本日朝倉先生から発表がございましたように、
7月1日より公演を予定しておりました「ガールズハイパーミュージカル タイラーF」は、公演が延期となることが発表となりました。

出演者は発表にはなっておりませんが、先の「タイラーV」のパンフレットにてお知らせ(日程は変更がありました)がありましたので、私からも書かせていただきます。

楽しみに待っていてくださった皆様には大変に申し訳ない気持ちです。

「タイラーV」からすっかり吉岡平先生のタイラーシリーズにハマってしまい、過去に発表された本やアニメにCDにコミックを掘り下げながら、「タイラーF」の公演を、FはフォーエバーのF、一体何がどうなってしまうんだ!と、いちファンとしてもとても楽しみにしておりました。ですので、昨今の厳しい状況の中、今回の延期の報せをとても大切に受け止めています。

会場で実施されておりました人気投票の結果も発表の時までお待ちくださいね。皆様にご投票いただきました1票1票は不正なく集計され、現在は大切に保管していただけているそうです。ご参加くださいました皆様、ありがとうございました!

「タイラーV」は「ソーシャルディスタンス」という言葉が広まる前からお客様に座席間隔を開け身体的距離をとっていただくなど、お越しいただきました皆様には通常のご観劇ではあり得ないほどの沢山のご協力をいただきました。
また、やむを得ずチケットをキャンセルされた方や、行きたいけど行くことができなかった方は、お客様から関係者、どなたさまも、その理由は、大切な人を守りたいという優しい想いからでした。
改めまして、公演にあたたかいお心をお寄せ下さいましたすべての皆様に感謝をお伝えいたします。

ですが、やはり、何よりもお客様に安心して舞台をお楽しみいただきたいというのが本音です。


演劇とは…あくまでも私の思いです。

お知らせされた演目や出演者に湧き立ち、スケジュールに印をつけて、その日まで毎日取れたチケットを大切にして。当日は劇場に向かう足も心なしか軽やかで、劇場前に貼られたポスターや会場時間、出演者に寄せられたお花を記念撮影したりして。
入り口でチケットをもぎってもらって、劇場に一歩足を踏み入れると、もうそこは「日常」とは違った世界。
座席に置かれた折り込みチラシやお知らせやアンケートに目を通したりしながら、劇場内の近くで遠くでざわざわと混ざり合う話し声も心なしか心地よく、あのなんともいえない静かで落ち着いた興奮でいっぱいになったところで、会場の灯りが落ち、いよいよ夢の世界へ旅立つ。
そうして、夢の世界から帰ってきて、また日常に戻っていくもの。

それが「演劇」です。
ライヴも、イベントもそういうものだと、私は思っています。

演劇界の総意とは絶対に取っていただきたくない意見も世の中には広く広まっていますが、作る側の団体の置かれた状況もスタンスも、特に考え方はそれぞれです。

ですがいちばん大切なことは、演劇に携わる者は、夢の世界を作っているのだということです。 
幕が降りてからも感動で立ち上がれない。涙が止まらない。好きになった役が心に生きて、とっても強い気持ちになれたり、スキップしながら劇場を出たくなったり、おしゃれをしたくなったり、性別も関係なく、空も飛べれば宇宙にだって行ける。

観客席から舞台を観てそんな経験をし、言葉にはできない力をもらってきたからこそ、作る側として、お客様に楽しんでいただける世界を届けたいのです。

それには、お客様をはじめ、出演者、スタッフ、そこに関わる全てにつながる方々が不可欠です。ということを辿っていくと、生きとし生けるものがそれぞれ在らなければなりません。人が人を描き、人が人に届けるには、まず、すべての人の生活と生命が基盤になければいけないんです。

今はこういう時ですが、夢の世界を作る者達が、何よりもお客様が、心から安心してお楽しみいただける時まで、その未来まで、公演の開催を待っていて下さると嬉しいです。

お会いできます時には元気にお会いできますよう、どうかお身体には気をつけて下さいね。もう体調をくずされているかたは、どうかお大事になさって下さい。
私も、楽しい時、楽しんでいただける時を待ち侘びながら、今できること、やらせていただけることをコツコツ頑張っていこうと思います。


それでは、またお会いいたしましょう!

永野希