コールセンター little soul cafe     リトル ソウル カフェ 下北沢のSOUL BAR    (ソウル バー)        :ジャズ・フュージョン

ジャズ・フュージョン

2018/08/11

Jim Mullen & Dick Morrissey Up 1977
Jim Mullen & Dick Morrissey / Footloose
アルバム Up に収録


ソロになる前のルーサー参加作品というので多少の興味をもった Jim Mullen & Dick Morrissey の1977年のファースト。英国のサックス&ギターのコンビで活動するフュージョン系で、80年代後半までに Jim Mullen & Dick Morrissey (Morrissey Mullen )名義のアルバムは7枚ある。真ん中の3枚は80’sのUKジャズファンク・ブギーの流れでかなり昔に購入してたまにかけていた時期もあったけど、すっかりこの人たちの名前も忘れかけていた今になってデビュー作を手に取ることに。
リリースは Herbie Mann の Embryo Records ということで、Exe プロには彼の名前が。プロデュースは Average White Band となっていて、Alan Gorrie、Steve Ferrone、Hamish Stuart、Roger Ball、Malcolm Duncan といったメンバーが演奏するので、AWB + Jim Mullen & Dick Morrissey みたいな感じ。インストとちょいコーラスの楽曲で構成され、冒頭から活きのよい Footloose というナンバーがかっこいいですが、AWBというよりかは Players' Association みたいな N.Y. ファンキーテイスト。この曲を含めルーサー参加は2曲あり、表立って彼の声が目立つという演出はなくあくまでもコーラス隊でのレモンピール程のほんのりな香り付け。同じ時期の同系統のジャズファンク系でのルーサーの仕事でいえば Brecker Brothers のセカンドほど出番はなしというのは、まあバックコーラスですからねえなんてムキになってもしょうがない。ルーサーは当時 AWB のアルバムでコーラスの仕事をしていた経緯もありというのでここでも声がかかったのでしょう。Bernard Ighner の Everything Must Change のカヴァーで Hamish Stuart の声がほんのり聴こえると、そうそうこれは AWB なんだよなあと戻されるのでありました。

Jim Mullen & Dick Morrissey / Footloose

(20:00)

2018/06/29

The Louis Hayes Group Variety Is The Spice 1979
Louis Hayes Group / Little Sunflower
アルバム Variety Is The Spice に収録


営業中によく流す曲というのがいくつもあります、お店の定番曲みたいなもの。一週間に一回くらいタンテに乗ればその位置づけになると思いますが、例えば Freddie Hubbard の Little Sunflower なんてのがすぐに頭に浮かぶ。1967年のインストヴァージョンがオリジナルだけど、よくかけるのは Freddie 自身がセルフカヴァーした1979年ヴァージョンの方で、そちらは Al Jarreau のヴォーカルをフューチャーしたヴァージョン。ヒップホップやハウスで引用されたり、リエディットの素材にもなっているのでなんとなく耳にしたことがある方もそこそこいることでしょう。かけているとオリジナルヴァージョンはこれだったんですねと声をかけられることもそれなりにあるということで、クラブミュージックあたりとクロスさせてジャズ、フュージョン系のレコ堀する方にはよく知られているのではないかと。
Little Sunflower そのものはカヴァーで取り上げられる機会も多くいろんなヴァージョンがあっていくつか物色しましたが、今回はセッションドラマー Louis Hayes が自身のグループを率いて録音したヴァージョンが収録された1979年のアルバムを買ってみることに。この盤そのものは DJ 的なレコ堀視点では昔から評価されていたと記憶してるけど、Freddie の1979年ヴァージョンが好きすぎて、カヴァーはこれ以上増やさなくていいかなあなんてずっと放置というかすっかり忘れていたかも。
Little Sunflower のカヴァーに関してはインストが多い印象で、ボーカル入りカヴァーとなると Freddie の1979年再録ヴァージョンと、Ghalib Ghallab が1987年に取り上げたヴァージョンくらいしか知りませんが、今回の Louis Hayes のヴァージョンは Leon Thomas のヴォーカルをフューチャーしてブラジリアンなリズム展開でスピリチュアル&メローに仕上がったというものでインストよりは歌もの好きな自分としてはお楽しみ要素が増すのでありますが、それにしてもかっこいいヴァージョンだなと。ソウル系でいえば What's Going On の面白ジャズアレンジのカヴァーだとか、当時のディスコヒット Pete Brown の Dance With Me なんかも収録していますがアルバム全体的にはスピリチュアルな雰囲気で聴きごたえは十分です。

Drums - Louis Hayes
Bass - Cecil McBee
Congas - Titos Sompa
Percussion - Portinho
Electric Piano, Piano [Acoustic] - Harold Mabern
Alto Saxophone, Flute - Frank Strozier
Vocals - Leon Thomas
Producer - Norman Schwartz

Louis Hayes Group / Little Sunflower

Freddie Hubbard / Little Sunflower (1979 Version)


(20:00)

2018/05/30

Mystic Moods Being With You 1976
Mystic Moods / Black Satin Lady
アルバム Being With You に収録


過去にも何度か取り上げたイージーリスニングのバンド Mystic Moods (Mystic Moods Orchestra) 。アルバムのリリース枚数も多いし、タイトルによってはプレス国によってジャケが違っていたり、ジャケ違いのセカンド、サードドプレスがあるというのは以前も書いたと思います。なのでちゃんとどのタイトルを持っているか把握しておかないとダブって買う可能性があるので面倒なんだけど、どれも似てるテイストなのでいちいち覚えてらんないかなあという感じ。
Mystic Moods の一連の作品というのは、男女がいい時間をすごす為のムード作りの手助けの役目となるBGM用レコードという個人的な認識ですが、ドラムの質感やうわもののアレンジなんかにはDJ目線やサンプリング的に使えそうなものも見受けられるので、安く売られているとちょっとそそられてこうやって拾ってきてしまうのですね。ソウルやレアグルーヴのテイストの曲が収録されていれば買ってよかったとなるわけで、今回の1976年のリリース作品では、70年代ジャズファンクテイストなメローグルーヴからファンキーな楽曲が収録され、大当たりとまではいわないまでも、とりあえずハズレ盤でなくてよかったと胸をなでおろすのでありました。毎度のことながら雨音や雷の効果音ももちろん挿入されております。

Mystic Moods / Black Satin Lady

(20:00)

2018/05/24

Quincy Jones The Deadly Affair 1966
Quincy Jones / Who Needs Forever
O.S.T. The Deadly Affair に収録


1966年に Verve からリリースされたサントラ盤 The Deadly Affair、音楽を担当したのは Quincy Jones。Lamp Eye 証言ネタ収録というのである筋にはなじみ深い一枚かと。十数年前まで店に置いてたまに流していたけど、ちょうどそのころ通っていたお客さんが二十歳になった誕生日にプレゼントすることに、ずっと探しているんですけど手に入らなくてというのを聞かされていたのでノリであげちゃったんだと思う。ビートを作って、ラップもやってますと言ってたと思うが、今も昔もお客さんにはそんな人がいっぱいいる。
月日は流れそおいえばあのレコードどこにしまったのかなあとずっと考えるんだけど、彼の存在もプレゼントしたこともすっかり忘れていて、棚のどこかにしまい込んで行方不明になったんだろうくらいに考えていたんですよね。誰かにプレゼントして店の棚から一時的になくなるみたいなケースはこれに限らずよくあるけど、いつかまた買いなおせばいいやなんて思いながらそのうち忘れてしまうというパターンは多い。一度所有して中身の知ってるレコードって再度買いなおすのは刺激がなくって面倒だというのもあるんだろうけど。
そんでもってその彼が何年かぶりにお店にやってきて二十歳の誕生日に証言ネタのレコードをもらったことを告げ、いくらさがしても見つからない理由を認識するのだけど、お客さんの入れ替わりや世代交代のスピードが近年はかなり早くなっているので、誰にどのレコードをあげたなんてのはどんどん忘れて、こんな風に相手から言われない限りはもうすっかり記憶からなくなっているのであります。
もうすっかり大人になり結婚もして東京の反対側に引っ越して、スーツなんか着てまじめな会社員やっているようでありまして、ビートとかラップとかレコードなんてのにかかわっているのかはわからないけれど、下北沢の薄汚いレコード酒場のことが頭のどこかにあったってことだけでなんだか店を続けている意味はあるのかなあなんて。

証言ネタは Astrud Gilberto のボーカル入り、A1に収録の Who Needs Forever というタイトルの曲。個人的によくかけていたのは Hank Jones のピアノのヴァージョン、B1収録の Instrumental Main Theme (2) だったんじゃないのかなあなんて思いだすのでありました。

Quincy Jones / Who Needs Forever

Quincy Jones / The Deadly Affair  Instrumental Main Theme (2)

Lamp Eye - 証言 (Video)

Lamp Eye - 証言 (Original Analog Version)

(20:00)

2018/02/26

Narada Michael Walden Garden Of Love Light 1976
Narada Michael Walden / Delightful
アルバム Garden Of Love Light に収録


ナラダのアナログLPで唯一持っていなかった1976年のデビュー作を購入。こういうメジャーアーティストの抜け落ちていたアルバムを今になって買うのってワクワクするもの、メジャーだからといっていい曲が入っているとは限らないんだけどね。昔の中古レコードを買い始めの頃というともう30年近く前になるけど、ナラダの各作品は中古磐屋でどれも安く売られ手に入れやすかったので比較的初期の段階で結構な枚数そろえたと思います。まだ昔のアーティストの名前はもちろん、プロデューサー、ミュージシャン、アレンジャー、ソングライター、諸々の知識なんて何にもないんだけど、とりあえず安いしいつも見かけるから買っとけみたいなノリだったと思う。しばらくしてレコードの知識が付いてくるとこの人は80年代にはプロデューサーとしてもメジャー系で成功、なんて多少のうんちくくらいは語れるようになるんだけど、このデビュー作はフュージョン系の才能のあるドラマーがソロアルバムをリリースなんて位置づけでまだ後のプロデューサー云々とは別の方向性を示すクロスオーヴァ感覚の強いジャズロック・テイストなアルバム。ナラダは Mahavishnu Orchestra 出身で、Weather Report や Jaco Pastorius の作品でも叩いているけど、個人的にこの人がドラマーだったなんて意識するのは Jeff Beck 1976年の Wired の盤でクレジットを確認したあたりだった記憶が。よく触るレコードだとジャズファンクの人気盤 James Mason 1977年の Rhythm Of Life もナラダガ叩いていたなんてのも思い出されるのでありました。
収録されてる曲では Delightful が音質も好みで最近はお店でよくかけています。

Narada Michael Walden / Delightful

(20:00)

2018/02/05

Johnny Trudell Dream Dance 1979 (2)
Johnny Trudell / Hip Walk
アルバム Dream Dance に収録


レコ屋でたまに見かけるけれどいかにも人気がなさそうなフュージョン作品を買ってみることに。Johnny Trudell はデトロイトを拠点に60年代から活動したトランぺッターで、スタジオミュージシャンとして大手レーベルの録音にいろいろ関わっていた人らしい。例えばデトロイト時代のモータウン作品にも参加して、Marvin Gaye の What's Going On のアルバムにもちゃんとクレジットされていますなんて書くといかにも期待が持てそうなんだけど。モータウンでは他にはダイアナ・ロス、スティーヴィー、テンプテーションズ、フォー・トップスのバックなども担当している。70年代はビッグバンドでの公演や、TV、CMの音楽仕事でも忙しかったようで、レコードでの録音では David Van DePitte がアレンジを手掛ける Leslie Uggams、Junie Morrison、Dramatics、Futures、Denise LaSalle だとか、Michael Stokes の Enchantment や Creative Source、Dennis Coffey & Mike Theodore の関連作品といったデトロイト録音の作品でちょくちょく名前を見ますが、モータウン時代からのお付き合いで声がかかっていたのでしょう、
70年代後半になると仕事もひと段落したのか、新しく立ち上がったミシガンのスモールレーベル V.R. Records & Tapes のヴァイスプレジデントに就き、自身のリーダー作として1979年にリリースしたのが当作品。レーベル自体は一年で閉鎖してリリースも6タイトルで他はシングルなのでそんなに力は入っていなかったのでしょうか?
内容は時期的なものか、この時代のフュージョン作品に多いディスコとクロスさせたジャズファンク、ブラジリアン、メローグルーヴな聞きやすい楽曲が並んで、ポピュラー志向の強いものとなっており、そんなに印象に残るわけではないけど、BGMとしてそれなりにまとめて水準はちゃんとキープするという、数多くの現場で仕事をした職人ならではの大衆向けなさじ加減を楽しめばいいのでしょう。プロデュース、アレンジは名手 David Van DePitte であります。

Johnny Trudell / Hip Walk

(20:00)

2017/12/03

Chuck Mangione Quartet 1972 Mercury
Chuck Mangione Quartet / Land of Make Believe
アルバム Chuck Mangione Quartet に収録


100円レコードコーナーは人生の縮図であるなんて考えるとどんだけちっちゃなとこぐるぐる回ってたんだよとなるけど、まあ気にしないでそれら残骸を拾い集めのお仕事に行くことに。

フリューゲルホーン奏者 Chuck Mangione のアルバムが100円レコードコーナーで売られている景色は学生時代と何ら変わりなく日常的な光景で、いやってほど目にする時期もあったと思うんですよね。それだけこの人のタイトルは売れて市場ではダブついていたということ、Feels So Good のスーパーヒットもありましたしね。昔のレコード集め始めの頃は面白がってこの人のいろいろなタイトルを100円で購入してみたけど、大体そろってくるとレコ屋の100円コーナーで遭遇してもそのうち空気みたいな存在になって自然と無視できるようになるんだけど、それはこの人だけではなくフュージョン的な100円の常連だったリトナー、カールトン、ベンソンにせよ、シャカタクなんかにせよ不感症になる点では一緒。内容はどれも素晴らしいけどレコ堀の醍醐味はまた別のところにあるわけで。

1999年に店を開店させたときによくかけていた Chuck Mangione の曲というのがあって、それは1973年の Land Of Make Believe... A Chuck Mangione Concert に収録された12分にも及ぶ長編傑作のタイトルトラック。DJでもやっていればロフト古典として認識している方もいるであろうある筋には定番の曲。

Land Of Make Believe A Chuck Mangione Concert 1973

赤いイラストのジャケも素敵すぎるんだけど、Land Of Make Believe という壮大な曲はなんかこう希望を持たせてくれて上に引っ張られる高揚感とでもいえばいいのかな、未来はきっと明るくてなんかを成し遂げられそうなんて変な自信を持たせてくれたのでありました。何を歌っているのかは知らないけど、なにかを始めるにあたってはポジティブなエネルギーを発しているとでも解釈したのかも、若いって素敵です。
何年かするうちこの赤いレコードを触りもしなくなるのは、実際はそんなに何かができるわけでもなかったということに気付き始めたからか、それとも純粋な心を失ったからなのかそれはわからない。

今回100円レコードコーナから拾ってきたのは Chuck Mangione Quartet 名義の1972年作で、ここには Land Of Make Believe のスタジオ録音版が収録されている。赤いジャケのはボーカル入りのライブ版で、そうするとこっちがインストのオリジナルヴァージョンだってことに気が付くのだけど、そもそも Chuck Mangione のこととか、Land Of Make Believe への思いなんて忘れかけていた時に別ヴァージョンとはいえ急にこの曲が耳に入ってきたもんで、急に胸がキューンというか。

店を始めた20代後半の頃は人生は長いからこれからいろんなことができるに違いないなんて思いがあったのを少し思い出すけど、でも人生ってそんなに長くないものでやれることって限られているんだなって40歳も半ばを過ぎてくると気が付くわけで、その見たくもないギャップというのをこの Land Of Make Believe という曲は提示したり、疑問を投げかけてきたということになる。大人になるとだましだまし生きていくことにも順応しながら見て見ぬ振りも難なくこなせるわけで、そりゃあ Land Of Make Believe には蓋をしたくなる気持ちもなんとなくわかるのであります。もちろん蓋が付いてる曲はほかにもいっぱいあるんだけどね。

Chuck Mangione Quartet / Land of Make Believe

Chuck Mangione ft Esther Satterfield / Land of Make Believe ライブヴァージョン

(20:00)