2010年07月

2010年07月27日

野球肘(やきゅうひじ)の弊害~その2~

「少年野球の指導とコーチ法練習方法」
~紹介ブログ~

前回に続き、
子どもたちの野球肘についての話です。


投げすぎが、
そのひとつの原因ではありますが、

私が少年野球にかかわって、
何百人と言う野球少年を見守ってきましたが、

野球肘の個人的見解としては、
一番の問題は、

「投げ方」

にあると思います。

では正しい投げ方とは何を指して
言うのでしょうか?

野球肘にならないようにするためには、
どんな投げ方がいいのか・・・


今日は、手塚一志著
“ショールダーズ・バイブル”
(ベースボール・マガジン社刊)

の文章を、以下一部引用させて頂きます。

「肩は消耗品である」とは、
某有名プロ野球投手の言葉ですが、

私もずいぶん長い間漠然と、
肩というものは使えば使うほど、

投げれば投げるほど「減る」ものであると
思い込んでいました。

プロ投手レベルの肩・肘を語るなど、
私ごときにはおこがましい限りですが、

私の少年時代を思い起こすと、
プロ野球のピッチャーと言えば、

先発完投が当たり前であり、
途中降板でもしようものなら、

マウンドを明渡す姿は、
早や負け投手としてのイメージでしかなく、

それほどピッチャーと言うポジションは、
エースやそれに準じる者が、

9回まで死守することが、
当然のように思っていました。

現代のプロ野球投手の、
ローテーション間隔や、

先発・中継ぎ・抑えの分業制システムを、
今批判するつもりも、
議論する気もありませんが、

私が言いたいことは、
現代野球とは諸事情が違うとは言え、

過去輝かしい実績を数々持つ、
大投手たちは、

はるかに過酷な登板回数、
イニング数を投げ込んでいたということです。

ではその投手の方々の肩は、
どうなっていたのでしょうか?

皆が皆、猛スピードで走り続けた後の、
車のタイヤのように、

早々とその肩は消耗し尽くし、
30歳を前に引退してしまったのでしょうか?


年間30勝、35勝した
その往年の大投手たちは、

15勝程度で、最多勝を獲得すると言う、
この時代と比較して、

生活文化の違い、
あるいは高度成長以前の、ハングリー精神が、

今の物質豊かな時代と比べられぬほど
旺盛であったとしても、

それだけ肩を酷使しても、
なおかつ現在のような、

専門のコンデショニングコーチも
存在せずとも、

20年もの長きにわたり、
投げ続けられたと言うことは、

何を物語っているのでしょうか?


ただし、それは、
ピッチャー側に一方的な、
要因があるだけでなく、

例えば打者サイドの技術向上、
それに対抗するために生まれた
数々の変化球、

中でも“フォークボール”の存在は、
「肩の消耗」に多大な影響を持つに
至ったと結論づけています。


さらに別文献の解説によると、
アマチュア野球での“金属バット”の存在が、

投手の「肘・肩」の障害に、
大きな要素を持っていると述べています。

その昔の投手は、
「より速く・より重いボール」
投げることに専念し、

誰に投球原理を教わらずとも
“二重回旋運動(ダブルスピン投法)”
による、

すばらしいピッチングを行っていました。

しかし、ミートポイントが、
木製バットの比ではないほど広がった、

金属バットの猛威から逃れるために、
アマチュア投手たちは、

カーブはもちろん、
スライダー・フォーク・シンカー・etcを多投し、
「肘・肩」の負担を高める結果と、
なってしまったそうです。

確かに今の高校野球の投手を見ても、
我々世代のストレート・カーブのみを
持ち球にする投手と違い、

“七色の変化球”まで駆使する
少年がいるほどです。

その結果、
“すばらしい逸材もプロの世界ではパンク”

という現象も多いとか。

再度、私が出会った、
驚きのピッチング原理から、
抜粋紹介させて頂きますが、

【投球腕が
「しなやかな、らせん型上昇曲線」を描き、
腕の外向きのしなりを獲得する、

ループ=LOOPモーションの軌跡を作り上げるならば、

そして肘の先端(肘頭部)が、
しっかりキャッチャー方向を指すことが出来たならば

(不幸にもそれが出来ず、キャッチャーミットに
肘内側が向いてしまえば、

けなげにもその投手は、ほんのわずかでも
腕のしなりを出すべく、

懸命に肘を突き出そうとし結果、
肘の内側にある内側側副靭帯に、

大きなストレスが加わってしまう)

~中略~元来野球選手の肩は、
消耗品ではなかったはずだ。

磨耗する、消耗する投球フォームを
自分の体に取り込んで行き、

肩は消耗品となったのである】

とあります。

この説明だけでは判りにくいかと思いますが、
要は磨耗・消耗する投げ方=障害を生む投げ方

となり易い、逆説的にはいい投手とは、
肩が消耗するような、

障害を起こすような投げ方をせず、
そしてすばらしいボールを、

長期に渡り投げ続けられる、と
言うことでしょうか。

「無事是名馬」とはよく言ったものです。

話が横道に逸れましたが、
結論として正しい投げ方が速いボールを生み、

何より正しい投げ方が野球肘などの、
障害を無縁のものとする。

突き詰めれば正しい技術論を学ぶことは、
結果として、障害からも子供たちを守ることに
繋がると言う訳です。

好きで始めた野球で、
障害と言う厄災に見舞われる子供たちは、不幸です。

まして、我々指導者が、
良かれと思い教えている投球フォームが、

実は障害を生むフォームであったとすれば、
まさに悲劇です。

子供にとっても、指導者にとっても、です。

子供たちには、
体格や成長度合いによる個人差はありますが、

だからと言って、
個人間で投げ方が変わるものではありません。


またまた話は脱線しますが、

太古の昔から、
人間の体内には物を投げると言う運動回路が、

本能として刷り込まれているそうです。

つまり障害など起こり得ない物(ボール)の
正しい投げ方が、

すでに子供の運動回路に、
植え付けられているにもかかわらず
(それが現れない子供もいますが)

「やれ肘を前に出せ、胸を脹れ・・・
(正しい投げ方をすれば、肘は自然に先行され、

胸は意識して脹るものでなく、
投球腕を内捻し肘が後方に突き出され、

レートスローイングができれば、
やはり自然に脹るものだそうです)

と目先のフォームが出来上がれば良しとする、
間違った投球方法を大人が教え込んだとしたら?

それは、なぜそうしなければいけないのか、
そうすればどうなるのか、

と言う確固たる裏づけもないまま、
自身が経験した練習方法だから、

自身が昔指導者からそう言われたからと、
何の根拠も持たず、

子供の投球フォームを、
手を変え品を変えいじり回し、

結果もしもその子が障害に見舞われたとしたら、
我々指導者はどのように責任をとれるのでしょうか?

「投げ方が悪い」のひと言で片付けられるでしょうか?

知人の某医師曰く、

「野球指導者で明確に野球肘・肩となる原因を説明でき、
そうならない投球指導を出来る人は残念ながら、
半分もいないでしょう」


私自身、子供が重度の野球障害を体験し、
苦しんだひとりの親として、

せめて我がチームの子どもたちには、
間違っても重度の野球肘などで
苦しまぬよう、

旧式野球理論にとらわれず、
常に正しい投球を学び続けて行きたいと、
思うのです。


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2010年07月21日

野球肘(やきゅうひじ)の弊害~その1~

「少年野球の指導とコーチ法練習方法」
~紹介ブログ~


野球肘は、野球少年には必ずついて回ります。

原因としては、

1、1日あたりの投球数超過(投げすぎ)、

2、肘に負担がかかる投げ方、

この二つが主だった理由です。
(もちろんこれでけではありませんが)

今日は投げすぎについて、
私の見解を書いてみたいと思います。

1、の投げすぎ、ですが、これは個人差が大きく
何球までならOKなんて言えることではありません。

ただ常識的に、小学校高学年の
平均的な身体データを想定して、

1日の練習では、キャッチボールから始まって、
100球~150球以内かと思われます。

もちろんピッチャーの子も同様です。


大事なことは、肩・肘のウォーミングアップ
(通称アップ)と、クールダウン(通称ダウン)

を必ずしっかりやらせることです。

特にアップは、秋から春先までは重要で、
いきなり強めの投球は、肩・肘への負担だけでなく、

脚部の怪我にもつながりやすいのです。

ダウンも取り入れるべきです。

フル投球した肩・肘を、
徐々にストレッチを兼ねて休ませて行く・・・

これが野球肘(野球肩)予防の第一歩です。


さらに、うちのチームでは、
平日にキャッチボールをやる子は、

月曜と、金曜はノースローを指示しています。

野球肘の場合、最低でも1ヶ月、
遊離軟骨になっていない場合でも、

重度に炎症を起こした場合は、
2か月は投球禁止になってしまいます。

これをムリすると、軟骨がはがれ、
外科的手術が必要になってしまいます。

「痛みが完全になくなるまで、
絶対投球禁止!」

これだけは守りたいものです。

次回は、

2、の肘に負担がかかる投げ方、
について書きたいと思います。


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2010年07月13日

お父さん審判員に思う

「少年野球の指導とコーチ法練習方法」
~紹介ブログ~


前回お約束の、「審判員」について、です。

野球好きが嵩じて、
例えば私のように、

指導者の道を選ぶ者もいれば、
やはり自分がプレーすることに生きがいを感じ、
草野球チームに入る方もいます。

あるいは、
ひいきのプロ野球チームの観戦を趣味とし、
足げくスタジアムに通ったり、

高校野球ファンであれば公式戦はおろか、
各地で行われている練習試合に、
「追っかけ」される向きもあるようです。


そんな中で少数派ではありますが、
審判という立場から野球に関わることで、

その道を邁進される方がおられる。

すばらしい選択肢ではあるが、
私のように些細なことでも、

すぐ熱くなってしまう、
短絡的なタイプには絶対不向きであると、

内心秘かに思っています。

判官びいきで、
公平公正であるべき判定に

私情を挟んでしまう私のような人間は、
やはり審判員には向かないと、

自信を持って断言出来ます(笑)

ちなみに、数年前まで、
我がチームに所属する、

公認審判員であるM氏は、

まるで審判員になるために
生まれて来たような御仁であると、

これまた内心密かに思っているのです。

通勤途中にも「公認野球規則」を紐解き、
2000以上もの、

そのルールを学ばれる熱心な姿勢には、
ただただ、頭が下がる思いです。

このM氏、
現在は、少年野球の審判団から離れ、

某高校野球部監督始め、
高野連所属審判員から推薦され、

高校野球界でその手腕をふるっておられる。


ところで、

ご存じのように少年野球の審判員は、
公式戦に関しては予選試合の主催地や

主催者側でその地域に所属する
地域公認審判団から選抜し、

ボランティアとして、
試合に臨んでいることが大半かと思われる。

上部の大会ともなれば、
さらにクラスが上の公認審判員が、

大会期間中試合会場に詰め、
子供たちのために、

元気な声で、
公平なジャッジに務めてくれる。

では、練習試合の場合はどうか?

うちのチームは幸運なことに、
前出のM氏始め公認審判員が、

4名も所属している。

通常は2名もいればいい方だから、
恵まれている方だと思う。

練習試合には、公認審判員を2名、
あるいはお父さん審判員を

帯同させることが常識となっているが、
遠征に赴くと、

相手チームから、

「今日は審判がいなくて…」

と、頭を下げられることも少なくない。

それはそれで致し方ないことであるし、
何とかやり繰りして試合を行ってはいます。

聞けば他チームも、
似たりよったりの現象のようです。

小子化の影響もあって、
少年野球の指導者も、

なかなか後継者が育たず、
頭の痛いことではあるが、

審判員にも同じことが言えるようです。

うちのチームが所属する、

「日本体育協会スポーツ少年軟式野球団」

の指導として、
通常それぞれの地域において、

毎年明けあたりから、
子供の父親の参加を募り、

審判講習会が開かれます。

ここで審判の基本を学ぶわけですが、
まさか野球は3スリーアウトでチェンジとか、

タッグプレイとフォースプレイの違いを、
一からやるわけにはいかないので、

野球経験者、
もしくは多少なりとも野球を知っている、

ご父兄にご参加頂くことになります。

この審判講習会において、
父兄に審判ジャッジの基本を、

学んで頂くわけですが、

これがまた実戦である試合に臨むと、
戸惑うことが非常に多いようです。

いかんせん付け焼き場の講習に、
素人急造審判であるお父さんが、

アウトセーフのジャッジだけならともかく、
極端なことを言えば、

2000以上もの野球規則を、
頭に入れられるわけがないのですが・・・

むろん『真ん中』と言われる、
球審や、二塁塁審は、

多少なりとも経験者が務めますが、

一塁・三塁塁審とて、
難しいことに何ら変わりはありません。

難しいジャッジに、
戸惑うことはしかたないのですが、

急造審判員である、
お父さんのまずい点は、

まずジャッジコールの声が小さい。
という点。

うちのチームに所属する、
公認審判員の声は4名とも、

惚れぼれするほど大きく、
よく響きわたるので聞いていて、
じつに気持がいい。

もちろん、よそ様の公認審判員も、
同じである。

さらに、お父さん審判員は、

ジャッジにおけるそれぞれのアクションが、
小さいということが挙げられます。

慣れないことに当然照れもあるだろうが、
自分の判定に自信を持ってコールすれば、

自然に声にしろアクションにしろ、
大きくなるものだと思います。

あるいは間一髪のアウトセーフのジャッジは、
絶対の自信を持って、

判定してもらわないといけないのだから、

プロ野球の審判員ではないが、
ぜひ遠くから観ているベンチや、

応援団のためにも、
オーバーアクションでの
ジャッジを望みたいものです。

せっかくの休日を、
我が子のためとはいえやりたくもない

「審判員」
をやらされて、

こんなクレームまがいのことを
言われれば、

「立場がないよ」
と、

おっしゃりたい気持ちは、
重々理解できますが、

あえて苦言を呈します。

あなたのジャッジ、
一挙一動を子供たちが、

真剣に見ているということなんです。

この場合は、公認審判員も
急造審判員も関係ないことは
ご理解頂けると思います。

声の小さな、あるいは
自信なさそうなジャッジには、

子供たちにも、不信感が芽生えてしまうのです。

お父さん審判に、
クレームをつけることは本意ではないが、

一生懸命プレーする子供たちのために、
照れや恥ずかしさなど捨て去って、

気持のいいジャッジをお願いしたいものです。

大声でアウト、セーフをコールし、
オーバーアクションでそれを示せば、

日頃のストレス発散になること請け合いです(たぶん)



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2010年07月02日

W杯「誤審」問題に思う

「少年野球の指導とコーチ法練習方法」~紹介ブログ~


 W杯サッカーも、佳境に入っていますが、
 日本勢は善戦しましたね!

 ところで今大会は、「誤審」が多く、
 世論でもだいぶ批判の嵐が
渦巻いているようです。

 私は、野球の世界で、
この「誤審」には過去数回
泣かされてきました。

 その経緯を、今ここで、
申し上げるつもりはありませんが、

 スポーツの世界、
「誤審」はつき物と言っても、

 少年野球の世界では
なるべくならあって欲しくはありません。

 練習試合などでは、
「審判講習会」に参加いただいた、

 お父さん審判で、
行うことが多いのですが、

 公式戦は、いわゆる
「公認審判員」が務めます。

しかし、残念ながら、
ここでも「誤審」は多い・・・

 所詮人がやることですから、
間違いはあって当然です。

 審判だって人の子、
どんな競技であっても
「誤審」はつきものです。

 そこに全ての非がある、
それが罪悪などとは誰も言いやしません。

要は「誤審」であったと、
判明してからの態度にあります。

 対応にあります。

 素直にその非を認め、
選手たちにとって
最良の善後策をとってやることに、
あると思うのです。

 「間違った判定だったが、
それは終わってしまったこと。

 誤審であっても、
それで勝利したチームの判定を
覆すことは出来ない」

 が、その最善の発想なのでしょうか?

 相撲の話ですが・・・

 行司は腰に短刀を差しています。
 その昔、判定を間違えたら(差し違えたら)
その場で切腹するためのものだそうです。

 判定に命を賭した時代の、
行事の心構えではあるが、

そこまでの話を、
持ち出すつもりはありません。

 相撲の世界では日常茶飯事である、
物言いがついての取り直しを、

「誤審」であった場合には、
適用すべきではないでしょうか?

まぁ、大会期間の時間的な問題は
残ってしまうのですが・・・

 ・・・・・・・・・・・

 次回お父さん審判への
アドバイスをさせていただきたい、と思います。


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