これまで、「自殺の問題」のシリーズとして、(1)世界的な問題 (2)なぜ自殺するのですか (3)自殺を引き起こす根本的要因 (4)助けを求める をアップしてきました。今回は、エホバ神との関係から得られる助けについてさらに取り上げます。
     
     このような気持ちを神は許してくださるだろう


聖書の真理を知り、信仰の仲間からの励ましを受け,自殺への思いを克服できた人は少なくありません。とはいえ今日,生活上のストレスとなる出来事や憂うつな気分の影響を受けない人は一人もいません。自殺を考えたことのあるクリスチャンは,そのような考えを抱いたことに対する強い罪悪感と闘っていることがよくあります。その罪悪感は,当人の重荷を増し加えるでしょう。では,そのような感情にどのように対処できるでしょうか。

 
聖書時代の忠実な男女の中に,生きることについてとても否定的な気持ちを言い表わした人がいることは注目に値します。族長イサクの妻リベカは,家族内の問題で強いストレスを感じたため,「わたしは……自分のこの命をたいへんいとうようになりました」と語りました。(創世記 27:46)ヨブは,子どもたち,健康,富,社会的立場を失い,「わたしの魂は自分の命に対して確かに嫌悪を感ずる」と言いました。(ヨブ 10:1)さらに,預言者ヨナは,「わたしは生きているより,死んでしまったほうがましだ」と繰り返し述べました。(ヨナ 4:8)

 
ですから、信仰を持つ私たちが死にたいという気持ちを持ったとしても、不思議ではありません。しかし、エホバは,そのように感じた人たちをとがめられませんでした。エホバは,その人たちの述べた言葉を聖書中に保存することまでされました。


とはいえ,それら忠実な人たちのうち,感情に駆り立てられて自殺した人は一人もいなかった,という点を銘記するのは大切です。エホバは彼らを高く評価し,生きつづけてほしいと思われました。それで、そうした気持ちを言い表したご自分の僕たちひとりひとりに実際的な助けを差し伸べられ、彼らが問題を克服できるようにされたからです。


エホバは、事実,邪悪な人たちの命をさえ気にかけておられるのです。邪悪な人たちがその道を改め,「実際に生きつづける」ように強く勧めてお
られます。(エゼキエル 33:11)であれば,神の恵みを得ることに関心のある人々には,なおのこと生きつづけてほしいと願っておられるのです。

           あなたの命はエホバ神と他の人にとって大切


確かにあなたの今の状況では,ひどい孤独感に襲われたり,自分が死んでもだれ一人気に留めてくれないように思えたりするかもしれません。しかし,預言者エリヤも実はそうでないのに、ひとりぼっちだと感じたことがありました。エリヤはエホバに,「(彼らが)あなたの預言者たちを剣で殺したため,ただ私だけが残(りました)」と言いました。(列王第一19:10)エリヤが、そう思ったのも無理はありません。仲間の預言者たちが大勢殺され,エリヤ自身も死の脅威にさらされていました。エリヤは自分の命を救うために逃走していました。


しかし,エリヤは独りきりではありませんでした。エホバは,当時の陰うつな時代に,エリヤのようにまことの神に忠実に仕えようとしている忠節な人たちが約7,000人いることを明らかにされました。(列王第一 19:1‐18)では,あなたの場合はいかがですか。あなたが感じておられるほど孤独ではないということはありませんか。


あなたのことを気にかけている人々がいます。父親や母親,配偶者,子どもたち,友達,同僚のことが思い浮かぶかもしれません。また、医療の専門家、カウンセラー、行政やNPOの相談窓口の人々も善意から、気にかけてくださるでしょう。また、信仰を持つエホバの証人や、ネットの中で見出される信仰の仲間もあなたのことを気遣い、あなたの話に耳を傾け、あなたのために祈ってくれるでしょう。それらの人々もできる場合には、実際的な助けも差し伸べることでしょう。


それに,たとえ不完全な人間すべてから見放されたとしても,エホバ神はあなたを決して見捨てられることはありません。ダビデ王は,「わたしの父とわたしの母がわたしを捨て去ったとしても,エホバご自身がわたしを取り上げてくださることでしょう」と言いました。(詩編 27:10)エホバは『あなたを顧みてくださる』のです。(ペテロ第一 5:7)エホバはあなたの祈りに耳を傾けてくださいます。あなたがエホバの目に貴重であることを決して忘れないでください。


エホバ神は,あなたがそのみ前に『心を注ぎ出す』とき,耳を傾けてくださいます。(詩編 62:8)「その目はあまねく全地を行き巡って」います。それは,人の過ちを見つけるためではなく,「ご自分に対して心の全き者たちのためにみ力を表わ(す)」ためです。(歴代第二 16:9)



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エホバに心を注ぎだして助けを祈り求めてください




エホバはこう保証しておられます。「恐れてはならない。わたしはあなたと共にいるからである。周りを見回すな。わたしはあなたの神だからである。わたしはあなたを強くする。わたしはあなたを本当に助ける。わたしはわたしの義の右手であなたを本当にしっかりととらえておく」。(イザヤ 41:10)


命は神からの贈り物です。もちろん,命が贈り物というより重荷のように感じられることもあるでしょう。では,あなたがある人に高価な贈り物をしたのに,その人がそれを実際に使わず捨ててしまうとしたら,あなたはどのように感じますか。エホバがあなたが生き続けるために与えてくださる助けを見失うことのないようにしてください。エホバはあなたの祈りに答えて、あなたが、人生の重荷をになえるように助けてくださるでしょう。


さらに、私たちは人生の重荷を永遠に抱えるわけではありません。エホバが神の王国によって人類の抱えている問題を解決してくださり、以前の問題は思い出されることもなくなることを忘れないでください。「いまわたしは新しい天と新しい地を創造しているからである。以前のことは思い出されることも,心の中に上ることもない。」とエホバは保証しておられます。(イザヤ65:17)今あなたが抱えている苦難を全く忘れてしまえる時が来るのです。


将来,あなたの生活は,今よりもはるかに満ち足りた,豊かで幸福なものになります。聖書は次のように述べています。「神は彼らの目からすべての涙をぬぐい去ってくださり,もはや死はなく,嘆きも叫びも苦痛ももはやない。以前のものは過ぎ去ったのである」。(啓示 21:3,4)エホバはご自分に信仰を持つ人々のために、苦しみや嘆きの全くない世界を目的とされています。


この言葉が成就する時が来ることを決して忘れないようにしてください。その希望は決してむなしい幻想ではありません。エホバは、過去にエジプトでの奴隷状態にあったイスラエル人を救い出されました。また、西暦70年のローマ軍による滅びと同国人による迫害に直面していたクリスチャンを
助け出されました。エホバは実際的な行動をとって将来の希望の実現に向けて道を開かれるでしょう。


生きたいという願いを完全に取り戻すまでにはいくらか時間がかかるかもしれません。「すべての患難においてわたしたちを慰めて」くださる「すべての慰めの神」に祈り続けてください。(コリント第二
1:34。ローマ 12:12。テサロニケ第一 5:17)エホバは,あなたが必要とする強さを与えてくださいます。(イザヤ 40:29


エホバの答えは、医療の助けを得ることかもしれませんし、また生活の別の面を調整することだったり、考え方を調整することかもしれません。エホバは他の人々から実際的な助けが得られるようにしてくださるかもしれません。いずれにしても、エホバはあなたが抱えている問題に耐えられるよう助けを差し伸べてくださるでしょう。

 
祈りという特権を活用されてください。祈りを聞かれるエホバの能力に対する信仰を失わないようにしましょう。エホバが過去に死にたいとという気持ちを言い表したご自分の僕に実際的な助けを差し伸べられたことを忘れないようにしましょう。神は,謙遜で誠実な心をもってご自分に近づく人すべての言葉を聞く能力と意志をお持ちです。祈ることを決してやめないようにしましょう。信仰をもって祈り続けましょう。


以上はウィキペディアなどネットの情報や目ざめよ
200110/22号を参考に再構成したものです。自殺の問題は(1)〜(7)の予定です。次回は、「自殺の問題(6)−どうすれば自殺を防げますか」を取り上げます。


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