November 2016

November 28, 2016

コント55号結成50年

どっちが先だったか忘れた。11月の初雪は54年ぶりと聞いて驚いていたら、BSプレミアムで「コント55号結成50年」の特番があったので録画した。

目の粗い古びた映像もなんのその、どのコントを観ても斬新な面白さがあり、腹をかかえて笑っている自分にびっくり。流れた時間が吹っ飛んで、今とあの時がショートしたような…


昨今「キングオブコント」とかなんとかが脚光を浴びているが、観ていて首をかしげたくなるような、やたらと奇を衒いすぎて、かつやたらと声が大きい、要するに痛いコントが多いと思っていて、それはもっぱらこちらの感覚が歳相応に錆びてきたからだろうと謙遜していた。

そんなとき、コント55号のコントを観て、自分の笑いのツボも案外捨てたものではないと思えた。と同時に、あんなコント、コンビにはもう二度と出遭えないだろうという寂しさも感じたことだった。
28Nov.2016

live_on1 at 22:52TV 

November 27, 2016

フィデル・カストロの死

享年90歳。いろんな意味で待望されていた死ではなかったか。本人は最後まで「自分の業績は歴史が評価してくれる」と自信満々だったとか。

ひとりの男の人生が、1000万の、しかも幾世代かの国民の人生を、50年の長きにわたって貧困と政治的抑圧のなかに塩漬けにした罪業をだれがどうやって贖えるのか!?

70年代だったか80年代だったか、著者も忘れてしまったが、あるキューバ・ルポを思い出す。曰く、結局のところキューバとキューバ国民をぎりぎりのところで生き延びさせているのは、ソ連からの支援を除けば、自然の景観と革命前からあった建造物や史跡という観光資源(外貨獲得源)のみ。いずれも「革命の成果」ではなかったという皮肉!


共産主義の歴史的評価はすでに定まっているが、思うに一番の罪は言論の自由の封殺と、必然的に政治犯をつくりだしてしまうこと。

この国にもまだその名を冠した政党が存在するが、そしてたまにいいことも言うのだが、いまもって全幅の信をおくには至らないのも、上記を踏まえれば当然のことである。
27Nov.2016

live_on1 at 15:13政治・歴史 

November 19, 2016

アベノミクスの破綻

経済界の仲良し連中を迎えてあの男が賃上げの要請をした。4年連続だそうである。要請といえば聞こえはおとなしいが、要するにこれは政治的圧力である。

経済政策としてのアベノミクスがうまくいっていれば、こんな必要はないわけで、圧力をかけなければ立ちいかないほど政策として破綻しているということ。こうした議論が出ないのも不思議な国である。

長テーブルをはさんで向き合ったかれらの図は、まるでヤクザの大親分が小親分らを前に脅しをかけているようなもの。

「へへぃ」といって組に帰った小親分はたち、こんどはれっきとした親分として下に向かって睨みをきかす。表面上数字は上がるが、その反動が恐ろしい。例によってナンバー1の顔色を見て仕事をする下々は、「賃金を上げた」んだからという理屈で、そのまた下々に陰に陽に圧力をかける。

労働基準監督署がいくらがんばってもこの国から過重労働、サービス残業がなくならない道理である。


「働き方改革」だと!? クソ喰らえ、と若者たちは怒らないのか。韓国のデモを面白おかしく眺めている場合ではない、と思うのだが…
19Nov.2016

live_on1 at 11:34政治・歴史 

November 14, 2016

二大政党制は二党独裁制(?)

今回の米大統領戦を worse と worst のドロ仕合いと観ていたら、なんと worst が勝ってしまった。

米ABCの選挙特番を聞き流していたら、あるコメントが耳に止まった。曰く、

「トランプに投票した多くの人の動機はトランプを大統領にしたいというより、ヒラリーを大統領にしたくなかったからであり、逆もまたしかり」と。あえて補足するなら、後者の多くは「サンダースがもっと若かったら…」と歯ぎしりしていたことだろう。


絶対善のように思われていたグローバリズムの進展は、つまるところ、先進国の中間層を崩壊させ、格差社会の深化を助長するだけということが明らかになりつつある。グローバリズムがおいしいのは大企業(の経営者)と富裕層、そしてそこから甘い汁を吸い上げる政治屋のみ。

のみならず、環境問題、高齢化問題、移民問題など、一国が抱える問題は多岐にわたり、利害はますます複雑の度を加えている。それらを二大既成政党が拾いきれているかというと、ちょっと違うのではないか。

それが、トランプが共和党から、サンダースが民主党から鬼子扱いされた理由だろう。

だからトランプでよかったと言いたいのではない。目詰りを起こした共和・民主両党のパイプをあふれた大量の水が、ポッと出のトランプという空虚なバイパス(=ポピュリスト)に流れ込んだのがアメリカの不幸であり、世界の災難だった。

アメリカは中国の体制を一党独裁と見下しているかもしれないが、みずからの二大政党制も抜きがたい制度疲労をかかえた二党独裁に陥っているのではないか…?


などと妄想をつらねているところへ、折よく Tzvetan Todorov の Les Ennemis intimes de la democratie (邦題『民主主義の内なる敵』)が届いた。
14Nov.2016

live_on1 at 11:18政治・歴史 

November 11, 2016

灯台もと暗し

老老共働きのわが家。なんとか非番の日が重なるのを待って紅葉狩りに出かけた。早朝に車を駆って表富士まで。

先日チャリで登った富士山スカイラインを今度は車で富士宮口五合目まで。やはり時機を逸したか、葉はほぼ落ちてスカスカだった。濡れ落葉は道路際にうず高く積り、チャリの時にこれだったら危険だった。

このまま帰るのも癪なので、須走経由、山中湖、道志みちを回って帰ることに。途中いい機会なのでふじあざみラインを拝んできた。

富士山五合目に達する3本のコースのうち、ここは最悪(?)の激坂。縁がないと思いつつも、一度見ておきたかった。スカイラインでがっかりした紅葉はこちらの方が見栄えがした。紅葉のトンネルの向こうに雪のショールをまとった富士の頂きが望め、家内はさかんにシャッターを切る。

無縁といいつつ、こっちはついヒルクライマーの目で見てしまう。聞きしに勝る勾配はともかく、道路環境は、上半分は工事のため閉鎖されていて半分しか見ていないが、3本の中で一番だった。路面はきれいで、なにより両脇に広い空間が設けられているせいで、スカイラインのような落ち葉の堆積は皆無。

はね返されるのは承知の上で、一度はクライムしたい、と思わせる坂だった。



ところで紅葉のこと。

早くに出かけたおかげで昼過ぎには帰着できたが、顔を見合わせて笑ったのは、わがマンションの中央道路にかぶさる錦繍トンネルがこの日最高の見ものだったこと。
11Nov.2016

live_on1 at 22:03 

November 04, 2016

ゴーマン石原のこと

いまをときめく小池劇場。豊洲の「盛土問題」は元市場長ら8人を戦犯として幕を下ろすのか。

マルクスは「二度目はファルス」と喝破したが、この国では何度でも繰り返される。本当の黒幕を免責する悪弊が。(唯一の例外は松本智津夫のみ!)

TVのニュース番組はザッピング中に立ち止まって観る程度だが、MCやコメンテータのくだらない発言はミュートにするならい。例外は当事者たちのVTRが流されるときのみ。

盛土問題で焼きついているのは、ゴーマン石原が記者会見で技術委員会の盛土提言に「なぜか」難癖をつけるシーン。「私は素人だから」と保険をかけておいて、「知人(謎!)の専門家によれば盛土なんかより、地下空間を作ったほうがずっと安上がり、云々」と、例のイライラ顔でのたもうた。

この映像は一度見たきりだが、TV各局はなぜ責任問題を報じる際にこれを繰り返し流さなかったのか(犯罪報道ではいやほど見せるのに…)。どんな弁明よりこの映像が雄弁ではないか。本人は記憶喪失を主張するが(記憶もおぼつかない御仁が数十年前の男を持ち上げる本を上梓したのも笑止)、このVTRを本人に見せて記憶を助け、解説をお願いすればよかったのだ。

上記のタレ込みには大きな疑獄が隠れている蓋然性が高いわけで、これを追及しないメディアの腰抜けにはぶざまを通り越して共犯性さえ感じる。この国のジャーナリズムのスクープ力はもしかして週刊文春と男女問題に独占されてしまったか。

「省みて、あのときどうするのが正しかったのか、いまもってわからない」とは元市場長の言。

ここには、役所だけではないが、この国の大組織のマネジメントの宿痾がのぞいている。

どんなに立派に規定されたプロセス、プロシジャがあろうが、本当に大事な決断はナンバー2(以下)がナンバー1の顔色を見て下すという… このとき、ナンバー1の部下を見下すイライラ顔や恫喝は記録に残らない。

元市場長の繰り言は、プロシジャを盾にナンバー1(ゴーマン石原)と闘わなかった男の未練である。


余談だが;

−ゴーマン石原が小池ほかの追及をうけて逆ギレし、血管ブチ切れで悶絶するところを見たかった。

−ゴーマン石原が、かつて、これもおそらく「知人」の使嗾でつくった素人銀行が何百億の損失を出したときのメディアの追及も不思議なほど腰が引けていたなぁ。あれに比べれば、舛添の公私混同など、クロはクロだが、可憐なものである。
4Nov.2016



live_on1 at 10:52政治・歴史 

November 03, 2016

生活感がなにか…

「生活感をなくすために…」

「生活感が見えるといやなので…」…、etc.

最近TVのお宅探訪ロケでよく耳にするセリフ。「生活感」がすっかり悪者になっている。非日常をもとめて訪れるリゾートホテルや旅館でならともかく、我が家で生活感を隠すどんな意味がある!? 一級建築士までがほぼ例外なくこのことばを繰り返すのには驚く。

生活感を乱雑さや物の氾濫と混同していないか。整理された清潔な生活感はありうると思う。

***

米大統領戦のこと。ここへきてトランプの過去のセクハラが問題化しているが、してみると、これで支持を取り下げた元支持者たちはいま初めて知ったということか? (初心すぎるだろ!)

自慢じゃないが、何千km離れた極東の爺さんはトランプが予備選で吹き始めた当初から、この男はこんな男だと見抜いていた。セクハラ・女性蔑視報道になんの意外さも驚きもなかった。

ひるがえってヒラリー・クリントン。

政治的実績のある彼女が、あんなセクハラ爺と「接戦」している図は他所事ながら寒々しい。ヒラリーもよほど人望がないということ。

いずれが当選しても、史上最低の大統領ということ。なにより、任期早々に70歳を迎える老害が懸念される。任期全うもおぼつかない。

8年前、40代の大統領を選んだ国の衰退・老化をわれわれは見ているのか。かの国にこのふたり以上の人材がいないとはにわかに信じがたい。


他人事ではないが、民主主義の脆弱さを思い知る。韓国やフィリピンのことをあげつらっている場合ではないのである。
3Nov.2016

live_on1 at 09:20エッセイTV 
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