コールセンター little soul cafe     リトル ソウル カフェ 下北沢のSOUL BAR    (ソウル バー)        :ヒップ・ホップ

ヒップ・ホップ

2018/07/20

Orange Krush Action Prep Street Records
Orange Krush / Action
12inch Single


ヒップホップ目線なアーリー80's の古典ファンク曲に Orange Krush / Action なんてのがあります。UBB にも収録され、ブレイクビーツ、サンプリングソースとして昔から有名かつド定番。オールドスクール期のこの類としては一家に一枚レベルという個人認識でしょうか。1982年リリースの下のマーキュリーレーベルの盤が多く流通して自分も長年こちらを所有してますが、もともとは写真上の Prep Street Records という Russell Simmons の初期 Rush マネジメント系の自主レーベル?からリリースした盤がファーストプレスで、すぐにマーキュリーとライセンスを結んでそのラベルの盤が広く流通することになったというものなのでしょう。ちなみにレコ屋では両方オリジナルとして扱われます。

Orange Krush Action Mercury

収録内容は両盤とも同内容で、A面 Elai Tubo がミックスした Radio Version、B面 John "Jellybean" Benitez がミックスした Disco Version。耳なじんだ古典曲というのもあるのでしょう、曲が流れると背筋がピンとなるファンキーな演奏で音質もいいんだけど、録音のクオリティーも両者ともほぼ一緒。

Orange Krush は古典ヒップホップ好きにはおなじみのグループだけど作品はこれ一枚。メンバーは NY のスタジオミュージシャン Larry Smith (bass)、Trevor Gale (drums)、David Reeves = Davy DMX (guitar / turntables)。 Russell Simmons が Def Jam レーベルを立ち上げる以前の初期 Rush 系アーティストの作品は彼らが制作や演奏にかかわっているものが多く、大きいところでは Run DMC、Kurtis Blow などなど。個別に Whodini、Fatboys などの作品の制作にも関わり Davy DMX は個人名義のシングルやアルバムもリリースします。なおボーカルを担当するのは High Fashion でのリードやスタジオシンガーの仕事をこなし、後に Def Jam からアルバムデビューする Alyson Williams。いよいよヒップホップ界隈が騒がしくなる頃というので各自プロデュース業などの仕事が忙しくなり Orange Krush という名前のバンドは自然消滅となったのでしょうか、その後も各自プロデューサー、ライター、ミュージシャンなどシーンの裏方として活動します。

Orange Krush / Action

(20:00)

2018/07/14

Ghost Notes Music Of The Unplayed
Brian Cross (aka B+) / Ghost Notes Music Of The Unplayed

ここ4、5年は外国人のお客さんの姿が目立つというのはいつも書いていますが、街全体がそうなので特別なことではないのでしょう。観光客だけというわけではなく日本で仕事してる外国人だったり留学生のお客さんもかなり多い印象。欧米豪がほとんどだけど、人種、国籍、肌の色はバラバラで、そういう人たちに囲まれた環境でレコードを流すというのはもはや日常、時代はどんどん進んでいるのであります。
色んな人が色んな土地からやってくるといっても趣味性が偏ったニッチな営業形態な店なので人気にはならないけど、音楽の面白い人たちと会える機会は多いので楽しいですね。先日もLAから来た大柄なおっちゃんから気に入られ Ghost Notes Music Of The Unplayed というタイトルの写真集をいただくことに。君の名前はなんて言うんだと尋ねられ、バッグから取り出したその写真集にサインをして自分の作品集だと手渡されたんだけど、この人はヒップホップのジャケなんかを撮影してるフォトグラファー Brian Cross (aka B+)だったというもの。彼の名前は知らなくても90年代から現在までのヒップホップ関連のレコード収集してる方なら彼の撮った写真が掲載されたレコードは何枚か所有してるんではないのかなあと。名前をあげたらきりがないけど例えば、Eazy-E、Masta Ace Incorporated、Pharcyde、Ras Kass、Xzibit、DJ Shadow、O.C.、Ozomatli、Q-Tip、Company Flow、Blackalicious、Mos Def、Madlib、Jurassic 5 といったクラシック作品から Flying Lotus、Thundercat、最近リリースされた Kamasi Washington の最新作といった近年のものまで幅広く手掛けている。個人的にも彼の写真のレコードはいっぱい持っていて90年代~ゼロ年代初期の作品なんかは思い出もいっぱい詰まっていて今はあまり触らないけれど、ジャケを見るとジーンと胸が熱くなる作品が多いわけで、それを手掛けた人に会えるというのも不思議なものであるけれど、いわゆるヒップホップシーンを裏側で支えたクリエーターたちに店で偶然に出会う機会というのはたまにあって、オタク的には店でアーティストに直接会うのとはまた違ったドキドキがある。写真集は西海岸界隈が多いけど90年代の写真が多く掲載され、色んなラッパーをはじめレコード屋だとか街の風景が写って、パラパラとめくるたびに当時の生々しい匂いが漂うというもので、それらを眺めているとなんとなくヒップホップカルチャーに里帰りした気分になるのでありました。時が流れるのは早いですねえ。

book


(20:00)

2018/07/11

Joseph Papp Presents Runaways 1978
Revenge Song - Enterprise
アルバム Joseph Papp Presents Runaways に収録


1978年にコロンビア系の Columbia Masterworks からリリースされた NY のミュージカルのサントラ盤。ストリートでの家出少年少女たちを描いたミュージカルもののようですが?このサントラにはラップの楽曲として最古にレコードに録音されたとされる Revenge Song / Enterprise というのが収録されています。

ラップのレコードで最古の作品はなにかと問われると Gil Scott-Heron、Last Poets みたいなポエトリー・リーディング系の扱いはどうなるんだとかもあるけどその辺は置いといて、一般的には1979年の Fatback の King Tim III (Personality Jock) が最初にリリースされたラップレコードであると、ヒップホップの歴史教科書などでは紹介され世間での認識もそれが一般的でしょうか。こちらは NY ファンク系の有名ダンスバンドが街角でラップとやらの言葉遊びが流行っているようなので遊びでそんな曲でもやってみるかと、Tim Washington というラップができる MC をフューチャーしてシングルの裏面に収録したらウケが良くラジオでもオンエアーされ評判になったというもの。次にラップグループとして最古にレコードを作ったアーティスト、楽曲となると、同年1979年の Sugarhill Gang / Rapper's Delight が教科書では紹介されます。 当時としては新種のジャンルだったラップのレコードもちゃんとラジオで流してもらえ、もしかするとラップは今後ビジネスになるに違いないと見込んだ Sugar Hill Records のオーナー Sylvia Robinson が街の若者3人をスカウトしてラップグループに仕立て企画もの的にリリースしたととでもいえばいいのかな、このシングルは大成功をおさめることに。両曲ともリアルな NY のストリートの現場上がりのラップアーティストたちによって制作されたわけではないにしても、ラップがちゃんとビジネスとして成り立つことを証明したという意味は大きく、それによって Grand Master Flash とその仲間たちをはじめリアルな NY のストリートの現場にいたラップアーティストもレコードをリリースしやすくなったのでした。1979年にはインディーレーベルからラップレコードがいろいろ出回りますが、Kurtis Blow みたいにメジャーの Mercury と契約したアーティストもいました。街角で行われていた言葉遊びともいえるラップが音楽ビジネスとして一気に形になるのが1979年のこと。

さて今回のレコードに収録された Revenge Song / Enterprise はそれより一年前の1978年にリリースされています。ドラムとパーカッションの単調ではあるけれど生々しいブレイクビーツの上を女の子がラップするというものだけど見事に形になっていて、NYのストリートで当時行われていたヒップホップの空気は先ほど挙げた2曲よりも個人的に感じます。先ほどの2曲はどちらかというとディスコよりのバックトラックに乗せてラップを乗っけるというもので、もちろんそれも当時のラップカルチャーを反映しているとはいえ、ステージ上でのエンタメ的なパーティ感が強いかなと。 Revenge Song / Enterprise のほうはブレイクビーツに乗っけてラップするという本来のヒップホップ現場感覚のルーツがより濃厚と感じるためかもしれません。2分ちょっとの短いトラックですが当時流行していた言葉遊びからは街角の日常の空気が切り取られているのを感じます。役者の中にもともと街角でラップしていた人がいたのか、この曲のために役者がラップの特訓をして技術を習得したのか、誰がラップしてるのかは不明ですが、ヒップホップ黎明期の資料としては面白いです。

Revenge Song - Enterprise

(20:00)

2018/06/02

Dat Bul  2 B Reel  1997
Dat Bul / 2 B Reel
12inch Single


ダンスクラシックスの定番 シェリル・リンの Got To Be Real 的な雰囲気が感じられる曲ということで78枚目にいってみましょう。

今回はフィリー産のヒップホップということで、ループ、サンプリングで Got To Be Real が使われている楽曲をみていきましょう。
Platinum Bound Records というリリースはおそらくこの盤だけではないかと思われるドマイナーレーベルからのラップグループのデビュー曲?の裏面収録曲。
ラップは悪くはありませんがトラックは大ネタゆえに単調になってしまうのでもう一工夫ほしかったといったところでしょうか。1997年のリリースということですが年代的にはやややぼったく鳴り響くものの、そこにアングラ感を見出せば楽しめないことはありません。
ちなみに表面は、こちらもオールドスクールブレイクやサンプリングの定番 Rhythm Heritage の名曲 Theme From S.W.A.T. のブレイクをループした楽曲 Cutiez In Carz となっています。

Dat Bul / 2 B Reel





(20:00)

2018/03/13

Original Style 2004
V.A. / Original Style

見たことがない2004年リリースのオールドスクール・ブギーラップ2枚組コンピ盤が安く売ってたので買ってみることに。このジャンルのコンピ盤は昔からいろいろとリリースされて資料としても何かと便利なのでそれなりの枚数所有していてます。特定のコレクター以外からは全く見向きもされないとはいえ好きなジャンルというのもあるのですけど。一部のこの筋ではよく知られる、例えばシュガーヒル、エンジョイ、グランドグルーヴ、みたいなレーベルからリリースされた作品を除いては、ローカル産のドマイナーだったりレアだったり、情報が少ないシングルも多いので、コストだったり手間を考えると、オリジナル盤で一枚一枚そろえるのはあきらめてコンピ盤で楽しむみたいな怠け癖が付いているというのもあります。2000年以降になって熱心なディガーたちによりドマイナーな作品にもいろいろと注目が集まって情報が整備されていくのはファンク、モダンソウル、ディープなディスコシングルなどのジャンルと同様でありました。
自分の周りを見てるとコンピ盤を買ってる人ってほとんどいない気がしますが、そりゃあコンピ盤をタンテに乗せてもなんとなく雰囲気は出ないというのもわからなくはありませんけど。

さてこのコンピ盤ですが New Star というレーベルからのリリースで、恐らく個人が趣味で作ったコンピ盤なんだろうなという気がします。目を引くジャケのデザインは黎明期のヒップホップ文化に詳しい方なら知ってるかもしれませんが、グラフィティー・アートの先駆者のひとり Tracy 168 が手がけていて、彼の名前を久しぶりに思い出したのでありました。

Tracy 168

収録曲を下に書いておきます。一般レベルとしてはドマイナーな楽曲が並びますが、この筋のディープなシングルのコレクターにはおなじみの曲だったり、他のコンピにも収録されてたり、再発なのかブートなのかよくわからない12インチで近年リリースされてるものもあります。値段は落ち着いてきたとはいえ今でもオリジナル盤をそろえるとウン万円のものも収録されていますし、A3、B3、C1辺りは初めて耳にするような気がしてこのようなコンピ盤はまだまだいろんな発見があります。オリジナル盤でずっとほしいんだけどなあと思いながらまだ買えていない Mr. Sweety / At The Place To Be も収録されていて久しぶりに耳にしましたがやはりかっこいいです。この曲は2014年の BBE レーベルや、2016年の Soul Jazz レーベルのコンピにも収録されていました。

A1 Mike T / Do It Anyway
A2 Pookey / Blow Get Up
A3 Eye Beta Rock / Super Rock Body Shock
B1 Nice & Nasty 3 / The Ultimate Rap
B2 MC Rock Lovely / One Time Two Time Blow Your Mind
B3 Denyce Flip Isaac / Be For Real
C1 South Bronx Movement / You've Got The Power
C2 The Jackson Two / Oh Yeah
C3 Missy Dee & The Melody Crew / M
D1 Keeling Bedford Connection / Rock The Message Rap
D2 Outlaw Four / Million Dollar Legs
D3 Mr. Sweety G / At The Place To Be

Mr. Sweety / At The Place To Be


Mr. Sweety G の当時の生ライブ音源を楽しみたい古典ラップマニアの方は Youtube にありますので下をチェックしてみてください。現場感のよく伝わるオールドスクール期ならではのDJの2枚使いにもドキドキさせられます。

Sweety G Live tape 202 インピーチ→Got To Be Real のバックトラック

Sweety G and D.J. Divine LiveFeel The Heartbeat→Back Together Again のバックトラック

 Sweety G


(20:00)

2017/12/09

Amerigo Gazaway A Common Wonder 2017
Amerigo Gazaway - A Common Wonder

スティーヴィーのコーナーということで。
西海岸のプロデューサー Amerigo Gazaway の新作は Common と Stevie Wonder を素材に使ったマッシュアップ作品で今回も混ざり具合は最高。過去に Fela Soul (Fela Kuti + De La Soul)や Yasiin Gaye (Yasiin Bey(Mos Def) + Marvin Gaye)といったマッシュアップの面白アルバムをリリースして、こんなこと考える人がいるんだなと興味深く感じたんだけど、スティーヴィーのファンとしては彼の曲でアルバム一枚作ってくれないかなとずっと思っていたのでこれはうれしい企画。耳に馴染んでる Common の言い回しと、スティーヴィーの名曲たちを違和感なく同居させて全く新たな感覚のものへ仕上げるというヒップホップ芸術な手法は日常的に耳にしてるとはいえ、その執着の度合いというのに感心させられるし、アルバムを通してエンタメ要素も満載で聴いてて楽しすぎる。

こちらで全曲試聴できます。


(20:00)

2017/04/01

 T's Commandments 1984
Mr. T / Mr. T's Commandment
アルバム Mr. T's Commandmentに収録


レコ屋に行くと知り合いによく出会います、DJの仲間だったり、お店の人だったり、自分とこのお客さんだったり。人それぞれだけど、みなかっこいいレコード買ってますね、小洒落て踊れるジャズだったり、7インチのレアなダンサーだったり、新譜のハウスだったり。そんな中こんな意味不明なレコード手にしてるんだからなんだかなあという気分にもなります。

80年代中盤のラップレコードということで前々から気になってはいたけどジャケではとても買う気にはなれないものをようやくゲット。あまり見かけない印象だけど毎度のことながら人気なんてあるはずもなく価格は300円くらい。
Mr. T こと Laurence Tureaud、この人の経歴を調べると、地元シカゴの高校時代は90勝1敗という圧倒的な強さで市のレスリング・チャンピオンになる実力でプロを目指していたそうだけど、けがで断念。ニューヨークへ行きボディーガードの稼業を開業し、ボクサーのレオン・スピンクスのボディーガードをすることに。モハメド・アリの紹介で「ロッキー3」にクラバー・ラング役で出演して俳優となり、特攻野郎Aチームの“コング”ボスコ・アルバート・バラカス軍曹役で知られるのだとか。

Laurence Tureaud rocky

また1985年にはWWF(当時)のレッスルマニアにプロレスラーとして出場、ハルク・ホーガンとコンビを組んだりもしたみたい。奇抜な髪型と型破りなキャラを演じ、一部に絶大なファンを持つともあります。

いわゆるお茶の間の人気者といったところなのかな、レコードを出してラップまで披露するんだから多才、大したものです。今回のはコロンビアから1984年のリリースしたアルバム。
Patrick Henderson プロデュースのメジャー感のあるエレクトロ作品でこのタイプとしてはしっかり作りこまれているほう。ラップのディレクションを Ice T、ターンテーブルは Afrika Islam ということですが、役者さんなので純粋なラップ作品のようなスキルやうま味を期待するのは無理ですが、サウンドからは時代の雰囲気は十分に感じ取れるでしょう。同年に MCA からももう一枚アルバムをリリースしてるようなのでいつかゲットしたいと思います。

Laurence Tureaud Michael Jackson


Mr. T / Mr. T's Commandment

Mr. T / Don't Talk To Strangers

Mr. T / You Got To Go Through It

(20:00)