先回、「気分障害に取り組む(4)−さまざまな実際的な助け」をアップしました。今回は、気分障害を患う人のために他の人はどのように助けになれるかについて取り上げたいと思います。

 

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病気であることを認める


 


 

あなたも、うつ病や双極性障害に悩んでいる人をご存知かもしれません。身近な家族や友人、同僚に気分障害を抱えた人がいる場合、他の人はどのように助けになれるでしょう。まず、うつ病や双極性障害のうつ状態や躁状態が病的なものであると認識することが大切です。


 


 

家族や友人などの周囲の人が、躁状態での言動を「本人の性格」であると解釈して嫌悪したり、うつ状態のことを「怠け」と解釈して見下すことがあります。そもそも病気であるという認識を本人も周囲も持たなければ、治療を受け、改善していくことは難しくなります。


  米国精神疾患連盟のD・J・ジャフィーは,次のような適切なアドバイスを与えています。「病気とその人個人とを混同しないでください。病気を憎んでも,その人を愛してください」。


 

スザンナは双極性障害の友人を見限るのではなく,双極性障害について調べてみました。こう述べています。「今では,この友人の振る舞いがどれほど病気に影響されていたかが分かります」。
 

それで、ネットや本で調べたりして、気分障害という病気についてできるだけ知るようにするのは、良いことです。病気を理解するなら、その人を理解する助けになります。


 

理解と辛抱強さを示す


 
 もちろん,健康面を含め何か気がかりな問題についてエホバに祈るのは,いつでも正しいことですし,助けになります。詩編は、神に支えていただけるように「重荷をエホバご自身にゆだね(る)」ように勧めています。(詩編 55:22。フィリピ 4:6,7)ですから、気分障害がもたらしている状況について、いつでもエホバに祈ることができます。そして、そうするよう気分障害を患う人に勧めることができます。また、共に祈ることもできるでしょう。確かに、エホバは助けをさまざまな方法で差し伸べてくださるでしょう。






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共に祈る
 



 しかし聖書は,ただ霊的な活動を増し加えるだけで今ある医学的な問題が解決するとは述べていません。イエスは,身体的に病んでいる人には医者が必要なことを認めました。(マタイ 9:12)病気なのですから、祈りに調和して医者の助けを得たり、実際的な対策を取ることが必要になります。


 

事実が示すとおり,心理的葛藤に起因しない内因性うつ病の場合 セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内の神経伝達物質の働きが悪くなっていると推測されています。その場合は、その人の気分障害は、脳の神経伝達物質に関する問題であって、性格や考え方の問題ではないと考えられます。


 

多くの場合、気分障害は、医学的に対処することが必要です。抑うつ状態がひどくて、自殺を試みるような場合は特にそうです。そのような場合には,専門家の助けが絶対に必要です。


 

それでも,周囲の人が支えになるために行なえることはたくさんあります。言うまでもなく,辛抱強さが求められます。

聖書は,「憂いに沈んだ魂に慰めのことばをかけ,……すべての人に対して辛抱強くありなさい」と,クリスチャンすべてに勧めています。(テサロニケ第一 5:14)

そうした人たちの助けになるために,感情移入を示すことに努めましょう。(コリント第一 10:24。フィリピ 2:4)聖書は、「優しい同情心,親切,へりくだった思い,温和,そして辛抱強さを身に着け(る)」ように勧めています。


 

病気の友人がうつ状態の時に、仕事、家事、霊的な活動など、状態がいい時にできる多くのことを十分できない場合があることを認める必要があります。無理な期待をして重荷を負わせないようにすることが必要です。


  家族や友人は,意味ある仕方で支えることにより,この苦しみを持つ人の福祉に間違いなく大きな貢献ができます。マリオは,早い時期にそのことをしました。マリオの妻ルシアは双極性障害を患っています。マリオはこう述べています。「当初,妻と一緒に医師のもとへ行くことや,この不可解な疾患について勉強して,自分たちの立ち向かっているものに精通することが助けになりました。ルシアとわたしは,二人でよく話し合い,時と共に状況がどう変わっても一緒に対処しました」。


 

ルシアはこう述べています。「今ではかなり上手に生活をコントロールできていると思います。この問題を乗り切るために夫と二人で懸命に努力してきましたが,状況はしだいに良くなっています」。


 

現在,様々なタイプの精神的な病気と闘っている多くの人たちは,この恐ろしい苦痛との闘いがすぐには終わらないことを知っています。しかし,神の新しい世では「『わたしは病気だ』と言う居住者はいない」と聖書は約束しています。(イザヤ 33:24)新しい世では、気分障害をはじめ,あらゆる病気が永久になくなります。その時が実現する時を待ちながら、気分障害に対処していきましょう。


 

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以上は目ざめよ2004年1月8日号「気分障害に取り組みながら生きる」の中の症例や意見を参考にして作成されています。また、ネット上の気分障害に関する情報も参考にしています。

「気分障害に取り組む」は(1)〜(5)まであります。「(1)うつ病(2)双極性障害(3)医療の助けを得る(4)さまざまな助け(5)他の人たちはどのように助けになれるか」です。将来、また双極性障害についての記事を作ることもあると思います。それまで、お待ちください。


 

 

詩編143編・深刻な憂うつに対処する

 

使徒17章・どうして自殺すべきではないのですか

 


マタイ19章・離婚は幸福をもたらすか

 
詩編86編・エホバはどのような者の祈りに答えられるか