August 2009

August 28, 2009

『単純な脳、複雑な「私」』

リーマン予想にどっぷりつかる前、7月にはこの本を読んだ。初夏に出た直後から、書評子が一斉に激賞した話題の本だ。著者池谷裕二の前作『進化しすぎた脳』も数年前に読んだことがあるが、少し「軽すぎ」との印象のみが残った。

それにしても今回のタイトルは卓抜ではないか。書評はひとつも読まなかったが、このタイトルだけで読もうと思った。今風にいうと、クール!!

著者の語りの軽さは相変わらずだが、軽さのなかに凄味が出てきたのが、前作を読んでいるだけによく分かった。

脳の個々のトピックには、自分なりに前提知識があるため、そんなに驚かなかったが、最新の実験データや論文の紹介が新鮮だった。

なかで一番感心したのは「生命」の定義。高校生にいろんな定義を出させてひとつひとつつぶしていったあと、彼が提出した定義に思わずうなってしまった。

「違和感なく「生命」だと感じたら、それが「生命」」

このゆる〜い定義は、一見いい加減に見えるが、しかし、いままで読んだどんな定義よりもすっとこちらの腑におちたのだ。タイトルに負けず劣らずクールだと思った。
28Aug.2009

live_on1 at 18:57 

August 24, 2009

リーマン予想150年

きのう『素数に憑かれた人たち』を読み終えた。『素数の音楽』、『リーマン博士の大予想』と続けた読書だった。いずれも再読である。雨にたたられた今夏前半、ピーカンの後半、最良の銷夏法だった。

上の3冊はいずれも「リーマン予想」と称される数学界の難問中の難問を扱っている。この予想がベルンハルト・リーマンによって提示されたのは1859年の8月だった。いまがちょうど150年目の夏である。

RHと略されるこの予想は1900年に宣言されたヒルベルトの23の課題の8番目だった。このときでさえすでに41年も経過していたのだ! 「そのうちに」との期待も空しく20世紀を素通りし、いま150周年を迎えたわけである。2000年には7つのミレニアム問題のひとつにも数えられた。

20世紀といえば世界大戦が2度起こり、ライト兄弟が初飛行してから60数年後には月へ人を運んでいた。特殊相対性理論からわずか40年で人類は原爆を使っていた。そして357年かかったフェルマの最終定理も1990年代には陥落した。

そういえばもうひとつ長命を誇っていた「ポワンカレ予想」も数年前に解決をみた。

しかしRHは生き延びているのである!!!

この難問がいつだれによって解決されるか、家族の行く末を除けば、これが個人的には最大の関心事である。あえてもうひとつ挙げるなら、北朝鮮がどんな大団円を迎えるか、ぐらいか。

勝手な希望は自分の頭がふつうの理解力を保っているうちに解決してほしいというもの。それにしてもこれが解決してしまったら、それはそれでたとえようもない不幸のような気もする。

ん、だれにとっての…??
24Aug.2009

live_on1 at 12:31 

August 23, 2009

黄色い線の内側???

「これって私だけ?」シリーズのひとつ。

きのうマンションの納涼祭打ち上げでためしにぶちあげてみた。同感者がひとりいたのでほっとした。

いつごろからだろうか、電車のホームであの注意放送が使われだしたのは?

「黄色い線の内側をお歩きください」

あれを聞くたびに、体が電車(レール)側に吸い寄せられる感じがするのだ。内側というのはレール側ではないのか、と。

「線路に人が立ち入ったため…」というではないか。立ち入るのは「内側」だろう。

「電車に乗り込む」のもそこが中だからだろう。一番違和感を感じるのは電車を降りて歩きだしたときにあの放送が流れるとき。電車の外に出た、そのときのベクトルの先をさして「内側」と言われるからである。

ダメを押そうか。駅の構造全体を思い浮かべるとき、その中心に位置するのは何か?

レール以外の何でもないだろう。駅はレールを中心に作られている。そこが内側であろう。
23Aug.2009

live_on1 at 13:40エッセイ 

August 19, 2009

憲法25条とグローバリズム

ところで「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とした日本国憲法25条とグローバリズムは整合するだろうか?

言い換えると、これは経済と政治の歩調の差に由来する問題である。多国籍企業、ボーダレス経済等々、前者の歩調は軽々と国境を越え、既成事実を積み上げてしまう。EUという偉大な実験場はあるが、さすがに憲法問題は片づいていない。政治はあくまでも国境に縛られたままである。

「文化的な」といったとたん、それは国境を想起させずにはおかない。しかし、国民はボーダレス経済のただ中にあって当然のように海外労働者との賃金競争にさらされてしまう。農作物も同様。食糧自給率の問題も、昨今の格差問題もこうした経済と政治の速度差がもたらした軋轢である。

サブプライム破綻も国境を軽々と越えて広がった。アメリカの金融工学の専門家たちはグローバル経済にFRB、すなわちラスト・リゾート、がないことを知りながら、リスクの高い商品を売りまくった。これは「未必の故意」による犯罪を構成しないのか、と言いたくなる。かれらが訴追されたというニュースが聞こえてこないのはなぜか?

この場でも何度か触れたが、グローバリズムは無条件の善でも、瑕疵のないシステムでもない。「憲法」という思想がいまだ一国憲法の域を脱していない現状では、それをなんと表現するかは別に、保護主義的調整が必要なのではないか。「文化的最低限」を担保するために。
19Aug.2009



live_on1 at 17:38政治・歴史 

August 15, 2009

世襲について

世襲タレントに世襲議員。世襲が問題になっている。

前者はさておき、世襲議員の総理が4人も続いた現在、日本人もようやくその弊害に気づいたか。

ところで世襲問題のスペクトルのもう一方にはもっと深刻な問題が横たわっている。貧困の世襲である。これが定着してしまったら、貧困は絶対貧困となり、憲法25条はそれこそ反故となってしまうだろう。

次の政権はいよいよ民主党で決まりだろうが、4年間消費税を上げないなどと、みずから政策選択の幅をせばめてしまっていいのだろうか? やきもきさせることである。
15aug.2009

live_on1 at 08:42政治・歴史 

August 03, 2009

初夏の風

タイトルは「はつなつのかぜ」と読む。

男の抒情、男のロマンチシズムが結晶化したような詩に出遭ったので書きとめておく。

 かぜとなりたや はつなつの
 かぜとなりたや かのひとの
 まえにはだかり かのひとの
 うしろよりふく はつなつの
 はつなつの かぜとなりたや

作者は川上澄生という詩人画家。
3Aug.2009

live_on1 at 17:29エッセイ 
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