパクリだが、トランプ大統領お得意の不動産開発に関する規制や環境問題に関する規制などが、今後根こそぎ「緩和」もしくは「撤廃」されることになるかもしれない。環境問題だけでなく、銃規制や不動産の建築基準なども80年代に逆戻りする可能性が高い。

先進国というのは、長い年月を経て様々な規制を設けて、秩序と安定を獲得した。その規制が根こそぎなくなれば、発展途上国の無秩序と不安定な社会に戻ってしまう。まして、米国は移民の国だから、みんなが勝手なことをするようになる。ドナルド・トランプが米国の秩序と安定を崩壊してしまう可能性が高い。

そんな不確実な状況の中で、唯一はっきりしていることといえば「インフレ」だ。失業率4%台という完全雇用に近い状況の中で、雇用創出に精を出し、移民排斥を実施すれば、人手不足なって賃金が上昇する。保護貿易主義によって、関税や国境税をかければ、輸入品は高くなり、国内はインフレ傾向が鮮明になる。

さらに、公共施設や道路整備といったインフラ整備に公的資金を歳出すれば、やはり景気は良くなるが、インフレになりやすい。レーガン政権がやったような軍備増強への公的資金投入も長期的なインフレをもたらす。財政赤字も増えるだろうし、ドルも上がる。物価高だけでなく、様々な分野でモノの値段が上がるはずだ。

米国のインフレ率が上昇すれば、当然ながら金利も上昇していくことになる。中央銀行のFRBは、2019年末までに、年2〜3回は利上げしたいと言っているから、インフレに後押しされる状況でますます金利が上昇する。転換点と言われる3%を超える金利水準になれば、新興国や日本株に投資されていた資金は、一斉に米国に回帰される可能性がある。

怖いのは「ドル高是正」交渉に巻き込まれること?

 2008年に起こったリーマンショックは、大恐慌に匹敵する経済危機だったわけだが、歴史に学んで量的緩和策を実施し、今や金融引き締め(利上げ)ができるところまで景気を回復させ、労働環境も完全雇用に近い状況にまで回復させた。共和党政権時代に起こったリーマンショックを民主党政権が封じ込めたわけだ。根底には、クリントン時代の金融緩和があるのだが、景気回復はオバマ政権の成果と言って良いだろう。

にもかかわらず、トランプ大統領はオバマ憎しで何もかもめちゃくちゃにしようとしている。選挙公約を守るために、雇用創出や保護貿易といった不要な経済政策を乱発しており、そのツケとして様々なひずみが出て来ることは避けられない。

真の大統領、トランプを陰で操る男として知られる人物に「スティーブン・バノン首席戦略官・上級顧問」というトランプ大統領の側近がいる。彼は、その言動から人種差別主義者で、白人至上主義者なのだが、その人物は「国家安全保障会議(NSC)」の常任メンバーに入っている。

政治経験ゼロ、安全保障の素人が、選挙や議会の審査を受けずに、米国の中枢におさまっている。彼の言動でも分かるように、白人以外の国は徹底的に冷遇する意思が明白だ。トランプ大統領が何者かを知る前に、スティーブ・バノンという人物を知ることが、今後の米国の動向を占う意味では大切なのかもしれない。

いずれにしても、経済的には米国のインフレ、ドル高が進むことは避けられないはずだ。それを食い止めるには、意図的なドル安政策ぐらいしかない。レーガン政権では、「プラザ合意」でG5の蔵相が集まって、意図的にドルを安くして、双子の赤字(貿易赤字と財政赤字)に苦しむ米国経済を救った。

時代は変わって、G5なんていう時代じゃないから、トランプ大統領は中国や日本に、個別に通貨を切り上げるように迫るかもしれない。おそらく、世界中でいまのトランプ大統領の脅しに簡単に従ってしまうのは安倍晋三さんぐらいだろう。それも、国民に内緒で・・・。そんなことにならないように祈るしかないが、防衛問題とリンクさせて脅されれば、あっという間に言うことを聞いてしまいそうな予感もする。

とにもかくにも、日本いや世界はこれまでとは異なる異次元のレベルに入ったと考えていいだろう。

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トランプリスク | トランプショック

2017年01月03日

謹賀新年

本年もよろしくお願いします。
昨年はあまり記事をアップできませんでしたが、今年も何とか頑張って続けていきたいと考えています。

2017年1月

岩崎博充

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新刊「トランプ政権でこうなる!日本経済(あさ出版)」は12月22日発売です。

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2016年12月13日

トランプ政権の人事が続々と発表されつつある。そんな状況から、現時点で推測できることを投稿しました。

◆Yahoo! ニュース 「トランプ、閣僚人事から見る「超危険」な政権
http://bylines.news.yahoo.co.jp/iwasakihiromitsu/20161219-00062548/

◆MONEY VOICE 安倍総理が気づかない、世界を根底から覆す「トランプ政権の闇」
http://www.mag2.com/p/money/29485

新刊「トランプ政権でこうなる!日本経済(あさ出版)」は12月22日発売です。

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トランプ | 米国経済

2016年12月02日

新刊のお知らせ

自分でもビックリの早さです。
トランプは極めて危険な政治家であり、日本経済にも、世界経済にも壊滅的なダメージを与える可能性があります。そんなトランプ政権のリスクを緊急出版します。
トランプ勝利宣言の2日後から書き始めた、最新情報です。

発売日は、12月22日です。
とりあえず、告知します。

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トランプ | 米国経済

2016年11月09日

※この記事は「有料メルマガまぐまぐ」で配信、及び「MONEY VOICE」に配信された記事です。


今世紀最大の「ブラックスワン」?

 トランプ米大統領が現実味を帯びてきた。
 万一、トランプ大統領が誕生すれば、世界は途方もない混迷の時代を迎えることになる。米国のみならず世界中の株式市場は暴落するだろうし、為替市場でも米ドルが売られて、円高になることが予想される。
とりわけ、トランプが“公約”に掲げて来た在日米軍や在韓米軍、欧州の軍隊などは、そっくり撤退する可能性だってある。フィリピンのドゥテルテ大統領のように、中国と接近するシナリオもあるだろう。トランプ大統領の政策ポリシーは、米国の繁栄を最優先するものであり、これまでの米国のスタンスを象徴してきた「世界の警察」や「民主主義を世界に浸透させる新保守主義(ネオコン)」といった新自由主義路線とは、大きく方向転換することになる。
 言い換えれば、これまでのような「ウォールストリート」が支配してきた価値観は大きく転換をする可能性がある。大きく拡大した「格差社会」が是正される可能性があるかもしれないが、その一方でいびつな経済になりかねない。
 とりわけ、問題なのはその政治的手法だ。ポピュリズム(大衆迎合主義)やファシズムを連想させる手法であり、移民や国防の問題では大きな転換があるかもしれない。最悪のシナリオでは、日本や韓国、欧州といった米軍が駐留している地域では、米軍が撤退して独自の防衛ラインを築く必要が出て来る。
 トランプ氏は、共和党の候補だからネオコンやウォールストリートの嫌がる政策はしないだろう、と思うのは早計だ。ポピュリズムによって誕生した政権は、独自路線を歩み、これまでとは異なる政策を打ち出してくることが多い。ありえないことが起こることを金融市場では「ブラックスワン」というが、トランプ大統領の誕生はひょっとしたら、今世紀最大のブラックスワンになる可能性がある。

怖いのは地政学リスクよりも意図的な「ドル安」?

 トランプは、日本や韓国と締結している「安全保障」の再交渉もしくは破棄を訴えている。日本に駐留する約5万人の在日米軍、及び2万8000人の韓国米軍を引き上げるようなことになれば、日韓共に現在「半額」負担している米軍駐留費を全額自己負担する必要になる。日本は20億ドル(2100億円)、韓国は9億ドルの負担だが、単純に2倍にすればいいというものでもない。当然、米軍は武器は持って帰るだろうし、現在の米軍のレベルの武器装備や人員を揃えるには相当の時間とコストがかかる。
 安倍政権がやっているような「中国敵対政策」では、すぐに限界が見えるはずだ。日本が中国と単独で戦争しても、勝てる可能性は太平洋戦争よりも低いかもしれない。そもそも資源をほとんど持たない日本にとって、戦争という選択肢はありえない。
 トランプ氏の最大の目的は「お金儲け」だから、米国が攻撃されるようなリスクは犯さないはずだ。トランプ大統領による地政学リスクはむしろ少ないとみるべきだろう。
 むしろ、これまでの市場原理を重視するという姿勢から転換する可能性のほうが高い。共和党が重視する「小さな政府」もどうなるのか不透明だ。共和党の重鎮は、今回揃ってトランプ支持を避けた。そういう意味では、共和党政権のスタンスを守る必要もなく、たとえば米国の不動産市場を活性化させるためなら、意図的に景気を良くする政策を平気で取りそうだ。
 FRBが進めている利上げは、不動産市場にはマイナス要因になる。安倍首相がやったように中央銀行に様々な圧力をかけて、意図的にバブルを作ってしまう可能性もある。
 FRBが利上げをすると、当然米ドルが買われる。ドル高になれば、米国の景気は成長率がかげり、不動産価格も下落する。経済運営に素人同然のトランプ大統領なら、プラザ合意のような形でG7(7カ国首脳会議)を招集して、強制的なドル安を演出してしまうかもしれない。

「ドル安、資源高」の時代が再び?

 問題は日本への影響だが、一時的に株は下がるかもしれないが、中央銀行である日銀やGPIFなどの公的資金「クジラ」がいる限り、そう大きくは下がらないかもしれない。ただし怖いのはやはり「ドル安円高」だ。しかも、米国大統領の任期は4年ある。4年の間、日本経済は再び円高リスクにさらされ続けることになり、デフレが続く可能性もある。
 こんな状況で、個人投資家は自分の資産をどう守ればいいのか。そもそも、どの程度のボラティリティ(変動幅)を覚悟すればいいのかだが、“クリントン大統領”と異なり、トランプ大統領では金融マーケットにも、どんどん介入してくる可能性がある。それぞれの分野での対応方法を考えてみよう・・・。

※この続きは有料メルマガ「まぐまぐ!」で・・・
http://www.mag2.com/m/0001673215.html
※MONEY VOICE
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トランプリスク | ドル安円高

2016年10月15日

DSC02333メガバンクが発行強化する「永久劣後債」

ちょっとややこしい話になるが、最近になって日本のメガバンクによる「永久劣後債」の購入が目立っている。永久劣後債というのは、債券と株式の両方の特性を持つハイブリッド債の一種だが、国内機関投資家が競って投資している利回りの高い債券だ。「AT1債」とも言われる。AT1債の中には、「CoCo債」も含まれている。日本では「偶発性転換社債」とも言われる。

厳密に言うと、「銀行セクターが発行する永久劣後債」と「CoCo債」とは、リスクの度合いが異なるのだが、どちらも高利回りのハイイールド債に匹敵する高い金利を付けている。たとえば、日興アセットマネジメントが調査した2015年2月末時点の永久劣後債の金利は4.0%(格付けはBBB)、CoCo債は6.4%(格付けはBB+)となっている。

http://www.nikkoam.com/fund-academy/rakuyomi/vol-940

周知のように、現在は日本銀行がアベノミクスの一環として「マイナス金利」を導入しており、投資すべき金融商品が見当たらないのが現実だ。そんな状況の中で、メガバンクや生命保険会社が、注目したのが「永久劣後債」というわけだ。

メガバンクだけを見ても、みずほフィナンシャルグループ(FG)は総額4600億円を発行し、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MFUG)も、1500億円の永久劣後債発行を「公募」で発行することを決めている。永久劣後債は、現在新規に発行される債券の中では、数少ない年1%以上の利回りが期待できる債券で、マイナス金利導入で国債の利回りもマイナス圏内にありがちな市場環境の中では、人気の高い投資商品と言える。

実際、MFUGの永久劣後債は、一般の企業や学校法人といった機関投資家以外でも投資ができる公募スタイルで、金利も2%半ばの水準になる予定だ。メガバンクでは初めてとなる。しかも、今後も1000億円程度の起債を計画していると報道されている。

メガバンクが発行する永久劣後債は、2020年に始まる新金融規制「バーゼル3」で自己資本に算入できるため、自己資本比率を高めたい銀行にとっても、ROE(自己資本利益率)を下げずに、資本を増やせる便利な債券だ。

ちなみに、欧州の銀行ではドイツ銀行やUBS(写真はUBS香港)などが、AT1債の発行実績を持っている。UBSグループが、今年になって発行したAT1債の利回りは、6.875%という高いものだった。

ドイツ銀行危機のきっかけをつくった「CoCo債」?

ところで、こうした永久劣後債やAT1債は「債券だが株式でもある」という特徴を持っており、銀行の財政状況を示す「自己資本比率」が、5.125%を下回ると、株式に転換される仕組みになっている。株式と債券の両方の機能を持つハイブリッド証券は、リーマンショックやその後の経済危機に際しては、発行元も、そして保有していた投資家も大きな損失を出し、政府が金融機関を援助することになってしまった。

そうした点を反省して設定されたのが永久劣後債(金融セクター)やCoCo債で、金融危機などに際しては強制的に株式に転換することで、発行元のリスクを抑えた商品になっている。

株式に転換されるリスクがあるために、通常の債券に比べて2%程度、金利が高く設定される。生命保険会社や証券会社などの高い需要に支えられて、日本でもメガバンクが中心になって活発な起債が行われているわけだ。マイナス金利の深堀り=さらなる金利引き下げなどが噂される中で、日本では永久劣後債の発行が、今後は本格化する可能性を示している。実際に、みずほFGの永久劣後債の金利は下落を続けている。

その一方で、欧州のCoCo債は金利がずるずると上昇しつつある。金利の上昇=債券価格が下落しているわけだが、その背景にあるのが「ドイツ銀行」の信用不安だ。米国での不正取引に絡んで巨額の和解金を請求されたドイツ銀行のCoCo債が中心になって、金利が上昇しつつある。

国債暴落のシグナルは、国債を上回る債券の起債?

もともと欧州の銀行の劣後債市場は、今年(2016年)1月半ばに急落していたのだが、それをECB(欧州中央委員会)が金利を支払って銀行に借り入れを促したり、欧州委員会がAT1債の投資家に特別な保証を付けて、相場を鎮静化させた経緯がある。そうした中で、ドイツ銀行は米国でのCoCo債の販売に対して問題を起こしたと見て良い。

日本に目を戻すと、遅くなったとはいえみずほFGやMFUGが永久劣後債の発行に着手し、それを一般の企業も含めて買っているということは、新たなリスクが芽生え始めていることを示す。まだまだ、金額的には小さいが、瞬間的に自己資本比率を大きく落とすような突発的な金融危機があった時には、永久劣後債を購入した投資家が大きな損失を出す可能性がある。

今後、日本のマイナス金利がさらに深堀りされて行けば、こうしたハイブリッド証券はいま以上に増えていくことになるはずだ。いまや日本の銀行は、4割が本業で赤字を出しており、その比率が6割になるのも近いといわれる。マイナス金利が、銀行経営を圧迫しているのは間違いなく、好むと好まざるとにかかわらず永久劣後債やCoCo債の発行に迫られる。

ドイツ銀行の信用不安はけして対岸の火事ではないことに気づくべきだ。

ちなみに、国債=ソブリン債が破綻する、要するに国家が破綻する前兆のひとつに、「国債の金利を上回る社債が登場したとき」というのがある。長期国債も含めてマイナス金利に陥っている今、国家破綻の条件はそろいつつある。

※「新刊」出ました














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マイナス金利 | 永久劣後債

2016年09月09日

日銀外観02-B日銀が9月20−21日に開催される金融政策決定会合で「総括的検証」を行うそうだ。その結果が何を示唆するのかはわからないのだが、日銀の金融政策の未来はある程度見えている。詳細は、下記サイトの私の配信記事を見ていただきたいのだが、結論からいえば、今後も続けるであろう日銀の金融緩和政策には限界が近づいているということだ。

<日銀、量的緩和の未来は「テーパリング」か「ヘリマネ」か?>(ヤフー!個人ニュース)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/iwasakihiromitsu/20160901-00061542/

簡単に、ポイントだけ紹介しておくと次のようになる。

(1)日銀の金融緩和政策は無制限、無期限には続けられないこと(限界がある)。
(2)日銀の金融政策は今後、さらに拡大される可能性が高いが、いずれは限界が来ること。
(3)日銀の金融政策の限界点は、実質的に「緩和縮小(テーパリング)」を迫られると考えるのが自然。
(4)否応なくテーパリングを迫られたときに、その道を選択せずに「ヘリコプターマネー(ヘリマネ)」に転ずる可能性がある。


つまり日銀の経済政策は、いずれテーパリングかヘリマネかの選択を迫られる、ということだ。

個人的には、安倍政権がいつまで継続するのかにかかっていると思っている。国民が選ぶことであり、6割を超える支持率をキープしている安倍政権の現状を考えれば、テーパリングを迫られる事態になっても、アベノミクスが続いていれば「ヘリマネ」政策に移行すると考えている。ヘリマネについては、前に配信した記事とは別に、またきちんとしたレポートをしたいと思っている。

<まだ間に合う?「ヘリマネ」から資産を守る海外口座開設法>(ヤフー!個人ニュース)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/iwasakihiromitsu/20160727-00060265/

問題は、ヘリマネ政策に対する防御策だが、正直言って、海外の銀行などに資産を移すとか、預金などをインカムゲインが期待できる資産にシフトしておくぐらいしか方法はない。
現在、日本の株式市場は世界中に蔓延する「ブラックスワン的リスク」があるにもかかわらず、根拠のない自信に満ちている。

日銀の追加金融緩和やETF、REIT買い入れを材料に、明るい未来を描こうとしている。もう少し冷静になるべきだろう。

<日本株式市場を震撼させる「世界のブラックスワン」5つのリスク>(Money Voice)
http://www.mag2.com/p/money/21756

※「新刊」出ました












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