コールセンター little soul cafe     リトル ソウル カフェ 下北沢のSOUL BAR    (ソウル バー)        

2018/10/28

Grandmaster Flash & the Furious Five Fly Girl 1988
Grandmaster Flash & the Furious Five / Fly Girl (Extended Version)
12inch Single


ヒップホップ12インチの100円レコードのダンボールをサクサクするお仕事に。おそらく入荷した当初は500円とか700円といったそれなりの値段で売られていたと思うけど、売れないのでしばらくしてちょっと値下げ、それでも売れないので数か月を経て100円となった盤が勢ぞろいしているのでしょう。皆が食い散らかした残りものであまり見向きをされないタイトルのいつもながらの最終処分所ですが、90年代初期のヒップホップクラシックの名盤12インチの姿をちらほら見ながらいい曲いっぱいあるんだけどなあなんて考えても、こうやって売れ残っているというのが現在の空気を映しているんだろうな。だからと言って聴く価値がないとかというのを示してるわけではないし、今は各人の好みが多様化しているので誰かに拾われる可能性もあるわけで、そしてこれらの盤が永遠に100円なのかはその時代の空気が決めることなのでまた風向きが変われば浮上してくることもないわけではないとは思いますが、レコードの将来の価格予測などはほぼ不可能といえるかも。何十年にもわたる100円レコードコーナー通いというのはトレンドの定点観測の場として面白いからというのはいつも書いてる通りであります。
さて今回は100円ダンボールの中から Grandmaster Flash & the Furious Five 1988年の Fly Girl の12インチを拾ってみましょう。欲しがる人がいるかは不明だけどとりあえずお客さんに譲る用に購入というのは、バックトラックはおなじみの Patrice Rushen の Remind Me をもろ使いして、途中で Collage の Get In Touch With Me の替え歌が乗っかる、大ネタ定番2曲を使用したラヴリーな仕様だからであります。なかなかのメローラップだと思うけどヒップホップとしては時代が中途半端なのですっかり忘れ去られた感も無きにしも非ずといったところでしょうか。アルバムヴァージョンとの違いは中盤のブレイクパートがほんの少し長くなっている点であとは一緒。youtube に12インチヴァージョンの音源がないのでアルバムヴァージョンのリンクを貼っておきます。

Grandmaster Flash & the Furious Five / Fly Girl

(20:00)

2018/10/25

The Superdudes Superdude Movie Sounds 1973 Pickwick
The Superdudes / Theme from''shaft''
アルバム Superdude Movie Sounds に収録


昔一度購入したことあるんじゃないのかなあなどと思いつつ。再発盤もリリースされているせいもあるのか、今でもレコ屋で売れ残っているのをよく見かけるブラック・ムーヴィーのサントラ収録曲のカヴァー集。リリース元は Pickwick で、ここは胡散臭いカヴァーが得意なレーベルの印象。1973年の作品ですが、Buddah Records でも同年に Cecil Holmes が同じような趣旨のブラック・ムーヴィーのサントラ曲のカヴァー集 The Cecil Holmes Soulful Sounds / The Black Motion Picture Experience をリリースしていたりという状況を思い出してみても、おそらくブラックスプロイテーション界隈が最も盛り上がって勢いがあったのがこの時期だったのではないかとも考えられます。

昔のソウルやファンクのレコードの中でも、70年代前半のブラックムービーのサントラと呼ばれるジャンルのレコードの数々を思い返すとジャケがいかついデザインのものが多く当時の熱気が伝わってわくわくさせるものが多いですね。なのでピンプやハスラー、プッシャーといったストリートのヒーローを描いたヴァイオレンスやセックスに重きを置いたものというイメージが先行するけど、アクションものだけでなく人情ホームドラマ的なものからあほなコメディーまで多種多様、まあ映画そのものなんてほとんど観たことがなかったりするんだけど。かっこいいジャズファンクやブレイクビーツがてんこ盛りのタイトルも多いので、学生の頃に夢中になって中古盤屋でディグりまくった記憶があるけど、ヒップホップ出身の自分にとっては共通のストリート感覚の緊張と興奮をサントラのビートから感じて、再評価の流れにおいては定番サンプリングソースやDJ素材としてもお馴染みとなっていくタイトルも多かったので昔の音源とはいえ黒人音楽のフィーリングとしてはとっつきやすかったというのはあったかも。一流のプロデューサー、アレンジャー、アーティストが指揮して、腕利きのスタジオミュージシャンの巧みな演奏を従えた鳴りの良いタイトルがいろいろあるので、ネタモノやDJ素材云々を抜きにしても黒人音楽の魅力がてんこ盛りでドキドキさせてくれるジャンルにはちがいありません。そんな当時の黒人映画とそれに付随する楽曲の盛り上がりに目を付け寄せ集め的カヴァーアルバムを作ってみようという企画が持ち上がるのは自然な流れなのか、Sy Mann という白人プロデューサーが Superdudes なるバンドを従え制作したのが今回のアルバム。Sy Mann は1971年にも Soul Mann & The Brothers 名義で Shaft のサントラのカヴァーアルバムを作っていた人といえばこの類のレコードを収集してる方にはあああの人ねと思い出してもらえるかも。カヴァーの精度とかB級感とかいろいろあるけど、ここはブラックムービー界隈が盛り上って、70年代前半のアフリカン・アメリカンの権利主張という点でも多くの同胞を魅了し勇気づけたんだろうなという様子を伝える資料として楽しみたいところ。ブラックムービーに関しては70年代中盤過ぎになるとしょぼい作品が多くなって盛り上がりもおとなしくなるけど、音楽も重要な表現要素だったこのジャンルにおいて黒人音楽そのものの衰退も負の要因のひとつといえるのは、ちょうどこの時期に新たなジャンルとしてより白人向きなディスコミュージックが盛り上がってくる状況を考えるとなんとなく納得。黒人音楽自体も極端にポピュラー化が推し進められ自分達のコミュニティーに向けて発信していたファンクが勢いをなくしてディスコが勢いを増す時期とブラックムービーが徐々に後退する時期とのシンクロも思い出しておきたいところ。

カヴァー収録曲
Superfly
Freddie's Dead
Slaughter
Time Is Tight
Bumpy's Lament
Theme From "Shaft"
Bumpy's Blues
Trouble Man
Symphony For Shafted Souls (The Big Chase)

The Superdudes / Theme from''shaft''

(20:00)

2018/10/22

The Skyliners The Love Bug Done Bit Me Again 1978
The Skyliners / The Love Bug (Done Bit Me Again)
12inch Single


昔アルバムでたまにかけていた白人ボーカルグループ Skyliners の1978年のナンバー The Love Bug。もうすっかり忘れていた曲だけどディスコミックスの12インチ盤がリリースされていたのは全く気付いていませんで、さて今さら買ってもかけることはあるのかなあとは思うものの資料としてとりあえず購入してみることに。
RCA レーベルの元1978~1979年に活動のあった、Tortoise International, Inc. という亀のロゴのレーベルからリリースで、運営していたのは名プロデューサーの Don Davis。タイトル数はとても少ないレーベルですがデトロイト産のソウルやロックやらを地味にリリースしてました。なお Skyliners の1978年のアルバムのプロデュースは Don Davis ですが、この曲だけは Dramatics などで名曲を残した Tony Hester となっています。

Skyliners Tortoise International 1978

ということでアルバムヴァージョンとの違いを見ていくと、尺はアルバムヴァージョン4:33に対して12インチは5:27。DJ出身で RCA の A&R だった David Todd によるディスコミックスということで、アルバムヴァージョンとの違いはイントロでのボーカルの掛け声が省かれているのと、ブレイクパートがより長く追加されているのと、最後尾がインストパートに変更されている3点。もともとピッチの速い曲ですがBPMは12インチのほうが3〜4目盛りくらい遅くなっています。地味な違いですが現場でDJがミックスしやすいように配慮した結果なのかなあという気がしないでもありません。音の迫力は12インチのほうが抜群にいいです。
初期ディスコリミキサーのひとり David Todd の名前は Evelyn "Champagne" King の Shame をはじめ70年代後半の RCA レーベルの作品でちょくちょく見かけますが、80年代に入ってからは Nick Martinelli との共同作業で Westend や Philly World といったレーベルで名作を残したというのも忘れるわけにはいきません。

Skyliners / The Love Bug (Done Bit Me Again) Davod Todd 12inch Mix

(20:00)

2018/10/19

John Morales The M+M Mixes Volume IV 2017
Cheryl Lynn / Got To Be Real (M+M Mix)
アルバム John Morales The M+M Mixes Volume IV に収録


ダンスクラシックスの定番 シェリル・リンの Got To Be Real 的な雰囲気が感じられる曲ということで81枚目にいってみましょう。今回は Cheryl Lynn のオリジナルを現代風に再構築したリミックスヴァージョンをピックアップ。いじくるには難易度の高い一曲だろうと思いますが、ボトムを変えたり、新たに鍵盤を乗っけたり、9分20秒とかな〜りの長尺に引き延ばしたり、オリジナルの良さを残しながら新たなヴァージョンに作り変えてます。

今回のトラックは昨年BBEからリリースしたリミキサー John Morales によるダンスクラシックス音源のリミックスコンピ盤 The M+M Mixes Volume IV (The Ultimate Collection) に収録。John Morales は今までもBBEから同じ趣旨のアルバムをいくつかリリースしてるけど、今回は大量32曲放出というのでかなりの力の入れよう、もしかすると最終回になるのかな。下記のように古典ダンス曲ファンにはおなじみのメジャーレーベルの楽曲中心のわくわくする内容なのは従来のBBEとのコラボ作と同様。過去に色んなリミキサーやエディターに幾度となく再構築され手垢がついてる楽曲もあるにはあるけど聴き慣れたオリジナルヴァージョンをベテランのリミックス職人がいかに調理するのかに注目が集まります。
Dimitri の Le-Edits Records からのリリース作品や Joey Negro の Remixed With Love の一連のシリーズ同様オリジナルのマスター音源を使用してのリミックス作業というので、DJプレイの素材としてだけではなくリスニングにも向くクオリティーで、正直うまくはまってないと思える曲もあるようにも感じますが、それはオリジナルの完成度の高さをほめるべきかなと。ダンスミュージックのシーンを何十年にもわたり眺めてきたレジェンドの今の時代の解釈として素直に楽しむべき作品集であります。

Barry White / Im Gonna Love You Just A Little Bit More Baby 9:29
Atlantic Starr / Circles 9:21
Diana Ross / Tenderness 8:18
Keith Barrow / Turn Me up 9:43
Tamiko Jones / Can't Live Without Your Love 9:48
Jackie Moore / This Time Baby 9:55
Tata Vega / I Just Keep Thinking About You Baby 9:10
The Jones Girls / Life Goes On 10:41
Maze Featuring Frankie Beverly / Joy & Pain 11:11
The Controllers / Stay 8:04
Teena Marie / Lover Girl 9:46
Melba Moore / You Stepped Into My Life 7:30
Donna Summer With Brooklyn Dreams / Heaven Knows 6:57
Teddy Pendergrass / Life Is A Song Worth Singing 8:08
Lenny Williams / You Got Me Running 10:45
David Ruffin / Walk Away From Love 8:50
Dan Hartman / Vertigo / Relight My Fire 10:59
Diana Ross / No One Gets The Prize 10:19
Cher / Take Me Home 9:51
Three Ounces Of Love / Star Love 8:49
The Emotions / Don't Wanna Lose Your Love 8:39
Cheryl Lynn / Got To Be Real 9:20
Maze Featuring Frankie Beverly / Before I Let Go 8:50
Eddie Kendricks / Girl You Need A Change of Mind 9:40
Tom Browne / Funkin For Jamaica 9:25
Harold Melvin And The Blue Notes / Don't Leave Me This Way 11:27
Barry White / Let The Music Play 10:31
Level 42 / Mind On You 8:34
Katzuma / All Night 9:27
Mannix Featuring Dina Vass / Standing Right Here 9:16
Hi Tension / Hi Tension 7:44
MFSB / Love Is The Message 10:31

Cheryl Lynn / Got To Be Real (M+M Mix)

(20:00)

2018/10/16

Billy Stewart Cross My Heart 1974 Chess
Billy Stewart / Cross My Heart
アルバム Cross My Heart に収録


Billy Stewart が Chess レーベルから1974年にリリースした Cross My Heart というタイトルのアルバムを購入。 1970年に交通事故で他界しているのでカタログ的には死後リリースされたコンピ盤扱いということになります。60年代のオリジナルアルバムやベスト盤みたいなのを所有してますが、ジャケのイラストの雰囲気もいいですし、シュリンクもついてきれいなコンディションで1000円だったのでついレジに持って行っていくことに。収録曲を眺めると1967年にヒットした Cross My Heart をはじめその辺の時期から亡くなる前までに録音した60年代後半の音源をシングル盤を中心に集めたコンピ盤ということがわかります。Billy Stewart のオリジナルアルバムみたいなのは一応3枚リリースされているけど、内容的には4枚目といってもいいような内容のものかなと。巨体のシンガーならではの、ここでも大きな揺れの包容力のあるグルーヴが楽しめるのでありました、
学生時代バイトしていた店でこの人の曲から名前を付けたオリジナルカクテルというのを考案したことがあるなんて酸っぱい過去を思いだすんだけど、ここ数年はお店で60年代の楽曲をかける機会も少なくなってきたような気もして、そりゃあ今の人たちの時代感覚からすると50年前の音の質感は随分古臭く聴こえるわけで、とはいえこういう機会にこんなシンガーソングライターもいたよなとたまに針を乗っけて思い出してみるのもなかなかいいのであります。

Billy Stewart / Cross My Heart

Billy stewart


(20:00)

2018/10/13

Trammps  The Legendary Zing
Trammps / Rubber Band
アルバム The Legendary Zing に収録


ソウルミュージックを楽しみながら気持ちよく酔える一本を紹介のコーナー。今回はドイツ産のクラフトジンからフェルディナンズ・ザール・ドライ・ジンをピック・アップ。

ドイツ産のクラフトジンというとモンキー47という高級銘柄が知れ渡ってお店でも人気がありますが、フェルディナンズもモンキー同様、真っ黒な500mlの小瓶仕様というのでライバル的な扱いなどと考えてしまいますが。モンキーが昔の薬品の瓶を連想させる形状なのに対してソフトでモダンな印象でしょうか。ラベルのルックスも堂々として何かやってくれそうな雰囲気ではあります。

Ferdinand's Saar Dry Gin

フェルディナンズ・ザール・ドライ・ジンはドイツ・モーゼル・ザール地区にあるアバディス蒸留所、モーゼル・ザール地区のトップワインメーカーのひとつであるゲルツ・ツィリケン家、そして販売代理店のキャプレット・モンタニュー社による共同プロジェクトで2013年からリリースされている商品。
一番の特徴は蒸留後にドイツ産の高級甘口白ワインを加えるという、かなりユニークで個性的な製法を採用している点。ベースとなる自家製スピリッツは小麦、ライ麦、スペルト小麦、3種の麦を原料とし、自家農園産を含む7割が地元で収穫された約33種類のボタニカルを使用。製法からもかなりこだわりの強いいかにもクラフトジンといった主張の強さが感じられます。味わいは白ワイン効果もあってボタニカルが上品かつ複雑にまじりあいフルーティーそしてフローラルで華やかな香りを演出するというもの。タイプは違いますがドイツ産のもう一つのジンの銘酒ということでモンキーファンの方も是非お試しを。

Trammps / Rubber Band



(20:00)

2018/10/10

Jon Lucien I Am Now 1970
Jon Lucien
アルバム I Am Now


今頃になって Jon Lucien 1970年のファーストを購入。Jon Lucien の70年代の楽曲は店でよく流すけどこのアルバムだけ持っていなかったというのは単なる風向きの問題でしょうか。ソウル、ジャズ、ブラジル、カリブみたいなのを織り交ぜたサウンドにスピリチュアル&ハートウォーミングな歌声を届けてくれた、アーティストのカラーは強い人の印象。RCA時代だと1973年の Rashida、1974年の Mind's Eye の両作品はお店を始めたころだからもう20年近く前になるけど、頻繁にタンテに乗せて思い出が詰まっているなんて、ついこの前の出来事のようで、なので Jon Lucien はもうおなかいっぱい楽しんだんじゃないのというのでファーストはまあいいかってことになっていたのかも。ちなみに RCA に続く Columbia 時代の2枚もまあまあな良作、
1970年のファースト I Am Now は本人自作の1曲を除き他はジョビン、コールポーター、スティーヴィー、映画音楽のカバーという構成でちょっとポップな印象のボーカルアルバム。レコード会社としてはスタンダードを歌わせてとりあえず反応をみようかということだったのかも、ボーカルスタイルはすでに出来上がってファンなら特徴的な歌声を十分に楽しめますが、十分な期間をあけて全曲オリジナル曲、セルフアレンジでリリースしたセカンドやサードでの研ぎ澄まされた感性で自信が詰まった作品と方向性が違うのが面白いのであります。 Jon Lucien がロンドンのジャズ、レアグルーヴ・ムーヴメント〜日本のフリーソウル界隈でピックアップされ一気に再評価されたのはもう四半世紀くらい前のことだけど、こんな面白いアーティストもいるんだなあとレコ堀を楽しませてくれたひとりでもあります。

Jon Lucien / I Am Now LP 全曲

(20:00)