2011年01月04日

[書評] : ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか


















ザッポスCEO トニー・シェイによる初の自著本。

しかし、どう考えてもイケてないタイトル

最初は「ありきたりなビジネス書だろ?」と、疑ってかかってた。

もちろん、読み終わってその考えは間違っていたことが分かったけど。



この本を読み始める前の、僕の“ザッポス”へのイメージは、

変な名前の会社で、ECサイトで靴を売ってるんだけど、やたらとカスタマーサービスに力を入れていて、結果的にAmazonに買収された

という程度でした。

そしてこの本を読み終わったあとのイメージは「こんな企業で働きたい」ということです。



ザッポスの話がされるたびに、ついてまわるエピソードはこんなもの。

夜中のカスタマーサポートセンターに「まだ開いてる近所のピザ屋さんはどこ?」という電話がかかってきても、ちゃんと調べてお客様にちゃんと伝える。

お客様のお家にいきなり花束を贈る。

などなど。数々の伝説があるようです。



しかし、この逸話はあくまで枝葉に過ぎないんです。

ザッポスが最も大切にしてるもの。

それは、企業文化





印象的だった本文を以下に引用します。

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ザッポス・ドットコムでは、最高のカスタマー・サービスと、最高の顧客体験のブランドを構築する決心をした。

そして、カスタマー・サービスとはひとつの部署ですることではなく、全社を挙げて取り組むことだと確信しています。

あなたのブランドについて広告が伝えられることには限界があります。もし航空業界の全般的な「ブランド」について - 特定の航空会社ではなく、産業全体として - 尋ねたら、ほとんどの人は普通、ひどいカスタマーサービスかひどい顧客体験について語ることでしょう。

(略)

費用をかけるだけでは自分が望むようなブランドを構築できないとしたら、それでは企業はどうすればいいのでしょうか?

長期的にブランドを構築するための最善の方法とは何でしょうか?

一言で言えば、企業文化です。

ザッポスでは、企業文化がきちんとできていれば素晴らしいカスタマーサービスも、長期にわたる素晴らしいブランド構築も、情熱的な社員や顧客といったそのほかの大部分も、自然に始まると考えています。

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引用おしまい





そして、ザッポスは自社の企業文化を10のコア・バリューとして明文化しています。



1.サービスを通して「ワオ!」という驚きの体験を届ける
2.変化を受け入れ、変化を推進する
3.楽しさとちょっと変なものを創造する
4.冒険好きで、創造的で、オープンマインドであれ
5.成長と学びを追求する
6.コミュニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く
7.ポジティブなチームとファミリー精神を築く
8.より少ないものからより多くの成果を
9.情熱と意志を持て
10.謙虚であれ



社員全員、これらのコア・バリューに対して誠実に向き合い、自らの仕事、そして私生活にまで良い影響を生み出し続けています。

ビジョンやミッション、コア・バリューといったものを言葉にしている企業は少なくないはずです。しかし、その言葉をどこまで真剣に社員は考えているのでしょうか?単なる飾り言葉になっていないでしょうか?

ザッポスの本質的な違いを生み出しているのは、ここにあると感じました。

企業文化という言葉を軸に、社員全員が明確な目的意識を持ち、社員全員が同じ方向に進んでいく。

そこにはワクワクするものが自然と生まれるに違いありません。



既存の経営を考えたら、“理想が過ぎる”経営なのかもしれません。

しかし、ザッポスCEO トニー・シェイが「本当に大切なもの」を見つめ続け、貫いた結果です。



こんな会社で働いたら楽しくてしようがないでしょうね…!!





(最後に)

ちなみに、原著のタイトルは

Delivering Happiness: A Path to Profits, Passion, and Purpose 

ダイヤモンドさんも売りたい気持ちはよく分かるけど、少なくとも内容に則した邦題をつけるべきよね(ボソボソ


little_shotaro at 09:00│Comments(0)TrackBack(0)

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