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Harold Vick After The Dance 1977 Wolf Records
Harold Vick / After The Dance
アルバム After The Dance に収録


レコ屋でたまに見かけて一応目に留まっても長年あまり気にならない盤というのが山のようにあるけど、サックス奏者 Harold Vick の1977年のフュージョン作もそんな一枚だったかも。需要はない気もするけど価格が580円と相場より安かったのでようやく買ってみた。
リリース元は Wolf Records というレーベルで、ここは T.K. Productions が数多く所有したレーベルのひとつだったんだと知ると楽しくなります。T.K. Productions の親分 Henry Stone がソウルジャズ〜フュージョン寄りな作品のリリースを目指して立ち上げたのかなという気もしないでもありませんが、とはいえ Wolf Records はそんなに長続きはしなかったようで、リリースは下の3作品のみ。どの作品もプロデューサーは Atlantic レーベルで Roberta Flack、Les McCann、Roland Kirk などなど数多くのジャズ系アルバムを手がけた Joel Dorn となっていて、いうなれば彼のレーベルか。Wolf Records の3作品は再評価もされずレコ掘り的な注目度は低いですがレコ屋ではわりと見かけるのでリリースされた当時はまあまあ売れたのかもしれません。

Robin Kenyatta / Encourage The People (1976年)
Harold Vick / After The Dance (1977年)
Kenny Barron / Innocence (1978年)

Harold Vick / After The Dance の中身ですが、アルバムタイトル曲は Marvin Gaye の名盤 I Want You に収録されたおなじみのナンバーのカヴァーで、他にも Stylistics、Peter Allen、Patti Austin、Esther Marrow のカヴァー曲が並び、他には Harold Vick が書いたオリジナルも収録。

参加メンバーは
Producer – Joel Dorn
Strings and Horns Arranged And Conducted By William Eaton
Drums – Steve Gadd
Bass – Anthony Jackson, Will Lee
Percussion – Ralph MacDonald, Dom Um Romao
Guitar – Eric Gale
Piano – Richard Tee
Synthesizer – Arthur Jenkins
Saxophone – Harold Vick

これに Brecker 兄弟を含むホーン隊、大勢のストリングス、Patti Austin や Ullanda McCullough などなどのバックコーラスが参加。当時の N.Y. のおなじみのミュージシャンがずらりと勢揃いしているけど、CTI 系みたいな肩肘は張らず、かといってポップだったりユルすぎることもなく上手い具合にソウルミュージックを取り込んだアーバンでメローなフュージョンアルバムにまとまっている。1977年というとディスコサウンドの絶頂期であるけど安易にそちらに足が向かってないのも良い。大衆感覚も加味しながら聞き応えもあるサウンドに仕上げた絶妙なさじ加減が楽しめるアルバムというものだけど、スタジオ仕事に手慣れた有能なメンバーがこれだけ集っているのだから主役の Harold Vick の個性は少しばかり乏しくてもアルバムとしてはしっかりとまとまっている。

Harold Vick / After The Dance

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Dionne Warwick Meant To Be I Found Someone Else
Dionne Warwick / Meant To Be / I Found Someone Else
7inch


Dionne Warwick の70年代中盤の未発表音源2曲をカップリングした7インチ。
Dionne Warwick は Burt Bacharach & Hal David プロデュースのもと作品を量産した Scepter Records レーベルを離れ1972年に Warner Bros. Records レーベルに移籍、1977年までの在籍期間に以前よりソウル色が出たアルバムを5枚リリースしている。このワーナー在籍期間に録音はするもののオクラ入りとなった曲がそれなりにあったらしく、それら当時の未発表となった音源は2013年に Rhino レーベルがまとめあげ、19曲入りの CD の編集盤 We Need To Go Back: The Unissued Warner Bros. Masters としてリリースされた。

今回の7インチの2曲はその未発表曲集からのセレクトでスペインの Soul 4 Real Records レーベルが2022年にリリースしたもの。新譜でリリースされたときに両面とも好みのタイプで、未発表とはいえさすがはメジャー作品だなと感じて欲しくなるものの、7インチのわりに値段が高いなと迷っていたらすぐに売り切れに。しかしながら最近中古盤で少し安くなって売られていたので運良く購入することができました。

Side A 
Meant To Be
Producer, Written-By Jerry Ragovoy

Side B
I Found Someone Else
Producer Thom Bell
Written-By Gabriel Hardeman, Sherman Marshall, Thom Bell

Side A は1975年リリースのアルバム Then Came You 用、Side B は同じく1975年リリースのアルバム Track Of The Cat 用に録音するも未収録となった模様。

今更ながら1975年のアルバム Then Came You を引っ張り出して眺めるとアルバムタイトル曲は Thom Bell のプロデュースのもと1974年に Spinners とデュエットして大ヒットしたおなじみのナンバーである。Then Came You 以外の曲つまりほとんどの曲は Jerry Ragovoy がプロデュースしてるのに、少し前にヒットして皆に知られた曲だからといってアルバムタイトルは一曲だけ収録した Thom Bell にかっさらわれてるような雰囲気が漂います。Then Came You はもともと Spinners が在籍する Atlamtic レーベルから1974年にリリースなので Thom Bell が当時全面的にプロデュースをしていた Spinners 用に制作された曲ということになるのだが、ワーナー移籍以降なかなかヒットに恵まれなかった Dionne Warwick にとってデュエット相手とはいえ、Then Came You がビルボード・ホット100で自身初の全米No.1ヒットになったのはさぞかし美味しい出来事ではありました。Thom Bell が後に語ったはなしによると、Dionne Warwick は録音が終わった際 Then Came You の曲をあまり気に入ってなかったらしい。
ワーナーレーベルとしては Then Came You の大ヒットを受け Thom Bell にお願いして全プロデュースのもと Dionne Warwick の新作アルバムを一枚丸ごとすぐにでも作りたかったのかもしれないが、プロデューサーに Jerry Ragovoy を起用してのアルバム制作もかなり進んでいたのか、なので結果的に Jerry Ragovoy の作品群に Then Came You を付け足しタイトルにもしてリリースしたのが1975年のアルバム。そのアルバム用に Jerry Ragovoy プロデュース、ライティングで制作するも未収録となったのが今回の7インチの Side A ですが素晴らしいソウルダンサーです。

そして急いで作られたのか? Jerry Ragovoy プロデュースのアルバムにすぐに続けて同じ1975年に念願の Thom Bell 全面制作のフィリー録音のアルバム Track Of The Cat がリリースされています。今回の7インチの Side B はこのアルバム用に録音されるも未収録となった、いかにも Thom Bell 節炸裂のナンバー。ちにみにこの曲は1978年に UK の Love Dimension というグループが取り上げて7インチにもなっています。

Dionne Warwick の長いキャリアを見渡すとセールスに関してワーナー時代はアルバム毎にプロデューサーを変えるも Spinners との Then Came You 以外はヒット曲が生まれず迷走した時代ということになるのかもしれません。今回の7インチはそんな時期の未発表曲ですが、この辺の大御所クラスになるとクオリティーが高いのを実感させられますので、Rhino レーベルからリリースされた未発表19曲入りの CD がアナログ LP でもリリースされればいいのになあと思います。

Dionne Warwick / Meant To Be

Dionne Warwick / I Found Someone Else

100円レコードコーナーに寄ってみよう 194

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Larry Page & City Sound Orchestra Night Sky 1982 (2)
Larry Page & City Sound Orchestra
アルバム Night Sky


100円レコードの残骸を拾いに行くお仕事へ。70〜80年代の大衆フュージョン100円盤がある一角に数十枚ほど陳列されているが、中身はというと Herbie Mann、Maynard Ferguson、Joe Sample、Crusaders、Native Son、Manhattan Transfer、Dave Grusin などなど、おなじみの顔ぶれとなっていてレコ掘り的には何の色気も感じないのであるが。見飽きたを通り越した面々とはいえそれでも100円盤としては90〜00年代のクラブ系12インチの残骸よりかはアルバムという点ではずっしりした存在感を感じるかもしれない。もともとは数百円で売りに出されるも数ヵ月しても誰にも見向きもされず100円の値札が貼られ当コーナーに移動してきたのだが、何年にもわたりこの場所を行ったり来たりしてるのかもしれなくて、各レコードがお互いに、また会いましたね、なんて100円コーナで雑談をしてるようにも思えてくる。これから何十年先に渡っても捨てられることなく100円コーナーを行ったり来たりして末永く生き残って欲しいものであります。

そんな大衆フュージョン100円コーナーに聞いたことがないレコードを発見したのでレジに持って行くことに。レシートを見るともともとは500円で売られていたようであります。英国の音楽家 Larry Page が1982年に Larry Page & City Sound Orchestra 名義でリリースしたイージーリスニングのアルバムで、日本の Victor レーベルからの作品。海外リリースはないようなので国内企画なのかな、クレジットなどはほぼ記載されておらず詳細は不明。帯には、「アルトサックスとストリングスが織りなす絶妙なアンサンブルが都会の夜景を美しく恍惚感いっぱいに描きます。英国の大御所サウンドクリエイター、ラリーペイジが作り上げた新感覚イージーリスニング !!」と書かれています。夜景映えな高層ビルの写真のジャケが付属しているのでそっち系の路線をめざしたと推測されますが、レコード的にはなにかドキッとさせられるようなポイントもないのは、そもそもイージーリスニングなので尖ってるわけもありません。夜景というよりか昔の歯医者の待合室で聞こえるか聞こえないかくらいの音量で流れていたような BGM ぽく感じるなんていうのはチープな表現ですが、きっとイージーリスニングというジャンルの奥深さが分かってないからかもしれません。ちなみに昨年通っていた歯医者では Silk Sonic のアルバムがずっと流れていました。
日本のレコード会社が Larry Page を引っ張り出してきて独自企画でイージーリスニングの地味なアルバムを作った背景はなんとなく気になりますが、リリースされた当時はどんな購買層がどのような聞き方をしてこのレコードを楽しんでいたのか、サックスとストリングスがやさしく流れる音の隙間からなんとなく昭和の時代の人々の暮らしぶりみたいなのを感じて思いを馳せるのがよいのかも。
マイナーすぎるのかネット上に音源が見当たらないので今回は試聴のリンクはありません。

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Cristina Camargo  Moral Tem Hora
Cristina Camargo / Moral Tem Hora
7inch


以前も取り上げたことがあるブラジルのシンガー Cristina Camargo による人気ダンスナンバー Moral Tem Hora ですが、つい先日7インチ盤で再発されました。Moral Tem Hora は1980年のデビューアルバムに収録され当時シングルカットされている。
Moral Tem Hora は2014年にフランスの Favorite Recordings からリリースされたコンピ Brazilian Disco Boogie Sounds (1978-1982)に収録され広く知れ渡った印象で、2017年には Ray Mang がエディット、CC Amor というタイトルでリリースしたヴァージョンは DJ フレンドリーなロングヴァージョンとなっていました。

Moral Tem Hora は Marcos Valle、Paulo Sergio Valle コンビがソングライティングし、名コンビ Lincoln Olivetti & Robson Jorge や Banda Black Rio のメンバーが参加したライトファンキーで横揺れ感も素敵なキャッチーなブギーナンバー。ちなみに Moral Tem Hora は Marcos Valle 本人もお気に入りだったのか、自身でも翌1981年のクロスオーヴァー人気の名盤 Vontade De Rever Voce で、Pecados De Amor のタイトルでアレンジを変えて取り上げてました。

今回の7インチの裏面には Cristina Camargo 1981年のセカンドアルバム Santa Maravilha で歌った Minas Do Rei Salomao を収録してこちらもナイスなブラジリアンブギー。

Cristina Camargo / Moral Tem Hora

<参考音源>
Ray Mang / CC Amor

Marcos Valle / Pecados De Amor

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Ulla 1982 Pop Eye LP
Ulla (Urszula Dudziak) / Papaya
アルバム Ulla に収録


名前を覚えるのが難しいアーティストというのがいるが、Urszula Dudziak もその一人。ウルシュラ ドゥジャク なのか ウルスラ ズディアク なのか読み方もあやしいのだが、スキャットが印象に残るポーランド出身のジャズシンガーである。50年代後半から活動してるようだが、ヴァイオリン奏者の Michael Urbaniak と出会って共に音楽活動を行い結婚、1973年に揃ってニューヨークに移住している。そして1975年に Arista レーベルとソロ契約して旦那のプロデュースでアルバム Urszula、1977年に Midnight Rain をリリース。この2枚はフリーソウルやらクロスオーヴァーなジャズファンク系のカテゴリーで、90年代〜00年代に再評価され中古レコ屋でも当時はわりとよく見かけたが、今も思い出して自店でたまに流すこともある。そして1979年に Inner City Records に移籍してこちらもキャラの濃い Future Talk というアルバムをリリース。どのアルバムも US 録音だけど東欧フレーヴァーも楽しめる面白レコードというのでレコ掘り的な視点で印象に残る人物ではあります。

今回取り上げたのはその Future Talk に続く Urszula Dudziak の1982年作で、Ulla という名義でリリースしたセルフタイトル Ulla というアルバム。リリースは欧州の Pop Eye というレーベルからのみで、US 盤のリリースはないので前3作に比べると流通量は少なくあまり見かけない印象か。個人的には20年くらい前に買わないとなあと思った時期もあったが、スキャットものに熱心なわけではないのでいつしか頭の中からフェードアウトしてしまっていた。
プロデュース Chris Hinze、共同制作者 Michael Urbaniak による N.Y. 録音のアルバムで、翌年 Weather Report に加入する Victor Bailey、Omar Hakim の両者がリズム隊で参加。内容は70年代の作品で見られた実験だったり不思議要素は後退して、歌ものも充実してライトなフュージョンやブギー要素を織り交ぜ、当時のコンテンポラリーでポップなサウンドに仕上げた印象。
1975年に歌った Papaya を80年代ブギー風にセルフカヴァーした楽曲のほか、ブラジリアンなダンスナンバーからメローグルーヴまでクロスオーヴァー感覚が楽しいアルバムではあります。

Ulla (Urszula Dudziak) / Papaya

Ulla (Urszula Dudziak) / Headwind

Nakatsu Dry Gin

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Jeannie Reynolds Cherries, Bananas & Other Fine Things
Jeannie Reynolds / The Fruit Song
アルバム Cherries, Bananas & Other Fine Things に収録


ソウルミュージックを楽しみながら気持ちよく酔える一本を紹介のコーナー。今回は国産のクラフトジンから岐阜県産 Nakatsu Dry Gin をピックアップ。

世界的なクラフトジンのブームを受けここ6、7年で日本のいたる土地でジンの蒸留所が立ち上がり生産者の思いのこもった個性的なクラフトジンが作られるようになりました。各ブランドから次々に商品がリリースされ限定品を含めると商品の数は膨大、どれも魅力的なので片っ端から飲んでみたいのですが、海外のさらに膨大な商品群と並行してウォッチすることになるのでとても追いかけきれない状況といえる。そんななか岐阜県の中津川市にある中津川蒸留所の Nakatsu Gin というブランドが気になったので購入してみることに。

中津川蒸留所は中津川市に本社を置く、もやし、スプラウト、カット野菜の生産販売を主軸とする株式会社サラダコスモが運営。一つの蒸留機でジンを蒸留している小さな蒸留所だそうで、ジンの原料であるボタニカルの仕入れから仕込み、蒸留、瓶詰め、ラベル貼付に至るまで一貫して数人の人員が手作業で製造。季節毎に旬のボタニカルでジンをつくるため一度にできるジンの量は少ない本数となるので、完売となった場合は次のシーズンの生産まで待つことになるようだ。

Nakatsu Gin の特徴はボタニカルには、中津川近郊生産農家の皆さんが丹精込めて栽培した国産果実を使用。ベーススピリッツにはブドウ由来のしっかりとした、そして甘みの強いスピリッツ「ピスコ」を使用し、サラダコスモが生産販売している「ちこり」の根の部分チコリルートを隠し味として有効利用している。チコリルートを加えることでジンに奥行きが生まれ深みとともにしっかりとした味わいが生まれ甘みも加わる。個性的なラベルは地元デザイナーが手がけ、地元生産農家の皆さんとともに地域全体を活性化するような取り組みを目指し2021年から販売されている。

Nakatsu Gin のブランドからは季節毎の旬なボタニカルにフォーカスした数多くのジンがリリースされているようで、HP を見ると下記のように様々な種類のジンが並んでいかにも楽しそうな顔ぶれである。

フィンガーライム&バレンタインライム
レモングラス
黄柚子
青柚子
ドライジン
ブラッドオレンジ&ティーリーフ
アールグレイ ベルガモット&ティーリーフ
知多バナナ
グレープフルーツルビー
カモミール
いちご
マイヤーレモン
ピンクレモネード
Nakatsu Dry Gin ドライジン

とはいえ Nakatsu Gin 初心者にとってこんな風にラインナップが多いとどのジンを買えばいいのか正直迷ってしまいますが、今回は直球勝負でドライジンの名がついた商品を選んでみることに。
ドライジンの使用ボタニカルは、ジュニパーベリー(北マケドニア産)チコリルート(長野県産、北海道産)ラ・フランス(長野県産)苺(中津川産)マイヤーレモン(長野県産)グレープフルーツ(愛知県産)知多バナナ(愛知県産)

HP には以下のような読んでいるだけで楽しくなるような解説が書かれてあり、作り手の気持ちに触れながら味わうとさらに美味しく感じるのであります。

『以前から要望の多かったレギュラーのジン。
いわゆるドライジンです。
キーボタニカルにジュニパーベリーをふんだんに使った辛口のジン。
よって、今回のジンはフルーティさはほとんど出していません。
しかしながら、ジュニパーベリーだけだとフラットすぎる感じが…。
そこで、今まで使ってきたボタニカルであるフカミファームの中津川産苺、ヤナギファームの長野県産マイヤーレモン、萬秀フルーツの愛知県産グレープフルーツと知多バナナ、そして今回初めて使う宮沢農園の長野県産ラ・フランスのジンをブレンドしました。
長野県松川町の宮沢農園は林檎中心の果樹園ですが、数本だけラ・フランスの木があるんです。
その貴重なラ・フランスを使いました。
食べるとすごく甘い洋梨ですが、ジンにすると非常にドライ。
今回のドライジンのアクセントとしてちょうど良い匙加減となりました。
このドライジンはニュートラルです。
従来通りのソーダ割りでもいいですが、トニックウォーターやカクテルのベースとしても使えます。ジュニパーベリーの風味がメインなので、色々な飲み方ができるはずです。』

フレーヴァーが個性的だったり、フルーティーさや柔らかさ、または森林系のようなリラックス効果の感じられるクラフトジンが人気な中にあっては、アルコール度数50度の今回のドライジンは硬派な印象。お客さんの反応はフィフティー・フィフティーといったところかもしれないが飲み進めていくうちに愛着がわくタイプで個人的には気に入ってます。季節毎の旬なボタニカルにフォーカスした各商品も是非試してみたくなりましたが、どれを手に取ればいいのかいまだ迷ってます。

Jeannie Reynolds / The Fruit Song

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Scherrie Payne Incredible
Scherrie Payne / Incredible
アルバム Incredible に収録


1969〜1973年に Glass House、その後の1973〜1977年に Supremes の一員として活動した Scherrie Payne。なかなかの経歴を持つソウルシンガーですが、1977年に Supremes が解散した後もモータウンに残り Fly / When I Looked At Your Face というシングル一枚をリリース。そして1979年に同じく Supremes のメンバーだった Susaye Greene と組んで Scherrie & Susaye というデュオ名義でモータウンからアルバムを一枚リリースしている。時代的にはトレンドの変化が激しかったせいもあり、Supremes 後期からこの辺まではモータウンそして籍を置く Scherrie Payne にとって少しぐだぐだしていたかもしれない。その後はマイナーレーベルからシングルを数枚リリースしたりセッションシンガーとして活動。
そして1987年になってちょっとレアなソロファーストアルバムをハリウッドの Superstar International Records というレーベルからリリースしたのが今作。昔レア盤を集めていた頃に何度か買おうか迷うも1987年という微妙な時期なのでスルーとなってましたが、現在はオリジナル盤の相場は1〜2万円といったところでしょうか。2019年に欧州の Everland レーベルが再発リマスター盤をリリースした際になんとなく今作の存在を思い出すもののまたスルーしましたが、最近その中古盤が安く売られていたのでようやく手に取ることに。
Wayne Henderson がプロデューサー、制作には Switch や Deco にいた Phillip Ingram が関わってたり、ライターには Temptations の Ali-Ollie Woodson、Otis Williams 両名の名前があり、マイナー盤としてはプチ豪華であります。ドラムプラミングとシンセが派手に鳴るダンスナンバーなんかは時代感を感じますが声量のあるボーカルゆえ聴き応えあるし、スローやミディアムも悪くなく予想していたよりはナイスなアルバム。再発リマスター盤ということで音質も気になりますが、オリジナル盤を聞いたことないので比較はできませんが、ストレスなくいい音で鳴っています。

Scherrie Payne / Incredible

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