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The Right Choice
The Right Choice / Torn Between Two Lovers
アルバム The Right Choice に収録


前々回に取り上げた Galaxy(Arista 78年)、前回に取り上げた Main Attraction(RCA 86年)は、メンフィスのプロデューサー Wayne Douglas, Jr. が、メジャー・レーベルに送り出した、おそらくは自信を持ってお勧めするバンドでしたが、成功には到らず両バンドともにアルバム一枚をリリースして消滅することに。

Galaxy Hot Wet And StickyMain Attraction ‎– All The Way

だけど Wayne Douglas, Jr. は、めげることなく3度目の正直とばかりに再度送り出したのが今回登場となる Right Choice という3人組。メンバー構成をみると Main Attraction のボーカル担当だった Archie Love と Eric Shotwell の2人と、鍵盤担当だった Tony Black の計3名から成り、Motown から89年にデビューしている。なので単純に考えるとリストラしてスリム化した Main Attraction ということになり、バンドでわんさか演奏というスタイルが後退している時代なので自然な流れと考えられます。ゴー・ゴー・ビートに Yes We Can Can な雰囲気の Tired Of Being Alone (Al Green のカバー)が、13位にランクインしてそこそこヒットしたので、Wayne Douglas, Jr. としては、今までよりは満足な結果となったことでしょう。
アップは89年にしてはほんの少しだけ時代遅れなように聴こえる流行をうまく取り入れたサウンドだけど、Cameo のようなファンク・ナンバーに取り組む姿勢には小さく拍手。歌はそれなりの雰囲気もありで、スローは BGM としては嫌味なく聴き流すことができ、20年ぶりにタンテの上で回る姿をみながら、時代の空気を味わうには悪くないアルバムといえるかも。
リードボーカルの Archie Love のキャリア初期の経歴を見ると、自身のバンド Freedom Express を経て、Soul Children のドラマーをやったり、Denise LaSalle や J. Blackfoot のツアーに動向したり、Bar Keys のスタジオ・ボーカリストをやったりしていたようです。Right Choice 解散後はソロ・アルバムを数枚リリースし、現在もメンフィスで精力的に活動している様子。

The Right Choice / Torn Between Two Lovers