昨日行われた桜花賞、大本命ラッキーライラックはほぼ完璧なレース運び。
しかしそれを並ぶ間も無く交わし去っていったアーモンドアイの強さが光るレースでした。 


そんなレースを夜中に見た後に昼のタイムラインを遡っていくと以下のツイートを目にしました。
(さっき知りましたが、他人のツイートでも貼り付け形式なら自由にしていいそうです。)

そしてこのツイートを引用してのこちらのツイートも目に。

手前をたくさん替えるのってこういう意味もあったんですね。
このことに興味を持ってアーモンドアイの桜花賞の直線での走りを何度も繰り返し見てみると違和感を覚えました。
そして色々映像をスローで流したりしてじっくり見た結果がこのツイート。

(駈歩じゃなくて襲歩ですね。すいません。)
ここまで興味を持ってしまうと全部調べたくなる性なので一つのブログの記事にして調べてみることにしました。
ということで前置きはここら辺にして、今回はアーモンドアイの全4戦の直線での手前に焦点を当てて色々考えていきたいと思います。


まず基礎知識として皆さんご存知だとは思いますが、馬には常歩、速歩、駈歩、襲歩の4つがあってパドックでは常歩か速歩、返し馬で駈歩、レースでは襲歩を使って競馬をしていくわけですが襲歩にも2種類ありまして
①交叉襲歩(一般的にいうギャロップの走り、左手前の場合は右後→左後→右前→左前の順で着地)
②回転襲歩(スタートしてから数完歩の走り、左手前の場合は左後→右後→右前→左前の順で着地)
があります。ちなみに駈歩にも交叉と回転(不正)の2種類が同じようにあります。
今回は乗馬じゃなくて競馬の話なんで詳しくはWikipedia見てください。

ではなぜ通常交叉襲歩を使うかというと「回転襲歩の方が疲労度が高いから」というのが大きな理由。回転襲歩は主にチーターと同じ走法。加速は早いですが疲れるのも早い。シマウマがずっと走っていると逃げ切れるのは回転襲歩のチーターは疲れてしまうからですね。(速筋とか遅筋とかもありますが)
ネコ科のような走りと言われたナリタブライアンだって直線ではしっかり交叉襲歩です。
 
でも実はスタート以外にもう一つ回転襲歩を使う場面がある。それが手前を替える時なんですね。これが今回重要になってきます。馬は上手にこれを使い分けて通常1完歩で交叉襲歩→回転襲歩(手前替え)→交叉襲歩とします。回転襲歩で前脚の手前を替えたあと、後脚の手前を次の1完歩で替えるんですね。苦手な馬はこれが変わることはありますが、通常は上記の通り。
でもアーモンドアイは変なんです。桜花賞の直線で連続10完歩(ツイート後にもう一度調べたら一つ少なかった。すいません)も回転襲歩をやってる。昨日の桜花賞のラッキーライラックのスタートからの回転襲歩がだいたいそれくらいの完歩数です。 
「アーモンドアイはチーター!」という結論にできれば早いんですが、どう見ても馬なので色々考えていきたいと思います。


まずは新馬戦、未勝利戦、シンザン記念、桜花賞の直線でのアーモンドアイの手前・走法とその完歩数について下に示していきたいと思います。独自の映像とか持ってないんで、グリーンチャンネルでのレース映像が直線に切り替わったシーンから直線とします。比較として下にそのレースの1着馬もしくは2着馬のデータを貼っておきます。

手前の赤字青字は前脚の手前、走法(交叉、回転)の赤字青字は後脚の手前を意味


1戦目 2歳新馬 新潟 芝1400m 良 2着
アーモンドアイ ルメール
27 右手前 交叉 
3   左手前 回転
9   左手前 交叉
1   右手前 回転
7   右手前 交叉

ニシノウララ 野中
35 右手前 交叉 
1   左手前 回転
11 左手前 交叉

後脚の手前を左に替えるのに手こずっていますが、新馬戦で手前を変えまくる馬はいますし若馬だと思えばここでは許容範囲でしょう。
 

2戦目 2歳未勝利 東京 芝1600m 良 1着
アーモンドアイ ルメール
1   左手前 交叉
3   右手前 回転
18 右手前 交叉
1   左手前 回転
11 左手前 交叉
1   右手前 回転
31 右手前 交叉
 
コスモフェリーク 柴田大
52 右手前 交叉
1   左手前 回転
15 左手前 交叉

今度は逆に後脚の手前を右に替えるのに手こずっています。ですがこれも許容範囲と言えるでしょう。


3戦目 シンザン記念 京都 芝1600m 稍 1着
アーモンドアイ 戸崎
2   右手前 交叉
1   左手前 回転
30 左手前 交叉
8   右手前 回転
14 右手前 交叉

ツヅミモン 秋山
2   右手前 交叉
1   左手前 回転
54 左手前 交叉

ここはもう許容範囲をオーバーしていると言ってもいいかもしれません。後脚を右手前にするのに8完歩も要しています。どうしたアーモンドアイ。
戸崎騎手も回転襲歩の間は鞭を打って矯正しようとしています。


4戦目 桜花賞 阪神 芝1600m 良 1着
アーモンドアイ ルメール
16 左手前 交叉
4   右手前 回転
9   左手前 交叉
10 右手前 回転
7   左手前 交叉
1   右手前 回転
9   右手前 交叉
1   左手前 回転
2   左手前 交叉
1   右手前 回転

ラッキーライラック 石橋
2   右手前 交叉
1   左手前 回転
57 左手前 交叉

そして昨日の桜花賞。前脚は右に手前を替えているのに後脚の手前を右に替えることができていません。しかも2回も。その後にせっかく替えることができたと思ったらすぐに戻しています。
もちろん回転襲歩は加速に優れた走法ですからこの間も鋭い伸びを見せているのですが、アーモンドアイ自身は意図せずに飛ぶような末脚を出しているのかもしれません。意図して出しているのであればとてつもない名馬になる可能性すらあります。
もしかしたら右手前の際に負担のかかる左後脚に違和感なり何かを感じているのかもしれませんし、新馬戦から予兆は見せていますから、馬自信が手前を替えることがうまくできないことを意識してしまってイップスのようなものになってしまっているのかもしれないですね。
どちらにせよ片方の脚に大きく負担がかかり、疲労度の高い回転襲歩を用いた走り方をしていると距離適性は短い所になってしまうかもしれません。手前を普通に替えられるようになったときにはさらに1段階上のアーモンドアイが見られるかもしれませんね。

ちなみに父ロードカナロアも母フサイチパンドラも手前は普通に替えられていることを確認しました。”飛んでいる“ディープインパクトも普通でした。