August 2014

August 31, 2014

寝死に 吸殺し ひしぎ殺し

図書館の予約本を待つあいだのうめぐさに岩波文庫の今昔物語集・本朝部を読んでいる。いまは下巻・巻第二十七霊鬼。

上巻は入信話が続いて退屈したが、中巻あたりからは面白くなってきた。なにがいいかといえば、文章が晦渋でなく、あくまでも具体的な描写のなかに現代に通ずる心の動きが垣間見えること。

第四話:物の怪が出るというので、ある兵(つわもの)が退治に名乗りをあげる。見事に射落として見せたのだが、「其の夜、寝死になむ死にけり」。この手の話の決まりごととして、この男は死後、「馬鹿なことをして」とそしられるのだが、自分は実にうらやましい死に方、と思ってしまった。

第十七:ある屋敷に妻と泊まったところ、妻が奥の部屋に引き入れられて開かずの戸となる。にっちもさっちもいかず夜になって斧で切り開くと、妻はくたくたの袋のようになって衣紋掛けに掛けてあった。「鬼の吸殺してけるなめりとぞ…」

第十八:板と現じた鬼が、五位侍を「真平に(ひしぎ)殺して置きたりけり」


吸殺し・ひしぎ殺しなどという方法を想像しえた物語作者の創造力に脱帽。


繰り返し出現する京の通りの名が、長い時のひだのなかに織り込まれて重なり合い、結果今も京都の街なかでトレースできるというのも不思議な感興である。
31Aug.2014


live_on1 at 15:44 

August 30, 2014

記事の削除とお詫び

きょう辺見庸ブログで私事片々が再開されていた。

よって、当グログ8月22日の『どうも事件らしい!』の内容を不適切と判断し削除した。

「あくまでも推測」と断ってはいたが、某Sブログと表記したSeesaaブログに対して非礼なことを書いてしまった。ここに謹んでお詫びする。


決して多くない読者にも不快な思いをさせてしまったが、どうか孤立老人の被害妄想とお嗤いいただきたい。


愚痴をひとつ。過去ログをすべて削除するテクをお持ちなら、辺見にはひと言その旨の告知を書いてほしかった。

とまれ、みずからの狼狽ぶりや恥のことよりも、辺見の「私事片々」が書き継がれそうであることがなによりの慰めである。
30Aug.2014

live_on1 at 21:14 

August 29, 2014

歴史認識 状況証拠 想像力

《コワモテのお兄さんたちが土足で他人の家に上がり込む。手には武器をガチャつかせている。すると住人から飲み物や食べ物が出てきた》

この状況下、お兄さんたちが「向こうが勝手に饗応したのであって、強制した覚えはない」。さらに「強制があったというなら証拠を出せ」。

朝日新聞のいわば敵失に乗じて勢いを増す安倍くんら保守政治屋や右翼の面々の従軍慰安婦問題にまつわる主張にはこうしたおかしさがある。

歴史認識には、刑事事件に求められるようなハード・プルーフ(あればそれにこしたことはないが)よりも、状況証拠や想像力のほうが大切な場合が多い。

既述だが、当時の日本の軍隊は組織ぐるみの体罰とイジメとリンチの集団だった。自国の兵士の「命を鴻毛よりも軽し」と断じて、それを文字通りに実践した(その極限が特攻だった)集団だった。

そんな男たちが、侵略した他国のしかも女性をどのように見下し、扱ったであろうかは、中学生程度の想像力があれば分かることである。(ここまで書いてきて唐突に想像力とは無縁そうな高市早苗の顔が浮かんで気色が悪い)

2014年8月10日、この問題に関する実に勇気のある、簡にして要をえた発言がなされた。神奈川新聞社説「慰安婦報道撤回 本質は強制連行にない」である。消えた辺見庸のブログで(消える寸前に)知った。まだまだ骨のあるメディアがあったのだと知ってうれしかった。若い人たちには是非一読してほしい。


もうひとつは、1937年7月の盧溝橋事件。日中戦争の引き金となった事件だが、これについての外務省HPの説明に辺見庸は腰を抜かしたという。自分は直接アクセスするのは控えたが、ウィキペディアを覗いてみた。

前者のほうは「また聞き」だが、ウィキの既述はHPについての辺見の報告に酷似。事件当日の細かい、それこそ分刻みのやりとりの記述があって(そのなかには不幸な行き違いや誤解、いな故意の誤解もあって…)、結果、日本軍は「自衛」のために攻撃したとくる。

関東軍が満州に侵略して傀儡政権を立て、中国ににらみをきかせていた、という大状況を捨象もしくは不問に付したうえで、どんなに詳細な事実を羅列しようが、歴史認識とは言えまい。

これもちょっとした想像力の問題だが…

九州を中国の軍隊が支配下に置き、九州国を立てて関門海峡に緊張が走ったとする。なにかの行き違いで下関の日本守備隊が発砲したとする。これこそ「自衛」の行為ではないのか? この発砲を口実に山口に攻撃を仕掛ける中国軍がそれを「自衛」と主張したら、…

安倍くんら歴史修正主義者たちはどんな顔をするのだろうか???


外務省HPがウィキをコピペしたのか、ウィキが外務省HPをコピペしたのか知らないが、… いずれにせよ、むずかしい試験をパスした俊秀たちが、良心を漂白されるとどこまで堕ちることができるかの証である。

否、こうした「歴史認識」が英文でも公開されているとすると、これこそ国辱である。
29Aug.2014

live_on1 at 15:18政治・歴史 

August 25, 2014

秋の気配

夏(休み)の間はなんとなく日が長いと思い込んでいるが、夏至はすでに2ヶ月前のこと。日は確実に短くなっている。

けさ鉢植えのアサガオが三輪咲いた。いままでは咲いても一輪だった。思えばアサガオは秋の花である。

***

このところの豪雨のこと。

まるで関東を遠巻きにするように、西日本、北日本を襲った豪雨とその被害の報道を見るにつけ、突飛な連想だが、こと天候に限っては家康は良い土地を選んだと思う。

大震災もあった。大空襲と大火災にも見舞われた。しかし、こと天候に限っては、江戸東京は冬のピーカンとともにここ数年各地を見舞う豪雨被害をなんとなく免れているように思う。

こうした楽観が富士山噴火や直下型地震によって吹き飛ばされないことを祈るのみ。
25Aug.2014




live_on1 at 13:52エッセイ 

カブス和田のナイスコメント

MLBカブスの和田が古巣オリオールズに勝って自身4勝目をあげた。

オリオールズと契約して海を渡ったものの故障が続き、肘の手術。結局メジャーのマウンドに立つことなく退団(放出)。

この日はア・リーグ東地区で首位を走るオ軍に快投。6回までノーヒッター、7回にホームランを浴びて降板したが、自身最多の8奪三振。

試合後のコメントが良かった。(長かった雌伏の時を思うと、グッとくる)

「オリオールズが獲りたかった投手はこんな投手だということを示したかった」。

7回一死、喝采を受けさせるために途中で降板させる慣例のもと、マウンドからベンチに戻る和田にスタンドディングオーベーションが起きたのはいうまでもないが、そのことを和田は「相手チームに申し訳ない気がした」と、あくまでも奥ゆかしい。

オフの補強をにらんで各球団は注目し始めたはず。

是非勝ち続けてほしい。
25Aug.2014

live_on1 at 11:14 

August 24, 2014

準決勝の壁は厚かった

そして高かった!

それにしてもスポーツ紙はなぜ「北陸勢」といわず「北信越勢」の快進撃というのか? 長野県や佐久長聖にケチをつける気はないが、2回戦をそろって突破したのは北陸4県ではないか。

そのうち福井と新潟の2校がベスト4に残ったのは北陸出身者からみれば快挙中の快挙である。しかし…

実は初戦を観て、これはもしかしたらと思ったのは敦賀気比だった。切れ目なく打ちまくる打線は出色で、平沼投手はタフで精神的にも強そうだったから。

初戦は早々に勝ちが見えたので、途中で見切ったら、あとで聞くと16−0の試合を平沼ひとりに投げさせたというではないか!

この采配について「暗部」と書いた。書き過ぎかとも思ったが、きょうの大阪桐蔭戦の平沼のガス欠を見ると、やはりあのとき途中交代させていたら、と悔やまれる。

それにしても5試合で58得点は胸を張っていい数字である。平沼はまだ2年生というから来年が楽しみである。きょうの敗戦後もかれは泣いていなかった。
24Aug.2014

live_on1 at 22:58スポーツ 

August 21, 2014

事故か事件か?

きょう辺見庸のブログがTOPページだけを残して中身(「私事片々」ほか)が空っぽになっているのを発見。

事故か?

事件か?


!!!???

21Aug.2014

live_on1 at 22:22 

August 18, 2014

北陸勢 ほんとにどうしたの?

北陸4県のチームがなんと2回戦もそろって突破。

なにか悪いことでも起きなきゃいいが、と爺さんの心配性が顔を出す。

***

夏の甲子園。

トーナメントのドローを最初に確定しない方式をいつまで続けるのか? 何十年観てきてもこれだけはなじめない。日程による運不運がありすぎて、なにがメリットなのかがよく分からない。選手の体調管理に無理を強いるだけではないか。

***

敦賀気比の初戦、大量リード下でのエース完投を暗部と書いたが、もうひとつ高校野球指導者の頭の堅さを物語るのが、セカンドとショートのゴロ処理における「逆シングルNG」説である。

セカンドとショートの右に飛んだゴロを正面で取れというのは、実際には不合理が多い。右脚で踏ん張って取ったはいいが、ファーストに投げるためにワンモーション余計にかかってしまう。逆シングルなら、自然に身体が回転して投球動作に入れる。

今大会でも、無理やり正面で取りにいったために一塁セーフになったケースを4、5回は見ている。

逆シングルは技術的に難しく、エラーの帰結が大きくなるというが、それ相応の練習時間を割けばいいだけの話。

以上、WBCのときの名解説桑田の受け売りである。

***

BS朝日の中継で感心したのが、山梨学院監督の吉田の解説。いろいろあるが、明徳義塾の三塁コーチに立った少年(背番号13)の指示の的確さを褒めたこと。

ストップの指示もゴーの指示も、難しい場面だったが、じつに的確だったと。実績のある学校は控え選手も侮りがたいと。

こんなところに目の行く解説もめずらしい!!!

ちなみに、明徳義塾の13番は新谷大樹という。
18Aug.2014

live_on1 at 23:14スポーツ 

続 後世たのむに足らず

兵站の軽視を大和魂と気合で置き換え、「命は鴻毛よりも軽し」や「生きて虜囚の辱めを受けず」などの極限倫理で兵士を追いつめた帝国軍隊上級幹部の戦後はどんなに立派だったか。

やつらは無条件降伏と同時に軍需物資、設備等、国家資産の略奪をほしいままにし、蓄財をはかったのである。稚拙なこの国(の政府、軍部)が、戦争終結時の手続きに胡乱だった間隙を狙ったじつに悪質な犯罪行為だった。

さらに、最近井上ひさしの小説『一週間』で知ったのだが、敗戦後、シベリアに抑留された、その刑務所での高級将校たちの行動。

無条件降伏と同時に軍は解体されたにも関わらず、刑務所の中に旧軍の階層序列を持ち込み、高級将校たちは牢名主よろしく、兵の食糧をピンはねして兵を衰弱あるいは餓死に至らしめ、抗議をするとリンチをしたという。


こんな先人の非を非とし、犯罪を犯罪と認識することを「自虐史観」と難ずるこの国のシュショーや右翼、歴史修正主義者とは何者なのか!? ここにも倒錯がある。

非を是とし、犯罪を覆い隠すやつらこそがこの国の名誉を汚している。


ふと、こんな場面を想像する。シュショーAら右翼の面々が戦死した兵士の亡霊と対峙するのだ。

シュショーA : 立派に戦って国に殉じたあなたは偉かった。まさに日本人の鑑です。テンノーヘイカもお歓びです。

亡霊 : 立派に戦っただと! 連日ひもじい思いをさせられて、おまけにひっきりなしにわけもなく殴られてよぅ。武器をとる前に死人同然だったぞ。無駄死にも無駄死に。国もテンノーヘイカもあるものか。日本人の鑑なんかクソ喰らえ。ただただかあちゃんと子供のもとへ帰りたかったゾ。

シュショーA : お言葉ですが、われわれは毎年靖国に詣って、ご冥福を祈っております。

亡霊 : バカヤロー! そんな暇があったら、ろくな戦争指揮もできねえくせに戦争をおっ始めたやつらを特定しろ。あいつらをとことん夜郎自大にさせたテンノーヘイカとやらの責任を明らかにせぇ。69年間も何をやってただ〜!? 

シュショーA : ……

18Aug.2014


live_on1 at 18:39政治・歴史 

August 16, 2014

後世たのむに足らず

大日本帝国軍隊はどんな組織であったか。

私刑、ビンタ、虐待など組織的体罰が荒れ狂う軍隊であった。ふたことめには気合注入といって棍棒でケツを殴り、わけもなくビンタをふるった。ときには靴の底で。こうした私刑で亡くなったり、片輪にさせられた兵も多かったという。

兵士は兵力である。せめて戦闘に従事するまでは温存するという配慮もあらばこそ、…

その延長上に食糧も与えない行軍(インパール作戦)や補給要請を無視しして見殺しにしたアッツ島玉砕があり、最後には効果を度外視した「死んでこい」の特攻があった。

こんな理不尽なことがなぜ可能だったかといえば、虐待する側には常に「オレの命令はテンノーヘイカの命令だ」という思い上がった口実があったから。

結果、軍人にかぎっていえば、先の大戦では、戦闘による死者よりも飢餓による死者の方が多かったと言われているのだ。


虐待や飢えで死んでいった兵士の恨みは想像にあまりあるが、知ってか知らずか、これに頬かむりする靖国恋々の安倍一統や超党派議員たちは一体どっちの立場でどっちのためにお参りをしているのか??? 虐待者側、それとも虐待された兵士の側?

肝心なのは、この問いが、戦犯云々とも東京裁判の正当性云々とも、さらにはこの戦争の大義云々とも、一旦独立にたてられることである。

「国に殉じた方々」とか「英霊」といった抽象的美辞でもって虐待被虐待の事実を覆い隠すことは死者に対する二重の冒とくである。


草場の陰の兵士たちは、ろくな成算もなく始められた戦争で、めちゃくちゃな作戦と野放図な暴力によって無駄死にさせられたのに、後世はその無念を晴らしてくれると思いきや、虐待の張本人たちと一緒くたにされ、宙吊りのままいつまでも成仏できずにいる。

後世たのむに足らず。

16Aug.2014





live_on1 at 22:40政治・歴史 
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