なぜだか、モーレツに恋愛小説が読みたいと思い、
つい手にした一冊。

トニー・レオンの愛読書ということだけれど、
できれば、20年前くらいのトニーで見たかった…と思うくらい
トニーの雰囲気に合ってる気がする。




「歴史も、個人の人生と似たようなものである。

 チェコ人の歴史はたったの一度しかない」

  (ミラン・クンデラ 千野栄一訳 集英社文庫)


80年代のダニエル・デイ=ルイスの映画は

けっこう見ていたのに、

なぜかコレと「眺めのいい部屋」は観てない。


最近、気分が殺伐としていたので、

恋愛ものでも読まなきゃ! と思っていた頭に、

紀伊国屋でやってた

“~文学世界制覇フェア~”という超ステキな催しが直撃し、

ついつい、3冊買っちゃったうちの1冊。


プラハの春については断片的な知識しかなかったけど、

国の運命はもちろん個人の運命も左右するわけで、

ハンサムな外科医としがないウェートレスの出逢いが

流れ流れてトラックで事故死、という

あえない結末を迎える。


プラハの春が68年

小説の成立が84年

映画化が87年

共産制瓦解の象徴としてのベルリンの壁崩壊が89年


東欧は特に統合と分離を繰り返しつつ

成熟してきた世界。


平たく言うと、

良さそうと思えばくっつき、

都合が悪くなれば離れる、

そういう合理的世界。


そんな世界に翻弄されているのか

流されているだけなのか

抗うでもなく乗っかるでもなく、

出逢って離れて、追いかけて、

そして死んでいく男と女。

そんな2人を俯瞰して見つめる女もいる。


「歴史に“たられば”は禁物」

国の歴史も1度しかないなら、

未来を向いて歩いて行くしかない。


難しいといえば難しいけど、

結局、男と女の物語。


あらゆる女を手にしながら、

最終的にはただ1人の女に引きずられる色男は

当時のダニエル・デイ=ルイスにぴったりそう。


機会があれば映画も観たいなぁ。





「眺めのいい部屋」は後日、見る機会に恵まれ、

もー大好きな作品の1本となりましたが、

結局、この映画は未見。


実はジュリエット・ビノッシュがあまり好きでないことも

関わってるかも……(^^;)




存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)


シンプルで官能的な表紙です。