January 2018

January 28, 2018

西部邁の入水死

西部の訃報(享年78歳)を読んでまず思い浮かべたのが、冷徹な論理と自覚のもとに自死した須原一秀(享年65歳)とその絶筆『自死という生き方』だった。

西部も須原と同じく『葉隠』の山本常朝に傾倒していたらしい。「自然死に尊厳ある死はない」と見切っていた点も似ている。もしかしたら西部は須原の著を読んでいたかもしれない。

自他ともに認める保守の論客であるから、いろんな意味で遠い所にいる人だったが、遠いながらもなぜか不穏な雰囲気が気になる人だった。よってこのたびの死に方も「なるほど」と思わせるような印象がある。

よくよくおこがましいことは承知のうえで書くと、西部は思想的には対蹠点にあり、論理のプロセスは段違いなのだろうが、なぜか結論的に似てくるところがあった。例えば、アンチ安倍、アンチ日米同盟、「日本人=サル山」視、etc.

Anyway、冥福を祈る。

合掌。

28Jan.2018


live_on1 at 22:27エッセイ 

January 27, 2018

うがい手洗い、だけでなく

今季のインフルエンザはA型B型並行して猛威をふるっているらしい。

孫ふたりも年明けすぐに罹患。6歳の孫、ついで8歳の孫といずれもBの判定。おかげで家内も自分も変な風邪の症状に悩まされた。

権威に寄りかかって自分の頭は使わないこの国のTVでは、決まって局アナが医師のオウム返しで、「(予防のため)うがい手洗いを忘れずに」を連呼する。

もちろん、うがい手洗いの有効性を否定する気はないが、昨今、そうした潔癖習慣が子供たちの免疫力を弱めたのでは、といううがった説もある。実際孫たちは、手洗いを励行しているが、毎年罹患しているし(ひとりは律義にAとB両方かかったことがある!)、洟たれ小僧がいっぱいいた昔はそもそも学級閉鎖なんて聞いたことがなかった。


そこで偏屈じじいの偏屈提案である。

こんな猛威のなかでも罹患しない子供たちがいるわけで、そうしたインフルエンザと無縁な子らの生活習慣を継続して追跡調査してはどうかというもの。ありそうで聞いたことがないが、なんらかの傾向性が抽出できるのではないか!!
26Jan.2018

live_on1 at 08:58エッセイ 

January 26, 2018

トイレに八日間て…!

自宅トイレに8日間とじこめられていた独居女性(63歳)の話をふと思い出した。TVの特番で観たのだった。

あまりの長さに最初耳を疑った。

廊下に立てかけてあったこたつ。廃棄予定でケースに入れていたのが倒れ、それがちょうど廊下の幅と同じだったために、トイレのドアを押さえるようにぴたりとはまってしまったという。

8日間!!

手水と置いていた清めの塩を舐め、ときどきスクワットをしながらひたすら待ったという。感心したのは、一度も最悪のことは考えなかったということ。あらためて女性は強いなと思う。これが男性だったら、あるいは自分だったら、と空想してみる。

膂力があれば、ドアに体当たりして叩き壊すという選択肢もあるが、それがかなわないとして、自分なら生還できただろうかと自問する。閉所恐怖もあって、二三日で精神的に参ってしまうのではないかと… さらに、仕事も近所つきあいもなく、ひんぱんに音信を交わす友人もなかった日には、…?

MCがひたすら笑いをとりたがるさんま、加えてひな壇の芸人たちの質問がどっ散らかって、訊きたいことがきけないもどかしさがつのったが、当人の受け答えは簡にして要をえていた。(ずんの飯尾が早々に「助かってまず何を食べたいと思いました?」と訊くと、「え、もうそこへ行きます!?」と切り返したのが印象的!)

彼女は女性のなかでもとりわけ精神力がつよい健全な楽天家なのだろう。めでたし。
26Jan.2018

live_on1 at 15:18エッセイTV 

January 16, 2018

愁眉を開く その3

店長に救われたロードバイクはまさに別物だった。改めて思う。ロードバイクに異音はいけん!

ほぼ1か月のブランクだったが、いつもの練習コースで自己記録に近い数字が出た。音鳴りがし始めてから、やはり無意識にセーブしてしまい、全力で踏み込めていなかった気がする。

Canyonのことをぼろくそに書いたが、愛車が本来の姿を取り戻し、少し頭を冷やして振り返ってみる。

このブランドはツールドフランスに出るチーム(たしか2チーム)にバイクを提供するなど、元来メカニックのしっかりしたプロチームやプロ選手を相手にしてきたのが、ここ数年コンシューマ向けに急拡大してきたそのひずみが、自分のようにババを引いた人間にはとても理不尽で傲慢で冷たい仕打ちとなってのしかかるのではないか。

「異音だ!?」、そんなものロードバイクあるあるじゃ、自分で調べて直せ、と… 

件の店長が言うには、実際ヨーロッパでは自転車屋顔負けの道具と技量をそなえて自力でなんでもやってしまうユーザが多いのだとか。

しかし、ロードバイクに乗り始めて2年半のローンウルフに、ハブを分解してベアリングの破損を見つけたり、あるいは玉押し出しなんて、とてもじゃないがお手上げである。

つまりは、いまからCanyonのサイトを開いてクリックしようかどうか迷っているサイクリストに忠告する。オーダーハンドリングやクレームハンドリングの低劣さに我慢できても、みずからのメンテナンス技術によほど自信がないかぎり、手を出さない方がいい。バイクも工業製品である以上、必ず一定の率で不具合がある。おまけに、

これはCanyonあるあるだが、既存のプロショップは濃淡の差はあれ、ネット直販の同社製品には冷たい。見てはくれても、既述のように、おざなりな見立てでBBを交換して空振りに終わったショップや、はなから修理受付拒否を公言するショップさえある。

自分はたまたまいい店を見つけることができて助かったが、じつは店長ひとりのショップで、ピックアップといってもおのずと地域はかぎられるだろう。それでも、完成車販売は切り捨て、あらゆるブランドに対応し、メンテナンス一本(パーツの持ち込みも可)にかけるという着眼は素晴らしいと思うし、ロードバイク愛好者が増えている昨今にあっては有望なビジネスモデルではないか。

よって、訪問者の少ないブログだが、ショップ名を記して、店長への敬意と謝意を示すことにする。

その名は、Viking the Maintenance 。
16Jan.2018


live_on1 at 23:23ロードバイク 

January 12, 2018

衝撃、ほか

NHK『人体』での山中教授の発言に目が点になった。

ランニングの映像を見せたあと、「骨形成を促すのは衝撃です」と。新鮮だが、なるほどと腑に落ちる。

さらに自転車に乗る映像を見せて、「こと骨形成にかんしては、自転車に乗るのは椅子にかけているのと同じ」という衝撃の発言。実際、3歳で自転車に乗り始め、全米2位までのぼりつめたレーサーが落車骨折の折り、測定すると骨密度が80代レベルだったという!

若い時からの自転車乗りはみな骨粗しょう症予備軍なのである!!!

自転車乗りは、したがって、上りに階段を使うより、下りに階段を使うことに意を用いるべきかもしれない。

***

池坊かでくの坊かしらないが、そしてキタムラ芸人弁護士が加わり、白鵬の張り手かちあげを弁護していた。曰く、ルール上合法であると。

笑止!

形式的平等イコール実質的不平等の典型であることを、ふたりは理解していない。

日馬富士事件が明らかにしたのは、モンゴル人力士会が個々の力士に対して一種の圧力構造をなしているということ。下位の力士が張り手かちあげを横綱大関に対して行ったらどうなるか? ビール瓶で殴らないまでも、「やってくれたな」の威嚇はあるだろうことが白日のもとにさらされたわけである。

白鵬はこうした権力構造に安住してやりたい放題をしているわけである。

さらに、外国人力士は一部屋一人という制限があるらしいが、モンゴル人力士会のような横断的組織が実権をもつと、それが骨抜きにされるということも見えてきたわけである。分かっていないのは、相撲協会だけである。あるいは評議会も横審も、…

***

文在寅大統領(およびかれをかついだ韓国人たち)の対北宥和政策の現実感覚を疑う。

そもそも、文は誰と宥和したいのか? 金正恩か北の人民か? 体制温存を保証の上での交渉ということは、すなわちジョンウンと見るしかあるまい。

文は金正恩と北の人民が、潜在的敵対関係にあることが見えていない。あるいは見ようとしないのか? 

ここには二者択一しかないのであって、両者渾然一体の宥和など画餅にすぎない。

進行中の南北対話は、文が正恩というサイコパスにキンタマ(なにがなんでも宥和したいという弱味)を握られたままの笑劇である。

他人事ではない。繰り返される露日(プーチン鍋)会談も、アベがプーチンにキンタマ(北方領土返還という白日夢)を握られたままの笑劇となること必至。

プーチン、習、正恩、文、アベ、トランプ、… 東アジアはリーダーの砂漠化がとめどない!

12Jan.2018

live_on1 at 12:12スポーツエッセイ 

January 10, 2018

愁眉を開く その2

CANYON日本法人のクレームハンドリングを体験してみると、なるほど、こうやって前線にバカの壁を築いて、クレームを跳ね返し、顧客を辟易させれば、補償費用は劇的に下げられるなと変に感心したことだった。その際、オペレータにインセンティブを払っていれば、まさしく組織ぐるみの〇〇である。

決断をさせたのは、信じがたいこんな発言だった。

「ちゃんと状況説明をしてもらわないと(十二分にした!)、バイクを受け取っても、そのままお返しすることになります(!!!???)」

こんなやつらを相手に消耗するのはやめにしよう。自費で修理してくれる店を探すことにした。すると、地獄に仏、見つかったのである。それが年末。早速状況を説明すると、どこかと違い一発分かってくれて、見てくれるという。ピックアップも可能と。

こうして保険をかけたあと、クソCANYONには、件の支離滅裂メールの一言一句を論破した上で、どちらが正しいか第三者(例えば消費者センター)に判断してもらおう、と書くと、長い長い休み明けに、とうとうピックアップのオファーをしてきた。

遅かりし由良之助! このオファーが届いたのは、上記の店のピックアップ前日だった。しかしここにも高いハードルがあって、適当な段ボールを探して梱包してから宅配業者に渡せという(日本には自転車専用の運送サービスも存在するのに!)。いざバイクを送り届けても、梱包品質をあげつらって「再現テスト不可能でした」といってそのまま送り返すことも可能なわけである。被害妄想かもしれないが、そのくらいこの痛い会社には不信感がつのっていた。

一方、上の店長はバイクに触ってすぐに後輪のハブがガタついていることを見抜く。さらには持ち帰ったその日にハブを分解し、なかのベアリング破断をみつけてくれた。

愁眉を開いたわけがこれである。

10Jan.2018


live_on1 at 20:10ロードバイクエッセイ 

愁眉を開く その2

CANYON日本法人のクレームハンドリングを体験してみると、なるほど、こうやって前線にバカの壁を築いて、クレームを跳ね返し、顧客を辟易させれば、補償費用は劇的に下げられるなと変に感心したことだった。その際、オペレータにインセンティブを払っていれば、まさしく組織ぐるみの〇〇である。

決断をさせたのは、信じがたいこんな発言だった。

「ちゃんと状況説明をしてもらわないと(十二分にした!)、バイクを受け取っても、そのままお返しすることになります(!!!???)」

こんなやつらを相手に消耗するのはやめにしよう。自費で修理してくれる店を探すことにした。すると、地獄に仏、見つかったのである。それが年末。早速状況を説明すると、どこかと違い一発分かってくれて、見てくれるという。ピックアップも可能と。

こうして保険をかけたあと、クソCANYONには、件の支離滅裂メールの一言一句を論破した上で、どちらが正しいか第三者(例えば消費者センター)に判断してもらおう、と書くと、長い長い休み明けに、とうとうピックアップのオファーをしてきた。

遅かりし由良之助! このオファーが届いたのは、上記の店のピックアップ前日だった。しかしここにも高いハードルがあって、適当な段ボールを探して梱包してから宅配業者に渡せという(日本には自転車専用の運送サービスも存在するのに!)。いざバイクを送り届けても、梱包品質をあげつらって「再現テスト不可能でした」といってそのまま送り返すことも可能なわけである。被害妄想かもしれないが、そのくらいこの痛い会社には不信感がつのっていた。

一方、上の店長はバイクに触ってすぐに後輪のハブがガタついていることを見抜く。さらには持ち帰ったその日にハブを分解し、なかのベアリング破断をみつけてくれた。

愁眉を開いたわけがこれである。

10Jan.2018

live_on1 at 20:10エッセイ 

January 09, 2018

愁眉を開く

11月から12月にかけて発生した懸案が心ならずも越年し、気の重い正月だった。それが今日、終結の見通しがたち、愁眉を開いた。

軽いのに剛性がある、剛性があるのに振動吸収性がいい、と高い買い物(ロードバイク)をみずからに納得させてきたが、500km走行したあたりから、カチ・パキ、カラ・コロという異音を発しはじめたのである。最初はまれだったが、徐々に頻度と音量を増して、歩行者や車にも聞こえるほどに。

これはいかんと、「2年保証」を謳い、「困ったときには」というサイトを開いている日本法人の保守センターへメールを投げる。もちろん、ネットでいろんな情報を得て、最低限の自己チェックは済ませた上である。そのことも書いた。当然こちらは、すぐにもピックアップサービスのオファーがある(このメーカーは実店舗を持たない)ものと思っていたら、とんでもなかった!!

ここは確認したか、あそこは(?)、と箇条書きの質問がくる。ぐっとこらえて確認済と返すと、そこからがしつこかった。一度で済まないものかと思うが、些末な質問を小出しにしてくる。何度かの往復の末に、終始匿名の相手が、「どこで鳴っているのか言ってくださらないと( … )わからない」と、原因究明の責任をこちらに押しつけてくる。(それまでのしつこい問診は何だったのか!???)

頭にきて、「てめえの売りつけたクソバイクが鳴ってるんだよ!」と書いてやると、しばし沈黙。切れたついでに早まって、こんなとき一番グレーとされるBBというパーツを身銭を切って交換。しかし症状は消えず、空振りに終わる。詳細は省くが、最後に残った容疑者は後輪ハブだった。それを伝えると返ってきたメールが噴飯ものだった。

十何通目かのメールで「症状をちゃんと伝えてもらわないと…」という。一貫して匿名なので、書き手が代わっているのかは分からない。代わるにしても発端からの経緯を知悉した上で返答しそうなものだが、そうではないらしい。笑止だったのは次の段落では「症状をお聞きする限り、ハブの故障ではない」と書き、さらに「故障だとしても、それは使用による劣化(…だからあきらめろ)」という。(わずか600km走っただけで劣化するハブってなに!!!???) さらにさらに可笑しかったのは、「そのハブはパーツメーカーの保証期間が切れているのでわが社が保証する話ではない」ときた。

こいつらは、顧客に対するメーカー保証と、メーカーに対するパーツメーカー保証の区別さえ分かっていないのである。

これからの購入を検討している人々のために書くが、この会社はCANYONという。ドイツの自転車メーカーである。ネット直販というビジネスモデルで躍進する。2年ほど前に日本法人を立ち上げたが、それが上のこいつらである。

クリックひとつで買えるが、ひとたびクソバイクにあたった(モノづくりには一定の率かならずある)日には、地獄であるぞ。心して買え!


なぜ愁眉を開いたか、まだ書いていなかった。それは次稿にて。
9Jan.2018


live_on1 at 15:41ロードバイクエッセイ 

愁眉を開く

11月から12月にかけて発生した懸案が心ならずも越年し、気の重い正月だった。それが今日、終結の見通しがたち、愁眉を開いた。

軽いのに剛性がある、剛性があるのに振動吸収性がいい、と高い買い物(ロードバイク)をみずからに納得させてきたが、500km走行したあたりから、カチ・パキ、カラ・コロという異音を発しはじめたのである。最初はまれだったが、徐々に頻度と音量を増して、歩行者や車にも聞こえるほどに。

これはいかんと、「2年保証」を謳い、「困ったときには」というサイトを開いている日本法人の保守センターへメールを投げる。もちろん、ネットでいろんな情報を得て、最低限の自己チェックは済ませた上である。そのことも書いた。当然こちらは、すぐにもピックアップサービスのオファーがある(このメーカーは実店舗を持たない)ものと思っていたら、とんでもなかった!!

ここは確認したか、あそこは(?)、と箇条書きの質問がくる。ぐっとこらえて確認済と返すと、そこからがしつこかった。一度で済まないものかと思うが、些末な質問を小出しにしてくる。何度かの往復の末に、終始匿名の相手が、「どこで鳴っているのか言ってくださらないと( … )わからない」と、原因究明の責任をこちらに押しつけてくる。(それまでのしつこい問診は何だったのか!???)

頭にきて、「てめえの売りつけたクソバイクが鳴ってるんだよ!」と書いてやると、しばし沈黙。切れたついでに早まって、こんなとき一番グレーとされるBBというパーツを身銭を切って交換。しかし症状は消えず、空振りに終わる。詳細は省くが、最後に残った容疑者は後輪ハブだった。それを伝えると返ってきたメールが噴飯ものだった。

十何通目かのメールで「症状をちゃんと伝えてもらわないと…」という。一貫して匿名なので、書き手が代わっているのかは分からない。代わるにしても発端からの経緯を知悉した上で返答しそうなものだが、そうではないらしい。笑止だったのは次の段落では「症状をお聞きする限り、ハブの故障ではない」と書き、さらに「故障だとしても、それは使用による劣化(…だからあきらめろ)」という。(わずか600km走っただけで劣化するハブってなに!!!???) さらにさらに可笑しかったのは、「そのハブはパーツメーカーの保証期間が切れているのでわが社が保証する話ではない」ときた。

こいつらは、顧客に対するメーカー保証と、メーカーに対するパーツメーカー保証の区別さえ分かっていないのである。

これからの購入を検討している人々のために書くが、この会社はCANYONという。ドイツの自転車メーカーである。ネット直販というビジネスモデルで躍進する。2年ほど前に日本法人を立ち上げたが、それが上のこいつらである。

クリックひとつで買えるが、ひとたびクソバイクにあたった(モノづくりには一定の率かならずある)日には、地獄であるぞ。心して買え!


なぜ愁眉を開いたか、まだ書いていなかった。それは次稿にて。
9Jan.2018

live_on1 at 15:41エッセイ 
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