歯周病と癌

2019年02月25日20:49
 堀ちえみさん、手術は無事終わったということで、まずは良かったです。

 なかなか治らない口内炎には気をつけよう、ということに気付いてくれる方が一人でも増えてくれたら、とも思います。

 最近、1週間に一人や二人、必ず、ずっと歯周病の治療を受けているのによくならない、という相談を受けます。そのような患者さんは、あちこちネットを探して、インプラントのことを書いている歯科医院は多いのに、歯周病について触れている医院は殆ど無い、と口を揃えておっしゃいます。

 毎月毎月、きちんと口の中の掃除(クリーニング)に通っているのに、一向に良くならない、とおっしゃいます。
まあ、そうだろうな、と思います。
 驚いたことに、歯周病の治療は、歯科衛生士に丸投げで、歯科医師は全く患者さんに顔を見せない、という医院もあるのだとか・・・

 歯周病があると、糖尿病などの成人病が悪くなるということは常識になっていますが、(知らなかった人は慌ててください) 癌も悪性度が増す(転移しやすくなる)のではないかということまで分かってきました。

 歯周病を治しても、成人病や癌が治るわけでは絶対にありません。が、体の基礎体力、抵抗力を高める効果はありそうです。

 標榜科目(矯正歯科、小児歯科 ・・・・)に 歯周病が加わってほしいです。
私は、大学病院の口腔外科にも何年か在籍して、大概の外来手術はこなせますので、”口腔外科”も標榜していますが、もし、”歯周病”が看板に書ける(標榜科目として)ようになったら、”歯周病”だけ書いて、他は消してしまう覚悟です。

 (以前は、”小児歯科” も看板に書いてましたが、消してしまいました。 子供は好きなので、どんな小さい子供でも診ます。 泣いて暴れて他で全く治療できなかった子供でも、殆ど治療できるようになります。 ただ、小児歯科の認定医の資格を持っていないので、看板から消しました。 歯周病は、認定医と指導医、インプラント指導医 を持っています)

舌癌と口内炎 その2

2019年02月22日21:16
 まいりました。

 今日は、7人の問い合わせです。(口内炎の塗り薬、薬屋さんに急遽追加注文しました) 舌癌だけでなく、口腔癌は生存率は良いのですが、舌や顎を切ったりしなければならないケースが多く、顔貌がまるで変ってしまったり、発音や食事(流動食しか食べられなくなったりすることもあります)に不自由が起こったりして、その後の生活に支障が残ることが多いのが悲しいところです。

 私が、自分の歯科医院を開業後に遭遇した6名の口腔癌の患者さんのうち、5名は喫煙者でした。 もう一人はご本人は煙草を吸わないものの、ご家族の方が喫煙者でした。

 親知らずが斜めに生えていて、舌にいつも擦れていたのに、抜くのが嫌でずっとそのままにしていたら、舌癌ができてしまった患者さんもいます。
 どんな歯でも抜かないほうが良い、という気持ちもわかりますが、、、、

 

 

舌癌と口内炎

2019年02月21日13:35
 堀ちえみさんが、舌癌を公表されて以来(芸能人であるとはいえ、ものすごい勇気です。一日も早い回復をお祈りします)、口内炎が出来たのだけど見てほしい、という問い合わせが急増しました。
 今日の午前中だけで2件ありました。 これから、もっと増えていくと思われます。

 普通の歯科医師は、口腔癌に出会うのは、一生のうち1回あるか無いか、と言われたりしますが、私は、今まで6人の患者さんの口腔癌を見つけました。 舌癌が2人、歯肉癌が一人、口の中以外に癌の原発巣があってその転移が2人です。

 大学病院の口腔外科に在籍していたこともありますが、この6人は全て開業してからの患者さんです。

 前述の歯肉癌の患者さんは、、歯槽膿漏で歯茎が腫れてきた、との訴えで来院されました。 同じ歯茎の腫れでも歯槽膿漏(歯周病)と歯肉癌の場合は、明らかに違いますが、(違いを説明すると専門的になり長くなるので割愛)慣れた歯科医でないと見分けなかなか難しいと思います。
 ましてや、口内炎なのか舌癌なのか、ある程度(直径1cmぐらい?)になれば予測は付きますが、本当に小さな1〜2mm程度なら見分けだけでは判断は付きかねる場合が多いのではないでしょうか?

 初期で口腔癌を見つける装置もありますが、かなり高価なので、備えている歯科医院は限られています。(その検診を売り物にしているところもありますが)

 一般的にいえば、口内炎の場合、1週間もすれば殆どは治ります。 薬の副作用でできた口内炎は何週間も治らないと思われがちですが、よくみると一つ一つの口内炎は治り、また新しい口内炎は違う場所にできたりを繰りかしがちです。 
 
 当院では、口内炎を治療して1週間治らなかったら、必ずもう一度見せてください、と念を押します。それで見つかった舌癌もあります。
 ちょっとでも怪しい、と思ったときは口の中の写真を撮って見比べます。 それで癌ではないけれど、他の病気が見つかったこともあります。

 堀ちえみさんのご回復をお祈りします。

 

お盆休み

2018年08月12日10:41
 お盆休みは、11日(土)〜16日(木)です。 例年、夏の休みは、5日間と就業規則できめていますので、今年は12日(日)~16(木)と早くから決めていましたところ、11日は”山の日”で祝日ということをうっかりしていました。日にちをずらそうとしたら、スタッフの猛反対にあいまして(そりゃそうだろうと思いますが) 今年限りで、6日間の休みになりました。(´;ω;`)ウッ…

 もともと、”山の日”は、8月12日にする予定だったそうです。8月13日〜15日にお盆休みを取る会社が多いために、休みを一日増やす目的で設定されました。 ところが、12日は、1985年の日航機事故で多数の犠牲者が出た日なのに、祝日にしてお祝いするなんてトンデモないことだ、と一部から反対意見がでて11日に前倒しされたそうです。

 さらに、再来年は、オリンピックへの影響を考えて、10日に前倒しする案さえ出ているようです。 

保険でできる歯周病の再生療法 その後の反響

2018年01月15日21:38
 保険でできる歯周病の再生療法薬 リグロス。 当院で使い始めてから 1年、 歯周病指導医でない普通の歯科医院でも使えるようになって5か月が経ちました。

 昨年は、おかげさまで、たくさんの問い合わせをいただきました。 外国から ”今から飛行機をとってすぐに日本にいくから手術の予約を取ってほしい”との国際電話までいただいたりしました (診察しないで当日に手術するのは難しいと答えたら、だいぶがっかりされました)

 当院では、ほぼすべてのケースで、歯牙の周りの骨も歯ぐきもきれいに再生して、喜んでいただいていますが、他の様子を聞くと、なかなか難しいようです

 中には、驚くような使い方をされているかたもいるようで 😥

 今年から、日本全国で 300の歯科医院(大学病院も含めて)で、リグロスの使用成績調査を行います。 光栄にも当院もその中に選んでいただきました。 このデータをまとめて、海外にも進出しようというのでしょうか?

 今までの歯科の薬剤は、殆どがヨーロッパかアメリカで発明されたものでした。 日本発、しかも世界で最初に認められた歯周組織(歯の周りの歯茎や骨のこと)再生薬のリグロス、使い方を誤らずに大事に育てて、歯周病治療の世界のスタンダードにしていきたい(私ごときが口にするのもおこがましいですが)ものです。

歯周病がなぜ胎児に悪さをする?

2017年09月08日20:45
歯周病がなぜ胎児に悪さをするか? という理由です。

正確にいうと、歯周病菌がだす有害物質(LPSなど)や歯周病による歯肉の炎症からの化学物質が免疫反応を起こしてという話になりますが、

歯周ポケットの内側というのは、“潰瘍(かいよう)”と呼ばれる状態、いわば、“かさぶた”を無理に剥がしたようになっています。

 その面積の合計は、手のひら の大きさとその同じです。 そんな大きな傷口が体にあって、そこから絶えずバイ菌が体に入っていくとしたら、良いはずないですよね。ということです。

 そんなバイ菌が胎児にだけ悪さをして収まるはずもありません。ちゃんと大人にも悪さをします。典型的なのが、心臓と糖尿病です。

 また、次回
  

歯周病で早産になる?

2017年08月18日19:49

テレビのCMにも出ていた オッフェンバッハ教授の研究です。

814名の出産を5年間に渡って調べたところ、28週未満の早産の割合は、中程度から重度の母親では、11.1% と歯周病のない場合に比べて 10倍もリスクが高い、という結果が出ました。
 
アメリカでの研究なので、社会事情の異なる日本でこの数字をそのまま当てはめることはできないにしても、驚くべき結果です。

歯周病のない母親では、1000g未満の赤ちゃんはできなかったのに対して、軽度歯周病の母親からは6.1%、中程度から重度歯周病と診断された母親からは、11.4%の低体重児が生まれてしまいました。

 次回は、なぜ母親の歯周病が胎児に影響するのか。その理由を

子供を一人生むたびに歯を一本なくす?

2017年08月07日18:26
私達の親の世代ではよく言われていたことです。 昔の人は、妊娠中は歯周病になりやすいことを経験的に良く知っていました。
 なぜなら、子供に歯のカルシウムを盗られるから、歯が脆くなって歯周病になる、とされていました。

 残念ながら。歯のカルシウムが溶け出して胎児に吸収されることはありません。
それが分かってからは、妊娠中の“つわり”がひどくなって歯を磨けないからとか、味覚が変わってずっと間食をしているから歯周病になる、つまり、歯を磨いていれば妊娠中でも歯周病にならないといわれだしました。

ところが、10年ほど前に、Pi菌(Prevotella intermedia)という歯周病菌が、妊娠中に増える女性ホルモンを栄養源にして口のなかで増えてくるという事がわかりました。
 歯周病菌が増えてくれば、当然歯周病のリスクも高くなるわけで、昔のおばあちゃんの知恵は正しかった、という事が科学的に証明されたわけです。

 また、恐ろしいことにお母さんが歯周病だと胎児が育ちにくい、低体重児とか早産につながりやすい、という事も分かってきました。
 
 この続きはまた、

定期健診とメインテナンスだけで歯周病は治らない

2017年08月04日20:10
テレビCMなどで歯周病を良く取り上げられるようになったおかげか、歯周病を見てほしい、とか歯周病を治したい、という問い合わせを毎日のようにいただきます。
 当院では、大人の患者さんの7〜8割が歯周病治療とその後の定期健診ですが、最近特に増えてきたのが

“定期健診はちゃんと行っていたのですが、歯ぐきがどんどん痩せてきて。。。。”

 お口の中を拝見すると、歯石を取って歯の掃除はされているようですが ムム。。
という感じです。

 歯周病の本格的な治療をしようと思えば、どうしても駄目な歯は抜歯したり、歯茎に麻酔注射して歯石を取ったり、手術をしたり、といった患者さんからすると嫌な処置は避けて通れない場合もありますが、そのような処置はされた形跡がない人が大部分です。

 “この歯ブラシを使っていれば、透明の柄の部分に太陽光線のソーラーパワーが溜まって、毛先からマイナスイオンがでて歯垢を分解して歯周病が治るといわれました。”

 “抗真菌剤の薬剤を歯ブラシにつけて磨けば、歯周病の原因の真菌を退治するので歯周病が治る、と言われました”

 “この薬で歯周ポケットを定期的に洗浄すれば歯周病は治る、と言われました。(調べてみるとその薬、キッチンハイターと同じ成分の薬液でした。)

 いずれも、実際に耳にしたことです。

 現在の歯科医療は完璧ではありません。でも、殆どの歯周病は、ちゃんとした治療をすれば治っていきます。

祝! 再生療法 リグロス解禁!

2017年08月03日20:31
今年の1月に、歯周病学会の指導医にだけ使用が許された “保険でできる再生療法”の“リグロス” が8月から一般の歯科医院にも解禁されました。
 Eラーニング といって、インターネットでの1時間ほどの講習を受けて簡単なテストに合格すれば、リグロスの使用許可をもらえます。また、歯科医師会でも半日の講習を開催しますので、それを受講すれば、歯科医師であれば誰でもリグロスを使うことができます。

 私は、臨床歯周病学会の指導医を拝命しているおかげで、かなり前からリグロスを使わせていただいていますが、率直に言って “無茶良い” 薬剤と感じています。他にも似たような薬剤はありますが、それに比べても、手術後の治りの速さ、痛みの少なさは群を抜いています。しかも、他の薬剤はすべて自由診療ですので、10万円〜20万円の費用がかかるのに、リグロスは、健康保険で使えますから、3割負担でも1〜2万円ほどです。

 今年初めから、たくさんの問い合わせをいただきました。中国からの電話もありました。すぐに日本に行くからすぐに手術してほしい、とまで流暢な日本語で言われ、驚きました。(まずは、診察してからになる、とお答えしたところ、その後連絡がありません)

 リグロスは、本当に良い薬なので、どこの歯科医院で使えるようになることには賛成です。当院も含め、日本中で140施設は少なすぎます。

 心配なのは、ちゃんとした使い方をせず、歯石を取っただけでリグロスを塗ったり、ただ歯周ポケットに入れたり、とか間違った使い方が出てくることです。十数年前にエムドゲインという薬が発売されたときに、そのような使い方をする歯科医院が続出して、そのあげくエムドゲインは効かない、という評価になってしまいました。(欧米では非常に高い評価を受けている薬剤ですが)

 結局、再生療法の手術を手慣れた歯科医師がリグロスを使うと、もっと上手くいく、ということなのでしょう。

 どこでもリグロスができるようになると、患者さんが減って困るでしょう?というお声もいただきましたが、ご心配なく、リグロスは全く儲かりません。製薬会社から買う代金と患者さんから頂く費用は、ほぼ同じです。薬での儲け(薬価差益といいます)は、数十円です。手術費用はいくらかありますが、微々たるものです。使い捨ての器材、消毒のコストを考えると、やれやれです。

 自由診療の再生療法の治療費の相場は、10万円〜20万円です。(アメリカはその倍以上)。3割負担で、1〜2万円ということは、歯科医院側で実際に受け取れる治療費は、3〜6万円です。どう考えても減収です。
 リグロスの普及を妨げる原因がもう一つあるとしたら、このあたりでしょうか?

 当院では、毎週2〜3人、リグロスの手術をしています。ちょっと意地になっているのかも?
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