2012年02月06日
米国のFOMCで、ゼロ金利政策の延長が表明された時点から、世界の金融マーケットは明らかに大きく転換を始めたようだ。米国株は、当面金利の引き上げはないことからリスクを取りに行く投資家が増え、大きく上昇した。実質的なゼロ金利の米ドルで、大量の資金をゲットしたヘッジファンドなどのリスクマネーは、金先物市場や原油先物市場への投資を増やすだろう。
特に原油価格は、北半球全域に厳しい寒波が襲っており、原油価格の上昇は避けられない。ホルムズ海峡の地政学リスクもある。2月3日の米雇用統計も予想を上回ったことから、今後は米国景気の回復がテーマになっていくことが予想される。しかし、米国の景気上昇というよりも、やはりインフレ懸念の増大のほうが大きいのではないか。
ただ、言うまでもないことだが、欧州債務危機が未解決のままで、米国経済だけが回復していくとも思えない。新興国の景気もいま一つだし、日本はあちこちから財政破綻のうわさが飛び込んでくる。米国ヘッジファンド「ヘイマン・アドバイザーズ」のカイル・バス氏は、「日本は18か月以内に破綻する」と言い続けている・・・。その時期はともかくとして実際に日本人の多くは、もはや何らかの財政破綻を覚悟しつつあるのかもしれない。
しかし昔からそうだが、日本という国は「問題を先送りして、リスク管理を怠る」ことを性懲りもなくずっと繰り返している。このブログで何度も指摘しているが、福島第一原発の事故も結局のところは、政府が「問題先送りのリスク放置」が原因だったし、80年代後半のバブル崩壊も、処理を先送りして放置した結果が、現在の景気低迷と財政破綻危機につながっている。日本はいつも、問題を先送りしたまま、リスク管理を怠り、世界のどの国も味わったことのないような苦痛に見舞われてしまう。おそらく、このままでは日本政府の財政破綻も分かっていながら、破滅的な崩壊を許してしまう可能性が高い。
問題は、こうした政府当局のリスク管理のなさの犠牲になるのは、一般国民である我々だということだ。では、政府に頼らずに生き残るためにはどうすればいいのか。結局のところは、自分で自分の資産を守るしかないのだが、方法はいくらでもある。海外の銀行に資金を移しておくのも方法のひとつだし、金を買っておく、とりあえず外貨(資源通貨?)をキープしておく、といった方法もある。海外には、個人投資家でも相場が下落すると儲かる金融商品が数多くあり、気軽に投資できる。最近は、日本にもそういった商品が数多く出てきた。いくつか簡単に紹介しておくと−−
・スーパーファンド・・・日本で唯一の公募型ヘッジファンド。金価格建てのマネージドフューチャーズで、10万円程度から投資ができる。円建てのパフォーマンスは悪いが、金価格連動型は絶好調だ。
・ベア型ファンド・・・日本国債などの債券や株式が下落すれば価格が2倍上昇するようなファンドもある。
・VIX指数連動型ETF、ETN(指標連動証券)・・・VIX=恐怖指数は何かリスクが表面化すると上昇するもの。株式同様に簡単に買える。
いずれにしても、米国のゼロ金利政策の維持によって、当面は世界規模のインフレがリスクになると言っていいだろう。インフレに対応した資産運用が必要だ。また、上記のものは金融機関が連鎖破綻してしまうシステミックリスクには対応していない。それは、それでまた別の方法が必要だ。
特に原油価格は、北半球全域に厳しい寒波が襲っており、原油価格の上昇は避けられない。ホルムズ海峡の地政学リスクもある。2月3日の米雇用統計も予想を上回ったことから、今後は米国景気の回復がテーマになっていくことが予想される。しかし、米国の景気上昇というよりも、やはりインフレ懸念の増大のほうが大きいのではないか。
ただ、言うまでもないことだが、欧州債務危機が未解決のままで、米国経済だけが回復していくとも思えない。新興国の景気もいま一つだし、日本はあちこちから財政破綻のうわさが飛び込んでくる。米国ヘッジファンド「ヘイマン・アドバイザーズ」のカイル・バス氏は、「日本は18か月以内に破綻する」と言い続けている・・・。その時期はともかくとして実際に日本人の多くは、もはや何らかの財政破綻を覚悟しつつあるのかもしれない。
しかし昔からそうだが、日本という国は「問題を先送りして、リスク管理を怠る」ことを性懲りもなくずっと繰り返している。このブログで何度も指摘しているが、福島第一原発の事故も結局のところは、政府が「問題先送りのリスク放置」が原因だったし、80年代後半のバブル崩壊も、処理を先送りして放置した結果が、現在の景気低迷と財政破綻危機につながっている。日本はいつも、問題を先送りしたまま、リスク管理を怠り、世界のどの国も味わったことのないような苦痛に見舞われてしまう。おそらく、このままでは日本政府の財政破綻も分かっていながら、破滅的な崩壊を許してしまう可能性が高い。
問題は、こうした政府当局のリスク管理のなさの犠牲になるのは、一般国民である我々だということだ。では、政府に頼らずに生き残るためにはどうすればいいのか。結局のところは、自分で自分の資産を守るしかないのだが、方法はいくらでもある。海外の銀行に資金を移しておくのも方法のひとつだし、金を買っておく、とりあえず外貨(資源通貨?)をキープしておく、といった方法もある。海外には、個人投資家でも相場が下落すると儲かる金融商品が数多くあり、気軽に投資できる。最近は、日本にもそういった商品が数多く出てきた。いくつか簡単に紹介しておくと−−
・スーパーファンド・・・日本で唯一の公募型ヘッジファンド。金価格建てのマネージドフューチャーズで、10万円程度から投資ができる。円建てのパフォーマンスは悪いが、金価格連動型は絶好調だ。
・ベア型ファンド・・・日本国債などの債券や株式が下落すれば価格が2倍上昇するようなファンドもある。
・VIX指数連動型ETF、ETN(指標連動証券)・・・VIX=恐怖指数は何かリスクが表面化すると上昇するもの。株式同様に簡単に買える。
いずれにしても、米国のゼロ金利政策の維持によって、当面は世界規模のインフレがリスクになると言っていいだろう。インフレに対応した資産運用が必要だ。また、上記のものは金融機関が連鎖破綻してしまうシステミックリスクには対応していない。それは、それでまた別の方法が必要だ。
2012年01月28日
今週(23日以降)はいろいろあった。2011年の日本の貿易収支が赤字に転落したこと、米国のFOMCでこれまで2013年前半とされていたゼロ金利政策が、2014年終盤まで延長されたこと。欧州の銀行の格下げが相次いでいることなどなど・・・。
とりわけ目立つのが、ユーロ危機がひと段落したような報道だ。しかし、冷静に考えてみると何一つ変わっていないことに気がつくはずだ。フランスの格下げ、EFSF債の格下げなどで欧州債務問題の救済スキームは、振り出しに戻ったものの、マーケットは今まで懸念していた悪材料が出尽くしたことで安心感が広がった米国株も、当面金融緩和政策が続くことを確認して株価を上げた。しかし、考えてみると、悪材料が出たことで安心して「買い戻し(売っていた投資家が買って手仕舞う)」の行動に出たために、相場は値を戻しただけという見方が正解だろう。
さて、そんな中で注目したいのは、まずは日本の貿易収支の赤字だ。東日本大震災、福島第一原発事故、そして超円高の定着、タイ洪水という悪材料が重なったためだが、問題は2012年になってからの貿易収支の行方だろう。2012年の第一四半期、第二四半期と貿易赤字が続くようだと、いよいよ経常赤字転落のシナリオが見えてくる。こうなったら、本格的に日本国債の価格下落に備えなければならない。
週刊文春が、日本国債暴落の記事を掲載していたが、そこで目立ったのは「破綻はある日突然やってくる」という言葉だ。過去、財政破綻を経験していた国民へのインタビューが掲載されていたが、私もブラジルや韓国、タイなど、通貨危機や財政破綻に追い込まれた経験のある人に話を聞いたが、常に共通していたのは「ある日突然」という言葉だ。
もっとも、もう日本ではとっくの昔から、日本国債暴落や財政破綻を警告する書籍や記事は出ている。ただ、大手メディアからはほとんど無視されているだけだ。そして、おそらく本当に経済危機がやってくると、大手メディア揃って今まで何事もなかったかのように「ある日突然」というに違いない。
その「ある日突然」の内容だが、一番多いのは金融機関の閉鎖だ。銀行の窓口が開かない、ATMが稼働していない、という現象だ。そして、銀行の前には長蛇の列ができて、暴徒と化す、というのが海外のよくあるパターンだ。日本はどうなるかは分からないが、いずれにしても、自分が預金を預けている銀行がどの程度のリスクを抱えているかぐらいは調べておいた方がいい。
そして、今週もっとも注目すべきは、米国のFOMCの声明内容だ。2014年終盤までゼロ金利政策を続けるとしたことで、世界はまた別のリスクを背負うことになった。ヘッジファンドなどのリスクマネーに大量の資金が流れ込むことになり、商品価格の急騰といった「ミニバブル」があちこちで発生する可能性が高くなった。特に、このところの欧州債務危機で不足していた米ドル紙幣が大量に供給され、これがさらなる過剰流動性を生むことになるかもしれない。
日本でも、東日本大震災以降のマネタリーベース(日本銀行が供給する通貨の量)は高止まりしたままだ。震災復興、為替への単独介入などによって、円紙幣の量を意図的に増やしている。米国と日本が歩調を揃えて大量に紙幣を市中にばらまくことで何が起こるのか。株式や商品市場の価格は上昇し、インフレ懸念が頭をもたげてくる。
要するに、欧州債務危機の収束のために取った経済政策が、今度は株式市場を押し上げ、金価格や原油価格を上昇させるかもしれない。しかし、それは意図的に上昇した相場であり、経済のファンダメンタルズ(基礎的な数値)を反映させたものではないということだ。いずれにしても、流れはちょっと転換した。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1112.pdf
とりわけ目立つのが、ユーロ危機がひと段落したような報道だ。しかし、冷静に考えてみると何一つ変わっていないことに気がつくはずだ。フランスの格下げ、EFSF債の格下げなどで欧州債務問題の救済スキームは、振り出しに戻ったものの、マーケットは今まで懸念していた悪材料が出尽くしたことで安心感が広がった米国株も、当面金融緩和政策が続くことを確認して株価を上げた。しかし、考えてみると、悪材料が出たことで安心して「買い戻し(売っていた投資家が買って手仕舞う)」の行動に出たために、相場は値を戻しただけという見方が正解だろう。
さて、そんな中で注目したいのは、まずは日本の貿易収支の赤字だ。東日本大震災、福島第一原発事故、そして超円高の定着、タイ洪水という悪材料が重なったためだが、問題は2012年になってからの貿易収支の行方だろう。2012年の第一四半期、第二四半期と貿易赤字が続くようだと、いよいよ経常赤字転落のシナリオが見えてくる。こうなったら、本格的に日本国債の価格下落に備えなければならない。
週刊文春が、日本国債暴落の記事を掲載していたが、そこで目立ったのは「破綻はある日突然やってくる」という言葉だ。過去、財政破綻を経験していた国民へのインタビューが掲載されていたが、私もブラジルや韓国、タイなど、通貨危機や財政破綻に追い込まれた経験のある人に話を聞いたが、常に共通していたのは「ある日突然」という言葉だ。
もっとも、もう日本ではとっくの昔から、日本国債暴落や財政破綻を警告する書籍や記事は出ている。ただ、大手メディアからはほとんど無視されているだけだ。そして、おそらく本当に経済危機がやってくると、大手メディア揃って今まで何事もなかったかのように「ある日突然」というに違いない。
その「ある日突然」の内容だが、一番多いのは金融機関の閉鎖だ。銀行の窓口が開かない、ATMが稼働していない、という現象だ。そして、銀行の前には長蛇の列ができて、暴徒と化す、というのが海外のよくあるパターンだ。日本はどうなるかは分からないが、いずれにしても、自分が預金を預けている銀行がどの程度のリスクを抱えているかぐらいは調べておいた方がいい。
そして、今週もっとも注目すべきは、米国のFOMCの声明内容だ。2014年終盤までゼロ金利政策を続けるとしたことで、世界はまた別のリスクを背負うことになった。ヘッジファンドなどのリスクマネーに大量の資金が流れ込むことになり、商品価格の急騰といった「ミニバブル」があちこちで発生する可能性が高くなった。特に、このところの欧州債務危機で不足していた米ドル紙幣が大量に供給され、これがさらなる過剰流動性を生むことになるかもしれない。
日本でも、東日本大震災以降のマネタリーベース(日本銀行が供給する通貨の量)は高止まりしたままだ。震災復興、為替への単独介入などによって、円紙幣の量を意図的に増やしている。米国と日本が歩調を揃えて大量に紙幣を市中にばらまくことで何が起こるのか。株式や商品市場の価格は上昇し、インフレ懸念が頭をもたげてくる。
要するに、欧州債務危機の収束のために取った経済政策が、今度は株式市場を押し上げ、金価格や原油価格を上昇させるかもしれない。しかし、それは意図的に上昇した相場であり、経済のファンダメンタルズ(基礎的な数値)を反映させたものではないということだ。いずれにしても、流れはちょっと転換した。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1112.pdf
2012年01月23日
ギリシャ債務交換協議が大詰めを迎えている。すでに、フィッチがギリシャを事実上、一時的なデフォルトと認めたように、最悪で6−7割の債務免除を求められることになった。ロイターが報道しているように、この交換協議が決裂した場合には、大きなダメージを覚悟する必要がある。
そのカギを握っているのはヘッジファンドだ。欧州の主要銀行などが投げ売り同然に手放したギリシャ債を安く買ったヘッジファンドが、どこまで利益にこだわるかだろう。まさに「リターンの最大化」を狙う彼らが、交渉に応じるかどうかにかかっている。
ただ、ヘッジファンドはすでにギリシャが債務不履行を起こした時の保険となる「CDS」市場からは、手を引いているところが多い。仮に、CDSを買っているところが増えていれば、あえて交渉を決裂させてデフォルトまで持っていくシナリオもあるが、現状では何とも言えない。
ただ、交渉決裂では欧州の銀行の株が売られ、世界的な株安連鎖は避けられない。日本株や米国株がこのところ上昇しているが、大きく下落する前の「ステップ」という考え方もある。個人投資家はこういう場面でよく犠牲になる。現在のような状況での、投資は慎重になるべきだ。
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE81K00S20120122?sp=true
そのカギを握っているのはヘッジファンドだ。欧州の主要銀行などが投げ売り同然に手放したギリシャ債を安く買ったヘッジファンドが、どこまで利益にこだわるかだろう。まさに「リターンの最大化」を狙う彼らが、交渉に応じるかどうかにかかっている。
ただ、ヘッジファンドはすでにギリシャが債務不履行を起こした時の保険となる「CDS」市場からは、手を引いているところが多い。仮に、CDSを買っているところが増えていれば、あえて交渉を決裂させてデフォルトまで持っていくシナリオもあるが、現状では何とも言えない。
ただ、交渉決裂では欧州の銀行の株が売られ、世界的な株安連鎖は避けられない。日本株や米国株がこのところ上昇しているが、大きく下落する前の「ステップ」という考え方もある。個人投資家はこういう場面でよく犠牲になる。現在のような状況での、投資は慎重になるべきだ。
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE81K00S20120122?sp=true
2012年01月18日
ギリシャのデフォルト(債務不履行)が近いことを、大手格付け会社のフィッチとS&Pが、相次いで警告している。フィッチは、ギリシャが3月20日の145億ユーロ(約1兆4200億円)の国債を償還できる可能性は低いと警告した。3月20日まで持つかどうかはともかくとしても、ギリシャがぎりぎりの局面に達していることは間違いない。
現在のギリシャは、民間金融機関(民間債務者)との間の「債務交換協議」が決裂している状態。減免債券と交換される国債の金利交渉が決裂している状態だが、中断された債務交換協議が、18日にアテネで再開されることになっている。しかし一方で、S&Pの欧州ソブリン格付け部門責任者モーリッツ・クレーマー氏は、ブルームバーグテレビで「ギリシャは間もなく債務不履行となるだろう」と述べ、債務交換協議で解決策が見出されるかどうかは分からないと発言。ギリシャのデフォルトは近いと確信していると述べている。
問題は、ギリシャの債務不履行が無秩序なものになるのか、あるいは限定的なものになるのかだが、仮に無秩序なものになった場合はリーマン・ショックを超える経済危機になる可能性もある。この時期の投資は慎重にすべきだろう。そして、自分の資産を守るための「リスクヘッジ(危機回避)」をするべきだ。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXXWBY1A74E901.html
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE80F00L20120116/
現在のギリシャは、民間金融機関(民間債務者)との間の「債務交換協議」が決裂している状態。減免債券と交換される国債の金利交渉が決裂している状態だが、中断された債務交換協議が、18日にアテネで再開されることになっている。しかし一方で、S&Pの欧州ソブリン格付け部門責任者モーリッツ・クレーマー氏は、ブルームバーグテレビで「ギリシャは間もなく債務不履行となるだろう」と述べ、債務交換協議で解決策が見出されるかどうかは分からないと発言。ギリシャのデフォルトは近いと確信していると述べている。
問題は、ギリシャの債務不履行が無秩序なものになるのか、あるいは限定的なものになるのかだが、仮に無秩序なものになった場合はリーマン・ショックを超える経済危機になる可能性もある。この時期の投資は慎重にすべきだろう。そして、自分の資産を守るための「リスクヘッジ(危機回避)」をするべきだ。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXXWBY1A74E901.html
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE80F00L20120116/
2012年01月14日
フランスを含めたユーロ圏9カ国の格付けが、S&Pによって引き下げられた。フランスとオーストリアは、「AAA」から「AAプラス」に引き下げられ、イタリア国債は「BBBプラス」、スペインは「A」と、それぞれ2段階格下げされ、ポルトガルはついに「BBプラス」と投機的水準になった。
問題は、フランスとオーストリアの格付けが引き下げられたことで、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の格付けがどうなるかだ。ドイツに次いでEFSF債発行時のAAAを維持するために重要な存在だったフランスとオーストリアが、AAAではなくなったために、EFSF債の保証国としての役割から外れることになる。EFSF債の発行は継続できるのか。これでEFSF債の格付けも格付けも引き下げられるようなことになれば、欧州債務危機は新たな局面を迎えることになる。
財政赤字の違反国を自動的に制裁する「EU新条約」も、遅くとも3月までに署名できる、と今年初の独仏首脳会談で示したが、見通しは明るくない。自動的に制裁されることを嫌って、どこかの国がEU脱退をほのめかしただけで、市場はまた大混乱に陥る。
現在のEU金融市場を維持するものとして、3つのセキュリティ・スキームがある。EFSF、ECB(欧州中央銀行)、そして7月に発足する予定のESM(恒久的な欧州安定メカニズム)だが、その柱だったEFSFが、今回の格下げで不透明になったわけだ。今後、どんな対策が取られるのか。その行方次第で、市場はまた混乱する。
なんとなく、遠い世界のことのように日本の投資家は思っているかもしれないが、最悪リーマン・ショックの時より深刻な事態を想定しておくべきだ。
問題は、フランスとオーストリアの格付けが引き下げられたことで、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の格付けがどうなるかだ。ドイツに次いでEFSF債発行時のAAAを維持するために重要な存在だったフランスとオーストリアが、AAAではなくなったために、EFSF債の保証国としての役割から外れることになる。EFSF債の発行は継続できるのか。これでEFSF債の格付けも格付けも引き下げられるようなことになれば、欧州債務危機は新たな局面を迎えることになる。
財政赤字の違反国を自動的に制裁する「EU新条約」も、遅くとも3月までに署名できる、と今年初の独仏首脳会談で示したが、見通しは明るくない。自動的に制裁されることを嫌って、どこかの国がEU脱退をほのめかしただけで、市場はまた大混乱に陥る。
現在のEU金融市場を維持するものとして、3つのセキュリティ・スキームがある。EFSF、ECB(欧州中央銀行)、そして7月に発足する予定のESM(恒久的な欧州安定メカニズム)だが、その柱だったEFSFが、今回の格下げで不透明になったわけだ。今後、どんな対策が取られるのか。その行方次第で、市場はまた混乱する。
なんとなく、遠い世界のことのように日本の投資家は思っているかもしれないが、最悪リーマン・ショックの時より深刻な事態を想定しておくべきだ。