安倍政権

2019年07月19日

最近、日本は平和だ、今の日本に満足している、こんな自分でも生きていけるから現状で満足だ……、といった声をよく聞く。
 確かに日本は平和かもしれない。少なくともテレビを見ていると、香港で200万人がデモをしていたり、 EU や米国では移民問題で翻弄される国民の姿が繰り返し報道される。米中貿易戦争の影響で、中国は景気後退を余儀なくされ、出稼ぎ労働者が大挙して田舎に帰っていると報道されている。まして、中東やアフリカ、中南米では身近なところで戦争が起きている。
 一方、日本では連日テレビや新聞で報道されるのは、交通事故と凶悪犯罪、芸能ニュース程度で同じニュースが繰り返し報道されている。とりわけ、芸能人のスキャンダルの比率は他の先進国に比較して飛躍的に高く、全体のニュースに占める割合は3割もあると言われる。

日本は本当に平和なのか?

 しかし、ここで考えてみたいのは、この平和は本物なんだろうか、ということだ。
 テレビや新聞は、連日のように日本の平和を演出し続けている。クールジャパンに代表されるように、日本の素晴らしさを連日連夜、繰り返し映像で見せつけてくれる。しかも、日本人の大半はそうした大手メディアが流すニュースを疑わない。テレビや新聞が嘘をつくはずがない、という根拠のないことを信じている。
 さすがに、トランプ米大統領が登場したことで「フェイクニュース(偽ニュース)」の存在には気づいたようだが、それでも繰り返し、横並びで、同じニュースを報道され続けると、誰も疑う気持ちを失ってしまう。
 それが、権力側にとっては不都合な真実を隠すための方法であることにさえ、いまや日本人の多くは気が付かない。
 実際に、音楽シーンは体制批判をするラップのようなものはあまり流行らず、男女の恋を歌い上げたものばかりがヒットする。 NHKや民放、新聞社に限らず、日本国民はどっぷりと平和ボケを演出されてそれに従っている、と考えるべきできないのか。
 世界の悲惨な姿を取材に行こうとするジャーナリストなどは、尊敬もされなければ 報道現場からもはみ出されてしまう。メディアが揃って取り組んでいる「演出された平和」の路線に外れてしまうからだ。
 パワハラやセクハラといったタイプのトラブルも労働組合のようなボトムアップ型の運動は、日本では極めてぜい弱だ。メディアが、本当の意味での問題意識を持っていないから、どこか遠くの話のようになる。NHKも、日本以外の国で起きた差別や弾圧については、きわめて良質の番組を作る。それが日本国内の問題になると、腰が引けて、うわべだけの取り扱いになる。
 
今、起きている問題を放置すれば、20代、30代の未来が関わる!

 そこで考えたいのが。我々が毎日のように感じている「平和」が本物かどうかだ。お茶の間のテレビで見る平和がいつまで続くのか、TwitterやFacebook、Instagramで表示される平和とは本物なのか。
 医食住足りて、そこにスマホやゲームの世界があれば、それで本当に幸せなのか。20代の若者が社会に関心を持たずに、自分の殻に閉じこもる姿は異常ではないのか……。
 若者の多くが殻に閉じこもるような社会になってしまった責任は、もっと上の世代にあるのかもしれない。
 しかし、普段見聞きしている世界の枠を超えるのは実は以外簡単かもしれない。普段したことのないことをすればいい。普段、見聞きしないジャンルの世界を除く。それだけでもいい。
 日本の少子化の大きな要因の一つと言われるロストジェネレーション世代、いわゆる就職氷河期世代の苦悩に比べれば、いまの20代や30代前半の人はまだましなのかもしれない。とはいえ、一部の大企業や富裕層に不当に搾取されている現実は放置しておいていいものではない。
 いまの20代。30代の人々の未来に関わるからだ。
 日本の演出された「平和」に騙されてはいけない。

<東洋経済オンライン・ニュースの新事実>
https://toyokeizai.net/articles/-/291118

<Yahoo!個人ニュース>
https://news.yahoo.co.jp/byline/iwasakihiromitsu/20190717-00134074/








lightroom0430 at 14:50 

2017年09月17日

安倍政権の支持率が上がったそうだ。

森本学園問題も、加計学園問題もメディアから消え、民進党は幹事長候補の不倫が暴露されて、党首も18年前のスキャンダルを暴かれてボロボロ状態だ。週刊文春のニュースソースがどこなのかは知らないが、まぁ、政権与党からすれば「いい仕事をしてくれた」と手放しで喜んでもらえたはずだ。

現在の安倍政権は、北朝鮮問題をことさら大きく取り上げて、韓国が80年代までやっていた「国民の不安をあおって危機意識を持たせ、自分たちの存在を大きく見せる」という古典的な手法を取り続けている。北朝鮮がミサイルを発射したからと言って、隣の韓国はサイレンが鳴ることもなければ、列車も止まらない。テレビは通常放送を続けているし、グアムやハワイでもサイレンが鳴ったなんて言う報道はない。

そんなこんなで、北朝鮮問題をことさら大きく取り上げているわけだが、残念なのは記者クラブ制度に胡坐をかいて、常に与えられている情報しか報道できない系列テレビ局だ。政府が、情報を流せば流すだけ、だらだらと報道してしまう。これは、安倍政権がどうのことのというよりも、テレビという日本のメディアの構造的な問題だ。

唯一、自分で考えているのはテレビ東京ぐらいだが、それも視聴率稼ぎのためには、他局と違うことをしなければならない、という発想からのものであって、記者クラブ制度などでたっぷりと特典を与えられている以上、結局は時の政権の言いなりになるしかない。

ただ、安倍政権のえげつないところは、そうした構造的な弱点に加えて、社長を抱き込んで食事をふるまったり、総務大臣に「電波返納」といった恫喝めいたことまでやらせて、ビビらせたことだ。森友学園問題でも、加計問題でも、あれほど高まっていた安倍首相個人の責任を問う雰囲気は一瞬にして消え失せた。

その背景には、国会が終わりネタを提供してくれるところがなくなってしまったからだ。さらに、最後の希望だった民進党の復活が、思いっきり出鼻をくじかれたためだが、そういう意味では週刊文春は、自民党からすれば最高の仕事をしてくれたことになる。

ただ、安倍政権に限ったことではないが、日本でリベラルが育たない本当の理由は、実は意外と簡単ではないだろうか。なんだかんだ言っても、ほとんどの国民が衣食住足りて、将来への閉塞感はあるものの「幸福」だと感じているからだろう。贅沢はできないし貧乏だが、経済的にはまだ本当に困っていない。

これが、ひとたびリーマンショック級の景気後退が起これば、まだ政権は簡単にひっくり返る。民主党が政権を取ったのはリーマンショックの後だったし、自民党が再び政権を奪取したのは東日本大震災があったからだ。
つまり、政権交代は何かが起これば簡単に実現する。

ただ、安倍政権のえげつないところは、そうした何かあった時にも制度を変更して、そのまま政権の座に居座ることができるように仕組みを変えようとしてきたことだ。共謀罪などはその典型的なものだ。メディアに対する圧力も同じだ。

どうやら、警察や検事なども含めた行政の官僚も掌握したようだし、おそらく我々が知らないところで司法にも手を回しているのかもしれない。そういう意味では、安倍政権は怖い存在だ。北朝鮮のミサイル発射などのイベントを巧みに使って、支持率を回復させ、そのままの勢いで憲法改正に持っていこうとしている意図も見え隠れする。

今日も、閉塞感だらけの日本が揺れる……。















lightroom0430 at 00:33 

2017年06月07日

それにしても、驚きだ。首相経験者は数多くいるし、数多くの政権を見てきた。しかし、安倍晋三首相ほど、強大な権力を形成した人物はいない。自民党内で安倍総裁に歯向かうような言動をするだけでニュースになる。内閣府内はむろんのこと政府内でも1人も首相に意見できる人などいない。

かつて田中角栄が逮捕されたときに先頭になった特捜部や検察幹部の姿はもうない。司法も、安倍内閣の意に沿わない高裁判決はほとんどない。気概のある裁判官が、地裁レベルで原発の差し止めなどをするものの、結局は高裁でひっくり返される。

メディアに関しては、言うまでもないだろう。NHKや読売新聞を筆頭に、国会で平然と嘘をつく政治家に対して、公平さを装いながらも安倍首相の味方をする。たとえば、民主党政権時代の鳩山首相や菅首相と比較して、報道の仕方はあまりに違い過ぎる。言い換えれば、あれほど報道の自由が許された時代もなかった。

こうした違和感の本質とは何かを考えると、ひとつの思いに問われる。安倍首相が所属する自由民主党の存在だ。自民党でも、極めて少数の人間が安倍政権に対して注文をつけることはあるが、それ以外の大多数は一切自民党総裁である安倍首相には何ひとつ言わない。

加計学園の問題を見ても、もし前川元文科省事務次官の発言が正しいとしたら、日本を代表する首相や官房長官がこともあろうに国会や記者会見などで平然と嘘をついていることになる。そうしたリスクを自民党という組織自体、どう考えているのか。トップのスキャンダルには意見を述べることさえできないのか。

そもそも自民党の「コンプライアンス(法令遵守)」はどうなっているのか・・・。

ここまで権力を掌握したバックには何があるのか?

それにしても、たった一人の政治家が、戦後ここまで権力を掌握したのは紛れもなく安倍首相が初めてだろう。なぜ、権力を掌握できたのか。内閣が、各省庁や裁判官の人事権を掌握してしまったからなのか。たしかに、これまで次期事務次官に誰を据える、といった省庁レベルの人事は各省庁に任されていた部分がある。

しかし、そこには法的に明確な規定があるわけではなく、その隙に乗じて内閣府=首相官邸が人事権を強引に掌握したのかもしれないが、人事権を掌握されたからと言って、法律に触れるかもしれないようなことにまで加担するだろうか、という疑問がある。財務省の公文書隠しなど、一歩間違えれば、自分自身が処罰の対象となり、出世どこか、退職金だってなくなるかもしれない。

メディアもそうだ。読売新聞が、上から目線でとんでもない理論を振りかざすのは今に始まったことではない。江川卓の巨人軍入団のときも、爽快な空理空論で自己正当化して見せた。社主と呼ばれる年老いたドンを結局最後まで社内から排除できず、名ばかりのジャーナリズムを装っている。

しかし、安倍政権になってからは、新聞もテレビも脅されて萎縮し、いまだに恐る恐る報道している感じだ。加計学院の加計学園長や、準強姦罪の嫌疑をかけられているジャーナリストの問題にしても、安倍さんのお友達にはいまだに腫物でも触るように報道している。

まさに、誰もが恐れる人物というわけだが、そのバックにはいったい何があるというのだろう。日本会議という極右団体が存在していることはいまや誰もが知るところだが、現在の内閣の大半はそのメンバーであるように、バックではなく前面に出て来てしまっている。

では、他にいったい何があるというのか。気になるのは安倍首相より、ずっと年上の自民党の重鎮が揃って安倍首相を敬い、彼の言いなりに動いているということだ。彼ら重鎮のバックにも、様々な有象無象の存在があるような気がするが、それをも上回る強大なバックがあるというのだろうか。

あるとしたら、米国ぐらいだが、いまはその米国もガタガタしている。そう考えると、安倍政権がガタガタし始めたのもトランプ大統領が誕生して以降だ。とりわけ、最近は朝日新聞や東京新聞などが先頭に立って加計学園の問題を報道するようになってきた。あのNHKでさえ、文科省の内部文書を独自の取材で報道している。

そう考えると、当面は安倍政権のスキャンダルは続くのかもしれない。


「トランプ政権でこうなる!日本経済(あさ出版)」
表紙













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2017年05月19日

トランプ政権が、いよいよ追い詰められてきた。特別検察官にモラー氏が指名されせるなど、トランプ大統領の強引な政治手法もいよいよ正念場を迎えつつある。というよりも、きちんと大統領の暴走に歯止めをかけるシステムが機能している、と言って良いだろう。

一方、日本の安倍政権の暴走はどうなんだろう。極右のグループが支配する政権の中で、その首相の意向を忖度して動く政治家と官僚がいる。一方で、警察や検察はまったくと言って良いほど動かない。森友学園のケースで、大阪府が告発しているものの、その名誉校長などを務めていた首相夫人に事情聴衆などが行われたという話はとんと聞かない。

米国と日本とでは、なぜこうも違うのか。政治システムの違いもあるだろうし、野党の力の差もあるだろう。また、日本のメディアが現政権の味方であることはみんなが知っているから、この点も大きな違いがあるかもしれない。とりわけ、野党は過去に自民党が下野した時代に、自民党がやった数々の政権妨害行動を学ぶべきだろう。

たとえば、小沢一郎氏を追い詰めたやり方はすごかった。警察や検察の助けもあったろうが、小沢一郎本人を訴えられないと分かっていても、検察に働きかけるなど執拗に追い落とした。現在の民進党も、こうした手口をもう一度きちんと分析し、学ぶべき部分は学ぶといい。

筆者が最も心配しているのは、このまま安倍政権が続くということは、アベノミクスという異次元の量的緩和が今後も続くということだ。出口戦略もろくに考えずに行われている現在の金融政策が成功するとはどうしても思えない。危険な賭けを一刻もやめてほしい。

※「東洋経済オンライン」に定期的に投稿していますhttp://toyokeizai.net/list/author/%E5%B2%A9%E5%B4%8E%20%E5%8D%9A%E5%85%85


「トランプ政権でこうなる!日本経済(あさ出版)」
表紙




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