春は人間にとって、悲喜こもごもの人事異動の季節である。
少しタイミングがずれるが、ノラネコちゃんたちにとっても「猫事異動」の季節であるようだ。
家の周りのあちこちで、唸りあいや喧嘩している声を聞く。
そして、お互いまだ牽制しあいながらも、縄張りらしきものができつつあるようだ。

昨年から突然ネコ好きになった孤独老人の私にとって、裏庭に遊びに来てくれるネコちゃんたちは、とても大事なお友達だ。
一人暮らし老人の多くがそうであるかもしれない。

特に新人ちゃんが来ると、どきどきわくわくである。

私は、ネコ好きになってから、裏庭ネコちゃんたちに番号と愛称をつけ、画像・動画を整理し保存している。

9番目のネコちゃん(愛称:九ちゃん)のあと、なかなか新顔が登場しなかったのだが、それでもこの2か月あまりで2匹のネコちゃんが裏庭デビューした。

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11番ちゃん。愛称「カメちゃん」。
初めて見かけたとき、その茶色の背中の模様がカメのように見えたので、そう名付けた。

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その少し前にデビューした10番ちゃん。愛称「ユキちゃん」。
淡い雪のようにふわふわした毛並みの印象からそう名付けた。

2匹ともなかなかなつかない。
「ネコちゃんセンサー」が鳴り、こっそりと裏庭のガラス戸に近づくと、ほとんどの場合、えさを食べ残してさっさと逃げてしまう。
怖がっているのか、安いカリカリが気に入らないのか。(笑)
おそらくその両方なのだろう。

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9番目の九ちゃんも時々顔を出す程度である。

気になるのは、先月またもやアライグマちゃんが出現したことだ。
昨年見かけたアライグマより少し小さくて、尻尾の縞模様もちょっと違う。
どこかで繁殖しているのだろうか。

ラスカル君たちに負けるなネコちゃんたち!
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私の向かいの席のN氏、左隣のA氏のコロナ陽性が判明し、私のコロナ感染(そして感染元であることが)が間接的に(笑)そして確定的になった先週。
しかし私的には、コロナによる微熱などほぼ無きに等しいものであった。
何より足の痛みとの闘いにほぼ全精力を注ぎ込まざる得ない状況だったのだ。
他の人の心配をする余裕もなく、何とか自分の職務を全うした
しかし、一方で「私発コロナ職場崩壊」に微かな危惧も抱いていた。

週が明けて、
(月曜日)
私の左隣のA氏はほぼ完全にコロナから回復したようだった。元気に出勤してきた。
ところが向かいに座っている健康オタクのN氏は今日も休んでいる。

(火曜日)
やっと我が愛すべきN氏が出勤してきた。
用意してきた挨拶をする。
私「(とぼけた顔で)どこか旅行にでも行ってたのですか?」
N「(張本人が)よう言いますね~~!(笑)」と、予想した反応であった。
N「陽性認定ですよ」・・と一枚の紙を私に見せる。
私「?。陽キャラ認定でも受けたのですか?(笑)」とその紙を見たら、PCRではなく抗原検査の結果表だったみたいだ。認定書こみで検査代3000円だったとのこと。
私「(とぼけた顔で)何処で感染したのですか?心当たりは?もしかして(福岡市の繁華街)中洲にでも行ったのですか?」
N氏のけ反る。・・
こんな調子で、K氏との掛け合い漫才を楽しむ。

木曜日から休みを取ったN氏、発熱はそれほどでもなかったらしい。
37.5度を超えることはなく、その代わりのどの痛みが尋常ではなかったとのこと。
一時声がほとんど出なかったようだ。
私「私とは別の病気ですね(笑)」

先週木曜日に休みを取った別の同僚のU氏のことも気になったが、本人に訊いてみると、体調不良ではなく用事があって休んだとのこと。
他に体調不良を訴えている人は今のところいないようだ。
コロナは何とか私の席の近隣のA氏、N氏を防波堤(笑)として一応止まったかのように見える。

今日は天気も良かったせいもあるが、上司の指示で職場の窓を全開にした。
今日も足が痛んだのだが、職場が陽光に照らされて気持ち良い風も吹き込んできて、何か晴れ晴れしい気持ちだった。
職場全員が同じ気分だったのではないかと思う。
コロナが怖い病気ではなくなり、本人や家族の罹患による自宅待機制度もなくなり、ノーマルな社会を取り戻した・・と皆が感じていたような気がする。

だれも私のことを「ウィルスばらまき老人」とも思わず、また非難せず、むしろ足を引きずりながら仕事をする私を暖かい目で見てくれ、(おそらく)私からコロナを染されたN氏も掛け合い漫才に応じてくれるなど、本当にいい同僚に恵まれたと思う。

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(ここ数日夢中で読んでいるコ―マック・マッカーシー『越境』。メキシコを舞台としたニヒリスティックな17歳の生死を掛けた旅はまだまだ続く。600ページに喃々とするこの長編も残り後数十ページになったのが惜しい。少年が行きつく先はどんなところであろう。想像もつかない。)
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この一週間、定年後再雇用で働き始め3年あまりで最もきつかった一週間であった。
なにしろ発熱(コロナ)に苦しめられたうえ、更に同時に私の季節性持病ともいうべき足痛が襲い掛かったのだ。
相手方と日時を約束している仕事も少なくなかったが、部分的な年休を取りながらその全てのスケジュールをキャンセルすることなく、この1週間何とかしのぎ切った。
既にこのブログで書いた部分もあるが、自分自身の記録としても改めて整理してみたい。

(土曜日:2023年5月13日)
朝起きて、鼻の奥が妙に腫れぼったい。
単なる寝冷えでもなさそうだ。
体温計を探すが見あたらないので体温不明。
大量のオレンジジュースを飲み、葛根湯を服用する。

(日曜日)
少し熱っぽい。
体温計は見つかったが、どうやら電池切れ。
近くのマツキヨへ体温計を買いに行く。
体温37.1度。臭覚・味覚に異常無し。
軽い風邪かと思う。
この日から左足首が少し痛い。
私の季節的持病の足周りの関節痛が始まったか・・という悪い予感がする。治まってくくればよいが。(そのまま自然治癒することもあるのだ)
しかし、午後は自転車で図書館へ行くほどの余裕は十分あった。
最近嵌っているアメリカのノーベル賞作家トニ・モリスンの新しい本『ソロモンの歌』を借りてきてこの日から読む。
ミルクマンと呼ばれる主人公の屈折した青春時代、特に何故こんな「ミルクマン」という奇妙なNNがついたのか、そのエピソードがとても印象的だった。

(月曜日)
朝起きてみると、昨晩治まりかけていた熱は再び上昇(37.7度)し、それに左足首の痛みが酷い。
と言っても、自転車で職場へはなんとか行ける状態ではあるようだ。
午前中1件だけ仕事の約束があるのだ。
それを済まして、午後休みを取って福岡整形外科病院で例の「魔法の注射」を打つことにしよう。
しかし、これがその後も続く足の痛みを長引かせた原因だったかも知れない。
本当は午前中に注射し、約束など午後に延期すべきだった・・今ではそう思う。
私も昔堅気のサラリーマンなのだ。約束は厳守する・・そう刷り込まれているのだ。
午後休みを取って、自転車で一旦自宅に戻りベッドに横になる。
そろそろ病院へ行こうかと踏ん切りがついてベッドから立ち上がろうとしたその時、左足首に激痛が走る。
病院へ行くどころか、家の玄関を出るまで杖をバタバタさせながら四苦八苦。
正に七転八倒して車を運転し、病院で注射を打ってもらう。

(火曜日)
無宗教者に近い私の昨夜の就寝前の「祈り」もむなしく、足の痛みは収まっていない。
注射を打った箇所は部分的に痛みが軽くなった気がするが、昨日午前中の無理が祟ったのであろう。
これも「あるある」だが、痛む部分を庇うために、足の他の部分に負荷が掛かっていたのだ。左足指のつけ根、右足かかと付近・・それに致命的なことに左足の膝がとても痛い。
この日は午後、約束した現場仕事が2件ある。
何としても、約束を守りたい。
それに、男の意地として、絶対その仕事を他人にさせたくない。
一人作戦会議の結果、午前中2時間時間休を取って体力の温存を図ることにした。
杖をつきながら午後の現場立ち合いを何とかこなす。

(水曜日)
短時間再雇用なので定休日。
週の後半に向けて、休養する。
1日じゅうトニ・モリスン『ソロモンの歌』をベッドの上で読む。

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(静養中、数多くの良書に出会えた。トニ・モリスンはもちろん、バルガス=リョサ、スタイロン、コーマック・マッカシーなど。)

(木曜日)
デスクワークが溜まってきているはずなので、朝からフルタイムで働く。
足の痛みは相変わらずだが、なんとか午後の2件の現場をこなす。
私の周りの同僚A氏、N氏が相次いで仕事を休み、何れもコロナ陽性ということが判明する。これで私の発熱もコロナということがほぼ確定。
私の方は体温37.0度前後で熱は治まりかけてきたようだ。

(金曜日)
今週最大の過密スケジュール。
午後3件の現場が入っている。
この難局を乗り切るために安全策として、火曜日と同じように午前中2時間の時間休を取る。
何とか3件の現場立会を乗り切り、大きな達成感を感じる。
頑張った自分へのご褒美に吉野家鰻皿2枚を買って晩酌する。

こうして苦闘の1週間を何とかのり切ったのである。

体が冷えないように、一旦捨てようとしていたのを思い直したよれよれの着古したハーフコートをはおり、足を締め付けないようサンバル履き、それに登山杖をついて足を引きずりながら仕事をするこの異形の姿の63歳の老人を見て人はどう思ったのだろうか?
(杖を突き、サンダル履きで足を引きずりながら仕事をする刑事コロンボのイメージ)

「責任感が強い人」と見た人も中にはいたかもしれないが、半数はあまりにもアホッポイ、独りよがりのナルシステックな行動だと感じたかもしれない。
また、「ウィルスをまき散らす迷惑老人」と思った人もいるかもしれない。

しかし誰が何と言おうと、私はこういうのが大好きなのだ。
逆境を跳ね返す自分の姿、埋もれていた自分の力が地表に姿を現し、それに本人自身も驚くことが。
苦しくても、紛れもなく生々しいまでに生きている実感を感じる時が。

「生きることは苦しむことであり、生き残ることは苦しみの中で価値ある意味を見つけることだ。」F・ニーチェ

それに「体を張って仕事をする」という貴重な体験も、再雇用の任期が切れる2年後は、したくてもできなくなるのだ。

明日月曜日からまた仕事が始まる。
熱はほとんど治まった。
しかし、土日曜日と2日間の完全休養にもかかわらず、足の痛みは相変わらずだ。
来週も、この他人には「ごっこ」と見えるかもしれない闘いは続くのだろうか。

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