問題 

労働基準法上就業規則の作成義務のない、常時10人未満の労働者を使用する使用者が作成した就業規則についても、労働基準法にいう「就業規則」として、同法第91条(制裁規定の制限)、第92条(法令及び労働協約との関係)及び第93条(労働契約との関係)の規定は適用があると解されている。


 解答

   ●(正しい)

常時10人未満の労働者を使用する使用者が作成した就業規則も、労働者への周知(労基法106条)を行うことで、就業規則としての効力を有する。なお、行政官庁への届出義務はない。労働契約法の施行に際する通達においても、就業規則の効力は「常時10人以上の労働者を使用する使用者以外の使用者が作成する労働基準法第89条では作成が義務付けられていない就業規則も含まれるものであること」とされている(平成20年1月23日基発0123004号)。

 根拠条文

[ 労働基準法 第89条 ]

(作成及び届出の義務)

第89条 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

 

[ 労働基準法 第106条 ]

(法令等の周知義務)

第106条 使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第18条第2項、第24条第1項ただし書、第32条の2第1項、第32条の3、第32条の4第1項、第32条の5第1項、第34条第2項ただし書、第36条第1項、第37条第3項、第38条の2第2項、第38条の3第1項並びに第39条第4項、第6項及び第7項ただし書に規定する協定並びに第38条の4第1項及び第5項に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。

○2 使用者は、この法律及びこの法律に基いて発する命令のうち、寄宿舎に関する規定及び寄宿舎規則を、寄宿舎の見易い場所に掲示し、又は備え付ける等の方法によつて、寄宿舎に寄宿する労働者に周知させなければならない。