卓球においての団体戦は、世界卓球や全日本卓球
選手権(団体の部)等の5試合全てシングルス
となるABCXYZ方式を除いて
ほぼダブルスが1つ入る

その方式は4単(シングルス)1復(ダブルス)
6単1復と様々だが

その全てで聞かされてきた事がある

「団体戦はダブルスを取った方が有利」
「団体戦の要はダブルス」
「ダブルスを取ればいける」

誰から最初に聞いたかは覚えていないが
何人かに同じ様な事を聞いてきたので
いつしかそれが当たり前の事だと思っていた




しかし突然、1つの疑問が浮かんだ

「ダブルスを取る=勝ち」なのか?

今年の3月17日に両国国技館で行われた
Tリーグプレーオフで、女子はビクトリーマッチ
までもつれ込んだ末に、ダブルスを取っていた
日本生命レッドエルフが勝利した
それはまさに「ダブルスを取った方が勝った」
を象徴するかのような試合だった


一方、男子プレーオフは岡山リベッツが
ダブルスを取ったにも関わらず、その後の
シングルス3つで敗れ、ダブルスを落とした
木下マイスター東京が優勝した



果たして、団体戦におけるダブルスとは?

その実態に迫ってみる



まずは単純に、ダブルスを取ったことでチームが
勝つ確率がどれだけあるかを調べる


その中でも、最もオーソドックスと言われる
4単1復に焦点を当てる

4単1複で基本に有効な最小メンバーは4人

最大で6人が出場できるこの方式は
オープン大会や中・高・大・社の主要な大会で
採用されている


今回はその2018年度の主要な夏の全国大会から
調査する

※以下は全て卓球王国WEBサイトの大会記録から

http://world-tt.com/ps_player/player_top.php

まずは、ダブルスの勝利と団体戦の勝利が
どれだけ密接に関係しているかを調べる

ダブルスを取ってチームも勝った試合を集計
すると

全中(男子)

A~Mリーグ・・約79%(31/39)
1回戦・・80%(4/5)
2回戦・・100%(4/4)
準決・・100%(2/2)
決勝・・0%(0/1)
小計約80%(41/51

※()内は左がダブルス取ってチームも勝った
試合数、右が全体の試合数


全中(女子)

A~Mリーグ・・約82%(32/39)
1回戦・・100%(5/5)
2回戦・・100%(4/4)
準決・・50%(1/2)
決勝・・100%(1/1)
小計約84%(43/51)


インターハイ(男子)
1回戦・・約96%(22/23)
2回戦・・75%(12/16)
3回戦・・75%(6/8)
4回戦・・50%(2/4)
準決・・50%(1/2)
決勝・・100%(1/1)
小計約81%(44/54)


インターハイ(女子)
1回戦・・約87%(20/23)
2回戦・・約81%(13/16)
3回戦・・75%(6/8)
4回戦・・50%(2/4)
準決・・100%(2/2)
決勝・・100%(1/1)
小計約81%(44/54)


インカレ(男子)
A~Pリーグ・・約85%(41/48)
1回戦・・100%(16/16)
2回戦・・約88%(7/8)
3回戦・・100%(4/4)
準決・・100%(2/2)
決勝・・100%(1/1)
小計約90%(71/79)


インカレ(女子)
A~Pリーグ・・約98%(47/48)
1回戦・・100%(16/16)
2回戦・・約88%(7/8)
3回戦・・50%(2/4)
準決・・50%(1/2)
決勝・・100%(1/1)
小計約94%(74/79)


全日本実業団選手権(男子)
第1~41グループ・・約89%(113/127)
※1チーム棄権があり、そこの勝敗は数えない
1回戦・・約88%(7/8)
2回戦・・75%(12/16)
3回戦・・約88%(7/8)
4回戦・・約88%(7/8)
5回戦・・約63%(5/8)
6回戦・・100%(4/4)
準決・・100%(2/2)
決勝・・100%(1/1)
小計約92%(168/182)


全日本実業団選手権(女子)
第1~6グループ・・100%(21/21)
1回戦・・100%(6/6)
2回戦・・75%(3/4)
準決・・100%(2/2)
決勝・・0%(0/1)
小計約94%(32/34)


総計約89%(517/584)



残りの約13%がシングルスで3点取って団体戦で
勝った事を考えると、やはりダブルスを取る事と
団体戦の勝利はかなり関連性があるように見える

しかし、調べる中で分かった事だが
実際はストレート、3-0で勝っているのが
半分近く、大会によってはそれ以上も珍しくなかった


以下は、イチ大会における試合数から
ストレートで勝敗がついた試合の割合である

※全中の最初のリーグは3-0で勝負が決まっても
最後まで団体戦の試合は行われるため、4-1や
3-2であったとしても3番のダブルスで3-0が
決まった時点でストレート勝ち扱いとする


全中(男子)・・約47%(24/51)
全中(女子)・・約49%(25/51)
インターハイ(男子)・・50%(27/54)
インターハイ(女子)・・約46%(25/54)
インカレ(男子)・・約65%(51/79)
インカレ(女子)・・約70%(55/79)
全日本実業団(男子)・・約52%(95/182)
全日本実業団(女子)・・約74%(25/34)

※()内の数字は左がストレート勝ちした試合数
右が全体の試合数


ストレートで勝敗がついた試合というのは
多少のオーダーの噛み合いもあるだろうが
対戦校、対戦者間で実力差がある場合が多い

そういう意味ではダブルスを取るのと団体戦の
勝利が関連する(と言うよりはしてしまう)
のは、当たり前と言えば当たり前になる


では、実力差が拮抗していると思われる
3-2というフルの試合結果のみに焦点を当てて
ダブルスを取ってチームも勝った試合の割合を
調べれば、よりダブルスの重要性が分かる
数字が出てくると思える

その結果が以下のものである


全中(男子)・・約55%(6/11)
全中(女子)・・60%(6/10)
インターハイ(男子)・・50%(4/8)
インターハイ(女子)・・60%(6/10)
インカレ(男子)・・50%(4/8)
インカレ(女子)・・約83%(10/12)
全日本実業団(男子)・・約54%(15/28

全日本実業団(女子)・・60%(3/5)

総計約60%(55/92)

※()内の数字は左がフルでダブルス、団体戦
共に勝ったチーム数、右が全体のフルの試合数


先程の、試合スコアを加味せずに単純に
ダブルスを取って団体戦も勝利した割合
(約87%)と比べると、約60%はかなり落ちた
数字ではあるが、それでもダブルスを取れば有利
と言えそうな数字ではある
(ダブルスで1点取ったのに不利になるのも
おかしな話だが)


しかし、この「ダブルスを取ってチームも勝った試合の
割合」
は、「ダブルスを落として
チームも負ける試合の割合」
と同義であり

逆の総計約40%は
「ダブルスを取ったがチームは負けた試合の割合」
または「ダブルスを落としたがチームは勝った試合の
割合

であり、つまる所、ダブルスの勝敗がそのまま
団体戦の勝利に直結しなかったフルの試合は
半分よりやや少ないくらい、5試合中2試合ある
と考えると、少ないとは言い切れない



これらの試合のほとんどは結果しか知らず、
本当は対戦チーム、選手間の強さがはっきり
しない事には、ダブルスを取る事に本当に有利
を取れているかは、この集計だけでは分からず、
あくまで、全体の傾向として出たにすぎない



それなら、団体戦方式は異なるが、2018-2019
シーズンのTリーグのチーム別によるダブルスを
取った時と落とした時の勝率を調べれば

対戦チーム、対戦者間の強さも自分は
だいたいはっきりしているから、
何か分かるかもしれない


という訳で、調査開始

※以下は全てTリーグ公式ホームページの
2018-2019シーズンの日程・結果ページから

https://tleague.jp/match/?season=2018


木下マイスター東京
ダブルス取った時の勝率・・約89%(8/9)
ダブルス落とした時の勝率・・約54%(7/13)

岡山リベッツ
ダブルス取った時の勝率・・約59%(10/17)
ダブルス落とした時の勝率・・40%(2/5)

TT彩たま
ダブルス取った時の勝率・・約67%(8/12)
ダブルス落とした時の勝率・・約22%(2/9)

琉球アスティーダ
ダブルス取った時の勝率・・40%(2/5)
ダブルス落とした時の勝率・・25%(4/16)


※()内の数字は・・もうここまで来たら
もう分かるだろうから説明いっか



こうして見ると、木下マイスターはやはり
個の強さが高い分だけにダブルスを落としても
それでようやく5分という圧倒的な強さがある


岡山リベッツは22戦の内17戦ダブルスを勝ってるのは驚きの数字だ

そして、岡山リベッツのダブルスを取った時の
勝利数とTT彩たまのシーズン勝利数が同じ事を
見ると、明らかに岡山リベッツはダブルスで
「有利を取った」と言えるのではないだろうか



そのダブルスの勝率だけ見れば木下マイスターの
次であるTT彩たまだが、一方でダブルスを
落とした時の勝率は4チームの中ではワーストの
約22%、ダブルスを落とした時の課題が見える


琉球アスティーダはダブルスを取った試合が
わずか5試合というだけでなく、ダブルスを
取っても勝率は5割を下回るあたり

チーム全体のレベルアップないし補強が
ない事には勝つ事が難しいだろう


男子の方を少し評してしまったが
もちろん、女子も見ていく


木下アビエル神奈川
ダブルス取った時の勝率・・約86%(12/14)
ダブルス落とした時の勝率・・75%(6/8)

日本生命レッドエルフ
ダブルス取った時の勝率・・約71%(12/17)
ダブルス落とした時の勝率・・40%(2/5)

日本ペイントマレッツ
ダブルス取った時の勝率・・約80%(4/5)
ダブルス落とした時の勝率・・約13%(2/16)

TOP名古屋
ダブルス取った時の勝率・・約57%(4/7)
ダブルス落とした時の勝率・・約7%(1/14)



男子同様に、ダブルスを取った方が勝率が高い

やはり木下チームが抜けているが、それを除くと
ダブルスを落とすといずれのチームも勝率は
50%を下回る、ダブルスを取る事がいかに
重要かが

さらに、ダブルスを取ってチーム勝率が高い
チームは、決まって安定して勝てるエース級の
選手がだいたい1人はいる


その中で例外とも言える岡山リベッツは
イサンスやイムジョンフンといったエース級の
選手がいたが

イサンス・・8勝7敗
イムジョンフン・・3勝4敗

と安定して勝つ事はできなかった点で
木下マイスター東京と差があった



少しこの方式で勝つための最低限度の話をすると
極論だが
①ダブルスを取ってエースが2~4のどこかの
シングルスとビクトリーマッチで勝つ
②エース級2人がシングルスで2点取って
どちらかがビクトリーマッチに出て勝つ

の2つがあり、①②両方とも可能な木下チームは
相当なアドバンテージを取っている

逆に①しか勝つ選択肢のないようなチームは
それだけにダブルスやエースの「落とせない」
という精神的な負担もある上に、出続けると
なれば体力的な消耗、一方が欠けた時点で
アウトの形になり安定して勝ち続ける事が難しい


という事で、ビクトリーマッチまでもつれて
決着がついた時の勝率はほぼ間違いなく
エース級を複数揃えてる木下チームが断然
高い数字になり、その場合、ダブルスは落とした
事で回ってきてると思われるが、実際は・・・


木下マイスター東京
ビクトリーマッチ成績・・5勝2敗
ビクトリーマッチ時のダブルス成績・・0勝7敗

岡山リベッツ
ビクトリーマッチ成績・・5勝4敗
ビクトリーマッチ時のダブルス成績・・7勝2敗

TT彩たま
ビクトリーマッチ成績・・3勝3敗
ビクトリーマッチ時のダブルス成績・・4勝2敗

琉球アスティーダ
ビクトリーマッチ成績・・0勝4敗
ビクトリーマッチ時のダブルス成績・・2勝2敗


木下アビエル神奈川
ビクトリーマッチ成績・・6勝3敗
ビクトリーマッチ時のダブルス成績・・3勝6敗

日本生命レッドエルフ
ビクトリーマッチ成績・・3勝3敗
ビクトリーマッチ時のダブルス成績・・6勝0敗

日本ペイントマレッツ
ビクトリーマッチ成績・・3勝3敗
ビクトリーマッチ時のダブルス成績・・1勝5敗

TOP名古屋
ビクトリーマッチ成績・・1勝4敗
ビクトリーマッチ時のダブルス成績・・2勝3敗



やはり、男女共にシーズン成績1位の木下チーム
は個の強さが高い分だけ、ビクトリーマッチが
発生するのはダブルスを落とした時が多い


岡山リベッツは前述した通り、シングルスの
アドバンテージがそこまで取れなかったために
ダブルス成績自体は高いがシングルスで2敗を
喫してビクトリーマッチまで持ち込まれ、
勝ち星はそこまで稼げなかった

一方、日本生命レッドエルフはシーズン無敗の
早田ひながいたが、ビクトリーマッチのあった
試合に出場していたのは6試合中2試合のみ
だった事を考えると、早田ひなを欠いた時の
シングルスの戦力ダウンがある

とは言え、シーズン無敗の早田ひなが出場した
時の日本生命レッドエルフの試合成績は
10勝1敗と圧倒的な強さであった

(11試合という少ない試合数だったからこそ
というのもあるだろうが)



こうして日本レッドエルフの早田ひながいない
状態や岡山リベッツの安定して勝てるエースの
不在見ると

先程のダブルスを取ったが団体戦は負けた
チームが約40%という中には、ダブルスと
シングルスで2点取れるポイントはあったけど
もう1点が取れないというチームも一定数いた
可能性がある
(そこまでは集計結果の二重三重、何重と
間違ってないかのチェックすごいしたから
もう調べる気力がない・・)


以上の事から、シーズン成績で団体戦勝率が
高い順で言うと

・木下チームスタイルのエース級を複数揃える
・日本生命レッドエルフスタイルの高いダブルス
勝率に加えて絶対的エースが1人いる高い
・岡山リベッツスタイルの高いダブルス勝率に
加えてエース級一歩手前の選手3人のどこかで
2点取る

※一般的な団体戦ではシングルスの2点起用は
できないから、日本生命レッドエルフスタイルは
Tリーグルールやオリンピックの団体戦方式
のみに適用できる形と言える



決してダブルスだけで有利取れるとは言えない

ダブルスは個では劣るチームが取る事で
最後の勝負まで持ち込め

個の強いチームはダブルスを取られても
勝てるだけの力がある


チーム内情、対戦相手によって、ダブルスを取る
取られる意味合いは全くと言っていいほど
変わってくる



今回こうして初めて試合結果の集計をして
慣れていないが故に時間もかかり
見やすく分かりやすく出来たかどうか
拙い部分は多いと思うけど

こうして自分なりにでも目に見える形に出来て
改めて色んな事が見えた気がします



あー疲れた疲れた
ラーメンでも食べに行こ