July 2007
July 30, 2007
自民党大敗と小田実の死
自民党の歴史的惨敗とか。夕方の豪雨がなければ投票率ももう少しあがり、もう少し差は開いたのではと惜しまれる。
安倍君は居座る気らしい。選挙演説では「安倍を選ぶのか小沢を選ぶのか」と有権者に迫ったというが、これを真に受けたほうが悪いらしい。もちろん辞めなくてはいけない法律があるわけではないからいいだろう。それなら、いっそ小泉先輩にならって参議院のうらみを衆議院(解散/総選挙)で晴らしたらどうか。国民はウェルカムだろう。
自民党大敗の朝、折りしも小田実の訃報が伝えられた。享年75歳。ふり返れば氏は一貫して自民党的なものと戦ってきた、といえるのではなかろうか。自民党の解体の始まりと小田の死が重なった…?
合掌。
30Jul.2007
安倍君は居座る気らしい。選挙演説では「安倍を選ぶのか小沢を選ぶのか」と有権者に迫ったというが、これを真に受けたほうが悪いらしい。もちろん辞めなくてはいけない法律があるわけではないからいいだろう。それなら、いっそ小泉先輩にならって参議院のうらみを衆議院(解散/総選挙)で晴らしたらどうか。国民はウェルカムだろう。
自民党大敗の朝、折りしも小田実の訃報が伝えられた。享年75歳。ふり返れば氏は一貫して自民党的なものと戦ってきた、といえるのではなかろうか。自民党の解体の始まりと小田の死が重なった…?
合掌。
30Jul.2007
July 27, 2007
『神聖喜劇』の開幕
以前、死ぬまでに必ず読み終えたい作品をふたつ挙げたが、とうとうそのうちのひとつを読み始めた。大西巨人『神聖喜劇』の開幕である。この蒸し暑さのなかで読む本ではないかもしれないが、読み始めるとすぐに時間は密度と粘度を加えてゆっくりと流れ出す。濃密な読書体験である。
文体はあくまでも雄勁で、なんといおうか、真冬の博多で食べた讃岐のざるうどんのように粘り強く、簡潔ではないが決して明晰さを失わない。
全5巻のうちまだ第1巻の途中だが、主人公東堂太郎の「論理への忠誠」には随分と勇気づけられる。行間から作者の気迫が伝わるのか、読んでいてふつふつと元気が湧いてくるから不思議である。
どこ国の軍隊にも多かれ少なかれ密室の暗さはあるだろうが、大西巨人がこれでもかこれでもかと細密に描く60余年前の日本の軍隊の暗黒にはいまさらながら暗澹とした思いになる。さらに驚くべきことは、我に返って身のまわりを見渡すと、昭和を飛び越えて21世紀に入ったこの日本の社会、政治、企業組織にいまもって日本軍の亡霊、没論理という亡霊が跋扈していること…
27Jul.2007
文体はあくまでも雄勁で、なんといおうか、真冬の博多で食べた讃岐のざるうどんのように粘り強く、簡潔ではないが決して明晰さを失わない。
全5巻のうちまだ第1巻の途中だが、主人公東堂太郎の「論理への忠誠」には随分と勇気づけられる。行間から作者の気迫が伝わるのか、読んでいてふつふつと元気が湧いてくるから不思議である。
どこ国の軍隊にも多かれ少なかれ密室の暗さはあるだろうが、大西巨人がこれでもかこれでもかと細密に描く60余年前の日本の軍隊の暗黒にはいまさらながら暗澹とした思いになる。さらに驚くべきことは、我に返って身のまわりを見渡すと、昭和を飛び越えて21世紀に入ったこの日本の社会、政治、企業組織にいまもって日本軍の亡霊、没論理という亡霊が跋扈していること…
27Jul.2007
July 22, 2007
父母未生の地?
先週出張で徳島に飛び、翌日昼に徳島から高松に移動した。準備中にダイヤを見て所用時間約1時間というのに驚いたが、乗ってみると本当にあっという間だった。そうそう高徳線の特急うずしおのことである。最初は自由席でと考えていたのだが念のためネットで指定席を当たってみると、いつもどおりの「希望」の席が取れない。「そんなに混むのか」と思って取れる席を取っておいた。行ってびっくり。うずしおの車両はわずかに2両。1両が禁煙車でそのなかを自由席と指定席とに分けていた! (これじゃ「車両の端以外」などと希望しても無理なわけである)
昼の移動とあって「車内で弁当でも」と勧められていたのだが、どうしても讃岐うどんが食べたくてタイトな時間のなか高松に降りてからなんとかありついた。讃岐うどんに目がないことは以前に書いたが、個人的に香川県に親近感を覚える理由がもうふたつある。
ひとつは高松市の、栗林公園を経て空港方面に延びるメインストリートのセンター分離帯にクスノキが植えられていて(クスノキについても過去に投稿した)、目を楽しませてくれること。もうひとつはこの県が「大西」姓が一番多い特異県であることである。
まさに父母未生の地に降り立つような気がする土地である。とはいっても歩いたのは高松市内と郊外のうどん屋のみ。いつかこんぴら様(金刀比羅宮)へも満濃池へも行ってみたいものである。
22Jul.2007
昼の移動とあって「車内で弁当でも」と勧められていたのだが、どうしても讃岐うどんが食べたくてタイトな時間のなか高松に降りてからなんとかありついた。讃岐うどんに目がないことは以前に書いたが、個人的に香川県に親近感を覚える理由がもうふたつある。
ひとつは高松市の、栗林公園を経て空港方面に延びるメインストリートのセンター分離帯にクスノキが植えられていて(クスノキについても過去に投稿した)、目を楽しませてくれること。もうひとつはこの県が「大西」姓が一番多い特異県であることである。
まさに父母未生の地に降り立つような気がする土地である。とはいっても歩いたのは高松市内と郊外のうどん屋のみ。いつかこんぴら様(金刀比羅宮)へも満濃池へも行ってみたいものである。
22Jul.2007
July 21, 2007
ほんとうの自虐
以前「円高を嘆き円安を喜ぶ日本という国ってなんなのか?」と書いた。
けさの朝日新聞beで山田厚史編集委員が書いている。世界最大の債権国日本(の企業)がなぜ世界最大の債務国アメリカ(の投資ファンド)に買われるのか、と。
最近のブルドッグに見られた買収未遂劇と日本企業に広まる買収防衛策ブームってなんなのか?
日本の国際収支の黒字は年間20兆円を超す巨大さらしいが、こうして稼いだ日本のカネが自国のために使われず、ただただアメリカ(の借金と戦争)を支えるために使われる。さらにはそうした債務国からの買収におびえる。これを「自虐」と言わずしてなんとする。
過去を直視しそこから教訓を汲み取ることを自虐史観とのたもう安倍君とその一党に訊いてみたいものである。
21Jul.2007
けさの朝日新聞beで山田厚史編集委員が書いている。世界最大の債権国日本(の企業)がなぜ世界最大の債務国アメリカ(の投資ファンド)に買われるのか、と。
最近のブルドッグに見られた買収未遂劇と日本企業に広まる買収防衛策ブームってなんなのか?
日本の国際収支の黒字は年間20兆円を超す巨大さらしいが、こうして稼いだ日本のカネが自国のために使われず、ただただアメリカ(の借金と戦争)を支えるために使われる。さらにはそうした債務国からの買収におびえる。これを「自虐」と言わずしてなんとする。
過去を直視しそこから教訓を汲み取ることを自虐史観とのたもう安倍君とその一党に訊いてみたいものである。
21Jul.2007
July 17, 2007
琴光喜・白鵬戦
少し早めにチェックインしたため結びの一番を観戦することができた。共に9戦全勝同士の関脇琴光喜と新横綱白鵬。双方充実を伝えられたし、解説者の予想も甲乙つけがたい様子。過去の対戦を観ても勝ったり負けたり、拮抗した好勝負をしてきた。しかし私は琴光喜の今場所の充実ぶりに目を瞠っていたので、もしかするとと思っていた。
結果は予想を超えていた。
琴光喜の取り口は完璧だった。立会いといい、上手を取って上手を取らせない組み方といい、投げの切れ味といい… 好調同士の実力者のマッチアップであれだけ決定的な差をつけて勝つとは驚きである。全盛期の千代の富士を思い出したことである。あす以降の成績がどうあれ、今日の一番は琴光喜の地力を実証するものとして記録に残るだろう。
17Jul.2007
結果は予想を超えていた。
琴光喜の取り口は完璧だった。立会いといい、上手を取って上手を取らせない組み方といい、投げの切れ味といい… 好調同士の実力者のマッチアップであれだけ決定的な差をつけて勝つとは驚きである。全盛期の千代の富士を思い出したことである。あす以降の成績がどうあれ、今日の一番は琴光喜の地力を実証するものとして記録に残るだろう。
17Jul.2007
July 14, 2007
ハノイでサッカー?
一昨晩ある同僚からメールがあって5日に彼に送ったはずの郵便物が届いていないという。重要書類が入っていたので、いっとき愕然、この24時間はいたたまれない気持ちで過ごした。
ところでいろいろ手を伸ばした末にきのうの夕方「気を悪くしないでもう一度1週間分の郵便物を一からひっくり返してみてくれ」とメールしたら、10時ごろになって「あった」と電話がきた。なんと一度開封したのを忘れて置き去りになっていたという。「ざけんなよ」と、声に出しては言わなかったが、そんな気持ちだった。
そんなこんなで、晴れ晴れとした気持ちでサッカー・アジア杯の対UAE戦を観た。高原や俊輔の期待通りの活躍はさておき、試合会場がハノイという事実に感銘した。ハノイといえばホーチミン、北爆、ベトナム戦争、ベトコンの街ではなかったか…
思えばあれからもう40年。40年も経てば街に国際試合のできるサッカー場ができてもおかしくないというわけだ。スタジアムの向こうには近代的な高層ビルの姿も見えた。傷跡や負の遺産はいろいろあるだろうけれど、「よかったな」とだれにともなく言いたくなった。
14Jul.2007
ところでいろいろ手を伸ばした末にきのうの夕方「気を悪くしないでもう一度1週間分の郵便物を一からひっくり返してみてくれ」とメールしたら、10時ごろになって「あった」と電話がきた。なんと一度開封したのを忘れて置き去りになっていたという。「ざけんなよ」と、声に出しては言わなかったが、そんな気持ちだった。
そんなこんなで、晴れ晴れとした気持ちでサッカー・アジア杯の対UAE戦を観た。高原や俊輔の期待通りの活躍はさておき、試合会場がハノイという事実に感銘した。ハノイといえばホーチミン、北爆、ベトナム戦争、ベトコンの街ではなかったか…
思えばあれからもう40年。40年も経てば街に国際試合のできるサッカー場ができてもおかしくないというわけだ。スタジアムの向こうには近代的な高層ビルの姿も見えた。傷跡や負の遺産はいろいろあるだろうけれど、「よかったな」とだれにともなく言いたくなった。
14Jul.2007
July 09, 2007
ウィンブルドン2007
既述のとおり私はもはやウィンブルドン大会の忠実かつ熱心なウォッチャーではない。ほんのつまみ食いをするだけになってしまった。昨夜の男子決勝も3セット終了時点で寝てしまった。
明けてみるとフェデラーが5連覇を達成していた。「やはり」というのが第一だが、ナダルの抵抗も壮絶で、つまりは現在このふたりが抜きん出ているということ。将棋では大局に名局なしというが、ふたりはいつも大局で名局を演じる。なかでも今回が最高ではなかったか。
女子では久しぶりにW姉が勝ったが、ふり返れば彼女に一番肉迫したのは森上だった。肉迫どころか彼女はテニスで勝っていたのに(ファイナルセット5−3までいった)、最後の最後、相手の名前に負けてしまった。返す返すも残念なことだった。(あんなあられもないショートパンツを穿く選手に勝たせてはいけない!)
杉山のシングルスには限界が見えてきたが、ダブルスには頭が下がる。パートナーをかえながらも四大大会で常にベスト8以上の成績を上げているのだから素晴らしい。
ウィンブルドンのたたずまいは変わっていないと書いたが。途中で気がついた。センターコートの光の具合や選手のウェアのそよぎが変なのである。よくよく見ると観客席を覆っていた濃緑の屋根がない!! 開閉式の屋根を架す工事の途中らしい。
サーブ&ボレーヤーが好みと書いたが、もうひとつ条件があって、バックをシングルハンドで打つというもの。最近はこれも少なくなってきた。ナダルの隆々とした二の腕を見て思うのだ。あれほど鍛えた腕力があるのならバックはシングルハンドで十分ではないだろうか。そうすれば守備範囲はもっと広くなる。
思えばボルグはこの条件にも反していた!? 不思議な選手である。
9Jul.2007
明けてみるとフェデラーが5連覇を達成していた。「やはり」というのが第一だが、ナダルの抵抗も壮絶で、つまりは現在このふたりが抜きん出ているということ。将棋では大局に名局なしというが、ふたりはいつも大局で名局を演じる。なかでも今回が最高ではなかったか。
女子では久しぶりにW姉が勝ったが、ふり返れば彼女に一番肉迫したのは森上だった。肉迫どころか彼女はテニスで勝っていたのに(ファイナルセット5−3までいった)、最後の最後、相手の名前に負けてしまった。返す返すも残念なことだった。(あんなあられもないショートパンツを穿く選手に勝たせてはいけない!)
杉山のシングルスには限界が見えてきたが、ダブルスには頭が下がる。パートナーをかえながらも四大大会で常にベスト8以上の成績を上げているのだから素晴らしい。
ウィンブルドンのたたずまいは変わっていないと書いたが。途中で気がついた。センターコートの光の具合や選手のウェアのそよぎが変なのである。よくよく見ると観客席を覆っていた濃緑の屋根がない!! 開閉式の屋根を架す工事の途中らしい。
サーブ&ボレーヤーが好みと書いたが、もうひとつ条件があって、バックをシングルハンドで打つというもの。最近はこれも少なくなってきた。ナダルの隆々とした二の腕を見て思うのだ。あれほど鍛えた腕力があるのならバックはシングルハンドで十分ではないだろうか。そうすれば守備範囲はもっと広くなる。
思えばボルグはこの条件にも反していた!? 不思議な選手である。
9Jul.2007
July 07, 2007
続・ウィンブルドン今昔
テニスのラケットが改良され、打球スピードがUPしたことでテニス界が失ったものがある。サーブ&ボレイヤーである。これはおそらく回復不能な喪失である。サーブがあれだけ速くなり、ときにそれを上回るようなリターンが返ってくるとなれば、サーブのあとネットにダッシュする者はいない。ふりかえればサンプラスが最後の(そして最強の)サーブ&ボレイヤーだったことになる。実はサンプラス最後の優勝の翌2001年にイワニセヴィッチが勝っているが、歴史的評価としては文句なしにサンプラスに軍配があがるだろう。
今から数十時間後にフェデラーがウィンブルドン5連覇を達成してボルグの記録に並んでいるかもしれない。そして彼が史上最高のオールラウンドプレイヤーであることを認めるにやぶさかではないが、それでも自分の嗜好はサーブ&ボレイヤーの系譜に向かう。古くはケン・ローズウォール、アーサー・アッシュ、タナー、ベッカー、エドバーグを経てマッケンロー、ラフターそしてサンプラス。このなかに全英を1度だけ制した(1991年)、我ながら渋い好みの、ミヒャエル・シュティッヒがいる。
1974年決勝でローズウォールがコナーズに負けたときには胸が痛んだものだった。彼にとっては4度目の決勝進出でそのすべてに負けたその最後の試合だった。しかも準決勝ではジョン・ニューカムと死闘を演じたあとだった。疲労困憊の30代後半の彼が20代前半の昇り竜に歯がたつはずがなかった。翌年の決勝で、飛ぶ鳥を落とす勢いのコナーズを今度はアーサー・アッシュが破ったときに快哉を叫んだことはいうまでもない。
この系譜に属さない選手で唯一心に残るのはやはりボルグである。彼には若いときから独特のオーラがあった。
ちなみに、フェデラーがボルグの5連覇に並んだとしても実はその先がある。ボルグは翌年の決勝でマッケンローに負けるまでウィンブルドンで41連勝している。またサンプラスは1996年をはさんで3連覇と4連覇計7回ウィンブルドンを制している。
7Jul.2007
今から数十時間後にフェデラーがウィンブルドン5連覇を達成してボルグの記録に並んでいるかもしれない。そして彼が史上最高のオールラウンドプレイヤーであることを認めるにやぶさかではないが、それでも自分の嗜好はサーブ&ボレイヤーの系譜に向かう。古くはケン・ローズウォール、アーサー・アッシュ、タナー、ベッカー、エドバーグを経てマッケンロー、ラフターそしてサンプラス。このなかに全英を1度だけ制した(1991年)、我ながら渋い好みの、ミヒャエル・シュティッヒがいる。
1974年決勝でローズウォールがコナーズに負けたときには胸が痛んだものだった。彼にとっては4度目の決勝進出でそのすべてに負けたその最後の試合だった。しかも準決勝ではジョン・ニューカムと死闘を演じたあとだった。疲労困憊の30代後半の彼が20代前半の昇り竜に歯がたつはずがなかった。翌年の決勝で、飛ぶ鳥を落とす勢いのコナーズを今度はアーサー・アッシュが破ったときに快哉を叫んだことはいうまでもない。
この系譜に属さない選手で唯一心に残るのはやはりボルグである。彼には若いときから独特のオーラがあった。
ちなみに、フェデラーがボルグの5連覇に並んだとしても実はその先がある。ボルグは翌年の決勝でマッケンローに負けるまでウィンブルドンで41連勝している。またサンプラスは1996年をはさんで3連覇と4連覇計7回ウィンブルドンを制している。
7Jul.2007
July 06, 2007
ウィンブルドン今昔
70年代から観始めたウィンブルドン中継。振り返れば30年にもなる。今では体のなかに刷り込まれた歳時記のようで、このイベントがくると、昔ほど熱心な観客ではなくなったが、ああ一年経ったのかと思う。
ボールの色を白から黄色に変えたこと、近年ラインジャッジに電子機器を使うようにはなったこと以外は、カメラの向こうのコートや観客席のたたずまいはロレックスのスコアボードを含めてほとんど変わっていない。さすがに頑固な英国気質を感じる。
若い頃は「ウェアは白を基調とすること」という服装コードに反発を覚えたものだが(さらに昔は一切の色が禁じられていた)、歳のせいか「緑に映える白」を基調としたのは正解であると得心できる。
男子のウェアのうちパンツが大きくゆるくなったのはプレーが激しくなったのにあっていて合理的に思える。ボルグ、マッケンロー時代のパンツはピチピチでいかにも窮屈に見える。
今年の女子選手を見てどうかと思うのが、シャラポワやウィリアムズ姉のウェアである。アスリートのウェアをヒモで吊ったり、フリルをつける必要がどこにあるだろう? W姉のショートパンツは男の目からだけではなく同性の目から見ても落ち着かなくてハラハラさせる代物ではないか。アスリートが無用にセックスアピールをしてどうする、と言いたい。その点、きのう準々決勝で逆転勝ちを収めたイワノビッチのウェアが清楚でオーソドックスで、知らず往年の名花マーガレット・コート選手(古い!)を思い出したことである。
とにかく道具の進歩によって打球のスピードが格段にUPしてしまった。男子は勿論、女子の打球のスピードでさえ、今では80年代のウッドラケット時代の男子の打球よりも速いはずである。かつてサンプラスが1980年のボルグとマッケンローの決勝の名勝負のビデオを観て「まるでスローモーションビデオ」を観ているようだった、とコメントしたのは有名だが、先日NHKのドキュメントを観て「まさしく」と思ったことだった。
そんな時代にウェアに機能性以外の要素を持ち込む余裕があるのか、と言いたい。
ウェア以外で女子の選手に注文をつけたいのはシャラポワやウィリアムズ妹に代表されるボールをヒットする際の嬌声、というか咆哮である。格式を重んじるオールイングランドクラブには、あれを是非インターフェアとして禁じてほしいものである。特にW妹の、ポイントを取ったときや試合に勝ったときの雄たけびは目に余る下品さだった。
6Jul.2007
ボールの色を白から黄色に変えたこと、近年ラインジャッジに電子機器を使うようにはなったこと以外は、カメラの向こうのコートや観客席のたたずまいはロレックスのスコアボードを含めてほとんど変わっていない。さすがに頑固な英国気質を感じる。
若い頃は「ウェアは白を基調とすること」という服装コードに反発を覚えたものだが(さらに昔は一切の色が禁じられていた)、歳のせいか「緑に映える白」を基調としたのは正解であると得心できる。
男子のウェアのうちパンツが大きくゆるくなったのはプレーが激しくなったのにあっていて合理的に思える。ボルグ、マッケンロー時代のパンツはピチピチでいかにも窮屈に見える。
今年の女子選手を見てどうかと思うのが、シャラポワやウィリアムズ姉のウェアである。アスリートのウェアをヒモで吊ったり、フリルをつける必要がどこにあるだろう? W姉のショートパンツは男の目からだけではなく同性の目から見ても落ち着かなくてハラハラさせる代物ではないか。アスリートが無用にセックスアピールをしてどうする、と言いたい。その点、きのう準々決勝で逆転勝ちを収めたイワノビッチのウェアが清楚でオーソドックスで、知らず往年の名花マーガレット・コート選手(古い!)を思い出したことである。
とにかく道具の進歩によって打球のスピードが格段にUPしてしまった。男子は勿論、女子の打球のスピードでさえ、今では80年代のウッドラケット時代の男子の打球よりも速いはずである。かつてサンプラスが1980年のボルグとマッケンローの決勝の名勝負のビデオを観て「まるでスローモーションビデオ」を観ているようだった、とコメントしたのは有名だが、先日NHKのドキュメントを観て「まさしく」と思ったことだった。
そんな時代にウェアに機能性以外の要素を持ち込む余裕があるのか、と言いたい。
ウェア以外で女子の選手に注文をつけたいのはシャラポワやウィリアムズ妹に代表されるボールをヒットする際の嬌声、というか咆哮である。格式を重んじるオールイングランドクラブには、あれを是非インターフェアとして禁じてほしいものである。特にW妹の、ポイントを取ったときや試合に勝ったときの雄たけびは目に余る下品さだった。
6Jul.2007